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国際商品、12年ぶり安値 資源高騰局面が終息
2015/8/4 12:18
原油や金といった国際商品価格が下がっている。商品市場の動きを表す代表的な指数は3日、12年ぶりの低水準になった。原油の増産や米ドル高基調、中国需要の落ち込みで投資資金の流出が続く。日本にとって原油安はガソリンや電力料金の下げにつながりメリットは大きい。半面、価格下落の要因となっている新興国需要の減少は企業業績の重荷となり、商品から流れ出た投資マネーを株式市場に向かいにくくしている。
ロイター・コアコモディティーCRB指数は3日に199.30となり、最近の高値だった2014年6月から36%低下した。08年のリーマン・ショック後につけた09年3月の最安値(200.34)を下回った。原油や金といった国際商品はドル建てで取引されるためドル高になるとドル以外の通貨保有者にとって割高となる。買い控えが生じ、需要面でマイナスに働くことが多い。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「中国の高成長に明らかに陰りがみえ、国際商品を積極的に買う理由は乏しくなっているという意味で資源高局面は終わった」と分析する。
商品相場は2000年代前半から08年のピークまでに約3倍に高騰した。中国など新興国が台頭して資源需要が拡大し投資資金が流入した。08年のリーマン・ショックをきっかけにマネー流出が加速したが、米国の量的緩和政策を背景にしたドル安や中東の地政学リスクの高まりなどで商品価格は再び上昇した。
原油はニューヨーク先物市場で3日、指標品種が一時、前日終値比2.04ドル安い1バレル45.08ドルを付け、約4カ月半ぶりの安値を更新した。中東産油国や米シェール原油の増産から世界で1日当たり約200万バレルの生産超過が続く。米国の原油在庫は過去最高水準に達し、ファンドの買い越し幅も昨年6月のピークから4割強減った。
ニューヨークの金は1トロイオンス1070ドル台と、5年半ぶりの安値になった。米国の利上げが目前に迫る中で金利がつかない金を保有するメリットが薄れている。銅など非鉄金属も軒並み下落し、6年ぶりの安値圏で推移している。
原油安は日本経済にとって全体としてはプラスだ。「日本企業にとって製造コストの削減につながり、業績の上振れが期待できる」(楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジスト)との声も聞かれる。
一方で、ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は「原油安と国際商品価格の下落は足元で見ると、消費者物価指数(CPI)を下げ、デフレ脱却が進みにくいというマイナスの面を作りやすい」と指摘する。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDJ28H0V_U5A800C1MM0000/?dg=1
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