http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/305.html
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上海株暴落“第2波”襲う外資マネー99兆円“大流出” IMF警告が引き金
7.29
中国株式市場を暴落第二波が襲った。前日に約8年5カ月ぶりの下落率を記録した上海総合指数は28日午前も下げ止まらなかった。中国市場が底なし沼となるなか、世界の投資マネーが中国から逃げ出す動きが加速、米英の市場関係者は昨年以降、国外に流出した資金が8000億ドル(約99兆円)にものぼると分析した。習近平政権は、株安も「キャピタル・フライト」(資本逃避)も止められないのか。
28日午前の上海株式市場も暴落で始まった。総合指数は3500台後半〜3600台で推移し、下落率は4%を超える場面もあった。
27日の総合指数は下落率約8・5%という壮絶な暴落。これを受けて中国証券監督管理委員会の当局者は同日夜、政府系金融機関を通じて株価の下支え策を継続する意向を表明したが効果は限定的だった。
今年7月8日に3400台まで下落した総合指数は、大株主の売却を禁じたり、空売りを公安当局に捜査させたりという習政権の強引な株価対策でいったんは4100台まで値を戻していたが、国際通貨基金(IMF)の警告が暴落第二波の引き金となった。
先週、中国当局に対し、株式市場への介入をこれ以上行わないよう要求。24日夕方からの週末は、中国当局や人民銀行の動きがなかったことが、投資家のパニック売りを招いた。
実体経済への懸念も広がった。24日に発表された製造業の購買者担当指数(PMI)が事前の市場予測を下回る悪化を示した。4〜6月期の国内総生産(GDP)成長率は7・0%と予測を上回ったが、指標そのものの信憑(しんぴょう)性に疑問が持たれており、額面通りに受け止める市場関係者は極めて少ない。
中国当局による官製株高はあっという間に消え去ったが、ひと足早く投資マネーは海外に流出している。
「危機が深まり、中国からの資本流出は8000億ドルに」−。英紙テレグラフ電子版はこうした題名の記事を掲載した。
記事では6月中旬以降の株価暴落を受けて当局が打ち出した対策について「中国は新たな株のミニブームを操作し、共産党は株価の下落を非合法化した」と皮肉った。
そして、今後2〜3カ月は経済成長を維持できるとしたものの、「根本的な状況はますます悪くなっている」として、4〜6月の間に、最大2240億ドルの資本が中国の国外に流出したという米投資銀行ゴールドマン・サックスのストラテジストの推定を紹介した。
また、英調査会社のロンバード・ストリート・リサーチによると、昨年以来の資本の流出額は8000億ドルもの巨額にのぼったという。
記事によると、大規模な資本逃避は昨年後半から始まっている。そして今年に入ると、電力使用量の減少や鉄道輸送貨物の2ケタ減など産業の統計にも急ブレーキがかかった。
昨年後半以降、中国経済に明らかな異変が生じ、海外の投資家らはいち早く逃げ出していたにもかかわらず、株式相場は昨年秋ごろから異常な上昇を記録。国内の個人投資家の多くは借金をして株式投資に殺到してバブル状態となった。
前出のテレグラフの記事では「経済の減速に対応するために、中国当局は、官製メディアを使って株式市場ブームをあおり立てた。これが最初の大失敗だった」とした。
今回の株価対策で中国当局と民間が投じた金額は5兆人民元(約99兆円)とされるが、ほぼ同額の約99兆円のマネーがすでに中国から消えていたのだ。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は「資金流出は突然、音もなく起こるが、衝撃は“メガトン級”だ。中国経済は不良債権の増加で資金繰りが悪化しているが、それを債務の増加で乗り切っているに過ぎない。中国政府が、国有企業のIPO(新規株式公開)を急いだ理由もここにあるが、株安によって凍結されるなど打つ手がなくなってきた」と語る。
習政権は銀行融資を拡大するなどしてクラッシュを防ごうとしている。ただ、前出のテレグラフ紙はこう警告する。
「恐ろしい結末は回避されたようにみえるが、次に起こる事態は容易ではないことに習主席は気づくだろう」
中国経済“泥舟状態”浮き彫り 世界巻き込む「時限爆弾」拍車
中国バブル崩壊で世界恐慌の恐れ 日本への具体的な影響とは
