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ロボットに職を奪われる労働者が激増! 中国経済の構造的な「限界」があらわになりつつある(NewYork Times)
http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/553.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 08 日 10:56:05: igsppGRN/E9PQ
 


ロボットに職を奪われる労働者が激増! 中国経済の構造的な「限界」があらわになりつつある
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44295
2015年08月08日(土) マーティン・フォード The NewYork Timesより 現代ビジネス


文・マーティン・フォード


■ 中国で急激に進む製造業のロボット化


過去10年、中国は世界の多くの国にとって、低賃金労働者を使いまるで無尽蔵に全業界を食い尽くす「職喰いモンスター」と化していた。


けれども今や中国は、その意識をロボットへとシフトしつつある。この移行は、中国経済だけでなく世界の経済にも大きな影響をもたらすだろう。


中国の工場で使われているロボットの数は、2014年に世界の工業用ロボットのおよそ4分の1を占めた。これは2013年から54%増加している数だ。国際ロボット連盟によれば、2017年までに、中国はどの国よりも多くのロボットを導入するようになるということだ。


重工業が盛んな広東省の大手家電メーカー、Midia(美的)社では、2015年末までに、住宅用エアコン部門の従業員6000人分の仕事を自動化する計画だ。これは全従業員の約5分の1に相当する。


一方で、アップルなど企業向けに家電製品を製造しているフォックスコン社では、3年以内に工場の作業の70%を自動化する計画で、成都の工場では、すでにすべての作業がロボット化されている。



職を求める中国人女性---〔PHOTO〕gettyimages


中国の工場で働く従業員の数は、これまでアメリカやその他の先進国よりもさらに速いペースで消えていくものと思われる。それにより、中国の経済上の優先課題のひとつである問題、つまり、国内消費の比重を現在よりもはるかに高めるために、経済バランスを是正する問題に対処することが、これまでよりもさらに難しくなると予想される。


中国の経済成長はまた、輸出品の製造だけでなく、住宅、工場、インフラなどの固定資本への投資によっても牽引されてきた。実際に近年、投資は国内総生産の約半分を占めている。一方で、全経済に占める国内消費の割合は、わずか3分の1で、これはアメリカの約半分の水準だ。


これは、明らかに持続不可能な状態だ。これらすべての投資から、最終的にはリターンがなければならない。工場は、販売利益を得られる商品を製造しなければならない。住宅は居住者から家賃収入を得る必要がある。そのようなリターンを生むために、中国の各世帯が底上げされ、今よりも大きな力をもたなければならないのだ。


つまり、中国の工場で作られた商品だけではなく、サービスについてはもちろんのこと、今よりもはるかに多くが消費されるようになる必要があるのだ。


■ 経済成長のバランスを保つには難しい時代


これを実現するのは並大抵のことではない。事実、中国の指導者は何年にもわたってこの問題を論じているが、何の進歩も見られない。最近は賃金が上がっているとは言え、その経済規模に比べて世帯収入があまりに低いことがひとつの要因だ。


もうひとつの要因は、中国国民の貯蓄傾向が非常に強いことにある。平均世帯では、収入の約40%を貯蓄しているという推定も見られる。この傾向は、老後、失業、病気のリスクの備えるための自己保険の強化という面もあるようだ。中国の新しい資本主義が、社会のセーフティネットを大きく破壊してしまったからだ。


経済成長のバランスを再調整する政策は、どのようなものであれ、世帯収入を増やし、貯蓄率を抑えることが基本となる。それを実現することは、どんな状況でも難しい。しかしテクノロジーの推進によって、はるかにそれが難しくなることは間違いない。


先進諸国はこれまで、はじめに所得を上げ、製造業の基盤の上にしっかりと中産階級を築き、その後、サービス経済へと移行するという道筋を辿ってきた。アメリカ、そして日本や韓国は、テクノロジーが今よりはるかに低水準だった時代に、この道筋を辿ることができた。しかし、中国はロボット時代に同様の移行をしなければならないのだ。


オートメーションは、すでに中国の工場における雇用に大きな影響を与えている。1995年から2002年までの間に、全製造業の雇用の約15%に相当する1600万もの職が失われた。その傾向はさらに加速しようとしている。


仮に中国経済が、教育レベルの高い労働者を対象とした高いスキルを必要とする仕事を多く創出しているのであれば問題ないだろう。なぜなら職を失ったブルーカラー労働者をさらに訓練し、再教育しさえすれば解決できるからだ。


しかし現実には、急増する大卒者に対し、十分なホワイトカラーの職を提供できず悪戦苦闘している。2013年半ばの中国政府の発表によると、現在、大卒で就職できるのはわずか半分ほどで、前年度の大卒者の20%以上が就職できないままでいると言う。


ある分析結果によれば、すでに中国の労働者の43%もの人が、自分の教育は現職にとってオーバースペックだと考えている。今後、中国の経済の中でスキルレベルの向上を目指す労働者を吸収することは、ますます困難になるものと思われる。


ロボット革命が拡大し、中国が消費者経済への移行を成功させる助力となる政策とは何か。ヘルスケアや退職、失業保険の仕組みを強化すれば労働者の安心感は増し、貯蓄率がある程度は低下するのではないだろうか。


中国政府は最終的に、アメリカの勤労所得控除制度のようなプログラムを通した、何らかの直接的所得補充が必要になるだろう。しかしそれでさえ、長期的には効力を保てないはずだ。なぜなら、急速に進歩する技術により、さらに多くの労働者が取り残されることになるからだ。


ロボットの拡大進歩によって、中国は経済的・社会的な混乱をもたらす中心地となる可能性が高い。どちらかと言えば脆弱なこの国の独裁政治システムは、先進諸国から見ると途方もない経済成長水準の持続に依存していることとも相まって、新しい時代の現実への適応を試す上で信じられないほど大きな困難に直面するかもしれない。


(ニューヨーク・タイムズより)
(翻訳/オフィス松村)


 

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コメント
 
1. 2015年8月08日 13:14:51 : 5aI56T6iSI
「労働力不況カルテル」が必要になりますね

2. 2015年8月08日 18:11:41 : 9Zu4ZgpXYY
>労働者の43%もの人が、自分の教育は現職にとってオーバースペックだと考えている。

日本も人のこと言えないね。


3. 2015年8月08日 18:35:45 : aQq0UGoaxY
マーティン・フォードは、中国へ工場が出て行って職を失った日本人のことは気にしないのね。
奴隷制度を創りだした日本の経団連システムのほうが、既に破綻しているのではないのか。

4. 2015年8月09日 07:12:19 : GeeXtTQITg
日本みたいに人口縮小で、移民でも入れなきゃ労働力が・・・なんて国はロボット導入に問題はないだろう。むしろ移民受け入れよりデメリットは少ない。
しかし中国みたいに無慮十数億の人民が職を求めているのに、効率性だけでロボット導入は危ういのではないか。

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