★阿修羅♪ > 経世済民99 > 497.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「追加緩和あり」と「緩和なし」予想が徐々に拮抗 物価と賃金のジレンマ 大幅マイナス成長 FRBコアインフレ安
http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/497.html
投稿者 rei 日時 2015 年 8 月 05 日 18:36:35: tW6yLih8JvEfw
 

「追加緩和あり」と「緩和なし」予想が徐々に拮抗

日銀サーベイ
2015/08/05 11:30 JST

  (ブルームバーグ):足元の景気は低迷し、消費者物価指数もゼロ%近辺で低迷する中、日銀がエネルギーを除く物価の基調は着実に上昇しているとの主張を強めていることもあり、「追加緩和あり」予想と「追加緩和なし」予想が徐々に拮抗(きっこう)しつつある。
日本銀行が6、7両日開く金融政策決定会合は、ブルームバーグが7月27日から8月3日にかけてエコノミスト37人を対象に実施した調査によると、全員が現状維持を予想した。
10月の緩和予想は12人(32.4%)と前回(34.3%)からほぼ横ばいだった一方、「緩和なし」は16人(43.2%)と前回(37.1%)から増加した。「追加緩和あり」予想は21人(56.8%)と前回(62.9%)から減少し、「緩和なし」予想との差が徐々に縮まっている。
輸出と個人消費が低迷したことで、4−6月の実質成長率は前期比年率1.9%減と3期ぶりのマイナス成長が予想されている。6月の生鮮食品を除くコア消費者物価(CPI)は前年比0.1%上昇と引き続きゼロ近辺にとどまっており、7月の東京都区部のコアCPIは0.1%低下と2年3カ月ぶりのマイナスとなった。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「経済指標は思いのほか悪い。4−6月の成長率も悪く、数字だけ見ると、追加緩和の可能性が高まってもおかしくない」と指摘する。
その上で、「それでも緩和しないのは、政治的に円安がさらに進むのが歓迎されないと考えられるためだろう。黒田総裁は火中のくりを拾ってまで急いで2%に近づこうとはしていないようにみえる」という。

日銀が新型コアCPIを公表

クレディ・アグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストは「日銀は『目先のCPIのマイナスは想定内の動きで、物価の基調はむしろ改善している。4−6月期の景気停滞も一時的で、7月以降は巡航速度での成長に戻る』との見解を示すと予想され、早期の追加緩和となる可能性は低い」とみる。
日銀は7月の金融経済月報で、エネルギーを除くコアCPIを独自に公表。5月は前年比0.7%上昇と総合(0.5%上昇)、コア(0.1%上昇)、食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合(0.4%上昇)のいずれより高い伸びを示した。
スーパーマーケットのPOSデータを通じ全国約300店舗の商品を対象とする東大日次物価指数、約1200店舗のデータから算出しているSRI一橋大学消費者購買指数もこのところ伸びを高めている。中曽宏副総裁は7月27日、熊本市内の講演で両指数に言及するとともに、会見でエネルギーを除くコアCPIに注目していく姿勢を示した。

http://www.cmdlab.co.jp/price_u-tokyo/
http://risk.ier.hit-u.ac.jp/Japanese/nei/

追加緩和は当面ないことを示唆

シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは「同指数への言及が、日銀が政策決定を行うためのヤードスティック(尺度)を変更する前触れであるとは考えにくい」と指摘。「むしろ、同指数にみられるような『前向きな変化』を強調することで、インフレ期待と企業の価格設定に影響を及ぼしたいと考えている可能性が高い」とみる。
大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは日銀が月次で同指数の公表を始めた背景について、「エネルギー価格の下押し圧力の強まりに隠れて進んでいる『物価基調のポジティブな変化』に目を向けさせることで、追加緩和の投入は当面必要ない、との認識を示唆したいためではないか」という。
一方、JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは「生鮮食品とエネルギーを除くということは、食料品のみは物価の基調と関係があるということになるが、なぜエネルギーは物価の基調と関係がなく、食料品は関係があるのか、この点について日銀は分かりやすく説明すべきだ」と指摘する。
その上で、「足下では食料品価格の上昇テンポが強まっているが、基本的にはこれまでの円安の効果が顕現化したものだ。今後円安が一服すると食料品価格の上昇テンポは鈍化するだろう。日銀はその時には食料品は除くと言うのだろうか。物価の基調を示す指標を頻繁に変えると、日銀の信認の低下につながる恐れがある」という。

「10月緩和」予想は少数派

10月緩和予想は少数派となったが、依然として3人に1人を占めている。伊藤忠経済研究所の武田淳主任研究員は「景気は明らかに停滞している。消費増税前にデフレ脱却を確実にすることが不可欠だが、足元の景気停滞によりその可能性は大きく低下した。日銀は遅くとも10月の展望リポートまでに追加緩和を迫られる」と予想する。
ジャパンマクロアドバイザーズの大久保琢史チーフエコノミストも「2%のインフレ目標を2016年内に達成するためには、速やかな追加緩和が必要な状況といえる」という。
ただし、「日銀内のサイレントマジョリティは、短期的なインフレ目標について懐疑的で、2%のインフレは数年程度のタームでの達成を考えており、17年に消費税増税で日本経済が落ち込むことを考えると、16年に無理にインフレ目標は達成しなくてもよい、というのが大勢なのだと考えられる」という。

着々と出口論の理論武装

野村証券の松沢中チーフストラテジストは「海外環境がよほどひどいことにならない限り、日銀が追加緩和に近付く可能性はかなり低いだろう」と指摘。一方で、「出口論は米国の利上げ成功が前提になると思われ、今のところ表だって話が進む環境ではない」という。
もっとも、「底流では、量的・質的金融緩和がこれまで長期金利に与えてきた効果の推計や、『均衡イールドカーブ』の研究結果を続々と公表し始めており、出口論の際に必要な理論武装を着々と進めている感がある」としている。
日銀ウオッチャーを対象にしたアンケート調査の項目は、1)今会合の金融政策予想、2)追加緩和時期と手段や量的・質的金融緩和の縮小時期および「2年で2%物価目標」実現の可能性、3)日銀当座預金の超過準備に対する付利金利(現在0.1%)予想、4)コメント−。


1)日銀はいつ追加緩和に踏み切るか?
==============================================================================
調査機関数 37 100%
==============================================================================
8月 0 0.0%
9月 0 0.0%
10月7日 0 0.0%
10月30日 12 32.4%
11月 0 0.0%
12月 0 0.0%
2016年1月 5 13.5%
2016年2月 0 0.0%
2016年3月 0 0.0%
2016年4月以降 4 10.8%
追加緩和なし 16 43.2%
==============================================================================

2)追加緩和の具体的な手段
==============================================================================
マネタリーベースの増加ペースの引き上げ 14
長期国債の買い入れペースの引き上げ 13
ETFの買い入れペースの引き上げ 15
J-REITの買い入れペースの引き上げ 9
付利の引き下げ  8
その他 8
==============================================================================

3)日銀は生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)前年比が2%程度
に達するのは「2016年度前半ごろ」としてますが、この見通しは実現し
ますか。
==============================================================================
調査機関数 36
==============================================================================
はい 1
いいえ 35
==============================================================================

4)日銀が2%の「物価安定の目標」が安定的に持続すると判断し、
量的・質的金融緩和の縮小を開始する時期はいつ?
==============================================================================
調査機関数 37
==============================================================================
2015年下期 0 0.0%
2016年上期 2 5.4%
2016年下期 4 10.8%
2017年上期 2 5.4%
2017年下期 3 8.1%
2018年以降 14 37.8%
見通せず 12 32.4%
==============================================================================

5) 物価の基調を測る上で最も適切と思われる指標を次の中からお選び下さい。
==============================================================================
調査機関数 35
==============================================================================
総合CPI 0
生鮮食品を除く総合(コアCPI) 5
食料(酒類除く)・エネルギーを除く総合(コアコアCPI) 13
生鮮食品・エネルギーを除く総合 10
持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合 2
その他 5
==============================================================================

問1に対しての回答の詳細
==============================================================================
前回 今回
メリルリンチ証券、吉川雅幸 追加緩和なし 追加緩和なし
バークレイズ証券、森田京平 2016年4月以降 2016年4月以降
BNPパリバ証券、河野龍太郎 追加緩和なし 追加緩和なし
キャピタルエコノミクス、Marcel Thieliant 10月30日 10月30日
シティグループ証券、村嶋帰一 10月30日 10月30日
クレディ・アグリコル証券、尾形和彦 2016年1月 2016年1月
クレディ・スイス証券、白川浩道 2016年4月以降 2016年4月以降
第一生命経済研究所、熊野英生 10月30日 10月30日
大和総研、熊谷亮丸 2016年4月以降 2016年4月以降
大和証券、野口麻衣子 追加緩和なし 追加緩和なし
ゴールドマン・サックス証券、馬場直彦 10月30日 10月30日
HSBCホールディングス、Izumi Devalier 10月30日 追加緩和なし
伊藤忠経済研究所、武田淳 7月 10月30日
ジャパンマクロアドバイザーズ、大久保琢史 追加緩和なし 追加緩和なし
日本総合研究所、山田久 追加緩和なし 追加緩和なし
JPモルガン証券、菅野雅明 - 2016年1月
明治安田生命保険、小玉祐一 2016年1月 2016年1月
三菱UFJモルガンスタンレー証券、六車治美 10月30日 10月30日
三菱UFJモルガンスタンレー景気循環、景気循環研 嶋中雄二7月 10月30日
三菱UFJリサーチコンサルティング、小林真一郎 10月30日 10月30日
みずほ銀行 、唐鎌大輔 2016年1月 2016年1月
みずほ総合研究所、高田創 追加緩和なし 追加緩和なし
みずほ証券、上野泰也 10月30日 10月30日
ニッセイ基礎研究所、矢嶋康次 10月30日 2016年1月
野村証券、松沢中 追加緩和なし 追加緩和なし
農林中金総合研究所、南武志 追加緩和なし 追加緩和なし
岡三証券、鈴木誠 追加緩和なし 追加緩和なし
信州大学、真壁昭夫 2016年4月以降 2016年4月以降
三井住友銀行、西岡純子 - 追加緩和なし
SMBCフレンド証券、岩下真理 追加緩和なし 追加緩和なし
SMBC日興証券、森田長太郎 追加緩和なし 追加緩和なし
ソシエテジェネラル証券、会田卓司 10月30日 10月30日
スタンダードチャータード銀行、Betty Wang 10月30日 10月30日
東海東京調査センター、武藤弘明 追加緩和なし 追加緩和なし
東海東京証券、佐野一彦 追加緩和なし 追加緩和なし
東短リサーチ、加藤出 2016年1月 追加緩和なし
UBS証券、青木大樹 10月30日 10月30日
==============================================================================
関連ニュースと情報: 石田日銀委員:帰属家賃除くと2.4%必要−2%物価目標の達成に西村前日銀副総裁:「2年あり得ない」、無理に2%目指すとゆがみ家賃の品質調整で物価0.2%押し上げ−日銀調統局長が見直し要請円の対ドル相場の推移:{JPY <Curncy> GP M <GO>} 日経平均株価の推移:NKY <Index> GP M <GO> 10年国債利回り:GJGBBNCH <Index> GP <GO> トップストーリー:TOP JK<GO> 主要国の政策金利:OLR <GO> 日銀総合画面:{BOJ <GO>
取材協力: 藤岡徹
記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 Tomoko Sato tsato3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net
更新日時: 2015/08/05 11:30 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NSL8A16TZ02C01.html

