1. 2015年8月28日 17:41:42
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がん患者減少に成功したアメリカ ただしがん治療という点でいえば、「がんにならないこと」、つまり予防が一番大切です。現在、日本では、毎年30万人ががんで亡くなっています。 一方、がん患者が増え続けていたアメリカで、この7〜8年、がん患者が減り始めました。がんによる死亡者も一時は60万人を超えそうだったのがどんどん減って、50万人ぐらいになっています。がんの治療から予防へと、抜本的に考え方を変えたからなのです。
7〜8年前から、アメリカの国立がんセンターは、「がんの予防」を提唱し始めました。がんを予防するために無農薬有機栽培の野菜・果物・穀類を1日600グラム以上食べようという指針を出したのです。 具体的な食べ物として筆頭にあげたのがニンニクです。それも毎日食べたほうがよく、2番目が十字葉野菜。十字葉野菜というのは、ブロッコリーのように茎が十字の形になっている野菜です。キャベツの芯も十字に交差しています。アメリカ国立がんセンターががん予防の指針を具体的に出してから、アメリカのがん療法がガラッと変わったのです。 とにかく今の日本のがん患者の増大は相当深刻です。生まれたばかりの赤ちゃんが子宮がんなんていう事例もありました。何のために産まれてきたんだろうということですよ。お母さんの栄養が足りなかったのかしれない、ダイオキシンの問題もあったかもしれない。 ロジャー・ウィリアムスという栄養学の先生の本を読むと、胎内でほぼ10才までに起きる病気は決まってしまうと言うのです。お母さんの血液の質が問題だからです。 だから女性にはきちんと栄養を摂取して生理痛も生理不順もない状態で妊娠してもらいたい。それではじめて子どもが産める環境が整うのです。特に若い女性には、おいしいものではなく、体にいいものを食べてほしいと思います。 ・ミネラルたっぷりの野菜を食べよう
――具体的には何を食べ、何を食べてはならないのですか。 ・食事というのは何のためにするのでしょうか。
日本的な栄養学では、食事というのは私たちが頭を働かせたり体を動かしたりするためのカロリーを摂取するためのものとして扱われています。 ところが本当は食事というのは私たちの体を構成する細胞そのものが正常に分裂して体を再生産するためにとるものなのです。細胞が正常に分裂するのに必要な栄養というのはカロリーではありません。 カロリーももちろん必要なのですが、その前に必要なのがミネラルです。 ミネラルがなければビタミンが働かない。 ビタミン剤がいっぱい売られていますが、ミネラルがなければビタミンは働かないのです。 現代人はこのミネラルが不足しています。 日本では無農薬有機栽培の作物は虫が食うといいますよね。 ところがカリフォルニアで無農薬有機栽培でOKになっている野菜をみると、ほとんど虫が食べていないのです。 ぼくは最初、これは偽物ではないかと思った。 ところが農場まで見に行って、本物であることがわかりました。 実はカリフォルニアでは、40種類以上ミネラルが土に戻った畑で栽培された作物でないと有機栽培と言わないのです。 日本にはそうした基準はありません。 無農薬で有機のたい肥を使っていればそれだけで有機栽培と認めてしまう。 では、いつから日本の畑の土からミネラルが無くなってしまったのか。 アメリカもそうですが、窒素リン酸カリの化学肥料のせいです。 日本では戦後、とにかく化学肥料を大量に畑にまいた。 作物が大きく育ち、収穫が増えるからと。 ところがその結果、土のなかのミネラルが足りなくなってしまったのです。 作物の柄は大きいけれど虫が食うようになってしまった。 それで大量の農薬を散布するという悪循環に陥ってしまったわけです。 ミネラルがきちんと含まれていれば、虫は作物を食べられない。 人間も同じです。 ミネラルが十分とれている人はアトピーなどには絶対になりません。 ミネラルを十分にとるためには、無農薬有機栽培の野菜・果物・穀類を食べることです。 また海藻や小魚も20種類から30種類のミネラルがとれる可能性があります。 それから二つ目は、僕のいう植物栄養素をとることです。
ビタミンAやBやC、それぞれ重要なのですが、そうしたビタミンを支えている栄養というのがあるのです。 たとえば50〜60グラムのレモン一個にビタミンCが50ミリとか60ミリ含まれています。だいたいレモン一個の1000分の1がビタミンC。 では1000分の999は何かというと、ほとんど水分です。しかし水分と言っても、たんなるH2Oとは違う。 様々なミネラルなどが含まれているのです。だから栄養的に言えば、違う栄養がいっぱいあった上でビタミンCが存在しているからビタミンCがビタミンCの働きをするのです。 ビタミンC自体は、分子構造から合成できます。今、ビタミンCはほとんどジャガイモから作っている。そのジャガイモもほとんど遺伝子組み替えなんです。ビタミンA、B、Cとかいうのは、もちろん大事な働きをするのですが、それが働くためには「環境」が必要です。それを支える物質を「植物栄養物質」と呼んでいます。 現在、2000種類の植物栄養物質がわかっています。そのうちニンニクには216種類が含まれています。 だからアメリカがんセンターはニンニクを食べることを奨励しているわけです。安全な野菜・果物・穀類を、とにかく何でもたくさん食べることです。 ただしその場合、電子レンジの問題があります。
