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その子に合わせた細やかな対応が必要(※イメージ)
アレルギーの食べ物あえて食べる「経口免疫療法」 小麦は8割以上成功〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160313-00000001-sasahi-life
AERA 2016年3月7日号より抜粋
今、食物アレルギーの新たな治療法が注目されている。アレルギーの原因となっている食物を少しずつ食べて治す方法なのだが、取り入れるには注意が必要なようだ。
食物アレルギーの医療はここ10年ほどで大きく変わった。原因食物がわかった場合、以前は完全除去が指導されていた。だが、アレルギーの原因と考えられるものを少量食べさせて反応を見る『食物経口負荷試験』などで一定量は食べられると判断された場合、必要な栄養を可能な限り摂取させる「必要最小限の除去」が主流になっている。近年注目されている「経口免疫療法」は、その延長線上の治療と言えるだろう。
経口免疫療法は、原因食物をごく少量から毎日食べ、段階的に増やして目標量を食べられるようにしていく治療法だ。
まず負荷試験でその子が原因食物をどれくらい摂取するとアレルギー反応が出るのか、上限を確認する。この上限によって、牛乳なら1日5??から始められる子もいれば、1??からスタートしなければならない子もいる。食べれば当然アレルギー症状は出るが、重い症状でなければ徐々に量を増やし、目標達成を目指す。牛乳の最終目標は昭和大学の場合、200??だ。
目標量に達したら、そのまま食べ続け、3カ月間症状なく経過したら今度は14日間完全除去した後、15日目に病院で200??を摂取。アレルギー症状が起こらなければ治療終了だ。
無症状が3カ月続いても、14日間抜けば、15日目に飲んだときに半数がアレルギー症状を起こす。少し戻ってやり直すが、何回か繰り返すことで、多くが最終目標を達成できるという。
「小麦は8割以上が成功します。次いで卵。牛乳はやや難しい。食べられるようになるケースが多いですが、治療中に症状が強く出て、中止せざるを得ない場合もあります」(同)
千葉県在住の田辺恵理子さん(38)=仮名=のひとり息子、悟くん(9)=同=は、生後半年で牛乳アレルギーと診断され、主治医の指示で乳製品の除去食を続けてきた。小学校では給食を除去対応してもらっていたが、地域のサッカークラブの合宿に参加しようとしたところ、クラブ側から「宿泊施設では細かいアレルギー対応ができないから」と断られてしまった。大粒の涙を流す悟くんの姿に、恵理子さんは胸が締めつけられた。
悟くんは経口免疫療法に挑戦。牛乳1日5??から始め、1年経たずに300??を飲めるようになった。治療後の昨年秋、一家は観光牧場に旅行した。悟くんは、1年生の遠足ではみんなが食べるのを横目で見ていたソフトクリームを恐る恐るなめた。
「口の周りをクリームだらけにして『おいしい! 本当は遠足でも食べたかったんだ』って。あのときの笑顔は今でも忘れられません」(恵理子さん)
今年の夏はサッカーの合宿にも参加できそうだ。
ただし、経口免疫療法は標準治療ではなく、いくつかの病院が臨床試験として実施している研究段階。そのため増量するスピードや、入院・通院のいずれで行うかなど、やり方は病院によって異なる。今井医師は、「危険を伴う治療だという認識を持ってほしい」と強調する。アレルゲンをあえて食べさせるので、治療中は全ての段階で重篤なアナフィラキシーショックを含めた症状が誘発される可能性がある。親は常備薬も含めアレルギー反応が起きた場合の対応ができるように準備と覚悟が必要だ。
「食べさせた後、少なくとも60分間は子どもの様子を観察する必要があります。忙しくて見られないというくらいなら、リスク管理の観点から最初からやらないほうがいい」(今井医師)
子どもにも根気が必要だ。治療で原因食物を食べた後は口の中の違和感や体のかゆみなど、程度の差はあれ必ず不快な症状が現れる。それでも食べ続けなければならず、飽きっぽい子や落ち着きのない子は続けられないという。
「この治療を始めたいと思っているお母さんは、まず子どもの気持ちを想像してみてほしい」
そうアドバイスするのは、心の問題に詳しい国立成育医療研究センターの大矢幸弘医師だ。
「親からずっと『絶対に食べてはいけない』と言われてきた食べ物を、いきなり『今日からは食べなさい』と言われた子どもは戸惑ってしまいます」
除去していた期間が長ければ長いほど、その食べ物を怖いと感じ、嫌いになる子も多い。それを毎日、治療で薬のように食べさせられても苦痛なだけで続かない。
「無理強いしても治療がうまくいかないことは、これまでの臨床研究の経験から明らかです。まず子どもがその食べ物をどう思っているか、聞いてみてください。たとえば卵アレルギーで卵そのものは嫌だけれど、ケーキをずっと食べてみたかったという子には、ケーキから始めるなど、その子に合わせた細やかな対応が必要です」(大矢医師)
(ライター・熊谷わこ)
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