2015年 08月 4日 22:39 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
インタビュー:来夏に物価目標達成、追加緩和不要=内閣官房参与

[東京 4日 ロイター] - 安倍晋三首相の経済アドバイザーを務める本田悦朗・内閣官房参与は4日、ロイターのインタビューに応じ、来年夏にかけて、日銀が目標とする物価上昇率2%近辺に達するとし「追加緩和の必要はない」との認識を示した。

金融政策の次の一手は、テーパリング(緩和度合を緩めること)になると示唆。時期は2017年4月に予定される消費税率10%への引き上げ後の経済状況を見極め判断していくことになると展望した。

17日発表の4─6月期国内総生産(GDP)について、消費の落ち込みはボーナス支給月の遅れや天候要因などによる「一時的なものだ」とし、「基調として、景気は回復傾向にあり、今年後半にかけて消費も物価も上昇してくる」と語った。

6月毎月勤労統計で実質賃金はマイナス圏に沈んだが「一時的なもの」とし、所定内給与と所定外給与を合わせた定期的に支給される給与でみると、若干のプラスになることを挙げ、実質賃金の上昇傾向に変わりないとした。

コアCPIはゼロ近辺にあるが、原油価格下落の影響がはく落してくれば、物価は9月以降、上昇を加速させると見通し、「基調として物価上昇が続いている」と語った。

物価目標達成時期について「2016年の夏ごろまでに2%近辺に達する」とし、「追加緩和の必要はない」と指摘。当面、政策スタンスを変更する必要性はないと繰り返し、不必要な追加緩和は円安やインフレ率のオーバーシュートにつながると懸念を示した。

追加緩和で円安が加速するリスクに関しては「企業が対応できるスピートでゆっくり円安傾向が進めばよいが、不確定要因で円安に振れてしまうと企業にとってマイナスになる」と語った。

本田氏は「1ドル125円に近付くと、123円に戻り、非常にいいラインで動いている。(為替動向について)今心配することはない」と語った。

一方、財政政策では、足元低迷している個人消費が復調しなければ、財政出動の必要性に言及。7─9月期の数字をみたうえで、今年度、国費ベースで3兆円程度の補正予算で下支えする必要があると述べた。さらに17年4月の消費税増税の環境整備として引き上げ前後に、3兆円程度の補正が必要との認識も示した。

マクロ政策運営に関し、当初は「今年の今ぐらい(2015年夏)には2%に近づき、3カ月くらい様子を見て、テーパリングに入り、来年(2016年)の10月ごろにはデフレ脱却宣言したうえで、最終的な消費増税の確認を行うシナリオをもっていた」という。

本田氏は「(日銀の)テーパリングについて今から言及するのは時期尚早だが、タイミングとしては、消費増税の影響をみてからのほうが安全だ」と述べた。

安倍首相の自民党総裁再選後の政策課題について、日銀法改正を第一に挙げ「2度とデフレにしないためには、日銀法改正(が不可欠)」とした。ポスト黒田日銀総裁後を念頭に「来年の通常国会か臨時国会に法案を出したい」と述べた。

(吉川裕子 梶本哲史 編集:田巻一彦)


独政府、ショイブレ財務相の「辞任検討」報道を否定
政府が東電の再建計画変更を認定、原発賠償7兆円に
コラム:中国当局が払う資産バブル傍観の「代償」
ギリシャ、第3次支援なければ銀行システム崩壊へ=ESM
インフレ率は今後相当加速、現段階で追加緩和不要=日銀総裁http://jp.reuters.com/article/2015/08/04/column-forexforum-ryutarokono-idJPKCN0Q903320150804


2015年 08月 4日 19:25 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
物価と賃金のジレンマ、見方分かれる日銀追加緩和

[東京 4日 ロイター] - 日本は物価と賃金のジレンマに苦しんでいる。物価が上昇するなか、賃金が伸び悩めば、実質賃金は減少してしまう。逆に物価が下がれば、実質賃金は上昇するが、デフレ脱却は難しくなる。アベノミクス政策は手詰まりだとして市場に失望感が広がっているわけではないが、日銀追加緩和についての見方は分かれ、海外勢の日本株買いも一服気味だ。

<大企業と異なる毎勤の「景色」>

理想は物価と賃金が同時に上昇することだ。もっと理想をいえば、物価よりも賃金の方が伸び率が高くなることが望ましい。そうすれば、物価上昇の目減り分を考慮した実質賃金は上昇し、消費に大きなプラス効果が働く。持続的な物価上昇も期待できる。

しかし、毎月勤労統計調査によると、今年6月(速報)の実質賃金は2.9%減と大きなマイナス。厚生労働省では、ボーナスが5月に前倒しで支給されたことなどが影響した可能性があるとするが、その5月も実質賃金は横ばいだった。

今年4月まで実質賃金が24カ月連続で減少していたことからすれば、改善の兆しがあるとはいえ、賃金の動きに強さが見えたとまでは言いにくい。昨年4月の消費増税分が前年比では表れなくなったが、可処分所得がその分増えたわけではない。

賃金のベースである所定内給与は、6月速報で24万1618円。1年前の24万2830円をやや下回っている。カバー対象が事業所規模5人以上と広い毎月勤労統計は、大企業の好調な業績や賃金とは「景色」がやや異なるのが実情だ。

<賃金はアベノミクスの最重要指標>

賃金が伸びない中では、物価の上昇は歓迎しにくい。賃金が十分に上昇してこないまま、物価だけが上昇すれば、実質賃金は目減りし、消費を圧迫。結果的に賃金も上がらず、持続的な物価成長も見込めないことになってしまう。

物価に負けないだけの実質賃金の上昇が起きるか──。「海外勢にとって賃金動向は、内閣支持率と並ぶアベノミクスの最重要インジケーター(指標)だ」とJPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏は話す。

みずほ証券リサーチ&コンサルティングの集計では、4─6月期決算では7割の企業が増益だ(31日時点、東証1部企業、金融除く)。ただ、企業からは「海外子会社への融資が円安によってかさ上げされるなど円安効果がほとんど」(上場会社財務担当者)との声も漏れる。企業が賃金の引き上げに依然として慎重なのは、こうした面もありそうだ。

アベノミクス政策が始まって2年以上が過ぎたが、市場では、今年の4─6月期実質国内総生産(GDP)は、マイナス成長になるとの予測が多くなっている。弱いとみられているのは輸出と個人消費。円安でも輸出は伸びず、個人消費は円安による輸入物価の上昇で圧迫されている。「期待できるのは外需の好転くらい」(第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏)との声も多い。

<追加緩和に「本末転倒」の声も>

ただ、政策の行き詰り感も漂い始めているとはいえ、アベノミクス相場を支えてきた海外勢が見放したわけではないようだ。

日経平均.N225は4日の市場で上値が重いながらも2万0500円台をキープ。賃金が伸び悩んでいる一方、配当や自社株買いなど株主還元は過去最高水準だ。株主や投資家にとっては悪くない環境が続く。「TPP合意先送りや支持率低下を嫌気した売りが一部海外勢から出ているが、アベノミクスに失望したという感じではない。むしろ秋の追加緩和や景気対策などを期待しているようだ」(大手証券トレーダー)という。

日銀は物価目標2%の達成に自信をみせているが、原油や商品価格が大きく下落するなかで、早期の2%達成を予想するエコノミストは少ない。かといって2%の物価目標を達成しようと日銀が追加緩和すれば、実質賃金を押し下げてしまうおそれが出る。消費が減少し物価も下落に転じれば「本末転倒」となりかねない。

問題は、物価上昇の主要因が、需要が増加したことではなく、円安による輸入物価の上昇などコスト増にあることだ。所得が上がらない中で、食品などの値上がりが家計を直撃。さらに企業でも、せっかく高い価格で販売できても、コスト増に食われれば、利益は伸びず、賃金の原資も増えないことになってしまう。

このため、構造改革が進まないなかでは、追加の金融緩和や追加の景気対策を実施しても、需要が増加し、実質賃金が持続的に上昇するようにはならないとの疑問も市場では多い。

円安と株高で一息ついている間に、人口問題や年金問題などに取り組み、消費者の将来の生活に対する安心感を高めなければ、いくら物価が上昇しても、デメリットが強く出てしまうことになりかねない。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

*文字の乱れを正しました。

焦点:意識される「原油安が円安支援」の構図、日銀追加緩和の思惑
極秘のグリジット緊急対応策、ギリシャ前財務相が認める 
コラム:なぜ米国は中国軍を「訓練」するのか
日銀17年度までの物価を小幅下方修正、黒田総裁「中国注視」
外国人労働者の流入で変貌する太田市、移民と地元住民の交流みえず

2015年 08月 4日 20:04

コラム:大幅マイナス成長で追加緩和はあるか=河野龍太郎氏

河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長
[東京 4日] - 安保関連法案をめぐり安倍政権の支持率が急低下しているが、日銀に対しても逆風が強まりつつある。もとより「2016年度の前半頃」に2%インフレが達成されるという日銀の見通しは市場の見方からかなり乖(かい)離したものだったが、足元の景気減速やコモディティ価格の一段の低下により、実現性が一層厳しくなっている。事実、市場ではにわかに追加緩和観測が強まりつつある。

念のために言っておくと、足元までの物価動向は、日銀の従来の見通しから特に下振れしているわけではない。消費者物価指数(除く生鮮食品、以下CPIコア)は5月、6月と前年比0.1%の上昇にとどまったが、4月の展望レポートでもCPIの前年比は「当面0%程度で推移する」としていた。また、原油価格下落の影響を除くと、昨秋以降の円安によるコスト増が順調に価格に転嫁されつつあり、物価上昇率は食料品を中心に再び上向きつつある。

しかし、一方で経済成長率は、日銀の見通しをかなり下振れする可能性が高まってきた。

17日に公表が予定されている4―6月期の実質国内総生産(GDP)に関して、4―5月のデータが発表された時点での筆者の成長率見通しは前期比年率マイナス1%程度だったが、貿易統計などその後発表された6月の統計はいずれも低調で、年率2%程度のマイナス成長となる公算が高まっている。

4―6月期の減速は、在庫の大幅プラス寄与で年率3.9%の高成長となった1―3月期の反動という側面もあるが、それだけではない。中国を中心とした新興国経済の減速を受けて輸出が大きく落ち込んだうえ、緩慢ながらも持ち直していた個人消費も再び減少したと見られる。

<非現実な日銀の成長見通し>

黒田日銀総裁は、7月15日の金融政策決定会合後の記者会見で「4―6月の成長率は、非常に高い成長率だった1―3月に比べるとかなり低下する可能性がある」と述べている。4―6月期の減速に関しては日銀としてもある程度は織り込み済みということだろう。

実際、この会合後に発表された展望レポートの中間評価では、政策委員の2015年度の成長率見通しの中央値が2.0%から1.7%へと低下していた。仮に4―6月期が筆者の予想通り年率2.0%程度のマイナス成長だったとするなら、2015年度全体で1.7%の成長を達成するには、残りの3四半期は平均して年率4%程度の成長が必要となる。潜在成長率が0.3%の日本にとって、これは明らかに非現実的である。

