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米利上げ予想レース、指標に一喜一憂
By JAMES RAMAGE AND MIN ZENG
2015 年 8 月 3 日 15:13 JST
トレーダーらは、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ開始時期を誰よりも速く見極めようとして、毎日発表される多数の経済指標をかつてないほど詳しく調べるようになっている。
7月31日には、普段はそれほど重視されない賃金統計が大きく注目された。米労働省が同日発表した4-6月期の雇用コスト指数(ECI)統計では、賃金の伸び率が1982年の統計開始以降で最低となった。
こうした結果を受け、一部の投資家やトレーダーは、FRBが多くのエコノミストの予想と異なり9月に利上げしないのではないかとの見方を強めた。FRBは米経済のインフレ圧力を測る指標としてECI統計に注目することがよくある。利上げ開始時期が12月か、あるいは2016年初めまでずれこむ可能性が一段と高まっているとの見方を示したトレーダーもいた。
ECI統計を受けて、債券利回りは急低下し、ドル相場も大きく下落した。投資家が約10年ぶりとなる利上げの開始時期にかなり敏感になっていることが浮き彫りとなった。多くのトレーダーは、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)が近づくにつれ相場の変動は大きくなると予想しており、31日の市場の動きはそれを予感させるものでもあった。
31日の米国債相場は上昇(利回りは低下)した。10年債利回りの月間低下率は1月以来の大きさとなり、FRBの政策見通しの変化に最も敏感な2年債利回りも低下した。
市場観測筋の多くは、FRBが実際にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標をゼロ近辺から引き上げたとしても、利上げ自体は緩やかに行い、株式から債券、為替に至る市場全体の動きを抑えるはずとの見方で一致している。ただ、投資家は9月か12月、あるいは2016年の利上げに備えようと経済指標に注目しているため、相場が大きく振れる可能性はまだ消えていないとアナリストらは言う。
クレディ・スイスの為替調査アナリスト、シャハブ・ジャリヌース氏は「関連する経済指標が極端な水準で発表されたということもあり、足元の市場が敏感になっているのは当然だ。市場はFRBが9月に利上げする確率を五分五分とみている」と述べた。
FRBは雇用市場の動向を注視している。7月28日・29日に開いた直近のFOMCの後、FRBは労働市場の改善を理由に年内利上げに向けた軌道から外れていないことを認めた。
労働者の賃金や諸手当の指標であるECIは、4-6月期に季節調整済みで前期比0.2%上昇した。上昇率はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想の0.6%を下回った。
これについて、シティグループの先進国通貨戦略部門を率いるスティーブン・イングランダー氏は「大きな衝撃」だとし、「この数字ならFRBは利上げをためらう、と人々は考え始めている」と述べた。
31日のニューヨーク外国為替市場では、ECI統計の発表直後にドルがユーロに対して1.7%安まで下値を広げたものの、取引終了までにそれまでの下げ幅の大半を解消した。月間では、ドルはユーロに対し1.4%高となった。
米経済はソフトパッチ(一時的な減速)を経て、4-6月期に成長ペースが加速したが、FRB関係者や投資家は世界経済の低成長や低インフレをどう解釈するかに苦慮している。この数日は商品(コモディティー)相場が再び下げている。また、中国株式市場は7月の月間下落率が6年ぶりの大きさとなり、世界第2位の中国経済の減速に対する不安が高まった。
FRBの利上げ見通しを背景にドルに引き寄せられたファンドマネジャーらは、昨年のドル高を演出した。こうしたドル高は米経済が一時減速した2015年初めまで続いた。それ以降のドル相場は、経済指標やFRB関係者の発言に振り回される展開が続いている。
31日の米国債市場では、指標銘柄の10年債利回りが2.207%と、3週間ぶりの低水準で取引を終えた。30日は2.268%だった。2年債利回りも0.676%と、1カ月ぶり高水準を付けた30日の0.731%から落ち込んだ。
サムソン・キャピタル・アドバイザーズ(運用資産74億ドル)の最高投資責任者(CIO)、ジョナサン・ルイス氏は「(ECI統計は)FRBにとって赤信号」になったとし、「今の景気回復は、良好な経済指標の発表が継続するほど強くない。賃金に上昇圧力がかかり続ける状況などは、まず考えられない」と述べた。
