1. 2015年8月07日 22:15:16
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焦点:日銀覆う内憂外患、高まる物価2%の後ずれリスク 2015年 08月 7日 19:53 [東京 7日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は7日の会見で、2%の物価安定目標の達成にあらためて自信を表明した。しかし、取り巻く環境は内憂外患の様相が強い。新興国経済のもたつきを背景に原油価格も再び下落し、2016年度前半とみている物価2%到達は後ずれのリスクが高まってきた。
<黒田総裁「輸出・生産の鈍さは一時的」> 足元の景気は、4─6月期の実質国内生産(GDP)が前期比年率で2%程度のマイナス成長に転落することが予想されるなど、失望感が広がっている。米中経済の減速による輸出・生産の落ち込みや、天候要因もあって、個人消費が弱めに推移していることが要因だ。 黒田総裁は会見で、先行き先進国がけん引する形で海外経済が回復に向かうことが見込まれるとし、「輸出・生産の鈍い動きは一時的」と述べ、夏場以降の景気は持ち直すとの見通しを示した。 もっとも、これまでのところ今後の景気が明確に上向くかどうかは、期待の域を出ない状況だ。 海外経済は米国の4─6月期の実質GDPが同2.3%増と1─3月期の同0.6%増から持ち直したものの、並んで日本経済に影響が大きい中国経済の先行きは依然として不透明。4─6月期の実質GDPは前年比7.0%増を確保したが、中国経済減速がアジア経済全体の重しとなっている。 日銀では中国経済の先行きについて、当局による財政・金融両面での対策を受けて安定成長を維持するとみているが、公共投資中心の成長になる可能性があるほか、鋼材は中国政府が輸出振興策をとっていることなどもあって市況が下落しており、アジアを中心とした日本の輸出回復は想定よりも後ずれする可能性がある。 日銀が最大のリスクと位置づける海外経済の動向は、目が離せない状況が続きそうだ。 <鍵握る個人消費> 一方、これまで「死角はない」(日銀幹部)とみられていた国内についても、にわかに暗雲が立ち込め始めている。特に昨年4月の消費税率引き上げ後の駆け込み需要の反動減が一巡したにもかかわらず、力強さにかける個人消費の動向は気がかりだ。 6月の家計調査では、実質消費支出は前年比2.0%減となり、14カ月ぶりのプラスに転じた5月から再びマイナスに沈んだ。販売側の統計である商業動態統計を見ても、6月は小売業販売額(全店ベース)が前年比0.9%増にとどまっている。 低温・多雨など天候不順に悩まされた6月から一転して7月は気温も上昇しており、大手百貨店の売上高が好調に推移するなど回復の兆しはあるものの、消費を支える賃金に期待されたほどの伸びが見られない。6月の毎月勤労統計調査では、減少したボーナスを除いても実質賃金の伸びは前年比横ばいにとどまった。 総裁は今後の消費について「ベースアップの広がりや、賞与の増加効果から所得環境が一段と改善する下で消費の底堅さは、よりはっきりしていくと思う」と語ったが、市場では、足元で進行している食料品や日用品などの価格転嫁の動きが消費の足かせになっているとの見方もある。消費が伸び悩めば、コストを価格に転嫁する企業戦略が行き詰る可能性もある。 <原油再下落、物価基調への影響警戒> こうした内憂外患に加え、ここにきてアジアなどの新興国の需要減退を背景に、原油をはじめ主要な商品価格が軒並み下落している。 総裁は最近の原油安について需要と供給の両方の要因があるとしたが、「これまでのところ、日本経済にとっては全体的に見てかなりプラスだと思う」と指摘。ただ、原油価格の動向によって物価2%の到達時期が「若干前後する可能性がある」と認め、原油安が「物価の基調的な動きに影響するとなれば、政策の調整を検討することになる」と語った。 日銀では、需給ギャップやインフレ期待などを反映する物価の基調は着実に改善を続けていると判断している。5月分から新たに公表を開始し、物価の基調の動きに近いとみられている生鮮食品とエネルギーを除いた消費物価は同月に前年比プラス0.7%まで伸び率を高めている。 それでも目標に掲げる2%には依然として距離がある。見通している2016年度前半頃の2%到達には、さらなる基調の上昇が不可欠だ。需給ギャップとインフレ期待の一段の改善に向け、個人消費を中心とした夏場の景気動向が極めて重要になってきた。 (伊藤純夫 編集:山口貴也) 需給ギャップ1年ぶりプラス、物価基調示す新指標公表=日銀月報 タカタ、今期営業益と売上高予想を上方修正 4―6月期が好調 夏休み明けファンド勢のドル買い仕掛けも=来週の外為市場 企業向け資金需要DI、7月は小幅改善=日銀銀行貸出アンケート 磯崎補佐官、辞任の必要ない=法的安定性めぐる発言で菅官房長官 http://jp.reuters.com/article/2015/08/07/focus-boj-kuroda-idJPKCN0QC16G20150807
