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ダブルパンチの負担増?(※イメージ)
地価減少の郊外は売却を 首都圏で広がる相続税課税エリア〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150818-00000002-sasahi-bus_all
週刊朝日 2015年8月21日号より抜粋
今年から相続税が「増税」された。さらに、評価額に直結する路線価は都市部を中心にひたひたと上昇中で、ダブルパンチの負担増が心配される。いったいどの地域の、どれぐらいの広さの土地が課税されるのか。
そこで本誌では、日本最大級のデータベースを持ち、マンション情報サイト「住まいサーフィン」を運営するスタイルアクトの協力で、首都圏1283駅のデータから主要221駅を抽出。各駅周辺で宅地の相続税評価額が基礎控除の3600万円(法定相続人が1人の場合)を超える最小面積を示すマップと表を作成した。
データのもととなる路線価をみると、東京23区では全40地点で前年より上昇、多摩地区も8地点のうち7地点で上昇している。今回の調査でも、JR山手線の内側に位置する都心の主要駅はもちろん、千葉、埼玉、神奈川を含む郊外のターミナル駅の近辺でも50平方メートル以内の宅地で評価額が3600万円以上となる駅が続出している。都内の平均的な一戸建ての敷地面積は50〜100平方メートル前後といわれており、こうしたエリアでは多くの一戸建て住宅に相続税がかかってしまう可能性があるのだ。
相続税がかかる最小面積がもっとも小さいのは、東京メトロの表参道駅周辺で、わずか4平方メートルで3600万円の評価額に達する。都心を離れた比較的住宅が多い地域でも、中野(JR中央線)、二子玉川(東急田園都市線)などで50平方メートルを下回っているほか、調布(京王線)や国立、立川(ともにJR中央線)といった郊外のターミナル駅でも50平方メートル前後と非常に地価が高くなっているのがわかる。
スタイルアクトのコンサルタント堂坂朋代氏は、こう解説する。
「数値には駅前の商業地域も含まれるので、実際に郊外でここまで狭い宅地に相続税がかかることは少ないと思われます。それでもこのマップで最小面積が100平方メートル以下の駅周辺に自宅を持つ人は、課税対象になるかどうか確認しておく必要があるでしょう」
マップをみると、最小面積は都心から離れるほど同心円状に広くなる傾向にあるが、堂坂氏は相続税が発生するかどうかは、環八通り(環状8号線)がひとつの目安になると指摘する。
「環八通りの内側に100平方メートル(約30坪)前後の土地を持っていると、相続税が課税される可能性が高くなります」
環八通りは羽田空港から世田谷、杉並、練馬、板橋の各区を経由し北区までを半円状に通る都道だ。周辺には高井戸(京王井の頭線)、千歳船橋(小田急小田原線)、用賀(東急田園都市線)といったエリアがあり、これらの地域が「ボーダーライン」となる。
150平方メートルに対象を広げると、ひばりケ丘(西武池袋線)や溝の口(東急田園都市線)、菊名(東急東横線)や山手(JR京浜東北線)といったエリアも該当してくる。
西側と比べて割安とされる東側のエリアをみても、本八幡(JR総武線)、町屋(京成本線)、柏(JR常磐線)、西新井(東武伊勢崎線)など100平方メートル以内となるエリアは多くある。150平方メートルだと草加(同)、新浦安(JR京葉線)まで範囲は広がる。
課税される可能性がある場合、どう対応すべきか。税理士の天野伴氏はこうアドバイスする。
「まずは財産と債務をリストアップし、大まかな評価額を把握しましょう。評価額を大幅に軽減してくれる特例などがあるので、適用を受けられるかどうかを確認するのも重要です」
評価額が基礎控除額を超えても、一定の要件を満たすと「配偶者の税額軽減の特例」や「小規模宅地等の特例」などによって最終的には納税額がゼロになる場合もあるのだ。
「課税されるならなるべく早いうちから配偶者以外に税金を毎年贈与しても。相続財産自体を減らせ、納税資金も確保できます」
相続時に自宅を売却して納税すればいい、と考えている人は要注意。前出の堂坂氏は、郊外の一戸建ては買い手がつきにくく、実売価格が相続税額に満たないケースもあると指摘する。
「地価上昇の恩恵を受けるのは都心だけで、郊外は今後地価が半値になってもおかしくない。資産を守るには今のうちに売却して都心のマンションに住み替えるといった思い切った対策も必要になってきます」
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