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アベノミクスに完敗! 韓国経済の低迷が止まらない ウォン安が景気を圧迫?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44633
2015年08月10日(月) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
■回復シナリオは描きにくい
足元で、韓国経済の減速が鮮明化しつつある。中国への依存度が高い韓国にとって、中国経済の景気低迷が響いている格好だ。特に、韓国経済の中心的であるサムスンは、スマホの販売が伸び悩みなこともあり先行きに厳しい見方が出ている。それに伴い、ウォンの下落が鮮明になりつつある。
米国の利上げが近づいているだけに、ヘッジファンドなどの投機筋は、新興国中心に株式の保有高を減らし、ドル買・新興国通貨売りのオペレーションを進めるだろう。それは、ウォンなどの下落圧力を高めやすい。その結果、さらなる通貨安は、株価の一段の下落や景気下振れリスクにつながる可能性が高まっている。
4〜6月期、韓国の実質GDP成長率は前期比で0.3%だった。昨年4〜6月期以降、5四半期連続で前期比ベースの成長率はゼロ%台に落ち込んでいる。
主な要因は、輸出の不振と消費の伸び悩みだ。ウォン安が進んでいるにもかかわらず輸出が落ち込んでいる。中国経済の先行き不安もあり、景気回復への期待は高まりづらい。また、MERS(中東呼吸器症候群)の感染流行は、外出の抑制や海外からの観光客の減少につながったと考えられる。
輸出の不振には中国経済の成長率低下、世界的な需要低迷が大きく影響している。同時に、韓国経済の競争力低下も無視できない。特に、サムスン電子や現代自動車といった主要企業の業績低迷は先行きの景気下振れリスクを高めている。
スマートフォンのギャラクシーで有名なサムスン電子の場合、2015年第2四半期まで、7四半期連続の営業減益が続いている。現代自動車は中国での競争に苦戦を強いられている。主要企業の業績拡大期待が見込めない環境下、韓国経済の成長期待は低下し、雇用や消費を取り巻く環境も軟調に推移しやすいだろう。
■ウォン安が景気を圧迫
今後、ウォン安が景気回復を支える要因になるとは限らない。むしろ通貨安が景気を圧迫することが懸念される。
すでに韓国中銀は、政策金利を過去最低の1.5%にまで引き下げた。現状、中央銀行は低金利政策の効果を見極めようとしているようだが、景気の下振れリスクを考えると追加利下げの可能性は高まりやすい。なぜなら、これまでに打ち出した景気支援策が十分に機能していないからだ。
2014年夏に韓国政府は、通称“チョイノミクス”と呼ばれる経済再生策を発表し、財政支出や住宅ローン規制の緩和を打ち出した。しかし景気回復は進んでいない。そのため8月6日には、朴槿恵(パククネ)大統領が更なる改革が必要と声明を出した。
改革の焦点は通貨安への依存を減らし、主要企業の競争力を引き上げられるかだろう。これまでの政策実行力を見る限り、韓国が大胆な改革を実行できるかは不透明だ。そうなると潜在的に韓国はウォン安を志向し、輸出を刺激したいという考えに傾きやすいといえる。
韓国の消費者物価が前年比0%台の低調な上昇率にとどまる一方、輸入物価は徐々に上昇している。今後の更なるウォン安が、国内の消費を圧迫し、韓国経済の回復を妨げる可能性は高まっていると考えた方がよさそうだ。
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