黒田氏:原油、予想インフレ率、需給ギャップは「昨年と違う 2015/08/07 18:16 JST
(ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁は7日の記者会見で、追加緩和に踏み切った昨年10月と現在を比べ、原油価格の下落幅、企業や家計の予想物価上昇率、さらに経済の需給ギャップのいずれも、現在は違うと述べ、現時点で追加緩和が必要な状況ではないとの見方を示した。 追加緩和に踏み切った昨年10月末について、黒田総裁は「原油価格が急速な勢いで下落し、結果的には50%以上の下落になった。そういった大幅な原油価格の下落が予想物価上昇率に大きく影響すると、物価の基調に大きく影響することが懸念されたので、量的・質的緩和の拡大を決定した」と述べた。 その上で、足元の状況について「確かに物価上昇率はコアでも総合でもどんどん下がっていて、コアは足元でゼロ%程度になっているが、予想物価上昇率は比較的維持されている。それが昨年10月末との違いの第1点だ」と指摘。 違いの2点目として「原油価格はここ数週間、若干下がっているが、それでも昨年夏から今年始めにかけてのような一方方向の急速で大幅な下落は起こっていない。また、市場の先物価格等を見ても、これからどんどん下がっていく見通しにはなっていない。従って、原油価格の動向も昨年とは違っている」と語った。 さらに、「4−6月の成長率は1−3月に比べると落ちる可能性があるのでよく見る必要があるが、いずれにせよ需給ギャップがほとんどなくなった状況にあることに変わりはない。昨年の10月の状況と比べると、石油価格の状況も違うし、物価上昇の期待の動向も違っているし、需給ギャップの状況も違う」と述べた。 原油次第で2%達成時期は「若干前後」 生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)前年比の見通しについては「年度後半から次第に加速」していくと指摘。「今のところ、原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇していくという先物価格の状況を前提にして考えると、2%程度に到達するのは2016年度前半ごろになるとみている」と語った。 一方で、「今後の原油価格の動向、特に先物価格が変わってくると、達成時期が若干前後することはあり得る」と述べた。ただ、金融政策運営上重要なのは「物価の基調的な動き」だと指摘。原油価格の動きが「予想物価上昇率などに影響し、物価の基調的な動きに影響することになれば政策の調整ということになるが、今のところそういうことになっていない」と述べた。 エネルギー除くコアは「1つの参考指標」 日銀は7月の金融経済月報で、エネルギーを除くコアCPIを独自に公表。5月は前年比0.7%上昇と総合(0.5%上昇)、コア(0.1%上昇)、食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合(0.4%上昇)のいずれより高い伸びを示した。 黒田総裁は「物価安定目標自体は消費者物価指数の総合で考えている。その総合の動きを判断する際に、生鮮食品は大きく振れるので、いわゆるコア指数を重要な指標としてみていて、展望リポートでも見通しは生鮮を除く指標でみている」と指摘。 その上で、「生鮮食品とエネルギーを除いた指標も1つの参考指標になるし、その他もろもろの指標も従来から示している。物価情勢判断にはさまざまな指標を点検することが重要だ。何も、生鮮とエネルギーを除いた指標が物価の動向を判断する主要な指数になったわけではない」と述べた。 景気については「輸出、生産のこのところの鈍い動きは一時的とみられる」としながらも、先行きについては「輸出は海外経済の回復、あるいは既往の円安の下支え効果などを背景として、ある程度振れは伴いつつ緩やかに増加していくと考えている。生産もこうした輸出の増加、あるいは在庫調整の進ちょくに伴い、振れを伴いつつ緩やかに回復していく」と語った。 中国経済については「成長モメンタムが低下してきていることは事実だと思うが、中国政府がさまざまな景気対策を打ってきており、政策的余地も十分あることを踏まえると、7%前後の成長が今年、来年と続くことは一応見通せるのではないか」と指摘。株価の下落の影響などいくつかのリスク要因はあるものの、「安定的な成長を続けるとみるのが妥当ではないか」との見方を示した。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 藤岡徹 tfujioka1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 持田譲二 更新日時: 2015/08/07 18:16 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NSPAO86JTSEC01.html 日銀:金融政策の現状維持を決定、8対1−木内委員が反対 2015/08/07 12:21 JST
