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どうせゴロゴロするなら…(C)日刊ゲンダイ
うつぶせで左右に「ゴロ寝」 腸を動かして体調不良とオサラバ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/160810
2015年6月17日 日刊ゲンダイ
腸は免疫の要だ。いつまでも若々しく保つことは、いつまでも健康で生きられることにつながる。だれでもできる簡単な方法を患者に指導しているのが、「10分のゴロ寝で10年長生きできる!」(扶桑社)が評判の東邦大学医療センター大森病院総合診療科・瓜田純久教授。詳しい話を聞いた。
東邦大学病院の総合診療科は、大学病院の総合診療科の中で日本一患者数が多いといわれている。すべての内科疾患の初期診療を行う科で、ほかのすべての科と連携を取り、患者がよりよい治療を受けるためのサポートもする。
さまざまな患者が集まってくるので、「どの科に行けばいいかわからない」「いろいろな科を受診したが、症状が改善しなかった。なんとかしてほしい」といった人も少なくない。
彼らを診察していく中で、瓜田教授がよく感じるのは、腸の症状を気にしている人が多く、それが全身の不調につながっているということだ。
「腸の不調の原因のひとつは、体内に充満するガスです。便秘や下痢の人は特にたくさんのガスが体内にたまり、不快な症状が出やすくなります。言い換えれば、腸内のガスを減らせば、さまざまな症状を軽減することができるのです」
腸にガスがたまるのは、腸があまり動いていないからだ。腸は長く、くねくねと曲がっている。
「注腸エックス線検査を行う時、曲がりくねった腸管にバリウムを通すために、お腹を押し付けたり、腰をゆさぶったりして、患者さんの体を何度もゴロゴロさせる必要があります。特に詰まりやすいところは、お腹を手で押したりもします。すると、腸の中のガスや内容物はスムーズに移動し、腸内の不要なガスが抜けて腸の蠕動運動が促されます。結果的に、ガスがたまりにくい腸になります」
つまり、動かせば腸を若々しく保て、免疫力を上げられる、ということだ。
瓜田教授が提案する方法は、寝転がる場所さえあればすぐにでき、かつ、とても気持ちよく何度もやりたくなるもの。
「うつぶせに寝て左右にゴロゴロするだけです。リラックスした万歳の姿勢で、うつぶせ寝から右側へ1回転、左側へ1回転。習慣的に行うために朝と夜、やるといい。もちろん、それ以外の時間でもいいですが、食後すぐは、胃から食道への逆流が誘発される恐れがあるので、避けましょう」
“うつぶせ寝でゴロゴロ”だけでもOKだが、さらに効果を高めたい場合や、「寝転がっている時間がない」というような場合は、トイレでのストレッチを。
便座に座ったまま、上半身を左右にひねる。座り続けでは腸が動かないので、腸が動くことをイメージしながらやる。
ちなみに、便秘に悩んでいる人はトイレは1回につき3分まで。その時間内に排便しなければ、いったんトイレから出る。それ以上座り続けても腸は動かず、便は出ない。
加えて、余裕があれば、次のことにもトライだ。
まずは、食前にも歯磨きをする。
「口腔内の細菌を減らすと、のみ込む細菌が減り、それらの細菌が発生するガスの量も減ります。だから歯磨きが効果的。食前に行えば口腔内細菌が減少します」
次に、食物繊維を適度に取る。腸の環境をよくする善玉菌を増やして、腸内のガスを増えすぎないようにする。
そして、“プチ断食”を取り入れる。すると、腸内細菌がガスの原料となる食べ物を届けられないため、腸内で発生するガスが減少する。
「私が子供の頃は、畳の生活だったので、しょっちゅううつぶせ寝でゴロゴロしていました。今は意識しないとできない時代です。ぜひ、日課として取り入れてください」
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