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全英帰りの松山英樹も福島の暑さにグッタリ(C)日刊ゲンダイ
猛暑続く夏 「暑さに弱い人」がチェックするべき3つのこと
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/162242
2015年7月31日 日刊ゲンダイ
梅雨明けした途端、九州から北海道にかけて広いエリアで猛暑日を記録。熱中症で搬送される人が相次いでいる。そこまでひどくならなくても、暑さに弱く体調を崩す人と、持ちこたえる人は何が違うのか。
体温調節で重要なのは、汗を出す汗腺だ。その数は人種差があり、200万〜500万個で、暑いエリアに住む人ほど多い。日本に住む日本人より、ハワイの日系人の方が汗腺が多いという報告もあって、環境の影響を受けやすい。
小児科医の澤田啓司氏は自身のブログで、「日本人の汗腺の数は大体230万で、2〜3歳までの環境でその働きが変わってくる」と指摘。赤ちゃんの頃によく汗をかいておけば、汗腺が鍛えられ、暑さの適応力を身につける。極論すると、“暑い地方に住む夏生まれの人”の方が暑さに強いといえる。
そういえば、「フェアウエーは40度超だった」(担当記者)先日の福島オープンを制したのは、常夏のタイから参戦した49歳のマークセン。松山英樹(23)に6打差つけての優勝は、暑さの適応力が呼び込んだ勝利か。
「水をこまめに飲むか、ガブ飲みするかの違いも大きい」と言うのは、東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏。熱帯病の専門家ながら、水についての研究も重ね、「正しい水の飲み方・選び方」などの著書もある。藤田氏が続ける。
「水分含有量は体重の50〜60%で、そのうち5%が脱水すると、めまいや立ちくらみなど軽い熱中症になります。ところが、2%の脱水だと、のどの渇きを感じるのですが、それ以上だと、のどのセンサーが鈍り、渇きを感じにくくなるため、普段からこまめに水分を取る人より、まとめて水を飲もうとする人の方が、脱水症状が引き起こされる恐れがあるし、暑さに負けやすいのです」
■内勤の会社員は“汗腺力”が衰えやすい
冒頭の汗腺は、大人になってからも環境の影響を受ける。大人の“汗腺力”と水の飲み方を加味すると、仕事によっても暑さの適応力の差が見えてくる。
「外回りの営業マンは、日光を浴びて“汗腺力”が磨かれる上、打ち合わせの合間にこまめに水分を取ることができますから、一番、暑さに強い。人事や経理、総務などの内勤は、“汗腺力”こそ鍛えられませんが、ある程度自分の都合で水分を取ることができる点で、暑さに負けることはありません。危ないのは、内勤でありながら思うように水分を取れない部署の人。たとえば、銀行や携帯ショップ、役所の窓口の人、百貨店や量販店の販売スタッフなどは“汗腺力”が衰えやすい上、仕事柄、脱水も続きやすい。イベントスタッフなども要注意です。内勤の人は、暑さの中でもランチに遠出したりすると、汗腺が鍛えられます」(西崎クリニック・西崎統院長)
危ない働き方の人たちが仕事帰りにビールやハイボールをガブ飲みすると、のどの渇きが薄れたように感じても、アルコールの作用で脱水が進む。翌朝の通勤中に暑さでやられるのは、そんなケースだという。
もう一つ見逃せないのは、寝室の広さだ。
「広い部屋と狭い部屋を比べると、狭い部屋の方が蒸して、熱がこもりやすい。寝室が狭い方は、比較的広いリビングで休むなど工夫すると、暑さに負けにくくなります」(西崎氏)
JR東海の運転士が熱中症になったのは、直射日光が当たる狭い運転室に閉じ込められた上、水を飲めない状況が影響したか。
独居老人が亡くなるのも、多くは狭い部屋だ。暑さに弱い人は、いま一度、“汗腺力”を鍛え、水の飲み方と寝室をチェックすることだ。
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