ルイス氏は、FRBが9月に利上げできるか疑わしいとした上で、ECI統計は「投資家が現金から債券にシフトするゴーサイン」になったと語った。
トレーダーらによると、FRBが9月のFOMCで利上げする確率は31日時点で38%となり、30日時点の48%や1週間前の40.5%から低下した。31日時点での12月の利上げ確率は68.4%で、30日時点の80.5%や1週間前の71.7%から大きく落ち込んだ。
この計算は、FF金利先物の「インプライド・イールド」に基づいている。投資家やトレーダーはFRBの政策を予想して持ち高を形成する際にこれを活用している。
セントルイス地区連銀のブラード総裁は、9月16日・17日のFOMCで利上げを始めるにあたりFRBは「良好な状態」にあると述べ、4-6月期のECI統計を重視しない姿勢を示した。ブラード総裁は今年のFOMCでの投票権を持たない。
31日のダウ工業株30種平均は前日比56.12ドル(0.32%)安の1万7689.86ドルで取引を終えた。石油メジャーのエクソン・モービルとシェブロンが大幅減益となり、石油関連株が下げを主導した。ただ、ECI統計の結果や、極端な低金利が長期化するとの見通しを背景に、下値は限られた。
8月7日に発表される7月の米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比で21万5000人増加すると予想されている。これは雇用が大きく伸びている最近のトレンドと一致する水準だ。9月のFOMC前に発表される7月分と8月分の雇用統計の方が重要性は高いとして、4-6月期のECI統計を特に重視しなかったトレーダーもいた。
クレディ・アグリコルのシニア米国債トレーダー、ダニエル・マルホランド氏は、雇用が着実に伸びていることから、9月利上げの可能性はまだ残っていると指摘した。
同氏は「(イエレンFRB議長は)以前、賃金上昇は利上げの前提条件ではないと表明した」とし、「FRBは経済指標次第との認識を示してきた。(9月の次回FOMCまでに)雇用統計はあと2回発表される」と述べた。
ペン・ミューチュアル・アセット・マネジメント(運用資産200億ドル)の取締役兼ポートフォリオマネジャー、ジーウェイ・レン氏は「経済指標次第というのはFRBにとって良い選択肢だが、そのせいで市場は主要指標が発表されるたびに上下どちらの方向にも大きく振れやすくなっている」と述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAAahUKEwiZsrWws4zHAhWmIaYKHSC1AEk&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12433432845575373546004581147580535846482&ei=tRm_VdmDLabDmAWg6oLIBA&usg=AFQjCNGknEB4S8f_53HS3eFDfkmgZMuAPg&bvm=bv.99261572,d.dGY
FRBの9月利上げ、物価や消費統計が裏付けか
By GENE EPSTEIN
2015 年 8 月 3 日 15:16 JST
米商務省経済分析局(BEA)が7月30日発表した「国民所得生産勘定(NIPA)」では、所得や生産に直接触れた部分ではなく、物価に関する数字が際立っていた。
BEAは物価を用いて、個人消費などの総計の名目推計値を「実質」に転換、すなわちインフレの影響を調整する。BEAがまとめる個人消費支出(PCE)価格指数は、イエレン議長をはじめとする米連邦準備制度理事会(FRB)関係者がインフレ指標として最も注目している。
このため、30日発表された4-6月期のPCE価格指数が前期比年率2.2%上昇、食料品とエネルギー品目を除いた「コア」指数が1.8%上昇したことに、イエレン議長らは注目したに違いない。これらの数字は、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月の利上げを正当化する水準として目指している2%のインフレ目標に近い。
FOMCは労働市場にも目標がある。6月の政策声明では「雇用の伸びは回復したが、失業率は引き続き横ばいだった」と比較的控えめな所見を示した。7月29日に公表した声明では「雇用市場は、堅調な雇用の伸びと失業率の低下を伴い、改善し続けている」とし、労働市場の状況に極めて高い満足感を表明した。
BEAの発表を受け、インフレ面でもある程度の満足を示す可能性がある。足元では、FOMCが9月16日・17日の会合で利上げを発表し、今からそれまでの間に発表される物価と雇用関連の指標が著しく悪化した場合に限り利上げを見送るとの見方が強まっている。だが、FOMCは恐らく用心深く歩みを進め、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を現在のゼロ?0.25%から0.25%?0.50%へ引き上げるだろう。
