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1日3個!(C)日刊ゲンダイ
温州ミカンに多し 「β−クリプトキサンチン」の健康パワー
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/168241
2015年11月1日 日刊ゲンダイ
寒くなると出回るのが「ミカン」。昔から「ビタミンCが豊富」「食べると風邪をひかない」などといわれてきたが、最近の研究によって改めて健康効果が実証された。風邪だけでなく肝機能障害や骨粗しょう症などにも効果が期待できるという。そうした健康効果をもたらす成分が「β―クリプトキサンチン」。聞きなれない名前だが、いったい何者?
「β―クリプトキサンチンとは、ニンジンに含まれるβ―カロテンと同じカロテノイドの一種で、ミカンの橙色の色素成分です。ビタミンAの原料ともなり、抗酸化力が非常に強いので、たくさん食べると病気にかかりにくくなるといわれています」
こう言うのは管理栄養士の安中千恵氏。その他のカロテノイドの例としては、トマトのリコピンなどが挙げられる。
このβ―クリプトキサンチンが注目されたきっかけは、「三ケ日町研究」と呼ばれる疫学調査。農研機構果樹研究所(静岡市)と浜松医科大などが2003年に始めたもので、「三ケ日みかん」ブランドで知られる静岡県西部の三ケ日町の住民1000人以上を対象に、ミカン食と健康の因果関係を長期的に調べた。その結果、ミカンに含まれるβ―クリプトキサンチンが、インスリン抵抗性や肝機能障害、喫煙・飲酒による酸化ストレス、メタボ、骨粗しょう症に対して予防などの健康効果が期待できることがわかった。
同町の「JAみっかび」は、これらのうち「骨粗しょう症」に注目。三ケ日みかんを「機能性表示食品」として消費者庁に届け出。骨の健康に役立つβ―クリプトキサンチンを多く含むと箱に表記して、今年11月上旬から売り出す。
JAみっかび広報センターの久米覚さんは、「1日3個以上が目安。甘いほどβ―クリプトキサンチンを多く含みます。これを機に、年々進む“ミカン離れ”を食い止められれば」と期待する。
ちなみにβ―クリプトキサンチンは、柑橘類だと温州ミカンに最も多く含まれ、オレンジの約10倍。同等に含む物は他に柿やパパイアなど。ミカンが最も手軽だといえる。
ミカンを食べると手が黄色くなるのはこのβ―クリプトキサンチンのせい。いくら食べても、同成分が体に害を与えることはないそう。
さらにいいのは、「持続性」が高いこと。食べると2〜3カ月は血中に成分が残るという。つまり冬の間に食べておけば、夏ごろまでその健康効果が体内で続くのだ。
ただし気になるのは糖分。前出の安中千恵氏は言う。
「ミカンには果糖が多く含まれるので、食べ過ぎると中性脂肪の原因となります。ただし、1日数個など常識の範囲内なら全く問題ありません。それ以上に期待できる健康効果が大きいので、お菓子やご飯など他の糖類を控えるなどしてでも、食べて欲しいですね」
1日ミカン3個――これが健康への合言葉だ。
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