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うつ病の新しい心理療法
http://jp.wsj.com/articles/SB11098407163782254164904581026812003979584
ANDREA PETERSEN
2015 年 6 月 4 日 14:56 JST 更新
新たな行動療法として言葉や顔の組み合わせを使って、否定的な感情を忘れさせるような訓練もl研究されている Task Image: University of Texas; Face Photos: Paul Eckman Group, LLC
うつ病を脳卒中のように治療できるのか。
研究者の間では、うつ病の病因とみられている特定の脳の機能障害や認知や感情のプロセスを直接標的にする新たな心理療法の研究が進んでいる。
ピッツバーグ医科大学認知・感情神経科学プログラムのグレッグ・J・シーグル部長は、うつ病に対する新たなアプローチは、筋肉が萎縮するように脳の領域がしぼんでいくと考えることだとし、「筋肉萎縮の療法はリハビリである」と語る。
新しい療法の多くには、簡単なコンピューターゲームが組み込まれている。算数の問題や鳥のさえずりを使って、感情を制御する脳の領域を活性化させるといった方法だ。言葉や顔の組み合わせを使って、うつ病の人が抱きがちな否定的な感情を忘れさせるよう訓練するやり方もl研究されている。
こうした新たな治療方法の研究はまだ始まったばかりで、成果の出たものも出なかったものもある。研究者は、適切なアプローチや薬剤をあれこれ研究しているが、誰にでも効く治療方法があるわけではなさそうだ。うつ病患者の脳は一様ではなく、特定の機能障害を標的にした療法は、一部の患者にしか効果をあげないだろう。
ピッツバーグ医科大学のグレッグ・J・シーグル部長 Renee Rosensteel for the Wall Street Journal
それでも新しい療法に対するニーズは高い。2012年に「International Journal of Methods in Psychiatric Research」に掲載された論文によれば、米国民の17%弱が深刻なうつ病にかかる。06年にアメリカン・ジャーナル・サイキアトリーに掲載された論文では、一般的な抗うつ剤を最高14週間服用した3000人弱の患者のうち、病状が改善したのは約3分の1にすぎなかった。
認知行動療法では、患者は「わたしは誰にも愛されていない」といった否定的な考え方を見直し、より現実的な考え方をするよう指導される。この療法では、患者が楽しいと思ったことのあることを予定に入れたりする行動活性化も行われる。深刻なうつ病患者には、ベットから起き上がりシャワーを浴びるという簡単なことから始めさせる。
だが認知行動療法は「多大な努力」を要すると、モンテフィオール医学センターのサイモン・レゴ心理トレーニング部長は語る。「というのも、うつ病にかかっている時は、やる気もエネルギーも集中力も弱い。それなのに、この療法はそのすべてを求めるからだ」という。
新たな療法の1つとして、15分の訓練を2回するだけの認知制御トレーニング(CCT)の実験が実施された。1つは、特定のルールに従っていくつか数字の足し算をするよう求めること。この訓練は、感情の制御と行動の制御に関する脳の領域を活性化することが示されている。うつ病患者の脳のこの領域は機能が低下していることが多い。もう一つは、患者に鳥のさえずりを聞かせるトレーニングだ。その狙いは、患者に外部の音に関心を向けさせることだ。
メルボルン在住の理科教師、ショーン・エリオットさんは心理療法によって少しずつ症状が改善してきたという Rough Science
2014年に「Behavioural and Cognitive Psychotherapy」に掲載された論文によれば、うつ状態の人48人が参加した調査で2週間にCCTを3回受けたグループのうつの症状が、比較対象的な訓練(周辺視野の訓練)を受けたグループより低くなった。
オー ストラリアの少なくとも1つの研究チームは、CCTと経頭蓋直流刺激法(tDCS)で背外側前頭前野(DLPFC)を刺激する手法とを組み合わせている。 これは頭に付けた電極を通じて弱い電流を脳に流すものだ。14年に「ブレイン・スティミュレーション」に掲載された論文によると、この治療の組み合わせを受けて3週間後の患者のうつ症状が、平均で46.5%低減した。CCTの みを受けた群は17.2%、tDCSのみを受けた群は8.9%の低減にとどまった。
前出のシーグル博士は周囲への関心を持つことが難しい人々向けに新たな訓練法を編み出した。それは、腕に2つの電極を装着し、弱い電流を流すものだ。同博士は「それは皮膚の下に不快なかゆみを生じさせる。これを装着していると、簡単にはあれこれ思い悩んではいられないことが想像できるだろう」と話した。
メルボルン在住の理科教師、ショーン・エリオットさん(37)は抗うつ薬と心理療法を試したが、どちらもあまり効果がなかった。彼はまた、薬を飲み忘れたときに感じる目まいも気に入らなかった。このため、彼は豪州の研究チームが今年行った試験を通じ、CCTとtDCSを試した。
新たな治療法を始めて数カ月、エリオットさんは他人との言い合いから以前よりうまく立ち直れるようになったと話す。彼が言う「全滅」の日、つまりベッドからも家からも出られない日はなくなった。「電灯のスイッチのようにはっきり変わったとは言えないが、徐々に回復している」と彼は話した。
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