FF金利誘導目標は2008年12月から過去最低水準に据え置かれており、同目標の据え置き期間として過去最長を記録している。
BEAが30日発表した数字の目玉は、4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値だった。この数字自体は利上げを促すものでも、阻むものでもないだろう。
4-6月期の実質GDP速報値は前期比年率換算で2.3%増と、足元の景気拡大期の平均程度だった。だが、1-3月期が従来発表の0.2%減から0.6%増に上方修正され、今年これまでの成長率を年率3.1%へ0.8ポイント押し上げた。
4-6月期GDPでは、個人消費が1-3月期の1.8%増から2.9%増へ加速したことが大きかった。所得や資産、雇用が着実に伸びていることから、個人消費は恐らく上向くだろう。住宅・設備投資が寄与すれば、今年後半に3.5%の成長を達成することもまだあり得そうだ。
BEAは過去のGDPの年次改定も行ったが、状況はいいとは言えなかった。
2012年までさかのぼってGDPを改定した結果、第二次世界大戦以降で最悪の景気拡大は、これまでの認識以上に弱いことが明らかになった。従来の発表によると、2009年7-9月期に始まった経済成長は今年1-3月期までの平均が2.2%だったが、今回の改定で2.1%に引き下げられた。
2009年7-9月期から2015年4-6月期まで(24四半期)丸6年にわたる景気拡大期の平均成長率も2.1%だった。今年後半に3.5%の成長を達成するという筆者の見解が正しかったとしても、全体の平均はほぼ変わらないだろう。
経済成長の著しい減速の背景には、フレーザー研究所が算出している経済自由度指数の低下があるようだ。
生産性の伸びが低く、労働力の伸びも低調なため、景気拡大の弱さは許されるべきだと主張する向きもある。だが、生産性のさえない伸び自体が問題の症状であり、経済自由度の低下に起因する可能性が高い。
大まかに計算してみると、労働力の伸びを同じとして、労働生産性が2007年までの景気拡大期と同じペースで上昇していた場合、GDP全体の伸びは平均3.1%と、現状より1ポイントも高い伸びになる。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAAahUKEwih-73osozHAhWCmJQKHav4D5U&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12433432845575373546004581147584111597292&ei=Hhm_VaH0NYKx0gSr8b-oCQ&usg=AFQjCNHcvPuWAbYZn_pmqvfG-inrGeOQpQ&bvm=bv.99261572,d.dGo
2015年 08月 3日 15:52 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:アジアで強まる「脱米国依存」
[31日 ロイター] - 米国のオバマ政権が「アジア重視」を掲げてから約3年。だが、アジアの米同盟諸国はいささかか納得していないように見える。
中国と近隣諸国による領有権問題について、米国が常に目を光らせていることに異を唱える人はいないだろうが、しばしば他の優先事項の陰に隠れてしまいがちだ。とりわけ、中東問題やロシアとの対立が米国の最優先課題として繰り返し浮上している。
その結果は比較的分かりやすいものだ。中国の動きを懸念する日本、インド、フィリピン、ベトナム、オーストラリアなどのアジア諸国は、結束を一段と強めている。こうした国々は、米国の行動に関係なく、自ら事にあたる能力が必要になると気をもんでいる。
そのような現象はさまざまな形で表れている。例えば、日本とオーストラリアは新型潜水艦の開発を共同で行う可能性がある。インドも米印海上共同訓練「マラバール」に日本の海上自衛隊を招待している。
米議会が先月に環太平洋連携協定(TPP)の妥結に不可欠とされる、米大統領の貿易促進権限(TPA)法案の成立を阻止した後、シンガポールのシャンムガム外相はワシントンで、米国はアジアで権力のレバーを失いつつあると指摘。「非常に厳しい選択だ。地域の一員でいたいのか、それともいたくないのか」と語った。
TPA法案はその後まもなく成立した。
批判的な人たちが何と言おうと、米国のリーダーシップは確かに存在する。だが事態はもっと複雑であり、米国は依然として重要な役割を担っている。
