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中国減速、企業業績に影
ファナックや神鋼、受注下振れ 設備投資の鈍化鮮明
中国景気の減速が日本の製造業の業績に影を落とし始めた。ファナックは28日、中国でのスマートフォン(スマホ)需要減少で2016年3月期通期の業績予想を下方修正。日立建機と神戸製鋼所も建設機械が下振れし、同日発表した15年4〜6月期決算はともに5割近い最終減益だった。設備投資の鈍化が関連業種に波及した格好で、中国の変調は株式市場の懸念材料にもなりそうだ。
ファナックは16年3月期の連結純利益が前期比23%減の1595億円にとどまりそうだと発表した。従来予想の8%減の1912億円から減益幅が拡大する。主に中国の需要減の見通しが理由で今下期の業績下振れを新たに織り込んだ。
■「減少スピード速い」
「受注減のスピードが(想定より)3カ月速い」。稲葉善治社長は28日の投資家向け電話会議でこう述べた。落ち込みが目立つのはスマホの金属ケースを加工する小型機械「ロボドリル」だ。前期は米アップルの「iPhone(アイフォーン)」向けに加え、中国現地のスマホメーカーの金属ケース採用拡大でロボドリル売上高は3.6倍に膨らんだ。今期はこの反動減が出る。
工作機械の頭脳に相当する数値制御(NC)装置もファナックの大きな収益源。中国のスマホ向け投資の下振れで他の工作機械メーカーの販売が減少する結果、NC装置の受注も減る見通しだ。
建機業界も中国での誤算に揺れる。日立建機が28日発表した15年4〜6月期の連結決算は純利益(国際会計基準=IFRS)が27億円と前年同期比47%減。中国やロシアで油圧ショベルの販売が落ち込んだのが響いた。
同社は油圧ショベルの15年度の中国需要予想を1万8千台と5千台下げた。これは直近のピークだった10年度の6分の1の水準。これに伴い、16年3月期通期の中国の予想売上高を25%減の547億円と従来計画(624億円)から減額した。
神戸製鋼所も28日、中国失速を主因として、16年3月期の建機部門の経常利益予想を減額した。4月時点で前期比5%減の200億円を見込んでいたが、5割減の100億円に下方修正した。梅原尚人副社長は「中国の地方政府の財政問題でインフラなどのプロジェクトがなかなか進まない。日を追って状況が悪くなっている」と話す。
■機械や素材で表面化
中国の減速は日本の鉄鋼業にも影響を与える。中国国内で余った安い鋼材がアジアを中心に流通しているため、日本の鉄鋼会社が円安で輸出を増やそうとしても思うように利幅を確保できない。新日鉄住金の16年3月期の連結経常利益は前期から減益になる見込みだ。
今のところ中国の鈍化が業績悪化として表面化したのは、機械や素材など設備投資に関連する業種に限られる。だが消費まで失速すれば、自動車など影響を受ける業種は一気に拡大する。動揺が続く上海株市場の動向を含め、中国が日本企業全体の業績の下押し圧力になる可能性も出てきた。
[日経新聞7月29日朝刊P.3]
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