前述した通り、いったん持ち直していた原油価格も、7月に入って再び低下している。原油価格下落それ自体は日本経済にとって交易条件の改善を意味するが、成長や物価見通しへの意味合いは、その下落をもたらしている要因にも依存する。現在、ここにきて原油価格が再び軟化している主因は中国経済の減速懸念である。つまり、中国経済の減速が、輸出減を通じた需給ギャップ悪化およびコモディティ価格下落をもたらし、当面の物価見通しを悪化させているのである。

こうした状況下、ブレークイーブン・インフレ率から判断すると、市場の期待インフレ率も再び低下している。昨年10月末に、日銀は予想外の景気の弱さと原油価格の下落によるインフレ期待への悪影響を懸念し追加緩和に踏み切ったが、状況としては当時と似た要素が増えており、市場で追加緩和観測が高まりつつあるのも至極当然だろう。

<追加緩和観測をけん制する日銀>

ただ、筆者自身は「追加緩和なし」との見方を維持している。最近、日銀はインフレに関して、原油価格下落の影響で低迷しているCPIコアや、食料品価格の上昇が反映されない、いわゆる「米国型コア」に加えて、生鮮食品とエネルギーのみを取り除いた指標を重視している。

生鮮食品とエネルギーを除いた指標は、今年2月の0.4%を底に持ち直しており(直近の6月は前年比0.8%)、それを強調することで、追加緩和を期待する市場をけん制したいとの思惑が見え隠れする。この他、CPIの帰属家賃が過少推計されていることや、東大物価指数、一橋物価指数の上昇がここにきて加速していることなどが、メディアに頻繁に取り上げられるのも、追加緩和観測が広がることへの日銀からのけん制である。

「必要ならば追加緩和は躊躇(ちゅうちょ)しない」というのが表向きのスタンスだが、当然、日銀は本音では、出来るなら追加緩和を実施したくはない。一段の長期国債の買い増しが技術的に難しくなる中、あくまでインフレ目標追求のために追加緩和を実施するとなれば、将来のデメリットがより大きくなる政策に踏み込まざるを得なくなる。

また、追加緩和はさらなる円安を引き起こす可能性があるが、ここからの一段の円安が景気に対して果たしてプラスなのか、日銀内でも懐疑的な見方があるだろう。足元で個人消費が軟化している一因も、上述した通り、円安により食料品価格などが上昇していることが影響していると考えられる。こうした家計への悪影響を懸念し、政府自身が一段の円安は望んでいないと見られる。

前年比ベースでようやく下げ止まった実質賃金が、円安により再び減少に向かえば、安倍政権の支持率低下で勢いづく野党にさらなる追及材料を与えることにもなりかねない。通常、政権の支持率低下は日銀への政治的な緩和圧力につながりやすいが、現在の環境下では必ずしもそうとは言えないのである。

<中国経済が下げ止まる可能性は大きい>

一方、日銀は、足元の景気減速は一時的なものと判断しており、筆者も基本的にはその見方に同意する。

最大の焦点は、足元の輸出減およびコモディティ価格下落の主因となっている中国経済の減速が止まるのかという点であるが、筆者は、今回の中国株の急落が不動産も含めた全面的なバブル崩壊に至ることはなく、当局による追加的な景気刺激策により、その長期的インプリケーションはさておき、年後半、中国経済はひとまず持ち直すと考えている。

財政投融資などの拡大に伴い、公共投資などが増え始めていることがすでに確認されている。米国経済や欧州経済が回復傾向を示す中、中国経済も底入れしてくれば、日本の輸出も持ち直しが予想され、そうなれば今年に入って強気化しつつある製造業の設備投資計画も大きく下方修正されることなく実行されていくだろう。

需給ギャップが再び改善に向かうという絵を描くことが出来る限り、日銀は2%目標の実現時期に関する文言を微妙に後ずらしすることで対応し、追加緩和には踏み込まないと見られる。

とはいえ、中国経済が深刻な過剰ストック問題を抱えていることは確かであり、世界経済の先行きへのリスクは明らかに下向きで、アップサイドとは言えない。

直近の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)も、予想外の大幅低下となった。仮に中国経済の減速が止まらず、7―9月期もプラス成長へ日本経済が復帰できないという事態になれば、日銀が追加緩和に向かう可能性は否定できないだろう。グローバルでリスク回避的な傾向が大きく強まり、さらに米国のゼロ金利解除まで遠のくといった事態に発展すれば、円高圧力がかかることは必至であり、その場合、日銀の追加緩和の可能性はさらに高まる。

<超長期債の購入増額か>

では、仮に追加緩和が実施される場合、具体的に日銀は何をするのか。以下はリスクシナリオである。

早晩、長期国債のスムーズな買い入れが難しくなっていくことが予想される中で、あくまで現在の量的質的緩和の枠組みにこだわるとすれば、考えられるのは、長期国債の買い入れ年限のさらなる長期化や上場投資信託(ETF)などリスク資産の買い入れ増額だろう。

需給環境を考えると、中長期債と比較して、超長期債はまだ買いやすい。ただ、国債の買い入れ総量を大幅に増額することは、実行可能性の観点から敬遠されるはずであり、そうなるとマネタリーベース目標を大きく引き上げることは難しい。

量的質的緩和のうち、「質」に重点を置くと説明するのかもしれないが、市場からは現行の政策枠組みの限界が露呈したと解釈され、逆に失望を招く可能性もある。また、とりあえず市場の期待をつなぎとめたとしても、超長期国債のさらなる買い増しは、出口政策や政府の財政規律への影響という観点で大いに問題含みである。リスク資産の買い増しも当然、日銀のバランスシートのリスク量や市場へ大きな歪みをもたらす点で、副作用は非常に大きい。

もう1つは、これまでも論じている通り、付利引き下げにより、イールドカーブ全体の引き下げを図るというオプションである。ただし、当座預金への付利を引き下げれば、市場からの長期国債の買い入れはより困難になる可能性が高い。日銀としては、長期金利が低位で安定していれば、必ずしも「量」の目標の達成にこだわらないという姿勢に転じざるを得ないだろう。これは、量的質的緩和の枠組みそのものを転換させ、実質的に長期金利ターゲットへ移行するということであり、その意味でハードルは決して低いとは言えない。

ただ、長期国債の買い入れ年限長期化やETFなどのリスク資産の買い入れとの合わせ技で、量的質的緩和第2弾(QQE2)のバージョンアップという装いで打ち出される可能性はある。付利引き下げは、効果があるとすれば、それは主に為替レート(および株価)への影響を通したものであると考えられるため、円高圧力が大きく高まるような局面では、こうした政策への移行が検討される可能性がある。

念のため繰り返すが、メインシナリオでは追加緩和は想定していない。ここで論じているのは、リスクシナリオが実現した場合における金融政策のオプションである。

*河野龍太郎氏は、BNPパリバ証券の経済調査本部長・チーフエコノミスト。横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)や第一生命経済研究所を経て、2000年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)

コラム:5分で分かる「南シナ海問題」 2015年 06月 10日
馬と性行為の疑いで米68歳男を逮捕、覆面捜査官が活躍 2015年 07月 14日
金や新興国資産の「投げ売り」発生=米メリルリンチ 2015年 07月 24日
http://jp.reuters.com/article/2015/08/04/column-forexforum-ryutarokono-idJPKCN0Q903320150804

【FRBウォッチ】コアインフレ、安定化の兆し

By JON HILSENRATH
2015 年 8 月 5 日 10:17 JST

 米国の物価動向について厄介なのは、インフレ率が連邦準備制度理事会(FRB)の目標とする2%を38カ月連続で下回っていることだ。一方、インフレが2015年前半に安定化した兆しを見せていることは朗報だろう。

 米商務省は3日、6月の個人消費支出(PCE)を発表した。この統計には毎月のインフレ傾向を示す詳細なデータが含まれており、FRBが注視している。中でも、FRBが基調的な消費者物価の指標として重視しているのが、変動の大きい食品とエネルギー品目を除いたコアのPCE価格指数だ。6月の同指数は前年同月比1.3%上昇し、伸びは1月から6月まで6カ月連続で1.3%となった。PCE価格指数は足元で上昇の兆しを見せている。4-6月期のコア指数は前期比年率1.8%の上昇で、目標の2%にはそう遠くない。

 FRBにとっては安定性が重要だ。FRBのイエレン議長は3月の講演で、コアインフレが減速すれば、短期金利を引き上げることに違和感を感じるだろうと語った。議長は当面、この問題を心配する必要はなさそうだ。しかし、最近のドル高で輸入物価に新たな下押し圧力がかかる可能性があり、そうなれば、議長は再びインフレ低迷を懸念材料の一つに加えたいと考えるかもしれない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAAahUKEwjPxa_0mJHHAhVD6KYKHVtjAjk&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12433432845575373546004581151143610455906&ei=C53BVY-UC8PQmwXbxonIAw&usg=AFQjCNHKZIZsSZNIIvHsiaxcsznzR5pk8A&bvm=bv.99261572,d.dGY

米経済「大幅悪化」なければ9月利上げ支持─連銀総裁=報道

[ワシントン 4日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は、米経済が「大幅に悪化」しない限り9月の利上げを支持するとの見解を示した。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が4日、報じた。

同総裁はWSJ紙のインタビューに対し、「現時点では何も行動を起こさないことに対するハードルが高くなっている。自分自身の行動を起こす気持ちが萎えるには、経済情勢が大幅に悪化する必要がある」と述べた。

そのうえで、経済の用意は整っており、変化を起こす適切な時期となっていると考えていると述べた。

ロックハート総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っている。
http://jp.reuters.com/article/2015/08/04/fed-atlanta-us-economy-idJPKCN0Q924V20150804


米株市場は続落、アップルの下げや利上げ警戒感で
 8月4日の米国株式市場は続落して終了した。利上げに対する警戒感が広がった。アップルへの売りが膨らみ指数が押し下げられた。サンフランシスコで先月撮影(2015年 ロイター/Robert Galbraith)
 8月4日の米国株式市場は続落して終了した。利上げに対する警戒感が広がった。アップルへの売りが膨らみ指数が押し下げられた。サンフランシスコで先月撮影(2015年 ロイター/Robert Galbraith)
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 4日の米国株式市場は続落して終了した。米連邦準備理事会(FRB)の9月利上げに対する警戒感が広がった。こうしたなかアップル(AAPL.O)への売りが膨らみ、株価は約半年ぶりの安値をつけた。

アップルは3.2%安となり、トレーダーたちが警戒している重要なテクニカル分析上の水準である200日移動平均線をしっかり割り込み、主要3指標の最大の押し下げ要因となった。

中国経済の減速とiPhone(アイフォーン)の需要に対する懐疑的な見方がアップル株の圧力の一因になった、とトレーダーは指摘した。

リッジワース・インベストメンツのシニア投資ストラテジスト兼資産配分ディレクター、アラン・ゲイル氏は「今日はアップル(AAPL.O)が相場の弱気材料だった。セクター別では素材株指数.SPLRCMを除いてほぼ全ての業種が値下がりした」と話した。

米アトランタ地区連銀のロックハート総裁がウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙に対し、9月の利上げが適切な時期だろうとの見方を示したことを受け、株価は下げ幅を拡大した。