【経済インサイド】中国車、低迷ロシアで工場建設ラッシュの不思議 中露接近で「好機」と判断…過剰生産で市場崩壊も
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150729/frn1507291140001-n1.htm
中国株市場のメルトダウン、中銀の出口戦略の新たな難題に
2015/07/29 10:17 JST
(ブルームバーグ):出口戦略はかつて米国防総省の計画担当者にとって最大の関心事だったが、米連邦準備制度理事会(FRB)が住宅ローン担保証券と国債の大規模購入プログラムを実施して以来、これは中央銀行ウオッチャーの領域となっている。
その経済的領域で中国が新たな難題をもたらしている。27日の中国の株式相場は政府支援の縮小観測が浮上したことで2007年以来最大の下げを記録し、公的な支援が頼みの綱である現状が露呈した。同国政府は
その後、市場安定化策を継続する方針を表明したものの、上海総合指数は28日にさらに1.7%下落した。
中国によるここ1カ月の株価支援策によって、欧州や日本の国債や米住宅ローン担保証券だけでなく中国株も政策当局の判断に左右される資産クラスに加わった形だ。
13年には米金融当局による債券購入縮小の観測が新興国市場に大きな打撃を与えた「テーパー・タントラム」と呼ばれる混乱を招いた。中国が今後、緊急措置の終了に最終的に失敗すれば、市場原理に委ねることを目指す共産党指導部の目標実現は阻まれる。
HSBCホールディングスのアジア経済調査共同責任者、フレデリック・ニューマン氏は「どこの投資家も近年は政策当局に甘やかされてきただけに、当局が出口戦略を進めるのは難しくなった」と指摘。「現実的なアプローチは一層の相場下落につながる可能性があるものの長期的に健全な政策の確立を助ける。ただ、その痛みをもう少し先送りする誘惑は根強い」と付け加えた。
原題:China Meltdown Adds Exit-Strategy Conundrum for Central Bankers(抜粋)
記事に関するブルームバーグ・ニュース・スタッフへの問い合わせ先:北京 Kevin Hamlin khamlin@bloomberg.net;香港 Enda Curran ecurran8@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christopher Anstey canstey@bloomberg.net Jeff Kearns
更新日時: 2015/07/29 10:17 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS82RZ6K512O01.html
貿易不均衡が世界の経済成長を抑制−IMF報告2015/07/29 00:41 JST
(ブルームバーグ):中国やドイツといった経常黒字の多い国は内需を拡大し、世界の成長を抑制している不均衡の是正に貢献する必要があると、国際通貨基金(IMF)が指摘した。
IMFのスタッフは、28日公表された対外不均衡や為替レートについて分析した年次報告で、金融不安の一因にもなるそうした不均衡を減らす動きはここ数年、ほとんど進展していないとの認識を示した。
また中国の経常黒字と米国の経常赤字は、金融危機の発生前から縮小してきてはいるものの、引き続き世界的な不均衡をもたらす最大の要因となっていると説明した。
中国については、柔軟で市場に基づいた為替レートを採用することが「極めて重要」だとしたほか、消費拡大や金融システム開放に向けた措置を講じるべきだと記した。人民元のレートは、昨年は「中期的なファンダメンタルズや望ましい政策と整合する」水準を3−12%下回って推移したものの、このところの相場上昇により、過小評価されているとはもはやいえないと指摘した。
今回の報告における人民元の評価は5月に示した見解を踏襲しており、元はなお過小評価されているとする米国の立場と相反する。
ドルについては、現在のところファンダメンタルズと整合する水準を「やや上回って」推移しているとの見解を示した。
原題:IMF Says Global Growth Still Being Held Back by Trade Imbalances(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Andrew Mayedaamayeda@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christopher Welliszcwellisz@bloomberg.net Brendan Murray, Scott Lanman
