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「家を買うなら、東京五輪が終わった2020年以降」というのは本当か(東京・新宿区の新国立競技場予定地、写真:Natsuki Sakai/アフロ)
「東京で家を買うなら2020年以降」は本当か 五輪後、土地価格は大幅に下落する?
http://toyokeizai.net/articles/-/79833
2015年08月09日 黒崎 敏 :建築家 東洋経済
家を買うならマンションがいいのか、戸建てがいいのか。都心なのか、郊外なのか。大手住宅メーカー商品開発者を経て、現在は建築事務所APOLLOを経営する黒崎敏氏が「失敗しない家の選び方」を伝授する。第5回は「東京オリンピック後、東京の地価は本当に下がるのか」。五輪が終われば開発需要が減るので地価は下がるというのは本当だろうか。それとも「都市伝説」なのだろうか?
「2020年の東京オリンピックが終われば、しばらく大きなイベントの予定はないため、必然的に東京の地価は下がる。だから、家を買うなら五輪後のほうが良い」。これはまことしやかに巷でささやかれている説だが、不動産業者もそう考えている人が多いようだ。
■東京の中心部は加速度的に高層化が進む
だが、実際はどうなのか。こればかりはフタを開けてみなければわからないが、今言えることは、今後も東京への一極集中は避けられないということだろう。中途半端な郊外エリアがますます住みづらくなる一方で、東京の中心部は加速度的に高層化が進むと考えられる。
たとえば高さ制限や日影規制、斜線規制などが緩和され、住宅が今より高層化されるようになり、一階路面に店舗などが入りやすいようになれば、家自体の付加価値は自ずと高くなるだろう。さらに容積率緩和が促進されれば、建て替えもしやすくなる。
もし建て替えができないとどうなるか。街の老朽化、スラム化が進み、危険な地域に変化する。そのようなリスクを避け、東京が世界都市としてブレイクスルーするために、マンション建て替え円滑法が有効にはたらき、それによって容積率は緩和されるはずだ。
大手不動産業界の圧力も加わり、最終的には容積率の大幅アップが実現すると私は見ている。そうなれば、都心のさまざまな場所で滞っていた建て替え計画が一気に動いていくはずだ。
■規制緩和で、潜在的な再開発物件が動き出す
建築需要も大幅に増える。とりわけ顕著なのが1964年の東京オリンピックの際に好立地に建てられた億ションの元祖「ヴィンテージマンション」の建て替えだ。現状は、理事会の建て替え提案に対して賛成多数にもかかわらず、慢性的に出口の見えない閉塞的状況に陥っているところが多い。なぜなら容積をフル活用して建てられていることもあり、新築事業を推進すると、収支が合わないからだ。
その代表格といえるのが、現在部屋がどんどん売りに出ていている原宿駅前のヴィンテージマンション、コープオリンピアだ。このマンションは今や、ほとんどがオーナー自身は住んでおらず、多くの部屋が賃貸に出されている。利回りから言えば良い投資ではないものの、販売案内にこのように書かれていることには注目したい。
「建て替え狙いの方はオススメです」そうはっきり書いてあるのだ。これらを見る限り、さまざまな規制が緩和の方向に向かっていることは間違いない。また、そうせざるを得ない状況だと捉えることができる。
今一度考えてみてほしい。東京ほどアドバンテージやポテンシャルがある主要都市は世界にはないのではないか。世界一清潔で安全、かつ食べ物が美味しく、交通の利便性も高い。外国から帰国するたびに、これだけ空気が綺麗で、いつも晴れているメトロポリスはないと痛感する。そういった意味では、世界を牽引する力があるのは明らかだ。
上下水道などの社会インフラが本当の意味で完備している国もアジアでは日本ぐらいだ。余談になるが、例えばなぜ香港で鳥インフルエンザが流行してしまうかといえば、上下水道の排水が混ざってしまうなどの問題もその理由の一つにあげられているくらいだ。上下水道を完璧に分けたインフラをつくるのは簡単なようで、実は大変なことなのである。
もちろん、東京にはまだまだ足りないものがある。例えば英語の案内やさまざまな宗教の人々に提供できるレストランなど、インターナショナルな対応だ。しかし、この点については2020年の東京オリンピックが改善の良い機会になることは間違いない。
資金流入という意味でも、東京は圧倒的だ。野村総合研究所のデータ(「NRI生活者1万人アンケート調査」)によれば、相続市場は1年間で47兆円にのぼるという。これは何を意味するか。相続の現金を土地にすると評価額が下がる。下手をすれば相続税が半分程度になるため、相続人は当然値下がりリスクの低い東京の物件を買うことになる。
■五輪後、東京はマンハッタンになる
つまり、人の一生を通じて日本のお金は構造的に全て東京に集まってくる仕組みなのだ。仮に、相続額の1割〜2割が入ってくるだけでも4兆〜5兆円の規模になる。これで不動産の価値が下がるわけがない。
中国の経済状況が不透明のため、中国資本の一部が東京に逃げてきているのも、東京にとってはアドバンテージといえるかもしれない。逃避資金なので、彼らは何でもいいからとにかく買ってしまう。これがある以上、東京の地価が下がることはない。ロンドンの地価が上がったのも、中東のお金が入ってきたためだ。
反対に、地方はますます人口が減っていく。残るのは各地方の拠点都市ぐらいか。北陸であれば新潟と金沢、東北は仙台。どちらも人口は増えている。福岡も同様だ。30年前の人口は100万強だったが、現在は150万人近くある。九州自体の人口は1000万人位で変わらない。つまり、他の地域から福岡に人が流入しているのである。
さて、結論を述べることにしよう。
五輪後の東京のイメージは、ニューヨークだ。東京はマンハッタンのようになる。人があまり住まなくなる場所と、つくしのように上へ上へと伸びていく中心部とに二分される。
都心の建物は、住宅のビル化・高層化現象が間違いなく起きていくはずだ。そして、東京に住む人は、東京の超都心で暮らすか、地方で暮らすかというドラスティックな選択を余儀なくされる。皆が住中心部に住めば、そこに雇用が生まれ、生産性が上がっていく。日本にとっても東京のさらなる活性化は必至なのである。
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