アジアで中国軍が海洋進出を拡大しているのを背景に、米国も同地域で支配的な海軍力を維持し続けている。さらに極めて重要なのは、同地域の同盟各国にとって米国が最も重要なパートナーであり続けているということだ。歴史的に中立的な立場を取ってきたインドでさえ、モディ政権下で親米姿勢を強めている。
ただし、米国のリーダーシップはさまざまな方向へと引っ張られている。米国は、ロシアと中国による同盟諸国への攻撃を阻止すると同時に、衝突へとつながりかねないほど両国の反感を買うことは避けなければならない。
米国の軍事・外交問題の焦点は主に、過激派組織「イスラム国」との戦いやイラン核問題、そしてイスラエルとパレスチナの和平プロセスなど中東にある。一方、中国は一貫して自国周辺に注力している。
米国は軍事的支配を他の大国に脅かされるなか、軍事費を縮小し始めている。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によれば、米防衛費は、2010年のピーク時に比べ20%減少している。
それとは対照的に、アジア諸国では近年、防衛予算が増加する傾向にある。オーストラリアは2014年だけで防衛予算が6.7%増加。韓国とインドもそれぞれ2.3%、1.8%増となっている。また、日本政府は1月、閣議で2015年度の防衛予算案を過去最高の4兆9800億円とすることを決めた。
こうした国々がどの程度緊密に防衛面で連携し、その中に米国がいかに組み込まれるのかはまだ分からない。昨年に国防費伸び率が9.7%と地域最大となった中国だが、同国最大の懸念は仮想敵国が北大西洋条約機構(NATO)のような公式の集団を構築することだろう。だが差し当たり、これは起こりそうもない。むしろ、インドとベトナム、フィリピンと日本といったような個別間での関係が強化されている。
米国では、専門家だけでなく一部の当局者らから、もしアジアの同盟国が中国と戦うことになった場合、米国がそれに巻き込まれるリスクがある一方で、米国は同地域での影響力を失う可能性を危惧する声も聞かれる。
そのような衝突を望む人は中国にもどこにもいないという考えが多数を占める一方で、中国は明らかに周辺地域で勢力を拡大する意志を示している。南シナ海での人工島などの建設や同海域で強める軍事行動は今後も活発化するだろう。
こうした傾向は中国の周辺地域をはるかに超えている。特に中国がインドに対抗するなか、専門家らは、南アジア諸国間での「新たな覇権争い」について話し始めている。
中東が逆説的に、この成り行きのヒントを与えてくれるかもしれない。米国の中東への傾倒については、同地域の多くの同盟国、とりわけ湾岸諸国とサウジアラビアがますます疑念を持つようになっている。中東の同盟諸国も防衛費を増強しており、昨年のサウジの同費伸び率は世界最大の17%となった。
その結果、米国が中東の同盟諸国に対する影響力と支配力を行使することが一段と難しくなっている。例を挙げれば、イランが支援するイエメンのイスラム教シーア派系武装組織「フーシ派」へのサウジ主導の空爆は、西側の影響力が及ばない領域のように見える。
アジアでは当面、血を流すような衝突はほぼ間違いなく起きず、対立は主に沖合や経済やビジネス、サイバー空間上に限られるだろう。
ただし、米国が何をしようと、他の地域でもそうであったように、米国のアジアにおける支配力は徐々に行き詰まっている。アジアの世紀であろうとなかろうと、少なくともアジアでは、同地域の国々が支配力を強めていくことになる。
*同コラムはシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」のサイトに掲載されたものです。
*筆者はロイターの防衛担当記者で、PS21の理事も務める。
コラム:中国当局が払う資産バブル傍観の「代償」 2015年 07月 28日
コラム:中国が「軍事力」で米国に遠く及ばない理由 2015年 06月 25日
馬と性行為の疑いで米68歳男を逮捕、覆面捜査官が活躍 2015年 07月 14日
http://jp.reuters.com/article/2015/08/03/us-influence-idJPKCN0Q80JC20150803?sp=true
日経平均は反落、中国懸念と市況安で資源安い−医薬品下支え
2015/08/03 15:46 JST
(ブルームバーグ):3日の東京株式相場は、日経平均株価が3営業日ぶりに反落。中国景気の先行き、海外原油市況の続落が懸念され、石油や鉱業など資源株が下げた。四半期営業減益の日新製鋼 など鉄鋼株も安い。一方、5割を超す営業増益決算を受け、午後の取引で一段高となった塩野義製薬 など医薬品株の堅調が相場全般を下支えした。
日経平均株価 の終値は前週末比37円13銭(0.2%)安の2万548円11銭。TOPIX は0.08ポイント高の1659.60と小幅ながら4日続伸。
