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「財務省 HP」より
膨大な国の「隠れ」借金 一般の国債に紛れて流通、国民の税金で穴埋めの恐れも
http://biz-journal.jp/2015/08/post_11198.html
2015.08.21 文=鷲尾香一/ジャーナリスト Business Journal
日本の財政に改善の兆しは見えない。8月10日の財務省発表によると、国債、借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」は、6月末時点で3月末から3兆8663億円増加し、1057兆2235億円と過去最高を更新した。国民1人当たりでは、約833万円の借金を抱えていることになる。2015年度末(16年3月末)には、1167兆1000億円になると予測されている。
さて、国の借金の中心をなす国債は、3月末から6兆6221億円増加し、888兆1068億円となっている。その国債には多くの種類があるが、なかには“不思議な”債券が存在する。6月末時点で95兆8480億円の発行残高と、国債総発行残高の1割以上を占める不思議な債券とは「財政投融資特別会計国債」、いわゆる財投債だ。
財政投融資とは、「国の信用や制度に基づいて調達した有償の公的資金を用いて、公庫、独立行政法人・特殊法人、国の特別会計や地方公共団体に対して行う長期・低利の資金供給」のことだ。この資金を調達するために発行されるのが財投債だ。
では、財投債の何が不思議なのか。それは、国際的に統計の基準が統一され、標準化が図られている国民経済計算統計(GDP統計)などでは、財投債は国の債務とはみなされていないことだ。例えば、国際的に政府債務残高、あるいは国債発行残高を比較する場合には、財投債は除外されている。国が発行している債券にもかかわらず、国債に分類されていないのだ。
それは、財投債が公的な団体に対して融資されているためだ。融資である以上、低利といえども金利も含めて融資金が返済される。つまり、財投債は発行に際して返済のメドが立っている、または返済が保証されている国債といえる。
■通常の国債と混合される財投債
一方、通常の国債は国の歳出に充てるための資金調達手段であり、返済のメドが立っているわけではない。返済の原資となるのは基本的には税収であり、税収が上がらなければ返済は滞る。返済を滞らせないために借換債といわれる国債を発行し、それにより調達した資金を返済資金に充てる。このようにして赤字は積み重なっていくのだ。
それに比して財投債は、国債でありながら返済の保証がなされているという点で、通常の国債とは似て非なるものといえる。
問題は、財投債が発行過程、流通過程、償還過程において、なんら一般の国債と変わらないところにある。財務省は財投債を発行する際に、「第○○回債が財投債である」とは公表しない。
国債の発行によって調達された資金が財政投融資の財源となり、償還が貸付回収金によって賄われるという点で通常の国債とは異なるが、金融機関等での取り扱いは同じため、投資家から見れば違いはわからない。
財投債という異質な国債が、一般の国債と混合して発行され、流通し、償還されることが問題視されないのは、財投債は返済が保証されているという点に尽きる。
だが、本当にそれで良いのだろうか。財政投融資を受けている公庫、独立行政法人・特殊法人、国の特別会計や地方公共団体の経営が常に健全だとは限らない。財投債が必ず返済されるともいえないだろう。事実、旧国鉄清算事業団などは、その債務を最終的には国の一般会計、つまり国民の税金を用いて処理を行っている。
国の信用により成り立っている国債と、返済が保証されることで成り立っている財投債。ギリシャの財政問題のように国の信用が低下した場合、国債は暴落する一方となるが、そのなかで財投債はどのような動きを見せるのだろうか。投資家には、どの国債が財投債なのかを知る権利がある。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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