更新日時: 2015/07/29 00:41 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS7EET6VDKHU01.html
REAL TIME ECONOMICS 世界経済の低成長、需要拡大なければ長期化=IMF
IMFによると、ドイツなどの大国は世界経済のさらなる悪化を食い止めるため内需拡大に努める必要がある PHOTO: GETTY
By IAN TALLEY 2015 年 7 月 29 日 12:08 JST
世界の大国が根本的な需要の問題に対処しなければ、いくら中央銀行が過去最大規模の資金供給を行っているといっても、世界的な低成長が向こう数年間続く状況を生み出すことになる。
国際通貨基金(IMF)が28日発表した最新報告で主に伝えようとしているのは、こうしたことだ。同報告は、一部諸国の貯蓄過剰や需要不足が原因で生じた世界経済のゆがみについて詳しくまとめている。
特に、ドイツや中国などの国々が内需促進に努めなければ、世界経済の低成長が10年単位で定着する可能性があるとIMFは懸念している。
IMFのリプトン筆頭副専務理事は「最近は不均衡の是正でほとんど進展がない」とし、「不均衡は非常に大きいままだ」と述べた。
その上で、大国の政府が何も行動しないということは、成長・安定アジェンダの進展を妨げる行為だと述べた。
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-JP562_CAGaps_NS_20150728231436.png
2014年の経常黒字(プラス)と経常赤字(マイナス)が世界のGDPに占める割合(出典:IMF)
こうした不均衡は、現実の世界に深刻な影響をもたらしている。この10年間で累積した世界経済のゆがみは、2008年〜09年の世界金融危機に拍車を掛けた。その結果、過酷なリセッション(景気後退)に陥り、数億人が職を失った。
IMFは、100年近くで最悪の経済危機に見舞われたことを受け、システム上最も重要な国々の政策により世界経済にどれほど深刻なゆがみが生じているかに関する年次調査を開始した。為替レート、貿易不均衡、外貨準備高、政府予算、資本動向がどのようにして成長に対する逆風となっているかを評価するものだ。
世界経済にゆがみをもたらしている最大の「犯人」は広く知られており、経常黒字の上位を占めている国々だ。IMFは、ドイツと中国の経常収支が黒字ということは、どちらも輸出依存度が極端に高く、世界的な需要への貢献が不十分という意味だと述べている。
一方、米国の借り入れや消費の規模は、長期的に許容可能な水準をはるかに上回っている。黒字国と赤字国の双方が、為替レートに関する措置や予算調整、一段と踏み込んだ経済改革などを組み合わせて政策を調整すれば、世界経済の成長を後押しできるだろう。
例えば、中国は内需拡大につながるであろう計画の概要を明らかにしている。具体的には、通貨・人民元のほか金融などの業界をより市場原理に基づくシステムに移行させることや、海外投資家への市場開放を拡大することが盛り込まれている。これにより、14億人の消費者が中間層に移行する中、持続性の高い長期の成長を確実なものとし、海外の成長を促すことになるはずだ。もっとも、中国政府がこの計画に真剣に取り組むかは、大いに疑問の残るところだ。
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-JP563_IMFREE_NS_20150728231507.png
各国の「実質実効為替レート」と「ファンダメンタルズおよび望ましい政策と整合的な水準」の差(2014年平均、単位:パーセント、出典:IMF)
赤字国では、イタリアやポルトガルなど欧州諸国が歳出削減や自国経済の競争力強化に向けた計画を推進している。こうした措置は赤字国の借り入れ抑制に役立つだろう。米国では、長期の重要な財政問題(主に福祉予算)に取り組む必要性や、生産性を高める方法についての議論で一定の理解があるが、この問題をめぐる政治の機能不全により大きな進展が阻まれている。
