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ロッテ重光一族の乱 経営権巡り対立
長男・宏之氏側、父伴い「実弟ら解任」
ロッテグループで骨肉の争いが表面化した。日本のロッテホールディングス(HD)副会長を1月に解任された重光宏之氏(61)が27日、創業者である父・重光武雄会長(92)と組み、実弟の副会長、重光昭夫氏(60)を含む取締役解任を通告した。これを受け、ロッテHDは28日に取締役会を開き、解任人事は無効と確認。武雄氏から代表権を外す人事を決めた。経営への干渉を防ぐ狙いだ。重光一族に何があったのか。
武雄氏は27日、宏之氏のほか長女の辛英子(シン・ヨンジャ)氏ら親族5人とチャーター便で韓国を出発し、午後に東京・新宿のロッテ本社に乗り込んだ。社員を集めると、副会長を解任されて何の権限もないはずの宏之氏が突如、「武雄会長を除くロッテHDの全取締役の解任を決めました」と宣言した。横では車いすに乗った武雄氏が黙って見守っていた。
この話を聞いたロッテ幹部は「取締役の解任は株主総会の決議事項のはずだ。むちゃくちゃなやり方だ」と語った。
ロッテは1948年に在日韓国人1世の武雄氏が東京で創業し、67年に韓国に進出。1代で日韓にまたがる巨大グループを築いた。90年代からは日本を長男の宏之氏、韓国を次男の昭夫氏が担当するなど、兄弟間で分業してきたが、2013年から宏之氏が韓国のロッテ製菓の株式を断続的に買い増し、昭夫氏も対抗して買い増すなど、兄弟間の確執をうかがわせる動きが始まる。
今年1月、宏之氏はロッテHD副会長を解任された。父・武雄氏の意向とされ、昭夫氏が後継者の地位を固めたと思われた。わずか7カ月で態度を変化させた裏には、何があったのか。
ロッテ幹部は「宏之氏が親族を巻き込み、高齢の武雄氏を説き伏せたのだろう」と推測する。武雄氏は秋に93歳になる。「今もお元気だが、以前に比べてやや判断力に衰えがみられる」と話す幹部もいる。
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次男・昭夫氏側、父の代表権外し対抗
突然の解任宣告に、佃孝之社長(71)ら取締役は反撃にでる。翌28日午前に取締役会を招集。「法的手続きを踏んでいない」として、取締役解任の無効を確認。その上で、武雄氏が代表権を返上して、会長から名誉会長に退く人事を決めた。全7人の取締役のうち、武雄氏は欠席、昭夫氏は棄権し、5人の取締役が賛成した。
名誉会長職は同社に存在しないことから、武雄氏の正式な就任は株主総会での定款変更を経て決まる見通しだ。「企業のガバナンス上、無視できない事態が起こった」と韓国ロッテ幹部は憤る。
韓国ロッテグループは同日、「本事案は日本のロッテHDの取締役会の独立した議決事項で、韓国の事業とは直接的な関係がない」とする報道資料を発表した。一方で武雄氏は今後も韓国ロッテグループの総括会長の地位を維持し、「韓国と日本の主要事案の報告を受ける一方で、辛東彬(シン・ドンビン、昭夫氏)会長が日韓のロッテグループを代表し、今後は両者のシナジー創出とこれを通じた新しい成長に動いていく」などとした。 昭夫氏はコメントを発表し、「兄と親族が高齢の父を日本にまで同道し、(武雄氏は)過酷なスケジュールを強いられた。母が面会を申し出るがかなわず、心配している」とした。
そのうえで「このような行動をとった兄、親族には高齢の父を巻き込んで家族と企業経営を混同した行動は2度としてほしくない」と求めた。宏之氏はコメントしなかった。
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株主総会、今後の焦点
今後の焦点は株主総会だ。ロッテHDには武雄氏が代表を務める資産管理会社が約27%出資。さらに武雄氏や宏之氏、昭夫氏ら親族が直接出資しているほか、社員持ち株会なども株主として存在するとされる。宏之氏側とされる武雄氏の長女の英子氏も株主とみられ、波乱が予想される。
株主総会の開催日程は決まっていないが、今回の取締役会の決定に反発した宏之氏側が反撃に出てくる可能性がある。「経営者として誰がふさわしいのか。これまでの実績を訴えれば、株主は理解してくれるはずだ」。昭夫氏に近いロッテの幹部はこう話す。
韓国の大手財閥では旧現代グループが「王子の乱」と呼ばれる兄弟間の経営権を巡る争いを経て、自動車や重工業、北朝鮮事業などに分裂する事態に発展した。資産規模で韓国財閥5位に成長したロッテでもかねて同様の可能性が指摘されており、今回の宏之氏の動きで混沌としてきた。
ソウル=加藤宏一、東京=宮住達朗
[日経新聞7月29日朝刊P.9]
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