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セブン-イレブンの店舗(「Wikipedia」より/KishujiRapid)
セブン、サントリー“切り”加速か 商品採用数はローソンの半分
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150731-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 7月31日(金)6時1分配信
コンビニエンスストアのドリップコーヒーは、 総務省が調査する消費者物価指数の新基準となる「消費者物価指数 2015 年基準改定計画(案)」において、追加品目として採用されるほど市民権を得ている。
江崎グリコと共同開発したセブン-イレブンのアイスカフェラテが、7月末までに約9000店舗へ導入されるなど、コンビニコーヒーは進化を続けている。今年度は、全コンビニチェーン累計で年間19億杯(前年比130%)の販売が予測されている。
反して、コンビニ缶コーヒーの売り上げは、コンビニコーヒー発売以来2桁強の販売ダウンが常態化し、ソフトドリンクメーカーは戦略を方向転換せざるを得ない状況になっている。
特に、日本コカ・コーラとサントリーフーズの2大メーカーでは、各コンビニ限定のW(ダブル)チョップ商品(小売業とメーカー双方のブランドを冠する商品)の展開に大きく舵を切っている。
●サントリー、ローソンと蜜月でセブンとは緊張関係?
直近では7月21日、ローソンが「サントリー ボスカフェチョコミント350ml」を数量限定で発売した。ローソン元社長の新浪剛史氏が2014年10月、サントリーホールディングス(HD)の社長に就任し、両社の関係性が強化されたこともWチョップ商品が増加している一因だろう。
また、新浪氏の転身は、他社コンビニとメーカーの関係性にも大きく影響していると推察される。
業界関係者から入手した、コンビニのメーカーごとの月別商品採用数(14年1月〜15年6月)を見ると、サントリーフーズの商品は、セブンの54品に対してローソンでは122品が採用されており、2倍以上の差がある。
新浪氏はローソン社長時代に、セブンに対して執拗なまでに挑発言動を繰り返しており、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長をはじめとしてセブン関係者には激しい“新浪アレルギー”がある。客視点で見れば疑問が残る商品選定ではあるものの、サントリーと距離を置いていることが十分にうかがえる数字だ。
ちなみに、ファミリーマートの採用数は122品でローソンと同数となっており、セブンと距離があるサントリーにしてみれば、ファミマが売り上げの穴埋めをしているようにも感じられる。
●コカ・コーラがセブンとの距離を縮める
もう一方の雄であるコカ・コーラは、サントリーとコンビニ各社との関係性を機敏に察知しているようだ。缶コーヒーのドル箱商品であるジョージアブランドをセブンとのWチョップ商品として3品、NB(ナショナルブランド/メーカー固有のブランド)商品のジョージアより約20円安い価格で4月21日に発売し、売り上げは好調に推移しているようだ。
新商品を全国の店舗に確実に展開できるのは、セブンは約8割、他チェーンでは6割前後といわれている。店舗数を見ると、セブンは約1万7500店舗、ローソンとファミマ合算は約2万3000店舗となるが、それに商品展開率を掛け合わせると、セブンが約1万4000店舗、ローソンとファミマ合算で約1万3800店舗となる。そのため、大手メーカーにとっては、セブンの重要性が極めて高いのだ。
飲料以外の分野でも、花王、カルビー、日清食品などのメーカーや、文藝春秋などの出版社がセブンとのWチョップ商品に積極的になっているが、ある意味当然ともいえる。
コカ・コーラは、本格的なWチョップ商品をセブンだけで発売することにより、他のコンビニでの採用数に影響が出ないか懸念されるところだが、15年度6月までの採用数を見てみると、セブン49品、ローソン50品、ファミマ46品と、ほとんど差が出ていない。
このコカ・コーラ製品の採用数だけを見ていると、今年の秋口以降にもローソンでジョージアのWチョップ商品を発売するのではないかと勘ぐってしまう。なぜなら、サントリーがボスのWチョップ商品を14年1月にセブンで発売した後、同年7月にファミマ、10月にローソンとWチョップ商品を発売しているのだ。ライバルチェーンとしのぎを削りながら各メーカーと交渉するコンビニの特性からして、ローソンはコカ・コーラとWチョップ商品を計画しているからこそ寛容な対応をしていると考えるのが自然だ。どのような展開になっていくのか、売り場での注視が必要だ。
業界関係者によると、ソフトドリンク全体のセブンとローソンにおける直近の前年比売り上げは差異がなく、お客にはコンビニやメーカーの取り扱い政策はあまり影響していないようで、商品開発・採用合戦でしのぎを削る2メーカーにとっては寂しい傾向になっている。
●コンビニとメーカーの関係は、どう変わる?
このようにしのぎを削り合っているコカ・コーラやサントリーと大手コンビニのWチョップ商品開発は、商品を見る限りお客を徹底的に分析して商品化したものとは感じられず、コンビニコーヒーによって売り上げが落ちた分を補うための安易な対応といわざるを得ない。
大量の広告宣伝によって商品の告知をして、お客の支持を得て販売につなげるというセオリーが通用しなくなった今、2メーカーの選択がWチョップ商品開発という結論だったのだろう。したがって他メーカーは、コンビニのお客と向き合った商品開発をすれば、支持を得て今までの勢力図を塗り替えるチャンスかもしれない。
日本経済新聞の調査では、14年のセブンの売上高は約4兆円で、ファミマが約2兆円、ローソンが約1兆9600億円となり、売り上げ2位の座が入れ替わった。ただ、セブンの独り勝ちは鮮明で、独走を止めるためにはファミマとサークルKサンクスの合併しかないのだろうか。
コンビニで売り上げ構成比が高いといわれるソフトドリンクで、大手メーカー2社が取っている戦略は、他のカテゴリーも含め、今後のコンビニとメーカーの関係を示唆するものになると思われる。
「おごる平家は久しからず」――セブンとメーカーの関係がどのように変化していくのか注目だ。変化の鍵は、メーカーが革新的なNB商品を開発できるかどうかだろう。
コンビニでは、コーヒーに続いてドーナツで売り上げを伸ばしているように、国内の人口減をにらんで他業種への本格参入がさらに進んでいくものと思われる。一部コンビニチェーンでは、ファミリーレストランのようなフリードリンク用機械の導入を検討しているといわれている。個人的には、ペットボトルのゴミ処理問題を考慮すると、大変良い試みだと思う。
日本人の飲料習慣は、コンビニや自動販売機の進化とともに、家庭で水やお茶を飲むというスタイルから、外でも缶やペットボトルの飲料を気軽に飲むように変わってきた。今後も、日本人の生活に大きな影響を与えるであろうコンビニの動向から目を離すことができそうにない。
法理 健/流通ジャーナリスト
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