ドイツ政府は財政支出を通じて内需拡大を促すべきだとIMFや米国は主張しているが、ドイツ側はこれを一蹴している。現在、ドイツの名目経常黒字は中国を抜き世界最大となっている。
リプトン筆頭副専務理事は、不均衡是正に赤字国だけが取り組み、黒字国は手をこまぬくようなら、世界の需要は縮小する恐れがあると警告した。
同理事は「世界が全体として需要拡大を切望しているタイミングで、(需要が)縮小することになるだろう」と述べた。
最近の経験則から言えば、政府が経常収支の不均衡是正に向けた取り組みを加速させる見込みは大きくない。
20カ国・地域(G20)は昨年初めに打ち出した最新の取り組みを通じて、G20全体の成長率を従来の想定よりも2%押し上げることになった。 だがこれは、既存の取り組みやG20およびIMFの他の措置と同様、ほとんど進展していない。
米予算協議、FRBの利上げ計画を妨げない理由とは
FRB本部(ワシントン) ENLARGE
FRB本部(ワシントン) PHOTO: BLOOMBERG NEWS
By JON HILSENRATH
2015 年 7 月 29 日 12:56 JST
米連邦準備制度理事会(FRB)が約10年ぶりの利上げを議論するとみられる9月の連邦公開市場委員会(FOMC)が近づく中、連邦政府予算の問題が影を落としている。議会が予算水準をめぐる現在のこう着状況を解決できなければ、10月1日に連邦政府が部分閉鎖に追い込まれる可能性がある。また、議会は今年のさらに遅い時期に、政府が自ら課した債務上限の引き上げで合意する必要もありそうだ。合意できなければ、連邦政府の借り入れに混乱が生じ、政府は混乱状態に陥りかねない。
ワシントンで日常的に起こる予算をめぐる混乱は、かつてFRBの計画を狂わせたことがある。2013年9月、FRBは量的緩和として知られる債券買い入れの縮小を始めるべきか検討していた。結局は債券買い入れを続けることになったが、その一因は、政府機関の閉鎖や債務上限の突破が現実のものになるのではないかとの懸念にあった。当時のバーナンキFRB議長は「政府機関が閉鎖された場合、まして債務上限が引き上げられなかった場合はなおさらそうだろうが、金融市場と経済に極めて深刻な影響をもたらす可能性がある」と述べていた。
しかし、今回は違うかもしれない。
その理由としてはまず、政府機関が再び閉鎖される事態は避けたいと共和党議員らが明確にしていることが挙げられる。マコネル上院院内総務(共和党、ケンタッキー州)は昨年の中間選挙で共和党が上院で過半数を奪回した後に、これからは政府機関が閉鎖することも債券市場の混乱を恐れることもなくなると断言した。下院のベイナー議長(共和党、オハイオ州)も先週、議会が暫定予算法案を成立させ、9月以降の政府業務に支障を来さないようにする可能性に言及した。
次に、現在の市場環境が13年9月のそれとは異なっていることがある。FRB関係者は当時、債券市場の「テーパリングかんしゃく」を懸念していた。同年5月にバーナンキ議長が債券買い入れの縮小を示唆したことで、金利は上昇し、新興国市場に打撃が及んだ。しかし現在は、10年物の米国債利回りが2月半ば以降、2.0?2.5%の間で安定的に推移している。
最後に、FRBが「完全雇用」という目標に近づいており、財政緊縮の影響でより広範囲に及ぶ逆風が収まったことが挙げられる。
予算協議の行き詰まりは、FRBが直面するリスク要因の一つと考えるべきだが、今のところは重大なリスク要因ではない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAAahUKEwjpjcWWy__GAhXBF6YKHZZHBHQ&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10412567118926353716304581137321877133998&ei=1WG4VanPE8GvmAWWj5GgBw&usg=AFQjCNGjF3rAgHCNuwdlWYr7Wus3ueQEfw&bvm=bv.98717601,d.dGY
今週のFOMC、5つの注目点 BEN LEUBSDORF 2015 年 7 月 29 日 11:24 JST
FRB本部(ワシントン)
今週28日から29日にかけての米連邦公開市場委員会(FOMC)は、嵐の前の静けさのようなものになるだろう。連邦準備制度理事会(FRB)は、少なくとも9月より前に利上げに着手する可能性は低い。イエレンFRB議長の記者会見は行われず、FRBは経済見通しを更新しない。だが、景気見通しに関する新たな手掛かりを示し、その延長線上で政策見通しについても何らかの材料を提供するかもしれない。米東部時間29日午後2時(日本時間30日午前3時)に発表される政策声明での注目点は次の5つだ。
