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東芝前社長の田中久雄氏
東芝、偽りの経営刷新 不正会計を見逃した取締役が陣頭指揮 跋扈する「老害」相談役
http://biz-journal.jp/2015/08/post_11049.html
2015.08.10 編集部 Business Journal
不正会計問題に揺れる東芝相談役の西室泰三氏(日本郵政社長)は7月21日夜、首相公邸で開かれた座長を務める「戦後70年談話に関する有識者会議」メンバーの夕食会で、安倍晋三首相にこう告げたと伝えられている。
「東芝は(私が)責任を持って再生させます」――
今回の不祥事は一企業の枠を超え、安倍政権の看板政策であるアベノミクスに泥を塗りかねない。西室氏は安倍首相の不安を必死に打ち消そうとした。社長・会長として長きにわたり東芝のトップを務めた西室氏は、現在でも同社幹部の間で「スーパートップ」と呼ばれるほど、強い影響力を持っている。
東芝の不正会計問題は、今秋に株式公開を控える日本郵政グループ3社の経営にも微妙な影を落としている。日本郵政は東芝常任顧問の村岡富美雄氏を社外取締役に迎え入れようとしたが、6月26日の日本郵政株主総会当日になって総務省から待ったがかかった。東芝の不正会計を調査する第三者委員会の調査報告書に、東芝の財務担当副社長だった村岡氏の名前が挙がり、村岡氏は就任を辞退した。「西室氏は身内の元役員を社外取締役に起用する人事案を、もっと早い段階で断念すべきだった」(関係筋)との批判の声も聞こえる。
西室氏は7月22日の日本郵政社長会見で東芝の不正会計問題に触れ、「あんなことはあってはいけない。非常に大きなショックを受けた」と述べ、新しい経営陣選びについて「企業統治を立て直せる弁護士、公認会計士」などを選択肢に挙げたのである。歴代3社長の引責辞任については、「早く結論を出した」と評価した。さらに、辞意を漏らしていた室町正志会長に「残るほうがつらいかもしれないが、あなたに期待する」と西室氏が話し、社長を兼務するよう説得したことを明らかにした。
ある東芝幹部は、「今回社長を辞任した田中(久雄)さんは、頻繁に西田厚聰相談役の部屋を訪れていた」と証言する。同社には相談役と顧問が計17人おり、西室氏が名実ともに筆頭だ。相談役は社長や会長らと同じ階に個室を持っている。岡村正相談役(元日本商工会議所会頭)と西田氏は毎日出社し、西室氏も日本郵政上場を間近に控えて超多忙にもかかわらず、週に何回かは東芝本社を訪れ社長や会長に助言していたという。そのため、「歴代3社長だけでなく、西室氏、岡村氏も辞めるべきだった」(東芝関係者)との指摘も多い。
東芝の内規では、相談役は80歳まで。社長経験者で相談役を退いた渡里杉一郎、佐藤文夫の両氏が特別顧問に就いている。副社長経験者以上は常任顧問、執行役常務経験者以上が顧問である。近年、年齢や期間に制限が設けられ、現在常任顧問は4人、顧問は8人の合計12人である。
1987年に発覚した東芝機械ココム違反事件に連座して、親会社である東芝の佐波正一会長、渡里杉一郎社長(共に当時)の2人がそろって辞任したことが、その後の東芝のトップ人事を狂わせた。渡里氏が1年で社長を辞めていなければ、西室氏が社長になることもなかったといわれている。
■経営刷新委員会
不正会計問題を受けて東芝が設置した経営刷新委員会には、社外取締役4人全員が加わった。残りは外部の弁護士や公認会計士の2人で合計6人。社内出身者は参加していないが、「不正会計を見逃した社外取締役4人に刷新を期待するのには無理がある」(市場筋)。
社外取締役の役割は2つある。第1は経営の執行に当たる役員の指名、その報酬の決定、決算監査などの監督。第2は取締役会で行われる重要な意思決定が適切になされているかを監視し、必要に応じてアドバイスすることだ。伊丹敬之(東京理科大教授)、島内憲(元外交官)、谷野作太郎(同)、斎藤聖美(ジェイ・ボンド東短証券社長)の4人が社外取締役だ。伊丹氏が委員長になり、他の3人が委員になった。同委員会には橋本正己(橋本公認会計士事務所)、北田幹直(森・濱田松本法律事務所)の2人が加わり6人で構成される。オブザーバーは小林喜光(三菱ケミカルホールディングス会長、経済同友会代表幹事)と古田佑紀弁護士(元最高裁判事)の2人。
伊丹氏が9月以降、経営監視の要となる取締役会議長に起用されるという報道もある。刷新委員会のオブザーバーになった小林氏、古田氏が社外取締役に就任するという話も出ている。東芝の不正会計を見逃してきた4人の社外取締役は9月で全員交代といわれてきたが、風向きが変わりつつある。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、東芝の格付けを引き下げる方向で見直しに入った。今回の決算修正で2000億円に上る自己資本が目減りすると、1株当たり純資産は240円になる。東芝の7月30日の株価終値は369.4円。安値は364.3円で年初来安値である361.2円(7月16日)に接近した。それでも株価は1株当たり純資産を5割以上も上回っている。
東芝は過去のしがらみを引きずったままの経営体制で、果たして再生を進めることができるのか。早くも悲観的な見方が広まっている。
(文=編集部)
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