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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
「認知症」発症の真犯人説 脳を壊すタンパク質“タウ”って何?
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/160333
2015年6月2日 日刊ゲンダイ
将来、子供たちに迷惑をかけたくない――。そんな思いから、食事や脳トレなどさまざまな認知症予防に励んでいる人もいるだろう。しかし、少し冷静になって病気の原因や食事の効果について考える必要があるかもしれない。これまで有力視されてきた仮説をもとに開発された薬剤がことごとく失敗に終わり、仮説の見直しが迫られているからだ。
「現在、(認知症の半数以上を占める)アルツハイマー型認知症の発症と進行の原因は、アミロイドβではなく、異常なタウタンパク質の脳内蓄積であるというのが、世界の流れになりつつあります」
こう言うのは東京都医学総合研究所の認知症・高次脳機能研究分野のリーダー・長谷川成人氏だ。長谷川氏は脳内のタンパク質の変質による神経変性疾患の研究者。世界に先駆け、10年以上前から「アルツハイマー型認知症の真犯人=タウ」説を唱えてきた。
ヒトが得た情報は脳内の1000億以上ある神経細胞のつながりによって伝達・記憶される。タウは、神経細胞がネットワークを形成し、情報を伝えることに必要な軸索(発信機)を支えるマイクロチューブル(微小管)を構成するタンパク質。タウが、なんらかの原因で異常な構造に変化すると、マイクロチューブルが壊れる可能性がある。
また、異常な構造に変化すると本来の機能とは全く別の毒性をもって神経細胞そのものを死に至らしめるという。
「これまでアルツハイマー型認知症の主犯は老人斑のもととなるアミロイドβと呼ばれるタンパク質が有力でした。最初にアミロイドβが細胞の外に蓄積し、それが原因で細胞の中にタウが蓄積する。その結果、神経細胞が死に絶え、認知症が発症すると考えられてきました」
ならば、脳内のアミロイドβを除去すれば認知症は防げる、そんなコンセプトで世界中の学者や製薬会社が認知症治療に取り組んできた。しかし、複数の研究でアミロイドβの量を減らしても認知症の進行は阻止できなかった。
「つまり、アミロイドβの蓄積は認知症の症状やその進行とはあまり関係しないのです」
■実験ではポリフェノールやカテキンに抑制効果
一方、タウの蓄積と神経細胞死、さらには病状とその進行は、複数の研究によって強い相関関係が証明されているという。
「しかし、なぜ、タウが異常になるのか、神経細胞を次々と伝播して広がっていくのか、などはまだナゾのままです。ただ、アミロイドβが蓄積せずに、タウだけが異常になって蓄積してくる認知症があります。若年性認知症の一種であるピック病がそれで、まだ働き盛りの40〜60代に多く、性格変化や抑制が利かない行動をする症状が表れたりします。また、転びやすくなったり、運動機能の障害が先に出る前頭側頭型認知症もあります」
これらの認知症はいずれも異常なタウによって引き起こされる病気ということで、「タウオパチー」と呼ばれている。
「タウの種類や異常な形、それに病変の広がる脳の部位が異なりますが、タウの異常によって起こると考えられています」
これが本当なら、脳内のアミロイドβの減少を期待してアーモンドやクルミなどのナッツ類を食しても認知症阻止には役立たないことになる。 一方、タウに関して、ワインや果物ジュースなどに多く含まれるポリフェノールや緑茶に含まれるカテキンなどは少なくとも試験管内での実験では異常なタウを増やさない効果はあるという。
計算などの脳トレがどの程度認知症に対しての予防効果があるか、散歩などの軽度な運動療法の効果も含め、アミロイドβではなく、タウの蓄積を指標に効果を調べる研究が今後必要だ。
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