(ブルームバーグ):日本銀行は7日の金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を8対1の賛成多数で決めた。木内登英審議委員が前回会合に続き反対した。消費者物価の前年比はゼロ%近辺で推移しており、目標とする2%には遠いが、日銀は物価の基調は着実に改善しているとの見方を維持しており、当面の物価の推移を見極める構えだ。 日銀はマネタリーベースが年約80兆円に相当するペースで増えるよう金融市場調節を行う方針を据え置いた。長期国債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J−REIT)の買い入れ方針も維持した。ブルームバーグが7月27日から8月3日にかけてエコノミスト37人を対象に実施した調査でも全員が現状維持を予想していた。 輸出と個人消費が低迷したことで、4−6月の実質成長率は前期比年率1.9%減と3期ぶりのマイナス成長が予想されている。6月の生鮮食品を除くコア消費者物価(CPI)は前年比0.1%上昇と引き続きゼロ%近辺にとどまっており、7月の東京都区部のコアCPIは0.1%低下と2年3カ月ぶりのマイナスとなった。 景気、物価ともさえない状態が続いているが、早期の緩和観測はむしろ後退している。10月の緩和予想は12人(32.4%)と前回(34.3%)からほぼ横ばいだったが、「緩和なし」は16人(43.2%)と前回(37.1%)から増加。「緩和あり」予想は21人(56.8%)と前回(62.9%)から減少し、「緩和なし」予想との差が縮まっている。 景気は低空飛行も致命的ではない 1日付で東海東京調査センターに移籍した武藤弘明チーフエコノミストは会合前、「景気の回復は非常に緩やかだが、7−9月期以降はいちおう内外需ともに上昇局面に転じてくると予想される。レベル的には低空飛行であり、決してほめられた回復ではないが、追加緩和を促すほどには致命的ではない」と指摘。 その上で、「日銀はGDP成長率の下方修正に関しては、労働市場がタイトである限りさほど気にしておらず、GDP統計自体を疑っている節もある。物価の緩やかな上昇に満足して政策は現状維持を堅持するだろう」とみる。 三井住友銀行の西岡純子チーフエコノミストも会合前、日銀は「次回の見通し変更時には成長率見通しを下方修正せざるを得ないだろう」としながらも、それは「物価見通しの下方修正には必ずしも直結しない」と指摘。「強気な物価見通しはそのままに、現状の緩和政策を維持する」と予想している。 日銀コアCPIも緩和なしの証左か 日銀は7月の金融経済月報でエネルギーを除くコアCPIを独自に公表。5月は前年比0.7%上昇と総合(0.5%上昇)、コア(0.1%上昇)、食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合(0.4%上昇)のいずれより高い伸びを示した。 HSBCホールディングスのデバリエ・いづみ日本担当エコノミスト(香港在勤)は会合前、10月緩和予想から「緩和なし」に転じた。「たとえ16年度前半の2%到達が無理でも、日銀は追加緩和は見送るだろう。新しいコアCPIの公表も、厳格な目標設定から、より柔軟なインフレ目標への移行を検討し始めていることの証左の1つだ」とみる。 一方、ソシエテジェネラル証券の会田卓司チーフエコノミストは会合前、10月緩和予想を変えていない。日銀は2%物価目標の達成時期を「『16年度前半ごろ』から、17年度の前半も視野に入れた『16年度を中心とする期間』へ正式に後ずれさせ、その実現をより確かにするための追加緩和という位置づけを明確にするだろう」と指摘。 「9月の自民党総裁選挙、そして安保法制関連法案の国会審議中は、円安で負の影響を受ける人々への配慮から、安倍首相も大きな円安につながる可能性のある追加緩和をそれほど望まないと考えられる。しかしそれ以降は、株式市場のさらなる上昇、低下気味の支持率回復のためにも、日銀の追加緩和を望むように変化してくる」とみている。 木内氏が独自提案も否決 木内氏は前会合と同様、「マネタリーベース及び長期国債保有残高が年間約45兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節及び資産買い入れを行う」などの議案を提出したが、反対多数で否決。「資産買い入れ策と実質的なゼロ金利政策をそれぞれ適切と考えられる時点まで継続する」との議案も提出したが、1対8で否決された。 黒田総裁は午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は9月18日に公表される。決定会合や金融経済月報などの予定は日銀がウェブサイトで公表している。