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5つの生活習慣を実践すればリスクは4割減(C)日刊ゲンダイ
重要項目は6つ がん予防は「リスク」の正確な数値を知るべし
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161515
2015年7月8日 日刊ゲンダイ
がん予防の情報はあまたあるが、一体何を信じればいいのか。国立がん研究センターの予防研究班は、がんの原因と思われるさまざまな要因について、その因果関係を科学的根拠に基づいて明らかにし、現状では6項目(喫煙、飲酒、食生活、肥満、運動不足、感染)が重要としている。がん予防・検診研究センター長の津金昌一郎氏は言う。
「全国11の保健所の協力を得て、40〜69歳の男女、総計14万420人を対象に、がんとその他の病気の罹患について20年以上にわたって追跡調査しました。その結果を分析すると、『禁煙』『節酒』『食生活』『身体活動』『適正体重』。この5つの生活習慣を実践する人は、0〜1つだけ実践する人に比べて男性で43%、女性で37%が、がんになるリスクが低いという推計が示されています」
■喫煙
たばこを吸う人が何らかのがんになる確率は吸わない人の1.5〜2倍。肺がんリスクは4〜5倍にもなる。胃がん、食道がん、膵臓がん、子宮頚がんのリスクも「確実」との評価だ。
「がん細胞ができるメカニズムは、何らかの要因で遺伝子が傷つき、細胞が複製する際に“ミスプリント”が起こることによる。炎症などにより複製の回数が多くなればなるほど、ミスの可能性も高まります。たばこの煙には4000種類以上の化学物質や有毒ガス、約60種類の発がん性物質が含まれており、肺から血管を通って全身へ巡り、遺伝子を傷つけてがん細胞を生み出すのです」
受動喫煙でも、肺がんになるリスクをアップさせる。
■飲酒
1日に日本酒2合以上の飲酒習慣で1.4倍程度、3合以上で1.6倍程度、がん全体の発症リスクが高まる。日本人の適量は1日平均23グラム程度(日本酒1合、ビール大びん1本、焼酎3分の2合、ウイスキー1杯、ワインボトル3分の1)。週単位で150グラム程度が望ましい。
「アルコールが代謝されると、発がん物質のアセトアルデヒドができるほか、飲酒によってDNAの複製に関わる葉酸が不足することなどが起因していると考えられます」
■食事
もっとも注意すべきは塩分過多。胃がんリスクはほぼ確実。高塩分のものを頻繁に食べる男性の胃がん発症率は、ほとんど食べない男性に比べ、「週1〜2回」で1.58倍、「週3〜4回」で2.18倍、「ほとんど毎日」は2.44倍も高い。
「漬物、魚卵、塩辛など塩分濃度が濃い食品は、胃の粘膜を保護している粘液を破壊して炎症を引き起こし、細胞を傷つけます。食塩の国際的な推奨摂取量は1日5グラムですが、日本では8グラム前後に設定されています」
野菜・果物の不足もリスクを高める。推奨摂取量は1日に野菜と果物合わせて400グラム。また、熱い飲食物は食道がんのリスクを上昇させることがほぼ確実となっている。
「食道の粘膜が傷つけられます。口に入れた時にヤケドするぐらいの熱さのものは要注意です」
■身体活動
身体活動量が多い人は、少ない人よりも男性で0.87倍、女性で0.84倍、がんリスクが低い。
「予防できる理由は完全に解明されてはいませんが、運動はインスリン抵抗性を改善するのに有効です。インスリンがしっかり働かなくなると、体内のインスリンが過剰になり、腫瘍細胞を増殖させてしまいます」
歩行かそれと同等以上の強度の身体活動を、1日60分ほど行いたい。
■体形
BMI(=体重キロ÷身長メートルの2乗)が「23〜24.9」のグループと比較して、男女ともに「30以上」で約1.3倍程度、がん死亡リスクがアップする。また、日本人男性は「21未満」の痩せ過ぎによるリスクも高い。男性はBMI21〜27、女性は21〜25の範囲にとどめることが肝心だ。
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