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[経済観測]訪日客どこまで伸びる 中国勢い、当面天井なし ANAHD社長 片野坂真哉氏
夏の旅行シーズンが到来した。国内景気も左右し始めた外国人観光客はどこまで伸びるのか、受け入れ側の体制整備を含めて、今後の見通しと課題をANAホールディングスの片野坂真哉社長に聞いた。
航空旅客7割増
――外国人観光客の足元の動向は。
「非常な好調が続いている。今年4〜6月期にANA機に搭乗した外国籍の乗客数は前年同期比7割以上伸びた。海外から日本を訪れるインバウンド観光客の増加が話題になって久しいが、頭打ちする気配はなく、伸び率はここにきてさらに上向いている」
「国別に見てとりわけ伸びが大きいのが中国だ。4〜6月期の中国人乗客数は前年からほぼ倍増した。冷え込んでいた日中関係にも改善の兆しがある。背景には中国経済が減速する中で、日本企業の対中投資を引き出したいという中国政府の思惑もあるのだろう。関係改善によって人の往来はさらに活発になるはずで、大いに期待したい」
――先月から今月にかけて上海市場の株価が急落する場面もありました。
「中国の人の日本旅行ブームがそう簡単に冷え込むことはないとみている。上海株が動揺したときも、それで日本旅行をやめたり、いわゆる『爆買い』を控えめにしたり、という動きはなかった。仮に今後為替が少々円高方向に振れても、影響はほとんどないのではないか。美しい自然やきめ細やかなサービス、買い物の楽しみなど日本旅行は魅力満載で、これからも多くの中国人を引き寄せると思う」
――ここまでインバウンドが伸びた理由は。
「観光振興は省庁の垣根にとらわれない、政府挙げての取り組みが実を結んだ貴重な例だ。観光分野を所管する国土交通省だけでなく、査証(ビザ)の発給条件の緩和では法務省が、免税店の拡充では財務省が柔軟に動いた。以前は『日本は無線LANがつながりにくい』という苦情が多かったが、総務省などの尽力で整備が進み、2年程度で状況が大幅によくなったのも素晴らしいと思う」
地方誘導を促進
――外国人観光客が増え続けると、受け入れ体制が追いつかないという心配はありませんか。
「航空は羽田と成田空港の整備を今後も計画通りに進めていけば、供給不足にはならないと思う。問題はホテルではないか。外国人客の急増で、東京では地方から出張してくる人が宿を確保しづらくなり、横浜や千葉のホテルに押し出されているのが現状だ」
「私たちは日本に来た外国人に地方にも足を延ばしてもらい、その結果として首都圏の混雑緩和に寄与したいと考えている。『エクスペリエンス・ジャパン』と名付けたキャンペーンでは、日本国内ならどの路線でも片道1万800円で提供しており、好評だ」
――逆に日本人の海外旅行需要はどうでしょう。
「中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の流行した韓国と、テロ事件の起きたフランスを含む欧州は弱含んでいたが、足元では回復しつつある。それ以外の北米や中国、東南アジアはもともと堅調で、総じて需要は旺盛だ」
(聞き手は編集委員 西條都夫)
かたのざか・しんや 東京五輪などを見据え、積極拡大路線を推進。60歳。
[日経新聞7月29日朝刊P.5]
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