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新興国 マネー流出加速
中国株安で市場動揺 ドル実効レート、12年ぶり高値
新興・資源国からの資金流出が加速している。中国株が再び下落基調を強めたことを受け、外国為替市場ではインドネシアや南アフリカなどの通貨が軒並み歴史的な低水準に下落した。中国経済の減速が世界経済の停滞につながるという警戒感が強まっている。流出した投資マネーは米ドルに集まっており、米ドルの総合的な実力を示す実効為替レートは約12年ぶりの高値を記録した。
27日から28日にかけて新興・資源国通貨が対米ドルで安値を付けた。インドネシアルピアはアジア通貨危機の影響が残る1998年8月以来、約17年ぶりの低水準。南アフリカランドは約13年ぶり、ブラジルレアルも約12年ぶりの安値を記録した。中国との貿易が活発なオーストラリアドルも約6年2カ月ぶりの水準まで下落した。
資源国にも連鎖
週明けから中国株が再び崩れたことが新興・資源国通貨の総崩れにつながった。6月下旬の急落後にいったん落ち着いた上海総合指数は今週2日間で10%超下げた。6月12日の直近ピークと比べると約3割安い。
中国経済が一段と減速すれば資源需要が弱まるとの見方から国際商品市況も悪化。新興国だけでなく、資源国の通貨にも売りが連鎖した。
インドネシアや豪州などは今年前半に中央銀行が利下げに踏み切った。自国通貨安で輸出競争力を高め、景気を下支えする狙いがあったからだ。ところが「肝心の需要国である中国景気の減速で輸出増による景気下支えどころか、通貨安による資金流出を加速させた」(三井住友銀行の岡川聡氏)という皮肉な結果を招いている。
新興国も通貨防衛に動き始めた。マレーシアリンギは安値を付けた後に下げ渋ったが、市場では「中銀がリンギ買い・外貨売りの為替介入に動いた可能性が高い」という指摘が出ている。ただ介入の原資になるマレーシアの外貨準備高は7月15日時点で前年同期から約2割減り、介入の余力が確実に弱まっている。
新興・資源国から流出した投資マネーの受け皿になっているのが米ドルだ。週初に米ドルの実効為替レートは2003年4月以来、約12年ぶりの高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)の年内利上げ観測も中国株安と相まって米ドル買いを後押ししている。
円は売られず
バンクオブアメリカ・メリルリンチのカマル・シャーマ氏は米ドル高の加速について「利上げ観測が強まる米国と緩和が目立つ新興国の差が際立つためだ」と指摘する。ただ米ドル高は米輸出の悪化要因になるため、米景気の先行きを不安視する声も出始めている。
一方、円はドルに対して大きく売られず、1ドル=123円台を中心にもみ合っている。中国経済の減速からリスク回避目的で円にもマネーが流れているためだ。
[日経新聞7月29日朝刊P.5]
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