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 藤岡徹 tfujioka1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 広川高史 更新日時: 2015/08/07 12:21 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NSL9C06K50XS01.html 2015年 08月 7日 18:15 JST 関連トピックス: トップニュース 黒田日銀総裁会見=識者はこうみる [東京 7日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は7日の金融政策決定会合後の記者会見で、2016年度前半としている2%の物価目標達成時期が、原油価格次第で後ずれする可能性があると明言した。市場関係者の見方は以下の通り。 <大和証券 日本株シニアストラテジスト 高橋卓也氏> コアCPIはマイナスもあるかもしれないと発言している。原油相場がさらに弱含むような状況で、日銀の物価目標に影響を及ぼしかねないなか、予防線を張ろうとしている印象を受ける。外部環境に対しては現状認識を大きく変えない。ただ、以前と比べると追加緩和に踏み切るためのがい然性はやや高まっている面もある。 原油安もあるが、中国景気の先行き不透明感が増している。流動性相場を後押しするという意味で、追加緩和への期待は日本株の下支え要因にはなりうる。個人消費のコメントには特に違和感はない。7月中旬以降、夏らしい夏になってきた。6月実質賃金のマイナスもボーナス支給時期に関してのテクニカルな要因が大きいとされており、そうであるならば7月以降は堅調な数字も見込める。 <SMBCフレンド証券 チーフマーケットエコノミスト 岩下真理氏> 景気判断について、個人消費、生産、輸出の足元の弱さは一時的と発言した。4─6月期の国内総生産(GDP)はマイナス成長に転落する公算だが、7─9月は持ち直すことを見定めている。 原油価格の下落の仕方は心配なのではないか。当面はコモディティ価格が下げ止まるかどうかにかかっているようだ。日銀の前提としているシナリオでは、下げ止まり、上がることを描いている。この前提が変わったときに対応するということだろう。 日銀は2016年度前半にコア消費者物価指数(CPI)が2%まで上昇するシナリオを堅持している。原油安の影響がはく落し、年度後半に上昇していくというシナリオが、仮にそうならなかった場合、物価の見方を大きく修正しなくてはならない。そのタイミングの一番最初の関門は来年1月の会合と個人的にはみている。コモディティ価格の下落が一服できるかというのは、年の終盤で見極める方向になりそうだ。 <あおぞら銀行 市場商品部部長 諸我晃氏> 足元の原油安を受け、インフレ見通しなどへの影響にハト的なコメントを期待していた向きもあったが、目新しい言及はなかった。為替も「黒田ライン」として意識されていた124円半ばを上抜けてきたが、「具体的な水準や変化のスピードについて申し上げることは適切でない」とし、特段の内容はなかった。 日銀への追加緩和期待は高まってはいない。為替がこの円安水準で、株価がこの辺にいるうちは、あえて刺激しなくてもいい状況であり、日本サイドの要因による円安は、とりあえず年内はなさそうだ。 欧州時間に入ってユーロ買い/ドル売りが強まっていた。総裁会見中にドル/円の上値が重くなったのは、このドル売りが波及した可能性がある。 メルマガを購読する 今、あなたにオススメ 原子力規制委、東電柏崎刈羽6、7号を「集中審査」へ 中国証券金融、株価下支え資金の一部を前倒し返済=関係筋 アングル:ヤマ場迎えるドル/円、米雇用統計次第で13年ぶり高値も コラム:日経のFT買収、経済合理性に疑問も キース・リチャーズ、23年ぶりソロアルバムを9月リリース http://jp.reuters.com/article/2015/08/07/kuroda-boj-market-idJPKCN0QC0WK20150807?sp=true
消費低迷下の小売株高、二極化する日本の「縮図」 [東京 7日 ロイター] - 国内消費がさえないにもかかわらず小売株が好調だ。いわゆるインバウンド消費による業績拡大期待などを背景に国内年金や海外短期筋が買いを入れているとみられている。ただ、インバウンド消費は都市部の一部店舗に集中しており、地域差が目立つ。小売り株をめぐる株式市場の動きは、二極化が進む日本の「縮図」を示しているともいえそうだ。 <インバウンド消費の偏り> 観光庁によると、4─6月期の訪日外国人による消費額は4870億円。前年同期比82.5%と急増し、「存在感」を日増しに強めている。6月の全国百貨店売上高によると、訪日外国人向けの売り上げが4─6月期全体の売上高を2.8%押し上げた。 三越伊勢丹ホールディングス(3099.T)の4―6月期連結営業利益は前年同期比82.8%増の115億円と2008年の経営統合以来、第1・四半期として最高となった。昨年4月の消費増税による買い控えの反動や好調な高額消費もあったが、訪日外国人売上高が前年同期の3倍と大きく押し上げた。売上高に占める割合は6.2%に拡大している。 