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『アウトランダーPHEV』は、プラグ・イン・ハイブリッドとして、エンジンとモーターで走る4輪駆動のSUV。
三菱自動車は大丈夫なのか?相川哲郎社長直撃取材でわかったこと
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150813-00010000-dime-bus_all
@DIME 8月13日(木)7時0分配信
このところ、三菱自動車工業に関するネガティブなニュースが頻繁に飛び込んできた。
「アメリカ工場の売却」
「6月の国内登録台数がたったの4320台」
「ランサーエボリューションが10世代目で生産終了」
話題となる新車も少なく、三菱を代表する人気車種『パジェロ』の新型登場の声も聞こえてこない。と、少し心配していたところ、『アウトランダーPHEV』がマイナーチェンジをした。『アウトランダーPHEV』は、プラグ・イン・ハイブリッドとして、エンジンとモーターで走る4輪駆動のSUVだ。電気だけで走ることもできるし、エンジンで発電しながら走ることもできる。
もうひとつの大きな特徴は、車載バッテリーに蓄えられた電力をAC100Vの電気として取り出すことができる点にある。移動先のどこででも家電製品を家庭と同じように使うことができるのだ。実際に、キャンプで使ったことがあるけれど、火を使わない上に無音な電気をアウトドアで使うことのできるメリットは非常に大きく、プラグ・イン・ハイブリッドカーの使い方の大きな可能性を示唆するものだった。『アウトランダーPHEV』は、三菱の持つ電気自動車と4輪駆動に関する技術が集約され、プラグ・イン・ハイブリッドをSUVで実現するという秀逸なコンセプトが見事に商品化されたクルマだ。
ちょっと遡るが、政府によるプラグ・イン・ハイブリッドカーへのインセンティブ(補助金)が主な理由で『アウトランダーPHEV』はノルウェーで2年待ちという注文を受けていたことがあったし、2013年12月にオランダで月間4929台も売れた。すべてのブランドとクルマの中で、彼の国でVW『ゴルフ』を抜いて最も売れたクルマとなった実績がある。つまり、現在の三菱自動車の日本マーケットでの存在感が残念なことに薄くなりつつある状況にあって、ひとり気を吐いているのが『アウトランダーPHEV』というクルマなのだ。
今回のマイナーチェンジでは、フロント部分のデザインを一新したほか、パワートレインやシャシーなど各部分がブラッシュアップされた。電気だけで走行できる距離が0.6kmと、ほんのわずかだが向上し、60.8kmに伸びて、燃費が18.6km/Lから20.2km/Lへと向上した。
運転してみて印象的だったのは、加速が一層と滑らかになったことだ。電気で発進し、途中でエンジンが始動しているのが、体感できないほど滑らかだ。他のプラグ・イン・ハイブリッドカーでは、同様の場合“パワーの段付き”のようなものを感じるが、『アウトランダーPHEV』では一体化されて感じる。エンジンパワーとモーターパワーが一体となって、境目がわからない。他には例のない、とても上質な加速感覚だ。パワーマネージメントが緻密に行なわれているのだろう。
ハンドル裏の左右のパドルを引くと、減速の勢いを変えることができる。抵抗値を切り替え、“モーターブレーキ”として使えるから、便利で使いやすい。モーターだけで走っている時に、エンジンブレーキよりも微細にブレーキを掛けることができるから重宝する。あらためて使ってみると、本当に使いやすいものだった。
■意外な弱点も
今回のマイナーチェンジで開発陣が注力したという静粛性も、大いに向上したことが確認できた。エアクリーナーやマフラーなどを新たに設計し、吸気から排気まですべての領域でのノイズ発生を抑え、その上、吸音材なども追加されている。ボディカラーとインテリアの選択肢を増やして、商品力が増したことは確かだ。お世辞抜きでとてもいいクルマだと思う。
あえてウィークポイントを挙げるなら、ガソリンタンク容量が41Lと小さなところと、それ起因した航続距離の短さだ。バッテリーを積むためには仕方ないことだが、一般的な走り方をすると航続距離は500km未満だろう。また、ウィークポイントというほどではないが、パワートレインはとても先進的なのに、インテリアデザインがコンサバ過ぎるのが残念だ。BMW『i3』、ルノー『エスパス』、ボルボ『XC90』に負けないくらいの先進性を次回作では期待したい。
■相川哲郎社長に直撃取材
