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オリーブオイルめぐる7つの神話と真実
By NANCY HARMON JENKINS
2015 年 5 月 18 日 15:24 JST
われわれが日常的に交わす会話の中には、オリーブオイルに関する神話、伝説、半真実や全くのうそがあふれており、わたしのようなオレオファイル(オリーブオイル愛好家)はどこから反論すればよいのか、ほとんど分からないほどだ。わたしが最近見聞きしただけでも、以下のようなものがある。(1)大半の輸入されたオリーブオイルは偽物だ。特にイタリアからの輸入物はあやしく、実際はモロッコ製のクランクケース油(潤滑油の一種)か、それよりもっと粗悪な場合もある。(2)エクストラバージンオイルでは調理できない。炎が上がったり、恐ろしいトランス脂肪酸に変わったりするからだ。(3)エクストラバージンオイルは冷温一番搾り、つまり1回目の冷却圧縮で得られる油であり、2回目の圧縮で得られるのはバージンオイルという。(4)バターのような味は、油が酸敗している、つまり傷んでいることを意味する。(5)エクストラバージンオイルはオメガ3脂肪酸の供給源として優れている。
オリーブオイルめぐる7つの神話 Getty Images
これらは全て間違っている。
ここで少しはっきりさせよう。まず、検討に値する唯一のオリーブオイルはエクストラバージンだ。それ以外は、ピュアであれ、ライトであれ、プレーンであれ、ラベルのどんな表記にかかわらず、高度に精製されており、生気に欠けて風味のない物質になっている。そこに色と味のために少量のエクストラバージンオイルが追加されているのだ。それは工業規格に沿って作られた工業製品だ。近くのスーパーでそれしか売られていないのなら、棚にある他の種類の食用油を選んだ方が良い。
エクストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実の油分のみであるべきで、実に同時に含まれている水分を除外したものであるべきだ。ろ過されていたとしても、精製はされていない。エクストラバージンオイルは標準化されていないため、その香りや味はボトルごと、生産者ごとに大きく異なる。味は多くの要素によって決まる。圧搾されたオリーブの品種、実の熟し具合、処理される際の速度や扱い方などの要素だ。腕の良いコックは、これらの違いを調理に生かす方法を知っている。火から下ろしたばかりの厚いリブアイ・ステーキに苦めのトスカーナ産オイルを振りかけると良いとか、焼き菓子にはよりソフトで甘いリグーリア産のタジャスカか、あるいはカタロニア産アルベキーナが合うとか、野菜をソテーするならシチリア産ノッチェラーラが良いといった具合だ。
だが、エクストラバージンオイルに指定されているからと言って、必ずしもオイルの質が良いとは限らない。国際オリーブ協会(IOC)が設けた基準は、控えめに言っても寛容で、良い生産者は、それらのIOC基準をはるかに凌駕している。幸運なことに、わたしは40年間にわたってオリーブオイルと、それが地中海式ダイエット(食事)に果たす役割を研究し、トスカーナ州に持つ畑で自らそれを生産してきたため、いくつかのことを学んだ。以下は、本当に良いオリーブオイルへと導く手掛かりと、キッチンで使う際に覚えておきたい点だ。
1.ダークグラスの容器入りのオイルを購入する
あるいは、もっと良いのは、缶入りだ。太陽の当たる窓際ないし明るい光線の下で商売熱心な店主が並べていたものは、たとえダークボトルであっても拒否すべきだ。それは数日以内に劣化するだろう。オリーブオイルが熱と光に極めて敏感であることは、しばしば指摘しても十分ということはない。
2.値札によって判断せよ
最良のワインと同様、最良のエクストラバージンの値段は高い。これは、それが手摘みで、摘んでから数時間以内に圧搾され、オリーブが栽培されている農場自体ではなくても、地元で製造されているからだ。
3.ラベルに精通せよ
ボトルに張ってあるラベルには、オリーブがどこで栽培されたかを記すことになっている。また、どの品種が使われたか、いつどこで油が製造されたかが記されている場合もある。ラベルには、圧縮の時のフリー・オレイン酸の含有量(酸敗の度合いを示す)さえ記されているかもしれない。最良の油の生産者はこの含有量が0.3%を超える製品を市場に出すことは決してないし、0.3%という数字さえ余りに高過ぎるとみる生産者も少なくない。ラベルの是認はまた、品質を示唆する場合がある。DOP、DO、DOC、PDOといった略称は、「原産地名称保護」に応じて生産された油を特定している。それは欧州連合(EU)が管理している認証で、スペイン、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、フランス、そして最近ではクロアチアの大半の地域のトップのオリーブ油生産者を含んでいる。カリフォルニア州オリーブ油協議会は同州で生産される高品質の油を承認している。オーガニック認証もまた、油がオーガニックであることを保証するものだ。
4.新鮮さに固執せよ
ラベルに含まれている収穫日は、生産者の誇りを示している。直近の収穫(北半球では現在2014−15年度)はあらゆるものの中で最高だ。そして「“best by” date(賞味期限)」(瓶詰め後18カ月という場合がある)に惑わされないようにすべきだ。油は瓶詰めされてから既に1年以上経過しているかもしれないのだから、知らず知らずのうちに3年たったものを購入している可能性もある。
5.「冷温一番搾り」は無意味
「冷温一番搾り」―。それは、油の製造が緩慢でダーティーなプロセスであった昔の時代にさかのぼる表現だ。当時、最良で最もクリーンな油は、実際にオリーブの一番搾りから来ていた。今日では、それはマーケティングの戦術であって、ニンジンにはコレステロールを一切含まないとか、お米はグルテンを含まないと言うようなものだ。エクストラバージンであるためには、油は、理想的にはカ氏85度(セ氏30度)を超えない周囲の温度で圧搾されなければならない。つまり、エクストラバージンの高温搾りは存在しないし、エクストラバージンの二番搾りも存在しない。
6.ためらわずに加熱せよ
ポリフェノール含有量が高いため、エクストラバージンは他の多くの油よりも安定している。カ氏250度(セ氏120度)を超える温度になると駄目になるという広く信じられている考え方は、全く誤りだ。エクストラバージンは最大で約410度(セ氏210度)ないしそれをわずかに上回る温度まで安定している。したがって揚げ物(カ氏350−360度が最良)は十分に受け入れ可能だ。ベーキング(焼く)場合もオリーブ油を使える。ケーキは、バターの代わりにオリーブ油を使うと、しっとりとして豊かなテクスチャーになる。それは、上記のグルテンフリーのブルーベリー・マフィンのレシピにある通りだ。
7.日々のオメガ3の摂取許容量を期待するな
エクストラバージンのオリーブオイルが一定以上のオメガ3脂肪酸を表示している場合、それは別の油(カノーラ、つまり菜種油である公算が極めて大きい)が混入していることを示す。エクストラバージンはわれわれには極めて良いが、それはオメガ3を含有しているからではない。むしろ、慢性病のあらゆる形態に対する防止に貢献していることを示してきたのは、抗酸化物質のほうだ。オリーブオイルに抗酸化ポリフェノールの含有分が高いことは、苦みやぴりっとした辛さを感じた時に分かる。こうした抗酸化の資質が同時に、食べる物に複雑さと強さという長所を加えるという事実は、話がうますぎてほとんど(この「ほとんど)を強調したい)信じられないほどだ。
(筆者のナンシー・ハーモン・ジェンキンス氏は「Virgin Territory: Exploring the World of Olive Oil=バージンの領域:オリーブオイルの世界を探索する」の著者)
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