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日経平均がもし7月9日の安値1万9115円を割り込むと、次は4月1日以来の1万9000円前後の攻防に。追加緩和などの「サプライズ」はあるのか(写真:AP/アフロ)
もしアメリカが利上げしたら暴落になる 日経平均は1万9000円維持が反転の条件
http://toyokeizai.net/articles/-/81417
2015年08月21日 江守 哲 :エモリキャピタルマネジメント代表取締役 東洋経済
21日の日経平均株価は、2万円の大台を割り込んだどころか、1万9435円と597円もの大幅下落となった。残念だが「当面は2万円前後を維持する」という筆者の見方は短期的には崩れてしまった。だが、長期的に上昇するというシナリオに立てば、今回の下げは格好の押し目でもある。今回の下落の背景を冷静に分析し、今後の株価見通しを再考したい。
■「中国の株価下支え策」も万策尽きた?
ギリシャのチプラス首相の辞表提出などの材料も出たが、今回の「世界同時株安」の元凶はやはり中国だ。同国経済への先行き不安を主因に世界的な景気減速懸念が高まっており、投資家心理は急速に悪化した。21日に発表された、中国の製造業購買部担当者景気指数(PMI)速報値は47.1と約6年半ぶりの低水準。節目の50を割り込んだのは6カ月連続で、今回はほぼすべての項目が悪化した。特に生産は約4年ぶりの低水準で、国内・輸出受注の縮小も加速した。
まずは中国市場の当面の不透明感が払拭されない限り、世界の株価反発は見込みづらいだろう。この日の上海総合株価指数は長期的な下値のメドである200日移動平均線を割り込み、これまでの当局による株価下支え策も「いよいよ万策尽きたか」という感覚が市場に急速に広がっている点も懸念材料だ。
一方、日本株は隣の中国市場もさることながら、約70%の売買シェアを握る海外投資家の影響を受ける。「外部要因が改善→海外の株価パフォーマンスが回復→海外投資家が日本株への投資が出来る市場環境に戻る」というサイクルが不可欠だ。
だが、米国のヘッジファンドは食品などのいわゆるディフェンシブ銘柄へのシフトを進めており、関連銘柄の保有高は2011年以来の高水準にあるという。彼らも中国景気鈍化を背景とした世界成長見通しの悪化、ドル高、米利上げ観測などをリスクと考えており、ディフェンシブ銘柄へのシフトが賢明と判断している。こうした背景もあり、海外投資家の買いに期待しづらいのが現状だ。
■米利上げは株安を助長する可能性
もし、光明があるとすれば、20日の海外市場でコモディティ価格が下げなかったことである。すでにかなり売り込まれていることもあるが、もし下げ止まるなら、これが欧米の主要株価の下支え要因になる可能性がある。
一方、米利上げ時期についても、「9月から12月へ後ずれする」と見る向きが一気に増えそうだ。
FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長はこれまで、金融政策の正常化を目的とした年内利上げを言明し、その後の利上げペースは緩やかなものになるとしてきた。
しかし、この状況で本当に利上げができるのかは疑問である。FRBが利上げ敢行による市場へのリスクを考慮し、利上げ時期を早くても12月、場合によっては来年以降に後ずれさせると発言すれば、それ自体は短期的な株価押し上げにつながるだろう。
ただ、一方で「見送り」となれは、FRBへの信頼は大きく崩れることになり、金融市場の混乱につながる可能性もある。著名ヘッジファンド・マネージャーのレイ・ダリオ氏は、1937年以降の米国株の暴落の背景が道半ばの景気回復過程での利上げにあったことになぞらえて、現在の市場環境下での米利上げが株価急落を招くと指摘する。このような見方が市場に存在することは、念頭に入れておくべきであろう。
もう一度日本に目を向ければ、4〜6月期の実質GDP成長率が前期比年率でマイナス1.6%と、1〜3月のプラス4.5%から一転してマイナス成長となった。
7〜9月もマイナス成長が続き、中国経済の減速を背景とした企業業績悪化が顕在化するなら、さすがにシナリオ変更も検討しなければなるまい。ただし、7月分の輸出は持ち直している。5月以降、回復傾向にある輸出が、勢いを維持できるかに注目したい。
■まずは日経平均の1万9000円維持を確認
一方、テクニカル面だが、日本株が急落した7月9日の騰落レシオが82.3%まで低下したのち、日経平均は安値から7営業日で最大1735円も急騰した。今回も80%台に低下しただけでなく、10日や6日など短期間の騰落レシオがそれぞれ売られすぎといわれるゾーンである60%台、40%台に急低下し、当時の株価の大幅回復局面と同じパターンにある。
そのため、短期的に株価が反発する可能性は十分にある。ただし、目先は株価を押し上げるような起爆剤がない。政府の景気刺激策や予想外の追加緩和策などが待たれるが、まずは海外市場の回復と日経平均の1万9000円維持を確認したい。
一方で、「これまで高かった銘柄を安値で買うチャンス」と考えれば、1万9000円までの下落場面は押し目買いの好機でもある。
目先の株価レンジはやや広めではあるが、1万9000円〜2万0500円としたい。もし1万9000円を明確に割り込んだ場合には、1万7500円〜1万8300円までの下落も視野に入り、年内の高値更新は困難になる可能性がある。ただその場合はいわゆる「催促相場」となり、前述の対策などが大きく現実味を帯びるはずだ。
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