ただ、こうしたインバウンド消費が、国内総生産(GDP)の民間最終消費支出を押し上げる効果は約0.5%にとどまる。全国百貨店の5分の1以下の効果だ。さらに「インバウンド消費は免税が受けられる百貨店など一部の店舗に集中している」(シティグループ証券チーフエコノミストの村嶋帰一氏)との見方が多く、偏りも多い。 地方の百貨店などは依然苦しい。北九州地盤の井筒屋(8260.T)の3─5月期は売上高が前年比5.1%減の204億円、営業利益も同3.3%減となった。「外国人売上高は前年比300%と伸びているが、絶対額が数百万円と小さい。効果は限定的」(広報担当者)という。 <高バリュエーション銘柄が続出> 株式市場では、業績拡大期待を材料に、小売り関連株は全体的に堅調だ。東証セクター指数でみると、小売株.IRETL.Tは足元でやや調整気味だが、年初からの6日までの上昇率は39.35%と33業種中トップ。TOPIX.TOPXの18.90%を大きく上回っている。 6日終値ベースの予想PER(株価収益率)では、三越伊勢丹が34倍、イオン(8267.T)が40倍、セブン&アイ・ホールディングス(3382.T)が26倍。16倍前半の日経平均を大きく超える。井筒屋は14倍だが、小売株には高バリュエーション銘柄が続出している。 その背景には「国内年金やヘッジファンドなど海外短期筋が一部銘柄に買いを入れていたようだ。PERは高いが、国内年金はスマートベータ型などファンドへの組み入れ、海外勢は上がるから買うといったように、バリュエーション上の評価とは異なる動きがみられていた」(国内投信の運用担当者)ということもあるという。 人口が減少し、市場規模が徐々に小さくなる日本で、小売株がPER40倍まで買われることには、違和感を感じる市場参加者も少なくない。インバウンド消費の効果はまだ日本経済全体でみれば限定的。海外展開の成否はまだ未知数だ。 <全体消費の先行きは不透明> 消費動向の大きな要因である賃金は伸び悩んでいる。6月の毎月勤労統計では実質賃金が2.9%減少した。ボーナスの支払いが7月以降に先送りされたためとされるが、賃金のベースである所定内給与の伸びは前年同期比0.4%増と鈍い。 経団連が集計した大手企業の今夏のボーナスは前年比2.81%増の89万2138円とリーマン・ショック前の2008年以来の高水準となった。だが、一時的な給与であるボーナスが増えただけでは、継続的に消費を増やそうという気にはならないだろう。 また2014年12月の現金給与総額(毎月勤労統計)を地方別でみると、東京が1年前に比べて0.8%増加しているのに対し、青森が2.6%減少、宮城が0.4%減少、岡山が2.8%減などマイナスになっている県もある。 約4000万人と総人口の3割を占めるにまで増加した年金生活者には、賃金増加は及ばない。ボーナスを受け取れない非正規労働者も増加中だ。「消費が持続的に増加するには、年金問題などをクリアし、将来を安心できる社会づくりが必要」(三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉氏)といえる。 デフレから脱却し、日本経済を持続的に成長させるためには消費の増加が不可欠だ。小売株の高いパフォーマンスはアベノミクスへの市場の期待感ともいえる。その期待感がいつまで続くかはアベノミクスの先行きを占うことになるかもしれない。 (伊賀大記 編集:石田仁志) メルマガを購読する 今、あなたにオススメ アングル:空文化した東芝の企業統治、指名・監査委の機能化課題 プエルトリコが債務不履行、1日期限の5800万ドルの一部のみ返済 上場は検討していない=サントリーHD専務 焦点:負担増警戒するドイツ、捨て切れぬ「欧州統合」の夢 東芝の不正会計問題、日本の低い監査報酬が浮き彫り 質に懸念 http://jp.reuters.com/article/2015/08/07/gdp-per-idJPKCN0QC0W020150807?sp=true ゆうちょ銀6月末の国債保有比率、初の50%割れ=日本郵政決算 2015年 08月 7日 17:04 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス [東京 7日 ロイター] - 日本郵政が7日発表した2015年4―6月期決算によると、ゆうちょ銀行の6月末の国債保有残高は3月末から約5兆円減り、101兆6439億円となった。運用資産に占める比率は49.2%となり、初めて50%を割り込んだ。国債の利回り低下や運用の多様化を進めているため。 国債の減少分は、満期償還後に国債に再投資せず、日銀預け金などに回った。一方、金銭信託の中で国内株式に投資している額は2兆3000億円となり、3月末比約2000億円増えた。株価上昇による影響という。 かんぽ生命の6月末の国債保有残高は47兆8725億円で3月末比ほぼ横ばい。運用資産に占める比率も56.6%で変わらなかった。株式は3月末の1兆円超から1兆2000億円程度に膨らんだ。 