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社会保障費、「自然増」の謎 不況時には膨張、支出全体の抑制策必要:公共事業と同じように景気対策と銀行対策で増大
http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/480.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 8 月 05 日 03:24:30: Mo7ApAlflbQ6s
 


[エコノフォーカス]社会保障費、「自然増」の謎
不況時には膨張、支出全体の抑制策必要

 政府は財政健全化計画に年金や医療など社会保障費の増加額を2018年度まで年約5000億円に抑える目安を設けた。高齢化で年1兆円必要とされた「自然増」を予算編成で半分に抑えるように見える。だが、過去の決算を見ると、予算のメドと関係なく社会保障費は景気に揺さぶられた。自然増とは何か。国民負担が重くなりすぎないよう、社会保障費を確実に抑えるには何が必要なのか。(中島裕介、藤川衛)


 借金が毎年30兆〜40兆円増え、先進国最悪の日本の財政。15年度の当初予算で社会保障費は31.5兆円と一般会計の32.7%を占める。20年度には36兆〜37兆円台に増えると内閣府は予測する。財政健全化の成否は社会保障費の抑制にかかる。


失業給付も対象

 政府が計画で抑える対象とした「自然増」とは何を指すのだろうか。3月の閣議決定によると「人口の高齢化等の他動的な要因による前年度予算額からの増加分」。要は今の社会保障制度を変えない場合、国の支出がどれだけ増えるか。高齢化に伴う医療や年金の費用増を連想しがちだが、生活保護や失業給付などは景気変動の影響も大きい。

 「自然増」が注目されるのは当初予算を編成するときだ。7月に政府は概算要求基準で16年度の自然増は6700億円と示した。これを予算で5000億円増に縮めるのが計画の目安。「自然増1兆円」といわれた数年前より小さくなった。

 実際にお金を支出した決算を振り返ると、10〜13年度の社会保障費の伸びは年平均3300億円にとどまった。景気が持ち直し、雇用対策費などが減ったためだ。景気が回復すれば自然増を放置しても支出は縮む。一方で、景気が悪化すれば一気に膨らむ。

 「自然増を年2200億円抑える」。06年夏、小泉政権は社会保障費の増加の圧縮幅に数値目標を掲げた。だが、成功したのは07年度だけ。08年度は5300億円増に抑えるはずが、蓋を開けると約1兆4千億円増。リーマン・ショック対策で財政出動した09年度は約3兆7千億円増えた。


補正予算は枠外

 主因は補正予算だ。09年度は経済対策に介護職員の処遇改善など約4兆円の社会保障費を積んだ。自然増の抑制を議論するのは当初予算だけで、補正予算は何を入れても枠外となる。当初予算を抑えて見せるだけで、支出全体を削る工夫を後回しにしたツケともいえる。

 抑制を骨抜きにするまやかしは補正予算だけではない。今回の健全化計画でも抑制する「自然増」の範囲は曖昧で、無策でも目安を達成できる可能性がある。政府は17年4月に消費税率が10%になれば低所得者向け給付金などを約1兆5千億円増やす予定だが、これは「年5000億円」の枠外。抑制の看板を掲げたまま「実際は年1兆円ずつ増やせる」と法政大の小黒一正教授は語る。

 社会保障費を抑えるには、当初予算の自然増の議論だけでは力不足。補正予算も含め支出全体の検証が欠かせない。

 景気が好調なら伸びを黙認し、景気が悪化すれば当初予算で抑えた費用を補正予算で復活させる――。そんな失敗を繰り返さないためには、経済が好調なときにこそ恒久的な抑制策をとる必要がある。

[日経新聞8月3日朝刊P.3]

 

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コメント
 
1. あっしら 2015年8月05日 03:26:25 : Mo7ApAlflbQ6s : raK8N6SB3c

給付費全体は2兆円増 保険料引き上げで賄う

 年金や医療・介護などの社会保障費から本人の負担を除いた給付費は年間116兆円。うち国と地方自治体の税財源は4割で、残り6割は個人や企業が負担する保険料で賄っている。自然増を年5000億円に抑えるのは国の予算の話。給付費全体を見れば、毎年ほぼ2兆円増えている。

 給付費は09年度に100兆円を超えた。厚労省によると団塊世代が75歳以上になる25年度には149兆円に膨らむ。高齢者に年金を払うため現役世代が負担する保険料は毎年上がっている。給付費が伸びるなかで国の予算を抑える算段として、最近は税財源の一部を労使の保険料に付け替える手法も使っている。

 大企業の健康保険組合が自治体が運営する高齢者医療制度に拠出する負担金は15年度から段階的に増額し、18年度は年600億円増となる。労使合計1人当たり年2千円程度だ。国が社会保障予算を抑えても、代わりに保険料が上がれば企業は雇用を増やしにくい。現役の負担増を和らげるには給付費そのものの抑制が重要だ。

[日経新聞8月3日朝刊P.3]


2. 2015年8月05日 07:36:05 : nJF6kGWndY

>経済が好調なときにこそ恒久的な抑制策をとる必要

結局、具体策が全くないな

答えとしては、老人の自己負担を現役並みにして、無用な受診抑制させること

予防医療を強化し、健康寿命を増やし、要介護の寝たきりの期間を減らすこと

そのために、適切な運動や、健康的な食生活を行っている人々の、保険料を優遇し、喫煙者や過剰飲酒者は高くするなどが有効だろう



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