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宮田医師が薦める3タイプの体操(C)日刊ゲンダイ
要介護1が半年で要支援2に 「筋出力リハビリ」の劇的効果
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/166529
2015年10月17日 日刊ゲンダイ
内閣府の発表によると、現在、要介護者の認定人数は600万人を超え、65歳以上の約18%を占める。高齢者の介護問題は誰にとっても大きな関心事だが、そんな中、注目を集めている要介護者向けのリハビリ方法がある。“筋出力リハビリ”だ。
筋出力リハビリとは、筋力を増やすのではなく、“今ある筋肉を最大限使えるようにする”というもの。高齢になっても寝たきりにならず、歩く、入浴するなど日常生活が送れるよう自前の筋肉の“出力”を高めることが目的だ。
筋出力リハビリの生みの親、整形外科医の宮田重樹医師が言う。
「多くの高齢者の筋肉は緊張がなく、フニャフニャ状態です。高齢者に必要なのは、硬くなった筋肉をほぐすストレッチや筋トレではなく、まずは使っていない筋肉を使えるようにすること。コレが最優先課題です。国の財政難で今後、要介護2以下は切り捨てられる可能性は非常に高いですから、寝たきり予防は急務です」
普段使っていない足や腹の筋肉を目覚めさせ、稼働状態にすれば転倒や寝たきり予防に大いに役立つという。
筋出力リハビリの特徴は器具を使わないこと。椅子から立ち上がる、座ったまま足を水平になるまで上げる、壁に手をついて片足で立つなど至ってカンタン・低コストだが、これが驚くほどの効果を上げているのだ。
■脳梗塞で半身まひの男性が立った
宮田医師が考案した筋出力プログラムを実施するデイサービス「SD健寿 東尾久店」には、現在40人が通っている。その一人、80代の女性はこの春、大腿骨を骨折し要介護1の状態だったが、週2回、通ったところ半年後には要支援2にまで改善。また脳梗塞で右半身麻痺の60代の男性は、つかまり立ちもできなかったのが、1年後には手すり伝いに歩けるようになった。男性の妻は「介助が楽になった」と喜んでいる。
腰痛で、前かがみになってしか歩けなかった70代の女性はリハビリで体幹がつき、姿勢を起こして歩けるようになった。80代後半の女性も杖なしで散歩ができるようになった。なかには、改善してしまったために認定が外れ、自費で通っている人までいる。ここに通う8割以上の人が、日常動作の改善に効果があったと答えている。
「筋出力プログラムの3本柱は、バランス、下肢(脚部)・体幹、持久力です。歩くにはバランスが必要ですし、体幹が衰えると姿勢よく座っていることができません。また、大きく足を踏み出すためには、脚部の筋出力が重要です。このうち1つでもダメになると、徐々に寝たきりになっていくんですね。指導しているリハビリは自宅でもできるものばかりです」(「健寿」代表者・谷垣隆氏)
健常者であるうちからやっておきたい筋出力アップ法はこうだ。
【バランス筋出力アップ】=写真@
一本線の上を歩くイメージで、片方の足の爪先と、反対側の足のかかとをつけるようにして進んでいく。壁に手をついてOK。「前後の体重移動の練習で、かかと重心から爪先重心に改善します」(谷垣氏)
【体幹筋出力アップ】=写真A
床にあおむけに寝転び、両足を立てて腰を浮かして5秒間キープ。
「できるようになったら、片足を上げてみてください」
【持久力アップ】=写真B
15〜20センチくらいの高さのステップ台を上り下りする。右足から上る、左足から上るを各2分半。
70歳を過ぎたら始めよう。
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