――エッ、電子レンジはいけないの……。
・電子レンジにかけるとタンパク質の元であるアミノ酸の型式が変わってしまうのです。 地球上にあるアミノ酸というのはL型。私たちの体も、肉も魚も全部L型のアミノ酸でできています。 ところがそれを電子レンジにかけるとD型に変化してしまう。 そうすると、私たちはいくらD型のアミノ酸を摂取しても髪の毛も皮膚も血液も作れない。 酵素も遺伝子も作れないわけです。
お弁当買ってきて電子レンジでチーンすると、お弁当の中のお魚・ご飯・お肉の中のアミノ酸の一部がD型に変化してしまう。一度変化してしまうと、L型に戻せる酵素を人間は持っていない。 これは深刻な問題ですね。
若い人にアルツハイマーが増えていますが、アルツハイマーの若者の脳の血液の中に、なんかくずみたいなものがいっぱいウヨウヨしていると言うのです。 ぼくはこれはD型のアミノ酸ではないかと思っているのです。 便利だからと、みんな平気で電子レンジでチンしている。 電子レンジをやめただけで病人は15%〜20%ぐらい減るのではないか。環境問題と同時に食事の環境も問題にしてほしい。 「自然が一番」とかいいながら電子レンジでチンというのはどうですかね。 ・.砂糖やあぶらも要注意
・食品添加物や保存料にも目を向けないといけません。 アメリカ・ニューヨークの子供たちの学力テストのデータがあります。 1970年代にニューヨーク市で小中学校の給食から脂肪を9割、砂糖・食品添加物・防腐剤・保存料を全部カットしたところ、全米の学力試験でニューヨーク州100万人の子供たちの平均点が4年間で16点も上がった。 これは全米のレコードとなり、いまだに破られていません。
ニューヨーク市は、「教師の数を増やしたわけでもカリキュラムを変えたわけでもない。生徒の数を減らしたわけでもない。ただ学校の給食を変えただけだ」とコメントしています。 「給食はまずくて嫌だ」とハンバーガー屋なんかで買って食べているグループと学校の給食をきちんと食べていたグループでは、成績の上位は全部学校の給食を食べているグループでした。 児童・生徒に落ち着きがないといったことが日本では問題になっていますが、こうした学校給食の問題をもっと考えた方がいいのではないでしょうか。 ―砂糖や油もよくないのですか。
・白砂糖がなぜいけないのかというと、要するにビタミンやミネラルが含まれていないからです。 黒砂糖やメープルシロップ、精製していない蜂蜜ならまだいい。 蜂蜜でも、加熱してしまったものは酵素などが死んでしまうからダメです。 実はがん細胞は白砂糖のような他の栄養物質がない「純粋な砂糖」をエネルギー源にしていることがわかっています。 最近、CTやMRIよりももっと詳しくがんを調べることができるPET(ペット)という検査機械が出てきました。 このペットというのは、がん細胞が砂糖を餌にしているという考え方をもとにした検査器具です。 患者さんに放射性同位元素をくっつけた砂糖を点滴する。 そうするとがん細胞がその砂糖を摂取するからがんの部分に放射性同位元素が集中し、それがペットで検出されるのです。
こうしたがん検出器具があるということは、がん患者には砂糖の多い高カロリー食はダメだと分かるわけではないですか。 ところが日本の病院では、手術したあとのがん患者さんに朝からプリンやアイスクリームを食べろと言う。これではがんは再発してしまう。 普段気をつけなければいけないものにもう一つ油があります。
食べすぎてはならないのは、オメガの6と言うリノール酸が入っている油です。普通のサラダ油はみんなそれです。これを炒め物に使うのは絶対ダメです。 自然の脂質型からトランス型って変わって炎症を引き起こす原因になる。 それから最初からトランス型になっているマーガリンやショートニングは、絶対食べてはいけません。 ショートニングというのはマクドナルドなどのポテトフライの油です。 それからクッキーにも入っています。 炒め物をするならオリーブオイル以外は使わないことです。 オリーブオイルはオメガの9という油で、そんなにダメージはありません。いずれにしても極力油の量は減らさなければいけませんね。 (せいき社ホームページに掲載:NPO法人癌コントロール協会代表 森山晃嗣さんに聞く)
http://www.npo-gancon.jp/rigi/ |