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日本の難題「少子化」を食い止める改革私案(プレジデント)
http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/603.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 10 日 15:31:10: igsppGRN/E9PQ
 

                 順天堂大学病院副院長・心臓血管外科教授 天野 篤


日本の難題「少子化」を食い止める改革私案
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150810-00015922-president-bus_all
プレジデント 8月10日(月)13時15分配信


■高齢者が地域を守り、子どもを育てる

 最近の社会問題で私が最も気になっているのは「少子化」です。平日は毎日、主に60代から80代の方の心臓の手術を執刀していますが、高齢者の方々と接すれば接するほど、少子化で子どもや若者が減り、活気がなくなったこの国の行く末が気になって仕方がないのです。私が生まれた1955(昭和30)年には15歳未満の子どもの人口は全人口の3割で、65歳以上の高齢者は約5%でした。ところが、現在は、15歳未満は全人口の12.7%で、65歳以上は26.4%と高齢者が子どもの数を大きく上回り、少子高齢化が進んでいます。

 高齢者の割合が増えているので、私が専門とする心臓血管外科をはじめとして、ほとんどの分野で高齢者医療に膨大な医療費が投入されています。医療を社会が健全に前進していくための事業の1つと捉えれば、高齢者が治療を受け過ぎて疲弊して終末期を迎えるだけでは意味がありません。病気の治療によってある程度元気になった高齢者の知恵を社会に還元してもらえれば、高齢者医療に医療費がかかったとしても、社会の再生産につながると思います。そこに真剣に取り組むと共に、少子化を何とか食い止めたいという思いがあります。

 手術の腕を維持したままタイムスリップできるとしたら、30代前半だった1980年代後半に戻りたいと思います。当時、私は亀田総合病院(千葉県鴨川市)の心臓血管外科に勤務していました。まだそれほど少子化は進んでいませんでしたし、バブル景気まっただ中だったこともありますが社会はエネルギーに満ちていました。

 しかし、昔を懐かしんでばかりいても仕方がありません。少子化を打開する方法は大きく2つ考えられます。1つは、子どもを産みやすい環境を整えて出生数をふやすこと、もう1つは、教育や文化を共有できるような人たちを移民として受け入れることです。日本の文化の中では、出生数を増やすほうが取り組みやすいはずです。そのためには、地域の中で子育てをする環境を作ることをもう一度考え直す必要があるのではないでしょうか。

 例えば、若い世代が働きに出ている間は、祖父母世代の高齢者が地域を守り、子どもの世話や見守りをしてくれるような環境が整うといいですよね。保育園、託児所、塾など、子ども対象とした事業はそれなりに増えてきているのですが、費用が高いものもあるので、誰もが利用できるわけではありません。私たちが必死になって手術をして元気になられた高齢者の方々が、子育て世代の応援団として地域で活躍してくだされば、高額な医療費がかかったとしても社会還元につながるのではないかと思うわけです。

■医局員は週1〜2回は自由な時間を持つ

 私自身も、大学病院の副院長として、若い人たちが子育てをしながら働き続けられるような環境を整えたいと考えています。最近は女性医師も増えていますし、看護師、管理栄養士、薬剤師、リハビリ職種、ソーシャルワーカー、事務職など、病院は女性の多い職場です。順天堂大学医学部附属順天堂医院のあるエリアは、東京医科歯科大学医学部附属病院をはじめ、病院の多い地域でもあるので、共同で保育施設を運営できないかなど具体的に検討しています。病院を辞めたOB、OGの人たちにパートで働いてもらい、後輩を助けるようなものが作れればよいのではないでしょうか。

 男女を問わず、医師の仕事は、目の前の目標を達成したらまた次の目標をクリアするために努力してステップアップしていく必要があります。ビジネスの社会でもそうかもしれませんが、医師として成長しながら、その傍らで子育てもするのはなかなか難しい面があります。上手に時間を使わないと、昼も夜も休日も仕事に没頭してしまうことがあるので、私の医局では医局員が、完全に週1〜2日は、プライベートな時間を持てるようにしています。