ダウ工業株30種.DJIは47.51ドル(0.27%)安の1万7550.69ドル。

ナスダック総合指数.IXICは9.83ポイント(0.19%)安の5105.55。

S&P総合500種.SPXは4.72ポイント(0.22%)安の2093.32。

S&P500種の主要10業種中8業種が下落し、中でも公益株指数.SPLRCUは1.6%安と最も下げがきつかった。

ほぼ全ての部門で保険引受収益が減少したAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)(AIG.N)は2.8%下落したほか、同じく米保険大手のオールステート(ALL.N)は利益が予想を下回り、10.1%の大幅安となった

騰落銘柄比率はニューヨーク証券取引所が下げ1.23に対し上げ1、ナスダックは下げ銘柄1414に対して上げ1376(比率は1.03対1)だった。

BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の合計出来高は約64億株で、今月の5日移動平均である70億株を下回った。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル).DJI

終値         17550.69(‐47.51)

前営業日終値    17598.20(‐91.66)

ナスダック総合.IXIC

終値         5105.55(‐9.83)

前営業日終値    5115.38(‐12.90)

S&P総合500種.SPX

終値         2093.32(‐4.72)

前営業日終値    2098.04(‐5.80)
http://jp.reuters.com/article/2015/08/04/us-stocks-idJPKCN0Q92AL20150804?sp=true


6月の米製造業受注力強く回復、輸送機器需要底堅く
[ワシントン 4日 ロイター] - 米商務省が4日発表した6月の製造業受注は前月比1.8%増と、力強い回復をみせた。市場予想と一致した。輸送機器などの需要が底堅く、 製造業にとって明るい兆しとなった。

5月の数字は当初発表の1.0%減から1.1%減に下方修正された。

航空機関連の大きな伸びを反映して、輸送機器の受注は9.3%増えた。一般機械や電機・家電も増えた。

民間設備投資の先行指標となるコア資本財(資本財から国防関連と航空機を除く)の受注は0.7%増だった。先月発表された速報の0.9%増から下方修正となった。

国内総生産(GDP)で企業の設備投資の計算に使われるコア資本財の出荷は0.3%増加した。速報の0.1%減からプラスへと転じた。

3日に発表された6月の建設支出が速報値を上回ったことと合わせて、今月下旬に発表される第2・四半期GDPの改定値は上方修正される可能性がある。7月下旬に発表されたGDPの速報値は年率換算で2.3%増だった。


5月の米企業在庫伸び鈍化、前月比0.3%増
焦点:TPPで日本の所得「13兆円底上げ」試算、経営者は冷めた視線
TPP、NZが着地点見いだそうとするなら交渉継続=日本交渉官
7月米住宅建設業者指数、05年11月以来の高水準
中国証券当局、27日の株価急落を調査
http://jp.reuters.com/article/2015/08/04/us-factory-order-june-idJPKCN0Q91OZ20150804

FRB、賃金の伸びなしでも利上げ実施か
By JON HILSENRATH
2015 年 8 月 4 日 14:03 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)関係者らは、賃金の伸びが経済的目標とどう調和するかについて、曖昧な見解しか示していない。彼らは賃金上昇の加速を期待している。そうなれば、米経済は雇用の健全な伸びとインフレの緩やかな上昇というFRBの二大目標に近づいているとの確信が得られるだろう。だが、賃金と雇用、インフレの関連は不明確であり、FRBの行動は賃金上昇の加速次第というわけでもない。

 古典派の経済モデルでは、失業率低下に伴い、雇用市場のスラック(余剰資源)が減少し、賃金上昇圧力が生まれる。賃金は事業コストの極めて大きな構成要素であるため、賃金上昇圧力は物価上昇という形で消費者に転嫁される。だが、最近の研究では、米経済は数十年間そうではなかったという報告が相次いでいる。賃金以外の要因(グローバルな圧力、インフレの安定に関する家計や企業の認識など)が大きく影響し、これらは国内の賃金が物価に与える影響を上回っている可能性がある。

 FRB理事会のエコノミスト、エカテリーナ・ペネバ氏とジェレミー・ラッド氏が最近発表した研究論文によると、賃金の増減が物価全般に大きな影響を与えた証拠は、2007年?09年のリセッション(景気後退)の前後いずれについてもほとんど見られなかった。論文は「賃金動向が将来の物価動向にとって重要な独立変数(もしくは特に優れた指針)になる公算は小さい」と結論づけている。

 FRBのイエレン議長は、この研究について十分に認識している。3月の講演では、賃金と雇用、インフレの間に見られるつながりや、それが短期金利に関する自身の計画にどう組み込まれるのか説明した。

 「物価上昇率が2%に向かい、労働市場の状況が予想通り改善し続けているとしても、賃金の見通しは極めて不確かだ。例えば、われわれは将来の生産性の成長ペースについて確信が持てない。また、国際競争や技術的変化の特性、労働組合の組織化の傾向など、やはり今後の実質賃金の上昇ペースに影響する可能性がある他の要因についても確信はできない。FRBの管轄外にあるこれらの要素によって、少なくとも過去15年にわたり実質賃金の伸びは生産性の伸びに追いついていなかった理由が説明できそうだ。そうした理由から、どの程度の名目賃金の伸びが消費者物価インフレの安定と整合するのか確信は持てない。この不確実性こそ、インフレ目標達成に向けたFRBの進展の指標としての、賃金動向の有用性を制限している」と述べた。

 足元の賃金上昇パターンが複雑になっているため、今やこうした要因の全てが重要になっている。

 イエレン議長は先月の議会証言で、賃金は一時的な上昇の兆候を示していると述べた。これは雇用市場が完全回復に向かい、労働者の賃金が上向くこと意味するため、FRB関係者は期待を寄せている。労働省がまとめた1-3月期の雇用コスト指数は前年同期比で2.6%上昇と、2008年以来の大幅な伸びを見せた。

 だが、前週末7月31日発表された4-6月期の同指数は前年同期比2.0%上昇と、伸びは大幅に減速し、リセッション後の大半の期間の失望的なペースに足並みをそろえた。賃金の伸びの好転は、期待外れの報告がたった一つ出ただけで見えなくなってしまったようだ。労働省が発表する平均時給など、賃金の伸びを測る他の指標もまた、年2%をわずかに上回る水準で推移している。

 これが複雑な形でFRBの金利判断に影響している。FRBは年内の短期金利引き上げを視野に入れているが、賃金の伸びが実現しない環境でも前進するだろうか。

 イエレン議長は3月の講演で、賃金の上昇が加速している確かな兆しを確認する前であっても、利上げを開始する用意があると明言した。ただ、「とは言え、賃金の伸びやコアの消費者物価、基調のインフレ圧力に関する他の指標が軟化した場合、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き上げに不安を感じるだろう」とも述べた。

 議長のこうした姿勢を踏まえると、31日発表された雇用コスト指数によって、これまでずっと続いている利上げ時期をめぐるFRBの議論が難航するとは思えない。賃金は停滞しているようだが、議長が行動を見送る基準としているほどの明確な減少が見られるわけではない。ただ、FRB関係者に新たな疑念を抱かせるものであり、関係者が、労働市場は完全雇用に近づき、インフレは2%に向かって上昇しているとの確信を高める支えとはなっていない。

 従って、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)はFRBと市場にとって、最後の最後まで結末が分からないものになっている。関係者らは全ての点を理解するため、もう少し時間をかけたいと判断するかもしれない。だがそれまでの間に、雇用コスト指数など気にせず利上げに動くことを後押しするような証拠が浮上する可能性もある。今週7日に発表される7月の非農業部門就業者数や平均時給は、真の景気回復の証拠を探し続けるFRBにとっていっそう重要なものとなっている。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB8QqQIwAGoVChMI6YzTodGPxwIVSyWUCh06CgQu&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12433432845575373546004581149430934683072&ei=s8vAVannAsvK0AS6lJDwAg&usg=AFQjCNHLjTUCkpAnOfAJP2w68t6zwcsf3A&bvm=bv.99261572,d.dGo  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年8月05日 19:03:58 : lKtNFkyivw
だらだらと無意味な予測論、、、
 黒田の好きなようにやらせればよい、しかし、現実は国勢が良くなることはなかろう!!!
  総て湯田金を喜ばすことになるy!!!

2. 2015年8月05日 19:25:28 : nJF6kGWndY

早期の追加緩和となる可能性は低いというのがメインシナリオだな

ジムロジャーズみたいな投資家は、あまり嬉しくないだろうがw

今のCPI指標構成や、海外情勢から見れば、まあ妥当なところだろう


FOMCのメインシナリオは12月だろうが、こちらは、さらに難しそうだな

昔の日銀の二の舞は、流石に避けたいだろうが、実際に、雇用と消費がさらに強くなれば批判されることにもなるw



3. 2015年8月05日 19:29:22 : nJF6kGWndY

ちなみに米経済は回復し、米アフリカ系の失業率が10%割るが、まだ白人の倍だ


http://jp.wsj.com/articles/SB10685294686418064255204581151611128147064
景気回復で一部の株式投資家や企業トップは恩恵を受けているが、この8年間の大半にわたり失業率が2桁にとどまるアフリカ系住民をはじめ、特定のグループへの恩恵は限られている。
 労働省によると、アフリカ系住民の全米失業率は2015年4-6月期に、07年以降で初めて10%を下回った。同失業率は9.5%まで改善したが、それでもまだ全米平均(5.3%)の2倍近い水準で、白人(4.6%)の2倍を超える。
 米経済政策研究所(EPI)人種民族政策プログラムの責任者、バレリー・ウィルソン氏の調べでは、米国全体でアフリカ系住民の失業率が10%未満だったのは11州だけだった。黒人労働者の失業率がリセッション(景気後退)前の水準を下回っているのは8州しかなかった。アラバマ州では、アフリカ系住民の失業率が10.9%と、リセッション前(2007年通年)の5%弱の2倍に達している。
 全米平均は、州や人種ごとに大きな違いがある現状を見えにくくしている。例えば、テネシー州の黒人労働者の失業率は6.9%と、全米で最も低い。しかしこれは、全米50州で最も高かった白人の失業率とほぼ同水準でもある。その州とはウェストバージニア州で、4-6月期の白人失業率は約7%だった。
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-JS348_unempl_NS_20150805023459.jpg
【米国の人種別失業率】黒:全体、青:黒人、グレー:黒人以外
 黒人失業率の白人失業率に対する比率にも、同じような違いが見られる。テネシー州では黒人の失業率は白人の1.2倍だが、首都ワシントンDC(コロンビア特別区)では5.1倍に跳ね上がる。ウィルソン氏によれば、黒人失業率が特に高い原因は、ワシントンDCの都市人口集中化にある。このような首都人口は州人口とは完全には比較できないと言う。
 なぜこうした違いが生じるのだろうか。ウィルソン氏は二大要因として教育と職歴を挙げている。米国勢調査局によると、2014年時点で4年制大学を卒業した人の割合は黒人が22%だったのに対し、白人は32%だった。もっとも、米経済政策研究センター(CEPR)が指摘しているように、大卒でも失業を免れるわけではない。CEPRによる2014年の調査では、22〜27歳の大卒者の失業率は、全人種が5.6%だったのに対し、黒人単独では12.4%に上った。
 では、別の理由はあるだろうか。意外なことではないが、人種差別が影響しているようだ。求人先から面接に向けた折り返し電話がかかってくる確率は、応募者の資格や職歴が同程度の場合、白人やヒスパニック系住民よりも黒人の方が低いことが調査で明らかになっている。デバ・ペイジャー、ブルース・ウェスタン、バーク・ボニコフスキの3氏が2009年に発表した有名な調査がある。この調査では、黒人、白人、ヒスパニック系の俳優を1人ずつ使って、ニューヨーク市周辺の販売員やウエーターといった低賃金の求人に応募した。その結果、犯罪歴のない黒人が、犯罪歴があると自己申告した白人とほぼ同等に扱われたことが分かった。論文は「調査結果から、黒人応募者の場合、雇用主から折り返し電話や採用通知を受けるまでに、同等の資格を持つ白人応募者の2倍の求職期間が必要だということが分かる」と指摘した。
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-JS349_blacku_NS_20150805023514.jpg
【黒人の月別失業率】2%以下(濃い緑)〜11%以上(朱色)
 ハワード大学の元経済学部長で、現在は米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)のチーフエコノミストを務めるウィリアム・スプリッグズ氏は、州ごとに大きな違いがあるのは、地域レベルの労働市場の動向、とりわけ雇用機会に関する人種グループ内の非公式の情報の流れが一定の役割を果たしている証しだと述べている。
 スプリッグズ氏は「情報の流れという点で、労働市場は人種別のすみ分けがはっきりしている」と言う。
 労働市場のサイクルも一因かもしれない。ヒラリー・ホインズ、ダグラス・ミラー、ジェサミン・シャラーの3氏は「リセッション期に苦しむのは誰か」と題した2012年の論文で、「男性、黒人、ヒスパニック、若者、教育水準が低い人」は、女性、白人、教育水準が高い人に比べて、「より厳しい雇用減少に直面する」と論じた。その理由として、前者のグループが集中している産業(好不況に特に敏感な建設業や製造業など)の方が景気変動の影響を受けやすいことを挙げた。
 ピュー研究所の調べでは、アフリカ系住民は金融危機で特に深刻な打撃を受け、2010年〜13年に家計総資産の3分の1を失った。景気回復期にあるとはいえ、職探しをしている人はまだ多いため、こうした家計をいかにして立て直すことができるかを想像するのは難しい。