大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長は、原油価格下落の背景には「中国経済への懸念もあるが、米国の在庫なども増えており、構造的に原油価格は上がりにくい状況にある」との認識を示した。また、きょうの日本株軟調は「先週上昇した反動、環太平洋連携協定(TPP)の影響も少しはある」とみている。
7月31日のニューヨーク原油先物は2.9%安の1バレル=47.12ドルと続落し、終値で3月20日以来の安値。石油輸出国機構(OPEC)の供給増加、中国の需要不振に対し懸念が根強い。アジア時間3日午後の時間外取引でも1.1%安と軟調に推移した。
中国の国家統計局と物流購買連合会が1日に発表した7月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.0と、市場予想の50.1、前月の50.2を下回った。また、財新伝媒とマークイット・エコノミクスが3日午前に発表した7月PMIの改定値は47.8と、速報値の48.2から下方修正。前月は49.4だった。きょうの中国上海総合指数 は1.3%安で始まった後、一時3.1%安まで下げ幅を広げる場面があった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、中国経済について「長期的な低落傾向が続いていると見ざるを得ない。それが原油価格やコモディティ価格に影響を与えている」と指摘。アジアへの収益依存率が高い日本企業に対し、「投資家は4−6月の数字は悪くなくても、先行きの鈍化を意識して売り始めており、ハイテク関連に売りが出ているのは注意しておくべき」としていた。
米賃金伸び鈍い、TPP合意見送り
このほか、米労働省が前週末に発表した4−6月期の雇用コスト指数で、全体の約7割を占める賃金・給与の伸びを示す指数が前期比0.2%上昇と1982年の調査開始以来で最低だった点もマイナス材料。また、TPP交渉の合意見送りも、上値を抑制する一因だった。米ハワイ州マウイ島で開かれていたTPP交渉の閣僚会合は、日米など12カ国全体の大筋合意を見送り、閉幕。乳製品や自動車市場の開放をめぐる意見の隔たりが埋まらなかった。
8月相場入りした日本株は、外部要因の不透明感から日経平均が午前の取引で一時188円安まで下げ幅を拡大。ただ、午後終盤にかけ下げ渋り、TOPIXはプラス圏に戻して終えた。大和住銀の門司氏は、「好決算が下支えになっている」と言う。
東証1部33業種は鉄鋼、石油・石炭製品、倉庫・運輸、鉱業、電気・ガス、不動産、保険、繊維など18業種が下落。医薬品や海運、ガラス・土石製品、小売、情報・通信など15業種は上昇。
売買代金上位では、ジェフリーズ証券が投資判断を下げた日東電工が売られ、三菱UFJフィナンシャル・グループや富士重工業、キーエンス、第一生命保険、三菱地所、住友化学、川崎重工業、野村証券が投資判断を下げた帝人も安い。
半面、4−6月期営業利益が市場予想を上回ったホンダが急伸。4−6月期営業利益が前年同期比73%増だった村田製作所も買われ、ミネベアやコーセー、資生堂、塩野義薬も高い。米ヘッジファンドのサード・ポイントによる株式取得が判明したスズキも上げた。東証1部の売買高は24億1234万株、売買代金は2兆7809億円。値上がり銘柄数は915、値下がり861。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2015/08/03 15:46 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NSH8HT6JIJUR01.html
ドル124円前半、米長期金利の反発力弱く上値重い
[東京 3日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル高/円安の124円前半。さえない株価や反発力に乏しい米長期金利を受けて、上値の重い展開となったが、前週末の下落の反動もあり下値リスクは限定的だった。
中国7月製造業PMI改定値は47.8で、2年ぶりの低水準となった。速報値は48.2だった。日経平均.N225の反応は限定的で、ドル/円相場にも目立った値動きはなかった。上海総合指数.SSECは目下、前営業日比2.09%安となっているが、依然不安定な中国株の影響で為替市場はリスクオフに傾きやすい地合いが続いている。
一方、きょうの米国時間には米ISM製造業景気指数が発表されるが「注目度の高い指数なだけに、強ければドル買い機運が再燃しやすい」(国内金融機関)と関心が寄せられている。
ユーロは1.09ドル後半で一進一退。ユーロ/円は136円前半で強含みとなった。前週末の米国市場では4─6月の米雇用コスト指数が統計開始以来の低水準となったことでドル安が進行。ユーロは一時1.1114ドルと約1週間ぶり高値、対円では137.35円と約3週間ぶり高値を付けている。
