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朝起きた時から肩が凝っている人は要注意(C)日刊ゲンダイ
睡眠の質と冷えに原因あり 「朝型肩こり」が体の不調招く
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/170350
2015年11月26日 日刊ゲンダイ
肩凝りには、通常の肩凝りと「朝型肩凝り」がある。もし、朝型肩凝りなら、放っておくと、頭痛、めまい、下痢、倦怠感などのさまざまな不調を招くかもしれない。「朝型肩凝り」に着目して治療を行う「目黒西口クリニック」の南雲久美子院長に聞いた。
■「朝、起きた時から肩が凝っている」は危険信号
五十肩などを除いた慢性的な肩凝りは、血流が悪く、疲労物質が蓄積されることで起こる。
いま、それに最も強く関係しているのは、パソコンやスマホ。目を一点に集中させ、長時間同じ姿勢を続けるので、筋肉の緊張が起こりやすく、血流が滞る。一年を通して午前中はそうでもないが、午後から夕方にかけて肩凝りがひどくなる人は、このタイプだ。
一方、「朝型肩凝り」の特徴は、朝、起きた時から肩が凝っている。さらに、夏の間は程度が強くなかった、あるいは自覚していなかったが、気温が下がり始める季節になって、肩が凝り出した。もし、あなたがそうなら気をつけたほうがいい。
「主要な原因は、睡眠の質の悪さです。健康な人なら、睡眠中は副交感神経が優位に働いて体がリラックスし、目覚めた時はすっきりしている。ところが、睡眠の質が悪いと睡眠中も副交感神経が優位に働かず、交感神経の働きで筋肉が緊張状態にあるので、朝、ひどい肩凝りを感じるのです」
この朝型肩凝りが気温低下とともに起こりやすくなるのは、原因である睡眠の質の悪さに、「冷え」も加わるからだ。
「肩を布団から出して寝ている人が多く、冷えの影響をもろに受けます」
つまり、朝型肩凝りは睡眠の質の悪さと冷えのサイン。肩凝りにばかり目がいくが、根元にある2つを改善しなければ、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態が続き、冒頭のような不調を引き起こしかねない。
これらは器質的疾患(検査で見つかる明らかな異常)がないので、一般的な医療機関では治療の方法もなく、お手上げ状態になることも少なくない。自律神経失調症と冷えの治療をライフワークにする南雲院長のもとには、「なんとか改善策はないか」と来院する患者が多いという。
「睡眠の質の悪さには、いくつか原因があります。睡眠時無呼吸症候群やうつ病、アルコールの過剰飲酒やストレスなどです。それらを取り除かなければなりませんが、同時に睡眠の質の悪さによる交感神経と副交感神経の働きの乱れも調整していかなくてはなりません」
「睡眠の質の悪さ→冷え→朝型肩凝り」という悪い流れになっているので、これを断ち切る。特に攻めるのは「冷え」だ。温泉につかった夜、ぐっすり眠れた経験を持つ人は多いだろう。体を温めると副交感神経が優位に働き、これだけでかなり睡眠の質が高まる。
■男性更年期の原因にも
ひどい冷え性だという南雲院長は、自らの経験を生かしたアドバイスを患者に行っている。
「市販の磁気治療器や、首・肩を温めるグッズを活用してください。ショウガやスパイスを意識して取るのもいい。私は時間がある時にショウガを大量にすりおろし、薄くのばしてラップで包み、冷凍庫に保存します。そして、味噌汁や紅茶、麺類などに入れて毎日のように食べています」
男性で、冬でも汗をポタポタかく人は、体内の温度調整がうまくできておらず、「無自覚冷え性」の可能性が高い。冷たいコーヒー、ビール、生野菜、刺し身など非加熱料理を減らし、酒はお燗した日本酒、料理は鍋やおでん、煮物などの加熱料理にするといい。
最近、注目を集めている男性更年期障害(LOH症候群)についても、南雲院長は言及する。
「患者さんの話を聞くと、睡眠の質が悪く、朝型肩凝りを感じている人が大半。LOH症候群の治療はホルモン療法ですが、その前に日常生活を改善し、体を温めるべきです」
早速、今夜は体が温まる鍋でいくか。
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