4. 2015年8月05日 22:01:11 : e9xeV93vFQ
 

中国、成長減速で対ASEAN戦略揺らぐ 反発に苦慮
2015/8/5 20:39日本経済新聞 電子版

http://www.nikkei.com/content/pic/20150805/96958A9E9381959FE2E79AE7E78DE2E7E2EAE0E2E3E79494E0E2E2E2-DSXMZO9018622005082015FF2001-PB1-2.jpg

 【クアラルンプール=土居倫之】中国の対東南アジア諸国連合(ASEAN)戦略が揺らいでいる。各国からの輸入拡大と引き換えに発言力を強めてきたが、成長減速で「外交カード」の威力が薄れてきたからだ。マレーシアで開催中のASEAN地域フォーラム(ARF)関連会合では各国から不満が噴出。南シナ海の埋め立て問題を巡る反発の封じ込めに苦慮している。

 中国の王毅外相は5日の記者会見で、南シナ海問題について、国際法に基づき領有権紛争の解決を目指す「行動規範」協議の加速や10月の国防相会議の開催など10項目の協力を提案したと明らかにした。同席したタイのタナサック副首相兼外相も歓迎の意を表明した。

 ただ会見に先立つ中国・ASEAN外相会談はASEAN側の不満が相次ぎ、当初1時間の予定が1時間半に延びた。

 関係者によると、これまで南シナ海問題については中立的だったインドネシアが、合意が遅れている「行動規範」について「期限を設けるべきだ」と提案したという。また経済支援を頼り、中国べったりとみられてきたカンボジアも行動規範について言及したようだ。

 これに対して王氏は、4月のASEAN首脳会議後の共同声明が、南シナ海の埋め立てが「信頼を損なう」と暗に中国を非難したことに「不快だ」と述べたという。


 背景には、中国が南シナ海の実効支配を着々と進めていることへの危機感に加え、対中輸出が減少している状況がある。

 中国のASEANからの1〜6月の輸入額は前年同期に比べて8%減った。なかでも石炭の比率が高いインドネシアからの輸入は同3割以上減った。逆に鉄鋼輸出など1〜6月のASEAN向け輸出額は同10%近く伸びた。中国国内の供給過剰を背景に、中国の対ASEANの貿易収支は黒字額が急増。買い手から売り手に転じつつある。

 一方で米国はASEAN支援の姿勢を強める。フィリピンのデルロサリオ外相は4日、「南シナ海での埋め立てや建設、挑発の3つの行動を中止するよう米国が提案する」と明らかにした。

 AFP通信によると、ケリー米国務長官は5日午前の王氏との会談で中国に南シナ海での埋め立てなど「疑わしい行動を停止するよう」伝えた。一方、中国外務省はケリー氏が「米国は南シナ海問題に関心があるが、具体的な争いには介入しないと述べた」とする。

 王氏は4日、ラオスやカンボジア、タイなど中国と関係の深い5カ国の外相らと相次ぎ会談し、インフラ建設での協力を訴えた。ただ6日に発表を予定するASEAN外相会議の共同声明で、南シナ海問題について中国側の意向がどこまで反映されるかは不透明だ。

 中国はこれまでASEANからの資源や農産物などの多額の輸入を武器に発言力を高めてきた。習近平国家主席は2013年のマレーシア首相との会談で両国間の貿易額を5年で7割増やすと約束し、両国間の軍事協力を取り付けた。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H55_V00C15A8FF2000/


ドルが上昇、9月の米利上げ観測で−対円では4日ぶり高値
2015/08/05 16:00 JST

  (ブルームバーグ):東京外国為替市場ではドルが上昇し、対円で4営業日ぶり高値を付けた。米国の利上げ時期が近づいているとの観測を背景にドル買いが優勢で、対ユーロでは約2週間ぶりの水準までドル高が進んだ。
5日午後4時現在のドル・円相場は1ドル=124円40銭前後。一時は124円48銭までドル買い・円売りが進み、前日の海外市場で付けた7月30日以来のドル高値を更新した。アトランタ連銀のロックハート総裁が9月利上げが適切になりそうだとの認識を示したことを受け、ドルが買われた海外市場の流れが続いた。
みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、米国の利上げについては、弱めの雇用コスト指数などを受けて少し遠のいたという見方もあったが、「まだ9月の線が消えていないことを再確認した」と指摘。「9月利上げは十分あり得ると思うし、基本的に雇用統計もしっかりした数字を期待している」と言い、利上げに向けて目先はもう少し盛り上がるのではないかと語った。
ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で1ユーロ=1.0900ドルを割り込み、この日の東京市場では7月21日以来の水準となる1.0848ドルまでユーロ売り・ドル買いが進行。同時刻現在は1.0870ドル前後で取引されている。ユーロ・円相場は1ユーロ=135円23銭前後で、一時は135円02銭と7月22日以来の水準までユーロ売り・円買いが進んだ。
米雇用関連指標見極め
ロックハート総裁は米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで、利上げの9月から後への先延ばしを自身が納得するには経済データが顕著に悪化する必要があると述べた。
米国ではこの日、7月のADP雇用統計や米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数が発表される。
JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフFXストラテジストは、ロックハート総裁は米連邦公開市場委員会(FOMC)委員の中心的な意見を示す傾向があるとし、今週末発表の米雇用統計が「強くなくても、弱くなければ、9月利上げに確信が高まるだろう」と話した。
ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、7日発表の7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比22万5000人増加したと予想されている。6月は同22万3000人増で、失業率は5.3%だった。
みずほ証の鈴木氏は、「ドル・円もユーロ・ドルも一気に年初来高値や年初来安値はやらないかもしれないが、雇用統計と合わせ技だったら可能なところに今いる」と指摘。今夜の米指標次第では、「金曜日に高値を狙えるところまでもう一段、きょうのうちにドルが上昇していく可能性は十分ある」と語った。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典
更新日時: 2015/08/05 16:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NSKXXQ6KLVRA01.html


5. 2015年8月06日 22:30:33 : e9xeV93vFQ
国家の浮沈は誠実な会計が握る
2015年8月6日(木)小黒 一正

 ジェイコブ著『帳簿の世界史』(文藝春秋)に以下の記述がある。
ルネサンス期のイタリア、スペイン帝国、ルイ14世のフランスからネーデルラント連邦共和国、大英帝国、独立初期のアメリカにいたるまで、一国の浮沈のカギを握るのは政治の責任と誠実な会計だった。よい会計慣行が政府の基盤を安定させ、商業と社会を活性化するのに対し、不透明な会計とそれに伴う責任の欠如が金融の混乱、金融犯罪、社会不安を招いてきたことは、何度となく歴史が証明している。何兆ドルもの負債と大規模な金融不祥事に直面する今日も、メディチのフィレンツェ、オランダの黄金時代、大英帝国の全盛期、一九二九年のウォール街も、この点では変わらない。社会と政治が大規模な危機に直面せず繁栄を謳歌できたのは、会計の責任がきちんと果たされていたごく短い期間だけだったようにみえる
 つまり、国家の浮沈は誠実な会計が握るという指摘だ。内閣府が7月22日、経済財政諮問会議において、「中長期の経済財政に関する試算」(以下「7月版の中長期試算」という)を公表した。ジェイコブの指摘は、財政再建の検討に必要となるマクロ経済や財政の見通しにも当てはまる。
 今回は、マクロ経済や財政の見通しの重要性を深く認識するため、7月版の中長期試算を、2月版と比較してみよう。
 まず、政府・与党は現在、「腰砕けの『骨太方針2015』」の回で説明した「骨太の方針」に従い、2018年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の赤字幅を対GDPで1%程度まで縮小、2020年度までに黒字化することを目指している。
 また、中長期試算は、高成長(実質GDP成長率2%程度)を前提とする「経済再生ケース」と、慎重な成長率(実質GDP成長率1%程度)を前提とする「ベースラインケース」を示している。このうち、7月版および2月版の「経済再生ケース」におけるPB予測を以下の図表1にプロットした。
 黒線が2月版のPB予測、赤線が7月版のPB予測だ。2月版の2020年度におけるPB赤字は対GDPで1.6%であったが、7月版のPB赤字は1%に改善している。図表は改善要因を棒ブラフで示している。7月版においてPBが改善した主な要因は、国の税収等(対GDP)の予測経路が上方改定された影響が大きい。
図表1:7月版および2月版のPB予測(経済再生ケース)

(出所)内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(2015年2月版・7月版)から作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/216138/080400002/zu01.jpg

同様に、7月版および2月版の「ベースラインケース」におけるPB予測をプロットしたものが、以下の図表2である。ベースラインケースにおいても、2020年度におけるPB赤字が、3%から2.2%に改善している。ベースラインケースにおけるPB改善の主な要因は、経済再生ケースとは若干異なり、2つの影響が効いている。一つは、国の税収等(対GDP)の予測経路の上方改定であり、もう一つは、国の基礎的財政収支対象経費(対GDP)や地方歳出(対GDP)の下方改定である。
図表2:7月版および2月版のPB予測(ベースラインケース)