1. 金利は据え置く
FRBが29日に政策金利を2006年以来初めて引き上げるならば、驚きと言わざるを得ない。FRB当局者らは利上げが差し迫っているなどと広く伝えてきてはいないし、ウォール・ストリート・ジャーナルが7月に行った民間エコノミスト調査でも今月の利上げは誰も予想しなかった。当局者らは、景気判断を調整して利上げ時期が迫りつつあるかどうかやFRBの目標が近づいているかどうかを示す可能性はある。だが、政策会合のたびに入手した統計に対応する意向をFRBは示しているので、明確に何かを示す可能性は小さいと思われる。
2.雇用市場の進展
FRBは、利上げを始めるよりも先に、雇用市場のさらなる改善を確認したいとしてきた。イエレン議長は7月はじめの議会証言で、雇用市場は「引き続き最大雇用という目的に向けた進展を見せている」と述べ、「労働市場は、(中略)より正常な状態に、明らかに近づきつつある」と発言した。政策声明にこれと同様に強気な判断が盛り込まれれば、利上げが近づいているしるしになり得る。
3.インフレの実態
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インフレ率はFRBの目標を下回っている:個人消費支出(PCE)価格指数(青)、同コア指数(緑)、FRBのインフレ目標(黒) PHOTO: THE WALL STREET JOURNAL
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-JC339_PCEBPL_M_20150625121501.jpg
FRB当局は、利上げにあたり、インフレ率が年率2%の目標に向けて上昇すると「合理的に確信」したいとしてきた。当局の考えを探るうえで、6月の政策声明からの変化に注目したい。例えば、6月の声明では「エネルギー価格は落ち着いたようだ」と述べたが、原油相場はここ数週間で急落している。
4.消費と経済成長
FRBは6月の声明で、家計支出の緩やかな伸びが寄与し、経済成長はまずまずのペースだと述べた。イエレン議長は7月の議会証言で、強い自動車販売は「多くの家計が高額品を購入するうえで必要な資金と意欲をともに備えている」状況を示すものだと語った。個人消費が強まれば、米経済全体を押し上げる重要な要因になるだろう。ただ、商務省が発表した6月の小売売上高は弱かったので、強気な見方は冷めたかもしれない。
5.全員一致が続くか
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全員一致は続きそうもない(写真はリッチモンド地区連銀のラッカー総裁) PHOTO:BLOOMBERG
今回の政策声明が10対0で承認されれば、全員一致は2009年以降で最長の5回連続となる。だが、全員一致はいつまでも続かないだろう。6月16日・17日のFOMC議事録によると、一人のFOMC委員は利上げに賛成する用意があったが、「さらなる統計のためにあと1回ないし2回の会合を待つ意向も示した」。リッチモンド地区連銀のラッカー総裁に注目すべきだ。同総裁は今年これまでは多数派に賛成してきたが、近年は反対派の常連だった人物だ。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB8QqQIwAGoVChMIrNHlrMz_xgIVBimmCh1n1gLh&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10412567118926353716304581137193940280026&ei=EGO4VayJGobSmAXnrIuIDg&usg=AFQjCNG9kWCjGpMjkynRq6AP-p3p2SHArA&bvm=bv.98717601,d.dGY
経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層
【第179回】 2015年7月29日 高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
過去の債券市場3大ショックに見る
米国利上げと市場大変動の関係
炭鉱のカナリアか?