 女性医師だけではなく、男性医師も、プライベートな時間が取れるようになると、出会いの場も広がりますし、病院ではない場所で人生の経験が積めて、長い目でみると医療を実践するうえでも役立つからです。残念ながら、仕事もイマイチで、プライベートも充実させられない、どっちつかずの若者も多いのが現状です。医学教育はカルキュラムが窮屈で、医学生の頃から忙しいので、他の学部の学生や他職種の人たちと交流や巡り合いの場がないのも問題です。

 医学教育に携わる立場としては、将来ビジョンを見据えられ、社会に貢献できる若者を増やしたいと思います。子どもや若者の人数が増えないと、そういった人材も増えません。高齢者の手術をたくさんしているからかもしれませんが、このまま高齢者ばかりになったらどうなるのだろうという強迫観念みたいなものがあります。

■私が社会に貢献しようと考えた理由

 前回も書いたように、私は社会に貢献したくて医師になったのですが、いまのように、医療面だけではなく社会全体に貢献したいと考えたのは、ある占い師との出会いがきっかけでした。厄年を迎えた42歳の頃、手術に出向いた病院の外来で、初老の女性に、「よくない相が出ている。私の占いはよく当たるのよ。占ってあげる」と話しかけられたのです。別の科から心臓に問題があるとして紹介された患者さんで、占いの先生だということでした。

 求められるままに私が生年月日と生まれた時間を告げたところ、「このままだとあなたの命は2〜3年以内ですよ」と、いきなり言い出だしたのです。私は、占いや運勢といった非科学的なものを信じるような人間ではないのですが、その少し前に、尿管結石で七転八倒の苦しみを味わい、生まれて初めての入院をしたのをきっかけに、心身のバランスが崩れているのを実感していました。そのときには新東京病院(千葉県松戸市)で心臓血管外科部長を務めていて、病院の年間手術件数は493例と、恐らく国内で成人の心臓手術だけを行う施設としては日本一になっていました。そのほとんどを私が執刀し、傍目には順風満帆に見えていたと思います。

 しかし、体の悲鳴が聞こえ、内心不安を感じ始めていたのも事実です。思わず、どうしたらよいのか聞くと、「できるだけ多くの人にいろいろな方法で貢献しなさい。多くの人のためになることをするとどんどん徳がつく。時間を作って、もっとよいことをしなさい」とアドバイスされたのです。

 確かに、思い当たるふしがありました。心臓外科医としては精一杯やっていましたが、忙しさのあまり、講演や原稿の依頼はほとんど断っていました。心の余裕がなく、一緒に働いているスタッフとの間に摩擦が起きたこともあります。

 占い師の指摘は、私の行動と考え方を見直すきっかけになりました。それからは、患者さんの診察や手術だけではなく、日常生活でも人に喜ばれることをし、社会に貢献しようと努力しました。どんなに多忙でも、講演や原稿、取材、テレビ出演などの依頼はできる限り断らないようにしていますし、電車に乗ったときにはお年寄りに席を譲り、贈り物をもらったら周囲の人にお裾分けするようにしています。私に助言をしてくれた占い師の患者さんは、その後、亡くなってしまいましたが、私のターニングポイントになった出会いであり、いまでも感謝しています。

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天野 篤(あまの・あつし)
順天堂大学病院副院長・心臓血管外科教授
1955年埼玉県生まれ。83年日本大学医学部卒業。新東京病院心臓血管外科部長、昭和大学横浜市北部病院循環器センター長・教授などを経て、2002年より現職。冠動脈オフポンプ・バイパス手術の第一人者であり、12年2月、天皇陛下の心臓手術を執刀。著書に『最新よくわかる心臓病』(誠文堂新光社)、『一途一心、命をつなぐ』(飛鳥新社)、『熱く生きる 赤本 覚悟を持て編』『熱く生きる 青本 道を究めろ編』(セブン&アイ出版)など。
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順天堂大学病院副院長・心臓血管外科教授 天野篤 構成=福島安紀 撮影=的野弘路


 

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コメント
 
1. 2015年8月10日 16:28:40 : b5JdkWvGxs
こいつ、世の中の事何も知らないな

派遣を禁止すればすぐに人口は増えるだろ


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