日本郵政の4―6月期連結当期利益は、前年同期比1.6%増の1426億円となった。ゆうちょ銀とかんぽ生命の減益を、日本郵便が補った。 子会社3事業の当期利益は、ゆうちょ銀が運用収益の悪化で同7.8%減の792億円、かんぽ生命保険が学資保険の販売件数減少などで同8.3%減の232億円となった。日本郵便は、郵便・物流事業の収益が改善した結果、同55.2%増の312億円となった。 日本郵政の通期見通しは、上場承認時に公表する。 NY市場サマリー(16日) ソフトバンク傘下スプリント損失予想より少なく、顧客流出過去最低 送電線に無数の「大人のおもちゃ」、米住民の話題さらう 郵政グループの上場見据え、来週から意見公募=民営化委 スカイマーク債権者集会、ANA支援の再生案を承認=関係者 http://jp.reuters.com/article/2015/08/07/jp-b-idJPKCN0QC0QT20150807 金融庁、国際資本規制の国内適用で府省令や監督指針の改正案 2015年 08月 7日 19:22 JST [東京 7日 ロイター] - 金融庁は7日、国際金融規制である「バーゼルIII」を国内の国際基準行に段階的に適用するための府省令や監督指針などの改正案を公表した。 最低所要自己資本比率8%に加えて必要な資本上乗せ分の具体的な数値が規定されたほか、資本上乗せ分を下回った場合の配当・賞与の支払い等による社外流出行為の制限などが盛り込まれた。 改正案は、資本バッファー(最低比率からの上乗せ分)として4つのカテゴリーを提示。このうち、将来のストレスに備えて一律に積み立てる「資本保全バッファー」を2.5%とする半面、国内の信用供与が過剰と認められる場合に将来の損失に備えて積み立てさせる「カウンター・シクリカル・バッファー」は0%とした。 カウンター・シクリカル・バッファーは各国の裁量で0―2.5%の範囲で決めることができるが、金融庁は、日本経済がデフレ脱却の途上にあり、バブル期のように信用が過剰に供与されている局面とは異なるため、金融機関がショックに備えてカウンター・シクリカル・バッファーを積む必要は当面ないと判断した。 資本バッファーにはこのほか、「グローバルなシステム上重要な銀行(G―SIBs、メガバンクが該当)」が対象となる「G―SIBsバッファー」と、「国内のシステム上重要な銀行」が対象となる「D―SIBsバッファー」がある。G―SIBsは金融安定理事会(FSB)が毎年、対象行とバッファーの比率を決めるが、D―SIBsは金融庁が定量的・定性的基準を総合的に判断して今後選定する。 金融庁は今回の改正案への意見を9月7日まで募集する。10月をめどに国内法令を公布、2016年3月の適用開始を予定している。 (和田崇彦) メルマガを購読する 今、あなたにオススメ 増える国際規制の影響検証すべき=金融庁・政策評価の有識者会議 ギリシャ首相、内部対立解消急ぐ 8月2日に党内投票実施も 焦点:東芝の不正会計、高まる新日本監査法人の責任論 焦点:バーゼルが金利リスクを監督対応へ、それでも規制強化 アングル:増加する役員賠償保険の契約、補償額引き上げも http://jp.reuters.com/article/2015/08/07/japan-finacial-services-agency-idJPKCN0QC13620150807 2015年 08月 7日 16:30 JST 関連トピックス: トップニュース コラム:英中銀が米国に送った利上げメッセージ=田中理氏
田中理第一生命経済研究所 主席エコノミスト [東京 7日] - 米国の利上げ開始時期に注目が集まっているが、同様に近い将来の利上げを模索している国がある。サブプライム危機や欧州債務危機の余波を乗り越え、順調な景気拡大を続けている英国だ。 5―6日に行われたイングランド銀行(英中央銀行、BOE)の金融政策委員会(MPC)では、9人の政策委員のうちマカファーティー委員がただ1人0.25%ポイントの利上げを主張した。今年に入ってからのMPCでは全会一致で政策金利の据え置きが決定されてきた。利上げ票が入ったのは昨年8月から12月に2委員が主張して以来のこととなる。 事前予想ではこのところタカ派的な発言をしていたウィール委員やマイルズ委員も利上げ票を投じるとの見方もあったが、足元の原油安やポンド高進行、労働生産性の回復がインフレ圧力の抑制に働くとみられることなどから、利上げを急ぐ必要はないとの判断が働いた模様だ。 カーニー総裁を含む残りの8委員は政策金利を0.5%に据え置くことを主張した。ただ、総裁は先月半ばの講演で「利上げ開始時期の判断は年末頃により明確になる」と発言し、利上げが近づいていることを示唆していた。 <11月利上げの線は消えたか> 市場対話の強化を図っているBOEは、従来別々に公表していた金融政策に関する決定、MPCの議事要旨、四半期ごとの物価報告(景気や物価に関する詳細な判断と見通し)を、今回の会合から同時に公表する方式に切り替えた。