(出所)内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(2015年2月版・7月版)から作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/216138/080400002/zu02.jpg 
実質経済成長率の前提が甘い
 7月版の中長期試算におけるPB予測経路は、2月版よりも改善したので、財政再建の手綱を少し緩めても大丈夫と断言できるだろうか。結論を先に言えば、そのリスクは高い。それは以下の3つの理由による。
 第1の理由は、経済成長率の前提が甘いことである。例えば、7月版の中長期試算は、2015年度の実質GDP成長率を1.5%と見込んでいる。だが、その見込みを下回る確率が既に高まっている。民間シンクタンクなどは、8月17日に内閣府が公表予定のGDP速報において、2015年4〜6月期の実質GDP成長率が前期比0.5%程度のマイナスに陥る可能性を予測している。
 もし4〜6月期が前期比0.5%のマイナス成長になってしまうと、2015年度の実質GDP成長率が1.5%となるためには、残りの3四半期(2015年7月〜2016年3月)において、前期比で平均0.7%(=(1.5%+0.5%)÷3)の成長を達成する必要がある。
 だが、前回のコラムでも説明したように、バブル崩壊以降の実質GDP成長率は年率平均1.1%であり、これは四半期ベースの前期比で0.3%(=1.1%÷4)の成長率に過ぎない。このため、残りの3四半期において、前期比で平均0.7%の成長を達成することは容易ではないはずだ。
 なお、中長期試算が示す「経済再生ケース」と「ベースラインケース」のうち、「経済再生ケース」はそもそも現実的でない。上記で指摘した通り、バブル崩壊以降の実質成長率の平均は1.1%である。
税収の上ぶれは恒常的なものではない
 第2の理由は、税収の上振れの扱いである。2014年度の税収について、一般会計(当初予算)では51.7兆円(対GDPで10.5%)を見積もっていたが、決算では54兆円(対GDPで11%)となり、2.3兆円(対GDP比で約0.5%)上振れした。このため、7月版の中長期試算は、2014年度の税収(対GDP)を11%と設定。こうした税収の上振れ(対GDP比で0.3〜0.5%)が2015年度以降も継続すると設定している。
 この扱いの妥当性を巡っては、2014年4月に消費増税(5%→8%)が行われなかった場合における2014年度の税収(対GDP)と構造的な税収トレンドを比較するのが良い。
 構造的税収トレンドから見て、増税を行わなかった場合、2014年度の税収(対GDP)は10%(=11%−1%)であったと考えられる。2014年4月の消費増税(5%→10%)に伴う税収増は5.2兆円(対GDPで1%)であったからだ。
 だが、この10%という値は構造的な税収トレンドと比較すると若干高い可能性がある。なぜならば、バブル崩壊後の1994〜2013年度までの約20年間、税収(対GDP)の平均は9.5%であったからである(図表3)。
 つまり、構造的な税収トレンドを踏まえると、2014年4月の消費増税に伴う税収増5.2兆円(対GDPで1%)を加味しても、2014年度の税収(対GDP)は10.5%程度(=9.5%+1%)と設定し、税収の上振れ分(0.5%)は組み込まない方が適切である可能性が高い。
 なお、偶然であるが、2014年度の税収(対GDP)を10.5%と設定する試算は、2月版の中長期試算に一致している。仮に2月版の試算の方が妥当である場合、「骨太の方針」の財政再建計画で改善を目指す2018年度、2020年度の国と地方を合わせた基礎的財政収支(対GDP)は、図表1や図表2の通り、今回の7月版と大きく乖離してしまう。
図表3: 税収(対GDP)と名目GDP成長率の推移

(出所)内閣府及び財務省資料から筆者作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/216138/080400002/zu03.jpg
名目経済成長率の予測は当たらない
 第3の理由は、2016年度の名目GDP成長率の設定である。名目GDP成長率の予測について、2月版の中長期試算は、2015年度を2.7%、16年度を経済再生ケースで3.3%、ベースラインケースで1.6%と設定していた。これに対して7月版の試算は2015年度及び16年度を2.9%に設定している。なぜ、2月版と比較して、2016年度の名目成長率の予測を、ベースラインケースで上方改定(1.6%→2.9%)し、経済再生ケースで下方改定(3.3%→2.9%)したのか(図表4)。
 精査しないと分からないが、7月版のベースラインケースでは、この2016年度の名目成長率の上方改定により、2月版の試算と比較して、2016〜23年度の名目GDPは1.2〜1.6%くらい嵩上げされている。また、国の基礎的財政収支対象経費(対GDP)は概ね14%である。このため、7月版における国の基礎的財政収支(対GDP)は、2月版と比較して、約0.2%(=14%×1.2〜1.6%)下方改定され、対GDP比でのPBは改善するように見えることになる。
図表4:中長期試算での名目成長率の前提

(出所)内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(2015年2月版・7月版)から作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/216138/080400002/zu04.jpg
図表5:中長期試算での名目GDPの経路

(出所)内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(2015年2月版・7月版)から作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/216138/080400002/zu05.jpg
 だが、このような見通しは甘い可能性がある。内閣府は「経済見通しと経済財政運営の基本的態度」や「経済動向について(内閣府年央試算)」などにおいて、名目GDP成長率の予測を行っている。1998〜2014年度までの17年間において、「政府経済見通し」の予測を実績が上回ったのは3回(2000年度、03年度、10年度)しかない(図表6)。残りの14回は実績が予測を下回っている。
 成長率の予測は財政再建計画に大きな影響を及ぼす重要な前提だ。内閣府は予測が82%(=14÷17)も外れている現状を真摯に受け止め、その改善に努める必要がある。
図表6:名目成長率の内閣府予測と実績

(出所)内閣府資料から筆者作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/216138/080400002/zu06.jpg
 以上の通り、7月版の中長期試算におけるPB予測経路は、2月版よりも改善したように見えるが、財政再建の手綱を緩めても大丈夫とは断言できない状況にある。むしろ、財政の厳しい現実を直視することを忘れてはならない。すなわち、政府・与党は「国家の浮沈は誠実な会計が握る」という視点を持ち、財政再建計画の検討に必要となるマクロ経済や財政を慎重に見通しつつ、財政・社会保障の改革を進めることが望まれる。



子供たちにツケを残さないために、いまの僕たちにできること
 この連載コラムは、拙書『2020年、日本が破綻する日』(日経プレミアムシリーズ)をふまえて、 財政・社会保障の再生や今後の成長戦略のあり方について考察していきます。国債の増発によって社会保障費を賄う現状は、ツケを私たちの子供たちに 回しているだけです。子供や孫たちに過剰な負担をかけないためにはどうするべきか? 財政の持続可能性のみでなく、財政負担の世代間公平も視点に入れて分析します。
 また、子供や孫たちに成長の糧を残すためにはどうすべきか、も議論します。
 楽しみにしてください。もちろん、皆様のご意見・ご感想も大歓迎です。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/216138/080400002 

 

 

6月景気動向指数CI一致は前月比+0.7ポイント=内閣府

[東京 6日 ロイター] - 内閣府が6日発表した6月の景気動向指数速報によると、CI(コンポジット・インデックス)一致指数は前月比0.7ポイント上昇し、112.0となった。2カ月ぶりに上昇した。先行指数は前月比1.2ポイント上昇の107.2。4カ月連続で上昇した。

CI一致指数を踏まえた基調判断は、「足踏みを示している」で据え置いた。

メルマガを購読する
今、あなたにオススメ
ドル上昇、週間で5月以来の高い伸び=NY市場
スカイマーク売上「何割も増える」、在庫管理に改善余地=デルタ
残骸は不明機とマレーシアが確認、乗員の家族「終わっていない」
米6月CPIは5カ月連続プラス、年内利上げ後押し
ドイツ高級車連合、ノキア地図事業買収で合意=関係筋
http://jp.reuters.com/article/2015/08/06/jpeciapr-idJPKCN0QB0C420150806


コラム:アジアの民間債務膨張、緊縮財政で問題重症化

2015年 08月 6日 09:32 JST

Andy Mukherjee

[シンガポール 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - アジアの民間債務膨張をめぐる問題が重症化しようとしている。犯人は、薬が効きすぎて毒と化しつつある財政緊縮策だ。

日本を含むアジア太平洋地域では、経済規模上位12カ国の企業および家計の債務が国内総生産(GDP)合計の約168%に達し、2007年の147%から拡大した。

GDPの拡大ペースが債務のそれより遅いため、この比率は今後もじりじりと上昇していく見通しだ。翻って、債務増大はGDP成長率の低下をもたらす傾向がある。借金が増えれば消費者は支出を控え、企業は設備投資を抑制するからだ。節約は個々の企業や家計にとっては有意義だが、経済全体で見ると悲惨な結果をもたらす。

政府は通常、財政赤字を膨らませることによって経済を支援することができる。積極財政は債務増大と成長減速の悪循環を和らげたり、逆転させる効果を持つ。しかしアジア各国の政策当局は財政の手綱を緩めることを良しとしてこなかった。彼らはギリシャ債務危機の報道を見て、いよいよ不安を募らせている。アジア太平洋地域の公的債務の対GDP比率は2012年の90%から現在は65%まで縮小した。

しかし政府が債務をさらに圧縮すれば、アジア諸国は成長率とインフレ率が押し下げられ、「債務者監獄」に閉じ込められるかもしれない。不良債権が増えれば銀行は新規融資の抑制を迫られ、成長率は急降下しかねない。この悪循環を断ち切る策として、モルガン・スタンレーのエコノミストチームは消費者への税控除・還付を通じた景気刺激策を提言している。この素晴らしい忠告に各国政府が耳を貸すとは思えない。

中国における財政拡張は、地方政府の財政悪化によって阻まれた。インドネシアとタイも公的支出を拡大しにくい状況だ。韓国は家計債務の増大が個人消費の足かせになっているというのに、人口の高齢化が進み当局は緊縮志向を強めている。インドは財政資金を使い果たし、財とサービスに対する新税に財政立て直しの望みを託しているところだ。

シンガポール政府はこれら諸国と一線を画している。国際通貨基金(IMF)が強調した通り、2012年時点でGDP対比8%だった財政黒字は今年、2%未満に縮小する見通しとなっている。

アジアでは政府の助けを必要とする債務者が増えている。彼らが借金を増やしたのは、つまるところ中国経済が急拡大して天然資源の需要が伸びたからだ。その上、先進国の中央銀行は安価なマネーを大量供給してきた。西側が金融緩和によって世界の実質金利を低く抑えている間に、中国は借金を燃料として成長を続け、世界中に力強い所得の伸びをもたらしてくれるとの期待が背景にあった。住宅ローンの借り手は、実質金利が低い時には不動産投資が有利だと考えた。そしてだれもがドル安の永続をあてにして行動した。

これらの賭けがどれも裏目に出た。中国経済は減速した。これは借金を膨らませた中国企業には痛手で、オーストラリアからインドネシアに至るすべての国々の貿易所得を損ない、世界経済にデフレの衝撃をもたらした。

二日酔い程度の問題だったアジアの債務負担は、デフレの脅威によって重病へと発展した。アジア企業は売上高の伸び減速に支出抑制で対応している。実質金利が上昇しようとしている今、企業、家計を含めた民間のキャッシュフローが細っている。もちろんアジアの金融政策当局は利下げによって救いの手を差し伸べている。しかしインフレ率の低下速度は速まるばかりで、その結果、実質金利は上昇を続けている。

