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上海株がふたたび下落局面へ
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52730181.html
2015年08月20日 在野のアナリスト
国債の前倒し発行が増えている、と報じられます。超低金利なので、今の内に国債を発行して額面を小さくすることで低利で資金を調達する。財務省出身の黒田日銀総裁と、財務省がくんだデキレースのようにも思えますが、少なくとも金融緩和の一つの側面ではあります。
昨日発表された7月全国百貨店売上高は、前年同月比3.4%増となりました。訪日外国人の免税売上高が3.5倍になるなど、大きく牽引しています。また7月コンビニ売上高も前年同月比1.2%増です。4-6月期GDPとは乖離した数字ですが、これを解き明かすのは7月訪日外国人が192万人と、前年同月比50%以上も増加した点にあるのでしょう。百貨店、コンビニは外国人が利用する。小さい子供を除き、8000万人近くが国内の消費者だとすると、増加した60万人は1%弱。ここが爆買いすると、ちょうどこれらの数字を裏付けるものとなります。訪日外国人への依存度はますます高まりますが、海外の動きはそこに懸念を生じさせるものとなっています。
上海株の下落、第二幕がはじまっています。暴落だった6月半ばから7月初旬、1ヶ月休んで改めてはじまった下落曲面。天津市の爆発事故や台風の直撃など、このところの中国に漂うマイナス面を意識した動きなのか、当局の株価対策が機能しません。さらに欧米からは新興国不安、という記事が掲載され、中国も同様に警戒すべき対象となるなど、風向きが明らかに変わりました。
一部の推計では、4-6月期に2000億$以上が、外国人投資家によって中国から引き上げられたとのこと。中国向けの貸出しも大きく減るなど、中国国内では資金調達にも苦しみだした。そこで中国人民銀行が資金供給を行い、資金繰りの改善をはかっていますが、先に噂された人民元買い介入も、資金流出に対応したものとの見方がでているように、急速に低下する流動性に、中国も苦慮している姿が浮き彫りになります。問題は、一度こうした動きが始まると対策もない。そもそもが高金利と、緩やかにすすむ人民元高を享受しようと流入してきた資金だけに、その前提が崩れれば終わりです。景気減速をうけた利下げがはじまり、人民元安への誘導も余儀なくされ、さらなる資金流出が懸念されます。
景気がよくなれば資金が流入し、さらに景気がよくなる。これが好循環です。しかし中国は明らかにその動きが大きくなり、日米欧の金融緩和によってさらに資金が流入し続けてバブルとなり、長期化した。それが逆回転をおこせば、深刻な悪循環に陥ります。まさに今はその端緒についた、というところなのでしょう。後はその動きが緩やかなのか、急なのかだけです。
昨晩の7月FOMCにおける議事録は、労働市場の改善をうけて利上げが近いとするものの、世界経済の不安定化も示すなど、ややハト派のうけとめでした。中国ではじまった資金流出は、中国依存を強めてしまった世界経済全体においても深刻な影響を与えるのでしょう。最近、日韓の政策当局者の口癖のようになってきた「緩やかな景気回復基調にもどる」との文言は、ほとんど根拠レスの希望的観測にすぎません。まず中国の資金流出が止まったかどうか。そこを見定めないことには、はっきりしたことは言えません。中国の株式市場がふたたび下落局面に入ったのも、当局の介入効果の限界を示しています。中国では1兆元の市場介入資金が準備されている、などという噂も囁かれますが、そんなことをすれば中国企業の多くは国有化、もしくは国が経営権をにぎる、といったことにもなりそうです。そんな国からはますます投資家もにげだすでしょう。「緩やか」とは言えない景気減速に見舞われた中国、周辺国が「緩やか」であることを願っても、高くなりすぎた山は転げ落ちるしかない、といった事態が近づいているのでしょうね。
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