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朝食を抜くと健康になる?食事の回数減で寿命が延び、体調不良も解消?
http://biz-journal.jp/2015/08/post_11154.html
2015.08.18 文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター Business Journal
「朝食は体に悪い」との説が話題になっている。
『朝食有害説―「一日二食」で健康に生きる』(渡辺正/情報センター出版局)、『生活習慣病に克つ新常識―まずは朝食を抜く!』(小山内博/新潮社)、『栄養学常識のウソを突く―長生きしたければ朝食は抜きなさい』(著:東茂由、監修:甲田光雄/河出書房新社)、『朝食を抜くと、なぜ健康になるのか』(松井二郎/サンマーク出版)、『朝食を抜くと健康になる』(石原結實/PHP研究所)など、朝食の抜くことで健康になると主張する著書も相次ぎ、その正当性も明らかになりつつある。
その主な理由としては、朝食を摂ることで身体機能が低下するというものだ。
「飢餓に陥った人間の体では病体のタンパク質をエネルギー源として消化して、結果的に破壊せしめるという自己融解現象が発生する」(『朝食を抜くと健康になる』より)
つまり、空腹時間を確保し、“飢餓状態”をつくることで免疫力が向上するというのだ。実際に、「長寿遺伝子」「抗老化遺伝子」などと呼ばれるサーチュイン遺伝子は、飢餓状態の時に活性化し延命効果をもたらすといわれている。
空腹状態とは、言い換えれば内臓を休める時間をつくるという意味だ。内蔵は、消化活動をしていない時には体の機能を高める働きに力を使うと考えられている。数日絶食すると、血色がよくなり、肌にツヤが出てくるのを体感したことがある人も多いだろう。逆に、夜寝る直前に食事をした場合など、寝ている間にも内臓が働き続けるため、朝起きたときに体が重くなりがちだ。
■一日2食で十分
そもそも多くの国で、人間は古来一日2食だった。日本でも江戸時代中期までは2食で、後期から武家が3食にし始め、農家は明治時代から3食になった。
それがいまや学校では、「朝ごはんを食べた子と食べなかった子では、集中力に差が表れ、毎日朝ごはんを食べている子は、毎日食べていない子に比べて成績が良い」というデータを示し、必ず朝ごはんを食べるように指導する。農林水産省も同様の指導をしている。
確かに、咀嚼することで脳は覚醒し、集中力は増す。これは、ガムを噛むと眠気を防止したり、集中力を高める効果が実証されており、間違いないだろう。また、ご飯を食べることで脳のエネルギー源であるブドウ糖も補給できるため、朝食が重要との説は理にかなっているように思える。だが、それが内臓にとって良いことの証明にはなっていない。さらに、胃に食べ物がない状態のほうが脳はよく働くとの研究結果もあり、朝食を摂ることが成績向上につながるとは言い切れない。
また、朝は胃腸がまだ十分に覚醒しておらず、そこへ無理に食物を詰め込むことは負担が大きく、十分に消化されない。無理して朝食を摂り続けると、胃酸の出が悪くなり、胃を弱める可能性がある。朝食を摂る場合でも、起きてから数時間空けることが望ましい。
理想的には、午後6時ごろに夕食を摂り、10時ごろに就寝し、翌朝4〜5時ごろに起床、朝食は摂らずに12時ごろに昼食を摂るというサイクルが最も健康的だ。しかし、仕事の都合で夜が遅い、接待などで夕食や飲み会があるという人もいるだろう。そのような場合、なるべく肉など胃にもたれるものは遅い時間帯に食べないようにし、寝るまでの時間を確保するように意識したい。
胃腸が弱い人、便通に悩んでいる人、寝起きが悪い人など、体調不良に悩んでいる人は、一度騙されたと思って食事の回数を減らしてみてはいかがだろうか。夜寝る前の数時間と、朝起きてからの数時間を食べないようにすると、驚くほど体の調子がよくなり、特に内臓の機能は高まるのを体験できるはずだ。
(文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター)
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