物価報告後に総裁の記者会見も行われ、BOEの政策運営を占う重要な情報が集中する6日は現地メディアで「スーパーサーズデー」などと呼ばれ、市場参加者の間で注目を集めていた。 このところの経済指標の上振れや政策委員のタカ派的な発言を受け、近い将来の利上げを示唆するとの見方も台頭していた。据え置き派と利上げ派が「7対2」や「6対3」の割合になるとの事前観測が広がっていたこともあり、肩透かしを食らった6日の為替市場ではポンド安が進行した。 カーニー総裁は記者会見で「英国経済のスラック(緩み)は縮小し、賃金上昇の兆しが出てきている」として、「利上げを開始する時期は近づいている」と発言した。一方で、「正確な利上げ時期は予測できない。経済の進展や見通しを踏まえて行う。要するにデータ次第ということだ」と念を押すことを忘れていなかった。 BOEの政策変更は年4回(2月、5月、8月、11月)の物価報告の発表月に行われることが多い。過去の政策変更を振り返ると、物価報告の発表月とそれ以外の月では、政策変更が行われる確率は前者が後者の2倍程度に達する。2000年代以降の過去2回の利上げ局面では、いずれも物価報告の発表月に利上げを開始している。今回も物価報告の発表月に利上げが開始されると考えるのがひとまず自然だろう。 とはいえ、次回11月の物価報告発表時までに利上げを正当化する経済指標が発表される可能性は低い。イランの核協議合意や中国景気の減速をきっかけに足元で原油の一段安が進んでおり、目先の物価指標にはむしろ下押し圧力が強まることが予想される。 今回の物価報告でも2015年の消費者物価の見通しを、前回5月の0.6%から0.3%に下方修正した。カーニー総裁も6日の会見で、6月に前年比でゼロ%にある消費者物価がエネルギー価格の下押しにより向こう数カ月の間にマイナス圏に転落したとしても「特に驚くべきことではない」と発言している。 また、ここ数カ月、賃金上昇が加速傾向にあり、労働需給のひっ迫がいよいよ賃上げ圧力につながってきたとの見方も台頭している。だが、月ごとの振れが大きい英国の賃金統計は3カ月移動平均で見るのが一般的であり、ちょうど3カ月前のボーナスのトレンド対比での高い伸びが賃金上昇を押し上げている。来月以降の賃金統計からは3カ月前のボーナスによる押し上げが剥落し、賃金上昇が再び鈍化する可能性がある。 <紳士の国からレディーファーストの提案> このように年内利上げの可能性は遠のいたが、BOEは来年早々にも利上げを開始する可能性が高い。足元の物価上昇率は原油安によるエネルギー価格の下落や大手食品スーパーの値引き合戦による食料品価格の下落など一時的な要因によって下振れしている。 カーニー総裁は、2%の物価目標から足元の物価が下振れしている理由の75%(すなわち1.5%ポイントのかい離)がこうした一時的な要因によるもので、残りの25%(0.5%ポイントのかい離)が過去の需給の緩みに基づくものであると説明している。今後も順調な景気回復が続くのであれば、エネルギー価格による物価の下押しが一巡する来年初めには利上げ開始の準備は整っていることが予想される。 新たな物価報告では2年後の消費者物価の見通しを2.03%と5月時点の2.00%からわずかに上方修正し、3年後の物価見通しを2.14%と5月時点から据え置いた。物価報告の見通しは短期金融市場が織り込む政策金利のパスに基づいており、今回の見通しでは2016年央までに0.25%ポイントの利上げが行われるとの前提で作られている。 つまり、市場が想定する政策金利のパスでは、2―3年後の消費者物価がBOEの物価目標である2%を上回って加速していくとBOEは判断しているわけだ。市場が想定する来年央の利上げでは「ビハインド・ザ・カーブ」、すなわち後手に回ることになり、カーニー総裁が思い描く利上げの開始時期は来年2月であると考えられる。その頃には米連邦準備理事会(FRB)も利上げを開始している可能性が高く、BOEにとって利上げのハードルは低くなっているだろう。 むろん、米国の利上げ開始で新興国経済に深刻な影響が及んでいれば話は変わってくる。さて、紳士の国の中銀総裁からの「レディーファースト」の提案をイエレンFRB議長はどのように受け止めるのだろうか。 *田中理氏は第一生命経済研究所の主席エコノミスト。1997年慶應義塾大学卒。日本総合研究所、モルガン・スタンレー証券(現在はモルガン・スタンレーMUFG証券)などで日米欧のマクロ経済調査業務に従事。2009年11月より現職。欧米経済担当。 *本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら) http://jp.reuters.com/article/2015/08/07/column-forexforum-osamutanaka-idJPKCN0QC0CC20150807?sp=true 米7月雇用統計 詳細 民間部門雇用者数は21万人増 掲載日時:2015/08/07 (金) 21:43 配信日時:2015/08/07 (金) 21:33 民間部門雇用者数 結果 210千人 予想 212千人 前回 227千人(223千人から修正) 製造業雇用者数 結果 15千人 予想 5千人 前回 2千人(4千人から修正) 平均時給 結果 0.2% 予想 0.2% 前回 0.0%(前月比) 結果 2.1% 予想 2.3% 前回 2.0%(前年比) 週平均労働時間 結果 34.6時間 予想 34.5時間 前回 34.5時間 労働参加率 結果 62.6% 予想 62.6% 前回 62.6% 不完全雇用率 結果 10.4% 予想 10.5% 前回 10.5% NY市場 カナダドルも軟調 掲載日時:2015/08/07 (金) 21:57 配信日時:2015/08/07 (金) 21:47 米雇用統計と同時刻に発表されたカナダ雇用統計も雇用増が6.6千人と予想5.0千人を上回るまずまずの結果 。ただ、米ドル高や円高の圧力に押されている。 USD/CAD 1.3145 CAD/JPY 94.95 NY市場 米雇用統計でドル相場振幅、ドル円一時125.07レベル 掲載日時:2015/08/07 (金) 21:50 NY市場 米雇用統計でドル相場振幅、ドル円一時125.07レベル 7月の米雇用統計の発表を受けてドル相場が振幅している。非農業部門雇用者数の伸びが21.5万人と予想 22.5万人に届かなかったことで、まずドルが売られる。ドル円は124.30台まで下落。しかし、すぐにドル買 いに転じると125.07レベルと6月8日以来、2ヶ月ぶりの高値をつけた。ユーロドルも振幅。1.0975近辺に上 昇した後、一気に1.0860近辺まで反落した。全般に良好な雇用状況が示される結果となっており、9月利上 げ開始に向けた思惑が高まっているもよう。利上げを懸念して米株先物は下落している。 USD/JPY 124.79 EUR/USD 1.0884 http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=270481 7月の米雇用統計、金利動向の命運握る可能性 ワシントンのFRB本部 PHOTO: CHUCK MYERS/TNS/ZUMA PRESS By JUSTIN LAHART 2015 年 8 月 7 日 10:43 JST 米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利上げするかどうか、投資家は決めかねている。日本時間7日午後9時30分に7月の米雇用統計が発表されれば、その態度も定まるだろう。 • 7月の米雇用統計、5つの注目点 FRBは7月29日に発表した連邦公開市場委員会(FOMC)の政策声明で、利上げに先立ち「労働市場のさらにいくらかの改善」を確認する必要があると表現を少し変えた。これまでは「さらなる改善」としていた。アナリストらにとっては、この「いくらか」という言葉を加えたことが大事だった。オーバーナイト物フェデラルファンド(FF)金利の誘導水準を引き上げる前に、雇用市場の一段の進展をほんの少しだけ見る必要がある、とのFRBの考えを示す言葉だからだ。 それが7日の数字で確認できる可能性がある。エコノミストらは、米国の雇用は6月の22万3000人増に続き、7月は21万5000人の伸びになると予想している。だが、雇用が実際に上向いた証拠がいくつかある。 例えば、労働省が7月に行った労働者調査によれば、新規失業保険申請件数は過去40年間で最低の水準に減少している。サプライ管理協会(ISM)の非製造業雇用指数は10年ぶりの高水準に達した。非製造業は民間雇用の90%程度を占めている。 ENLARGE 米サプライ管理協会(ISM)の非製造業雇用指数 自動車工場の多くは、今年は夏の休業期間を短縮したり、まったく休業期間を設けなかったりして強い需要に対応した。この結果、雇用調査期間の週には、より多くの自動車関連労働者が就業していたことになる。 エコノミストらは、失業率は5.3%で横ばいとみている。6月に5月の5.5%から失業率が下がったのは大体において求職者が減った結果だったので、この予想は確実とは言えない。7月に失業率が上がるとすれば、職探しをする人が増えたためである可能性が高く、これは良いことだろう。 7月の平均時給は前月比0.2%増が見込まれている。これもさらに強いかもしれない。6月の賃金統計は実働日数のゆがみや季節調整が難しいために抑えられたと考えるエコノミストは多い。7月の数字が強かったり、6月の数字が上方修正されたりすれば、FRBにとっては思ったよりも雇用市場のスラック(余剰資源)は多くないという安心材料になるだろう。 まだ8月の雇用統計で台無しになる可能性はあるものの、7月の雇用統計が十分強ければ、9月の利上げに向かう道筋はほぼできあがるだろう。 仮にこの雇用統計が弱ければ、12月まで待つことになるだろう。 http://jp.wsj.com/articles/SB10685294686418064255204581155240001740016
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