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内閣府のHPより
消費増税によるGDP成長率マイナスが判明 政府予測「影響は軽微」外れ、甚大な悪影響
http://biz-journal.jp/2015/08/post_11159.html
2015.08.19 文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授 Business Journal
エコノミスト・経済学者の力量を測るためには、経済予測をさせることだ。もちろん将来のことはわからないので、百発百中はありえない。しかし、1年先くらいの予測を6〜7割程度当てることができなければ、エコノミストの存在価値が問われる。
2012年に民主党から自民党に政権交代して、経済政策ががらりと変わった。特にここ数年の大きな経済政策の変更点としては、13年4月からの金融緩和と14年4月からの消費増税がある。それらの変更により経済がどのように変わるかについて、多くのエコノミストが予測していたが、その結果について今月14日に発表された15年度経済財政白書に良く整理されている。
まず金融政策であるが、多くの識者は「デフレを脱却できない」としていた。ところが経済財政白書では、「消費者物価や国内総生産(GDP)デフレーター、単位労働コストが上昇するなど、デフレ脱却に向けた動きは着実に進んでいる」と評価している。
金融政策について安倍晋三政権は、黒田東彦氏を日本銀行総裁、岩田規久男氏を副総裁に据えて異次元緩和を引き出したので、政府の見通しとしては間違っていなかった。間違っていたのは多くのエコノミストのほうであった。
デフレ脱却をできないと予測していたエコノミストは、「異次元緩和によってハイパーインフレ、国債暴落になる」とも主張していたが、まったくの大外れとなった。次に、消費増税である。これも多くのエコノミストは政府の見解と同様に「影響は軽微である」と予測していたが、大きく外れた。
経済財政白書では、14年度の実質GDPは駆け込み需要の反動減で1.2%程度押し下げられたほか、税率引き上げに伴う物価上昇を受けた消費の減少も、0.5%程度の押し下げ要因になったと分析している。影響が軽微と予測した政府の経済見通しは、1.4%成長だったが、結果としてマイナス0.9%だったので、2.3%の予測ミスとなった。政府やその提灯持ちだった多くのエコノミストは予測を外した。
政府の中で甘い見通しの間違いにいち早く気がついたのが、安倍首相である。そのため安倍首相は今年10月に予定されていた消費増税を延期するために昨年末、衆議院の解散・総選挙に打って出た。その勝利で辛うじて再増税は延期された。1度目の消費増税は失敗したが、2度目の間違いは犯さなかった。
■減税の必要性
今回の経済財政白書の分析は、概ね評価できる。過去の政策に関して失敗の本質でも書かれていると、もっと良かったであろう。
デフレ脱却については、興味深い記述もある。今後についてはGDPギャップ(需要と供給の差)のマイナス(需要不足)幅を縮小することが重要だという指摘である。このGDPギャップがマイナスになった要因は、消費増税である。これを縮小させるためには、増税の逆、つまり減税を行うのが望ましい。消費増税の影響で一向にさえない景気を上向きにするためには、減税を行うのが望ましいと、経済財政白書はいっているようだ。
金融緩和や消費増税に関する経済予測を間違ったエコノミストたちの名前は、インターネット等で簡単に検索できる。そうした人たちには、今年の経済財政白書をしっかり勉強してもらいたい。
(文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授)
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