その影響の一つとして、これまで人気の資産クラスだった不動産が厄介者に姿を変えた。一方、米利上げ観測を背景にドルは上昇を続けている。これにより中国の対外債務9630億ドルの実質負担は増す。

各国政府は、今こそ金融政策の魔法にばかり頼るのを止め、財政の手綱を緩める時だ。これ以上の緊縮措置は経済にとって極めて有害な要素となりかねない。

●背景となるニュース

*国際決済銀行(BIS)のデータに基づくBREAKINGVIEWSの分析によると、アジア太平洋地域の企業および家計の債務は、国内債務と対外債務合わせて昨年末時点で約36兆ドルに上る。対GDP比率は2007年末から21%ポイント上昇して168%となった。この間、これら12カ国の公的債務の対GDP比率は83%から65%に低下した。

*アジア諸国の債務についてのグラフは以下のアドレスをクリックしてご覧ください。

Changing composition: reut.rs/1MMz3Jf


中国でマツダがライバル凌駕、ドイツ神話に陰り 2015年 07月 17日
中国:百貨店が閉店ラッシュ、経営不振で「負の連鎖」も 2015年 06月 17日
中国企業の債務負担拡大、デフォルト増加の見通し=S&P 2015年 07月 16日
http://jp.reuters.com/article/2015/08/06/column-asia-debt-idJPKCN0QB01H20150806?sp=true


韓国、構造問題など解決に経済の「大手術」必要=朴大統領 
[ソウル 6日 ロイター] - 韓国の朴槿恵大統領は6日、任期5年の折り返し地点が近づくなか、韓国経済について「大手術」が必要だとの認識を示した。

朴大統領の経済再生に向けた取り組みは目標に届いておらず、労働市場改革や雇用創出を推進する対策も失速している。

同大統領は「われわれが慢性的な問題や構造上の問題を根本から解決し、世界の主要プレーヤーとして新たに大きく躍進するためには経済全般の大手術が必要だ」と述べた。

第2・四半期の韓国国内総生産(GDP)伸び率は、中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大や輸出低迷で打撃を受け、6年ぶりの低水準となった。

大統領は青瓦台で約20分間の演説を行い、労働市場から公的部門、教育、金融セクターに至る改革への取り組みに支持を訴えた。

「政府が推進している改革は、特定のグループや世代に恩恵をもたらすものではなく、われわれとその子孫の将来にかかわる重要な問題だ」と指摘した。

大統領はまた、一定の年齢や勤続年数を上回る政府職員や国有企業の従業員を対象に今年設定する給与の上限を一般企業にも導入するよう促した。若年層の採用に充てる資金を確保し、過去最高水準付近にある若者の失業率に対応できるとしている。

さらに金融サービスセクターの規制緩和や公的セクターの再編で効率を高め、年間1兆ウォン(8億5300万ドル)のコスト節減を目指す方針も示した。


中国共産党が景気浮揚策模索、10月に5中全会
米FOMC声明「経済と雇用の改善継続」、9月利上げ視野
ソフトバンク傘下スプリント損失予想より少なく、顧客流出過去最低
IMF、「完全な」ギリシャ支援策には参画へ=専務理事
米司法省がドイツ銀を刑事捜査、ロシア人顧客の取引で=報道
http://jp.reuters.com/article/2015/08/06/k-gdp-idJPKCN0QB0FM20150806

焦点:インフレ率ゼロでの利上げ、米英は説明に苦心か

[ロンドン 5日 ロイター] - 「インフレ率ゼロの状況でなぜ利上げをしようとするのか」──ほぼ10年ぶりの利上げに備える英、米両国民は困惑している。米連邦準備理事会(FRB)と英イングランド銀行(中央銀行、BOE)は、間もなくほぼ10年ぶりに政策金利を引き上げると表明している。

実際には数カ月先になるかもしれないが、未だに重い債務負担を抱える家計に両国が送るメッセージは明らかで、「警戒せよ」というものだ。

経済の状況を手短に診断すれば、ゼロ近傍の政策金利を「正常化」すべき理由は容易に見つかる。

金融危機後、何年にも及ぶ経済の低迷を経て、両国は2─3%の強い成長率を記録している。失業率は長期平均に近い6%弱となり、不動産や金融資産の価格はここ数年で上昇した。

問題なのは、消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率が英国でゼロ、米国でも0.1%にとどまっており、各々が何らかの政策指針の形でコミットしている目標の2%をはるかに下回っているという点だ。

FRBが物価指標として好んで用いる個人消費支出(PCE)物価指数の前年同月比の上昇率も0.3%にとどまる。

政策担当者が今年お題目のように唱え続けているのは、昨年後半に起きたエネルギーおよび原材料価格の急落で、CPIの総合指数が人為的に押し下げられているという説明だ。彼らの想定によれば、今年の春に実際に起きたのと同様にこれらの価格がひとたび落ち着けば、CPIに対するベース効果は剥落し、総合指数よりずっと上昇率が高く、主に国内要因で動く「コア」指数に後押しされる形で、総合指数も物価目標に向けて上昇していくだろう。

言い換えれば、双方の中央銀行は総合指数の下落を一時的なものとして目をそむけ、コアの物価動向に焦点を当て何としても利上げの引き金を引きたいと考えているのだ。

確かに米国の「コア」PCE物価指数は総合指数より力強い動きだが、1.3%と目標にはほど遠い。英国の「コア」インフレ率も1%未満が続いている。

今年の夏はさらに状況が複雑化している。何よりも上海株バブルの崩壊で中国の景気減速懸念が強まっているからだ。

この結果、コモディティ価格が再び急降下した。原油価格は7月初めから20%下落し、トムソン・ロイター/コアコモディティCRB指数は12年ぶりの低水準に沈んだ。これは2008─09年の金融危機時の底値さえ下回る。

要するにヘッドラインのインフレ率はさらに長期間にわたり低迷する可能性が高い。

これは災害ではないかもしれないが、災害に匹敵するほど厄介なデフレの瀬戸際に経済はある。デフレは消費者の購買行動に待ったをかけ、賃上げ交渉の重しとなり、長期の債務返済を複雑化する。

<「見落とし」の不安>

FRBとBOEがそれでも利上げをしたいなら、なぜフライングまがいの行動を採るのか、そしてそもそもなぜ2%のインフレ目標を掲げているのかについて説明すべきだ。

1970年以降、FRBは経済の緩み(スラック)の水準をリアルタイムで評価することに関してお粗末な実績しか残しておらず、金融危機に引き続きまたもや重大な要素を見落としている恐れがある。第2・四半期の弱々しい賃金統計や、中国の混乱の動きがそれを声高に物語る。

市場では、FRBが金利「正常化」に前のめりになり過ぎているのではないか、との懐疑論が広がっている。利上げのタイミングがどうであれ、市場が予想する2年後のフェデラル・ファンド(FF)金利の水準はFRB自身が予測する3%の半分にすぎないのだ。

BOE金融政策委員会(MPC)の元委員であるスシル・ワドワニ氏は、ファトム・コンサルティングが主催した会合で「2009年以降、FRBは成長率について楽観的過ぎる見通しを示し続け、金利の上昇速度についての見通しも、その後実現したペースを上回っていたということが続いた」と指摘し、「景気はFRBの認識とかなり違った状況になっている可能性がある。こうした『(FRBが)見落した要素』が完全に消え去ったのか確信が持てない」と話した。

ワドハニ氏は、例えば中国経済が実際には公式のデータが示すよりも速いペースで減速している場合、FRBは利上げを開始した後すぐに一時停止状態に入るかもしれないとみている。中国経済の大幅な減速に伴う市場の混乱によって、「次の一手を封じられる」という。

「私が中国に悲観的で、今も(MPCの)メンバーだったら、私は利上げをせずに待つ」とワドハニ氏は述べた。

それでも一部の人々は、英米両国の中央銀行が今こそ度胸を持って中期的な焦点と物価動向について明確に語るべきだと指摘する。

家計調査や金融市場から読み取れる予想インフレ率は、いずれもヘッドラインのインフレ率が中期的に中銀の目標を上回ることを示している。

過去にBOEのMPCメンバーを務めたチャールズ・グッドハート氏は同じファトムの会合で、歴史家は将来、遠くから眺めて英国のインフレ目標を好意的に解釈するとの見方を示した。

英国のインフレ率は2010─2013年にわたり恒常的に目標より高かったが、それ以降は下回っているとグッドハート氏は指摘する。長期的にならすと、ずっと安定して見えるという。

グッドハート氏は「BOEはヘッドライン物価の振幅を俯瞰し、早期の利上げに踏み切るだろう。彼らの行動は恐らく正しいと思う」と語った。

(Mike Dolan記者)

6月のユーロ圏消費者物価指数改定値、前年比+0.2%・前月比変わらず
焦点:「ぬるま湯」のJ─REIT市場、急落招いた過度な日銀依存
「マッドマックス」上映の劇場で発砲、容疑者射殺後に空気銃と判明
英利上げ時期決定、「年末頃」に明確に=カーニー中銀総裁
6月実質賃金は前年比-2.9%、ボーナス除けば横ばい
http://jp.reuters.com/article/2015/08/06/frb-boe-rate-analysis-idJPKCN0QB09C20150806


焦点:英中銀利上げ支持者の数に注目、初の議事要旨同時公表

[ロンドン 6日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は、6日まで開催する金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.5%に据え置く見通し。ただし、9人の政策委員のうち少なくとも2人が、利上げを支持すると見られている。

金融政策委員会では委員の見解が割れることは珍しくないが、利上げ派が予想よりも多くなれば、ポンド相場が一段と押し上げられ、かえって利上げしにくくなるというジレンマに陥る。インフレ率がなおゼロに近いなか、カーニー総裁は利上げを急がない姿勢を示している。

英中銀は今回初めて、政策決定の内容と議事要旨を同時に発表する。さらに経済予測も発表する予定で、市場では「スーパーサーズデー」と呼ばれる。発表時間は1100GMT(日本時間午後8時)。

ロイターが実施した調査によると、48人のエコノミスト全員が、英中銀は今回、政策金利を0.5%に据え置く、と予想している。

また委員のうち2─3人が利上げに票を投じると予想。英国では賃金上昇が加速し始めており、ギリシャ危機も落ち着いたことが理由だ。

MPCの元委員であるチャールズ・グッドハート氏は4日、経済政策関連のフォーラムでスピーチした際に「木曜日にはすべてが一緒に公表される。関係者はさぞかし大変な思いをすることだろう」と述べた。

<まず注目すべきは利上げ支持の委員数>

投資家が最初に注目するのは、利上げ支持者の数と、利上げ派が今後増加する可能性を示す兆候が示されるのかどうか、という点。

さらに、輸入物価押し下げにつながる最近のポンド相場上昇を受けて、2年後のインフレ予想が引き下げられるのかどうかもポイントだ。

もう一つの焦点は、最近の賃金上昇が生産性の伸び拡大によって相殺されているのかどうか。英中銀がもし、生産性が力強く伸びているとの認識を示した場合、賃金上昇によりインフレが押し上げられる可能性は低いと受け止められ、早期利上げ予想が後退する要因になるだろう。

カーニー総裁は1145GMT(同午後8時45分)に会見する。
http://jp.reuters.com/article/2015/08/06/britain-economy-boe-idJPKCN0QB07I20150806?sp=true