さて、同社の相川哲郎社長には、ぜひ訊いておかなければならないことがあった。
「今後、三菱自動車はどんなクルマに力を注いでいくのか?」
これは、三菱のクルマに乗り続けている人に会っていると、いつも僕が必ず訊ねられていることだ。
「できれば次も三菱のクルマに乗り続けたいのだけれど、そのクルマは製造が中止されてしまった」
「以前から造り続けれられているクルマなのに、モデルチェンジしたら車名は同じでも中身は他社でOEM生産されたものになってしまった」
「会社がグローバルで生き残っていくために車種を減らしたりするのは理解できるのだが、今後、三菱がどんな方向に進んでいくのかだけでも知りたい」
こんな感じの質問をよく受ける。受けるけれども、僕には答えられない。『アウトランダーPHEV』のメディア試乗会に出席した相川哲郎社長に直接訊いてみることにした。
「PHEVは拡充していく。システムを大幅に進化させた新型も開発中です」
また、日本メーカーの中ではいち早く『パジェロ』と『デリカD5』に搭載したクリーンディーゼルエンジンも展開を拡げていくという。
「パジェロとデリカD5のものを新しくしますし、より小さな排気量のものも開発中です」
本連載でも何度か取り上げてきたように、ディーゼルエンジンはマツダやBMW各車がヒットを出し続けていて、これから他社も日本での展開が予定されている。クリーンディーゼルのマーケットがさらに拡大していくのは間違いないだろう。新型PHEVというのは、クリーンディーゼルによるプラグ・イン・ハイブリッドなのだろうか。
以前は、『パジェロ』も『パジェロ・イオ』『パジェロ・ミニ』といった感じで、大中小が揃っていた。今は「大」だけだ。『アウトランダー』が「中」を担っているのかもしれないが、各社が展開しているより小さなSUVも欲しいところだ。
「CセグメントのSUVは考えています」
メルセデス・ベンツ『GLA』やBMW『X1』や『X3』、アウディ『Q3』などと対抗する大きさと内容のSUVは早急に投入が待たれる。
「もう一度、SUVに力を入れ“SUVの三菱”と呼ばれるようにしなければなりません」
では、『ランサーエボリューション』の製造を終了してしまったことに代表されるように、スポーツモデルやセダンあるいはクーペタイプの新型は開発しているのだろうか?
「う〜ん。我々も限られた開発資源を集約せねばなりませんので、まずはSUVでラインアップを充実させて、その上で余裕が生まれてきたら改めてスポーツモデルやセダンタイプなどに取り組むことになります」
カリスマティックな人気を世界中で博している『ランサーエボリューション』のことになると、相川社長も言葉少な気だった。セダンやクーペの需要は世界的に頭打ちなのに対して、SUVの需要は拡大し続けることが確実視されている。
なるほど、まずはSUVに注力するというわけだ。
「“10年後の2024年には、こうあっていたい”という開発計画がまとまりつつあります。その頃に中核となっているであろう、クルマと技術の開発に集中し、そうではないと思われるものは止めます。商品企画もデザインもそれに基づいて、数次に渡るものを考えています。もちろん、自動運転技術などにも取り組んでいます」
欧米の自動車メーカーは、幹部がメディアに対して中長期計画とビジョンを具体的に語ることは珍しくないが、日本メーカーはその限りではない。投資家向けの、数字中心の抽象的なものは発表されるが、具体的なものは珍しい。だが、ビジョンを示すことと具体的な説明はとても重要だ。ユーザーやファンとの間でも、それでコミュニケーションがとれるではないか。
米国の工場は売却したが、その分は輸出して事業は変わらず続ける。代わりに、タイとロシアの工場への投資を増大させ、そこからアジアやヨーロッパ各国への輸出を増やしていく戦略を強化する。国内市場はパッとしないが、海外での好調によって、なんと2014年は過去最高益を更新していたのである。こうして聞いていくと、ポジティブなニュースがたくさん出てくるではないか。もっと、きちんと発信していけばいいのに!
「ウチの会社は発信するのが苦手なんですよ。ハハハハハハッ」
整理すると、PHEVとクリーンディーゼルのバリエーションを増やし、SUVを中心に展開していく。セダン系はその後。この情報だけでも、個人的にはずいぶんスッキリした。今秋の東京モーターショーで、具体的な新型車のカタチを見ることはまだできないというのがちょっと残念だが、新時代の三菱のSUVに早く乗ってみたい。
文/金子浩久
@DIME編集部
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