1日発行の独週刊誌シュピーゲルによると、メルケル首相は政権4期目を目指して2017年の連邦議会(下院)選挙に立候補する方針を決め、すでに選挙戦に向けて党幹部と協議を始めているという。
<9月利上げに半信半疑な米債券市場>
午後3時15分時点の米10年国債利回りUS10YT=RRは2.2051/2.2033%の気配と、前週末につけた3週間ぶり低水準の2.18%からは小幅に上昇したものの「9月の米利上げについて、ボンドマーケットは半信半疑」(米証券会社)とされ、長期金利に対する下方圧力が意識されやすい地合いとなっている。
米フェデラルファンド(FF)金利先物9月限は99.825付近で、短期金融市場参加者も9月の利上げを十分に織り込んでいないことがうかがわれる。
ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY=
午後3時現在 124.06/08 1.0980/84 136.23/27
午前9時現在 124.04/06 1.0966/70 136.03/07
NY午後5時 123.90/94 1.0983/88 136.08/12
(為替マーケットチーム)
http://jp.reuters.com/article/2015/08/03/tokyo-forex-idJPKCN0Q80JP20150803?sp=true
ドルは124円前後、米主要指標待ち−米利上げ時期を見極めへ
2015/08/03 13:24 JST
(ブルームバーグ):東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=124円ちょうど前後で推移している。今週は雇用統計など主要な米国経済指標の発表が多く、利上げ時期を探る手掛かりとして注目が集まっている。
3日午後1時20分現在のドル・円相場は124円01銭前後。前週末の海外市場では124円台前半までドルが買われた後、米雇用コスト指数の下振れを受け、一時123円52銭まで下落。週明けの東京市場では朝方付けた123円87銭を下値に一時124円12銭まで値を切り上げたが、その後は伸び悩む展開となっている。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、今週は米経済指標の発表が多く、「結果次第だが、ドル買いの方向に行くと思う」と予想。米供給管理協会 (ISM)製造業景況指数や新規失業保険申請件数、雇用統計などで「雇用の改善が確認できて、加速するような数字となれば、9月の利上げ観測が強まるだろう」と語る。
ユーロ・ドル相場は前週末の海外市場で一時1ユーロ=1.1114ドルと4営業日ぶりの水準までユーロ高・ドル安に振れたが、その後1.09ドル台後半でもみ合う展開が続いており、同時刻現在は1.0984ドル前後。ユーロ・円相場も前週末に1ユーロ=137円35銭と7月13日以来の水準までユーロが買われた後、136円台前半まで値を戻し、足元では136円22銭前後で取引されている。
村田氏は、「ユーロは底堅いが、目先はドル相場主導での動きになるだろう」と言い、「ドルが上昇すれば、ユーロは売られる」と予想。「ギリシャ支援協議が再開されたが、あまり気にしていない。米国と欧州の金融政策の方向感の違いの方が影響が大きい」と指摘している。
米利上げ時期を見極め
米国ではこの日、7月のISM製造業景況指数や6月の個人消費支出が発表される。また、7日には注目の7月の雇用統計の発表が予定されている。
前週末の海外市場では、第2四半期(4−6月)の米雇用コスト指数で賃金・給与 の伸びが前期比0.2%上昇と1982年の調査開始以来で最低となったことで、年内の利上げが後ずれする可能性が意識され、2年債利回り が1カ月ぶりの大幅低下となった。
上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、米労働コスト指数が弱い内容だったことで、「今週の米雇用統計での平均時給の上昇も期待できなくなったことから、労働参加率が高まっての失業率の改善、非農業部門雇用者数の大幅増加などが示されないと、積極的なドル買いにつながらない」と予想。その意味で、まずはISM製造業景況指数の雇用指数が注目されるとしている。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典
更新日時: 2015/08/03 13:24 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NSH8OJ6JTSEB01.html
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