米国債、アトランタ連銀総裁発言で急落
By MIN ZENG
2015 年 8 月 6 日 10:44 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利上げを開始するとの観測が高まる中、連邦公開市場委員会(FOMC)の中では中立的とされる一人の委員の発言が、債券市場で波乱を呼んでいる。

 アトランタ地区連銀のロックハート総裁は4日付ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、米経済はおよそ9年ぶりとなる短期金利の引き上げに向け用意が整っていると発言。それ以降、米国債は売りを浴びている。

 同総裁は、景気指標が大幅に悪化しない限り9月の利上げを支持する考えは揺らがないとの見解を示した。

 FRBの金利見通しの変化に対して最も反応が大きい2年物米国債の利回りは一時、0.736%と3日の0.665%から急上昇した。3日に2カ月ぶり低水準となる2.150%をつけていた10年債の利回りも、2.270%へと跳ね上がった。

 これだけ大きな規模の売り浴びせは例がなく、通常であればイエレン議長の発言に対して行われるほどの大きさだった。ただ、ロックハート総裁の発言は、利上げ時期に関して投資家やトレーダーが敏感になっている渦中でのものだった。

 レイモンド・ジェームズの債券資本市場部門責任者のケビン・ギッディス氏は「市場は現在、ロックハート総裁の見解をどの程度までFOMC投票メンバーが共有しているかを見極めようとしている」とした上で、「(FRBの)投票メンバーがここまで明確な形(少なくとも発言した本人の心中では)で、FRBが次回のFOMCで行動を起こすとの見方を示したのだから、大きな確信を持って正反対の売買を行うことは難しい」と述べた。

 ジェフリーズの米国金利取引部門責任者、クリス・ベリー氏は、債券市場は(ロックハート総裁の)発言を極めて重視しているが、同総裁以外の投票メンバーの発言も今後、精査されるだろう」と述べた。

 また、「FRBがこれまで一貫して示してきた時間枠に接近していることを踏まえれば、誰の発言であれ、どの経済指標であれ、短期的な値動きを招くことになるだろう」と指摘した。

 トレーダーらによると、5日の市場では9月利上げの可能性が50%織り込まれ、3日の38%から確率が上昇した。この計算は、投資家やトレーダーがFRBの政策を予想して持ち高を形成する際に利用するフェデラルファンド(FF)金利先物の「インプライド・イールド」に基づいている。

 FRB関係者らは、9月利上げのハードルが低いことを示唆している。7月29日に発表されたFOMC政策声明では、労働市場がさらにいくらか改善した場合、利上げが妥当になる可能性があるとの見方を明らかにした。

関連記事

米経済、9月の利上げに向け用意整っている=アトランタ連銀総裁

米財務省、資金残高減少に警鐘
By NICK TIMIRAOS
2015 年 8 月 6 日 09:53 JST

 【ワシントン】米財務省は5日、国債発行残高を今後数カ月にわたり横ばいとする方針を明らかにした。ただ、議会が早急に債務上限を引き上げなければ、資金残高が目標水準を割る可能性があると警告した。

 米政府は5月、資金管理政策を変更し、財務省短期証券(TB)の発行を増額する方針を打ち出した。市場での資金調達が阻害された場合に備え、一般勘定の現金残高を高水準に維持することが狙いだ。目標最低残高はおよそ1500億ドル(約18兆7000億円)。

 財務省は5日、連邦政府の債務上限が引き上げられなければ、現金残高は数カ月以内に「備えとして最低限必要な水準」を下回るだろうと警鐘を鳴らした。TB市場が圧迫される可能性もある。

 セス・カーペンター財務次官補代理(金融市場担当)は5日、「議会が債務上限を引き上げるまでの期間次第で、TB発行残高は減少し始めるだろう」と指摘した上で、「TB需要は高く、しかも増える公算が大きいため、(残高が減少すれば)是正しようとしていた不均衡を悪化させることになるだけだと思われる」と述べた。


ロシアルーブル、また赤信号
By RICHARD BARLEY
2015 年 8 月 6 日 11:24 JST

 ロシア中央銀行は昨年12月、政策金利を17%まで6.5%も引き上げてルーブル危機を食い止め、喝采を浴びた。その後、傷ついたロシア経済への圧力を緩めるため、利上げをほとんど解消した。

 だが、またもやルーブルが懸念材料になっている。

ロシアルーブル安、西側企業の業績に打撃
 その原因は、原油相場の下落が再発したことにある。原油の国際指標であるブレント原油は今週、1月以来の1バレル=50ドル割れに沈み、年初来12%安となっている。ルーブルと原油相場はほぼ足並みをそろえて動くため、ルーブルは1ドル=62.8ルーブルと3月以来の安値をつけ、5月の高値から20%以上も下落している。

 ルーブル安がロシア政府にとって衝撃吸収材となっていることは救いとなっている。石油輸出収入を頼りにする同国政府は、ルーブル安でなかったなら財政赤字が大幅に拡大するからだ。だが、それ以上に、ロシア中銀による先週の利下げを受け、ルーブル相場が急落したことは懸念要因でもある。インフレが15%を超えリセッション(景気後退)が深刻化する中で、中銀は既に外貨準備を補充するための外貨購入をやめざるを得なくなり、いまや政策対応の余地がさらに少なくなっている。

 このルーブル安にあって、昨年12月のようにルーブル売りの勢いが増すならば、リセッションにもかかわらずまた利上げを余儀なくされるかもしれない。

 もちろんこれは、脆弱(ぜいじゃく)で石油に依存しているというロシア経済の性質を浮き彫りにしており、こうした性質は、世界の金融市場から孤立しているため一段と増幅している。ロシアはウクライナ紛争に関連した制裁措置で外国からの資金調達が事実上停止しても、意外に持ちこたえてきた。だが、根本的な問題を数多く抱えている。

 国際通貨基金(IMF)は今週、ロシアの経済成長率が危機以前よりも4%以上も低下していることを強調し、改革の行き詰まりや弱い投資、生産性の低下、弱々しい人口動態など、お決まりの問題を長々と列挙した。

 こうしたことから考えると、ロシア中銀はこれまで、必要とされることの間でのバランスをうまく取ってきた。だが、原油相場が下げ続ければ(供給過剰と弱い需要のためそうなるリスクは明らかだ)、ルーブル安も続くだろう。政策当局は難しい選択を迫られることになるだろう。
http://www.msn.com/ja-jp/money/news/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E3%80%81%E3%81%BE%E3%81%9F%E8%B5%A4%E4%BF%A1%E5%8F%B7/ar-BBlrgHm

コラム:アジアの民間債務膨張、緊縮財政で問題重症化

2015年 08月 6日 09:32 JST

Andy Mukherjee

[シンガポール 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - アジアの民間債務膨張をめぐる問題が重症化しようとしている。犯人は、薬が効きすぎて毒と化しつつある財政緊縮策だ。

日本を含むアジア太平洋地域では、経済規模上位12カ国の企業および家計の債務が国内総生産(GDP)合計の約168%に達し、2007年の147%から拡大した。

GDPの拡大ペースが債務のそれより遅いため、この比率は今後もじりじりと上昇していく見通しだ。翻って、債務増大はGDP成長率の低下をもたらす傾向がある。借金が増えれば消費者は支出を控え、企業は設備投資を抑制するからだ。節約は個々の企業や家計にとっては有意義だが、経済全体で見ると悲惨な結果をもたらす。

政府は通常、財政赤字を膨らませることによって経済を支援することができる。積極財政は債務増大と成長減速の悪循環を和らげたり、逆転させる効果を持つ。しかしアジア各国の政策当局は財政の手綱を緩めることを良しとしてこなかった。彼らはギリシャ債務危機の報道を見て、いよいよ不安を募らせている。アジア太平洋地域の公的債務の対GDP比率は2012年の90%から現在は65%まで縮小した。

しかし政府が債務をさらに圧縮すれば、アジア諸国は成長率とインフレ率が押し下げられ、「債務者監獄」に閉じ込められるかもしれない。不良債権が増えれば銀行は新規融資の抑制を迫られ、成長率は急降下しかねない。この悪循環を断ち切る策として、モルガン・スタンレーのエコノミストチームは消費者への税控除・還付を通じた景気刺激策を提言している。この素晴らしい忠告に各国政府が耳を貸すとは思えない。

中国における財政拡張は、地方政府の財政悪化によって阻まれた。インドネシアとタイも公的支出を拡大しにくい状況だ。韓国は家計債務の増大が個人消費の足かせになっているというのに、人口の高齢化が進み当局は緊縮志向を強めている。インドは財政資金を使い果たし、財とサービスに対する新税に財政立て直しの望みを託しているところだ。

シンガポール政府はこれら諸国と一線を画している。国際通貨基金(IMF)が強調した通り、2012年時点でGDP対比8%だった財政黒字は今年、2%未満に縮小する見通しとなっている。

アジアでは政府の助けを必要とする債務者が増えている。彼らが借金を増やしたのは、つまるところ中国経済が急拡大して天然資源の需要が伸びたからだ。その上、先進国の中央銀行は安価なマネーを大量供給してきた。西側が金融緩和によって世界の実質金利を低く抑えている間に、中国は借金を燃料として成長を続け、世界中に力強い所得の伸びをもたらしてくれるとの期待が背景にあった。住宅ローンの借り手は、実質金利が低い時には不動産投資が有利だと考えた。そしてだれもがドル安の永続をあてにして行動した。

これらの賭けがどれも裏目に出た。中国経済は減速した。これは借金を膨らませた中国企業には痛手で、オーストラリアからインドネシアに至るすべての国々の貿易所得を損ない、世界経済にデフレの衝撃をもたらした。

二日酔い程度の問題だったアジアの債務負担は、デフレの脅威によって重病へと発展した。アジア企業は売上高の伸び減速に支出抑制で対応している。実質金利が上昇しようとしている今、企業、家計を含めた民間のキャッシュフローが細っている。もちろんアジアの金融政策当局は利下げによって救いの手を差し伸べている。しかしインフレ率の低下速度は速まるばかりで、その結果、実質金利は上昇を続けている。

その影響の一つとして、これまで人気の資産クラスだった不動産が厄介者に姿を変えた。一方、米利上げ観測を背景にドルは上昇を続けている。これにより中国の対外債務9630億ドルの実質負担は増す。

各国政府は、今こそ金融政策の魔法にばかり頼るのを止め、財政の手綱を緩める時だ。これ以上の緊縮措置は経済にとって極めて有害な要素となりかねない。

●背景となるニュース

*国際決済銀行(BIS)のデータに基づくBREAKINGVIEWSの分析によると、アジア太平洋地域の企業および家計の債務は、国内債務と対外債務合わせて昨年末時点で約36兆ドルに上る。対GDP比率は2007年末から21%ポイント上昇して168%となった。この間、これら12カ国の公的債務の対GDP比率は83%から65%に低下した。

*アジア諸国の債務についてのグラフは以下のアドレスをクリックしてご覧ください。

Changing composition: reut.rs/1MMz3Jf


中国でマツダがライバル凌駕、ドイツ神話に陰り 2015年 07月 17日
中国:百貨店が閉店ラッシュ、経営不振で「負の連鎖」も 2015年 06月 17日
中国企業の債務負担拡大、デフォルト増加の見通し=S&P 2015年 07月 16日
http://jp.reuters.com/article/2015/08/06/column-asia-debt-idJPKCN0QB01H20150806?sp=true


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民99掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民99掲示板  
次へ