利上げと一致する債権市場ショック
米国の利上げも「炭鉱のカナリア」の1つだ
筆者は、1980年代半ばから30年近く債券市場に立ち会ってきたが、その中で次の「3大ショック」を経験した。図表1はその3回を示している。日本で1980年代以降の利上げ局面は3回しかなく、それぞれ債券市場のショックが前触れだった。
@タテホショック(1987年8月)→1989年利上げ
A運用部ショック(1998年12月)→2000年利上げ
BVaRショック(2003年6月)→2006年利上げ
本論でのポイントは、この3ショックはその後の日本の利上げの予兆、「炭鉱のカナリア」の役目を果したのではないかとの問題意識にある。今日、多くのエコノミストは、随分先とは思いながらも日本の出口、日本の利上げに注目した議論を行っている。ただし、金融市場参加者にとって重要なのは、いつ日銀が利上げするかより、債券市場の変動、先に示した3ショックのようなイベントにある。
以上3ショックは、実際の利上げの2-3年前に生じている。利上げは2018年の先であるにしても、過去の経験則に従えば、債券市場の変動はその2−3年前の2016年頃からは生じ得るとの意識も必要になる。同時にこうした変動は、米国の利上げの頃に生じていることも認識する必要があり、米国の利上げも「炭鉱のカナリア」の1つだ。
http://diamond.jp/mwimgs/a/5/650/img_a5042086a753aa1eff9591e350b2f6f845061.jpg
5回のジンクスに見る
日米欧の利上げの連動
筆者は、グローバルな金融市場に30年以上従事してきた実務家としての体験から、1970年代以降の日米欧の政策金利の引き上げの連動について、図表2に示した「5回のジンクス」議論を行ってきた。その特徴は、1970年代に為替が変動相場制に移行し、日米欧中心に金融市場の連動が強まっていることだ。
先行する米国の利上げは
債券市場の変動の予兆
70年代以降を振り返れば、日銀も含めた利上げ局面は5回あり、その過去5回の状況を具体的に見たのが、次項の図表3となる。ここで重要なのは、いつも米国の利上げが先行していることだ。先述した3ショックの事例は、図表3の5局面の3回目、4回目、5回目に当たるが、その時々の米国の利上げは、3回目が1987年となりタテホショックと同じ年、4回目は1999年5月となり運用部ショックと半年違い、5回目は2004年5月となりVaRショックの1年以内と、どれも近いタイミングにある。
多くの日本の市場参加者の意識は、日銀の追加緩和の可能性もあるなか、債券市場の変動、金利上昇へ懸念を抱くことは狼少年のようなものかもしれないだろう。ただし、米国の利上げが2006年以来9年ぶりに視野に入ったことは、大きなトレンドで見た転換を意味することが過去の強い経験則であり、その「炭鉱のカナリア」の役目を米国の利上げも果たしている。
http://diamond.jp/mwimgs/f/e/650/img_fe78f2d40139aef7d010c4015e0a976c121818.jpg
金利環境は節目に差しかかった?
今後、日銀も踏まえた予兆に注意
本論のメッセージも含め、今年から来年に向けた債券市場の重要なテーマは、市場が先取りして生じ得る変動の予兆を捉えることにある。今回はその1つとして米国の利上げを示した。
当面、日本の物価は原油価格下落の影響でマイナスに向かい、実体経済も4-6月期のGDP成長率のマイナス観測も含め、追加金融緩和観測も根強い。ただし、景気の足腰は折れておらず、物価環境は来年にかけて上昇しやすいとするのが、日銀の示す展望だ。
来年に向けて生じ得る物価を中心とした予兆には、十分な配慮が必要と考えている。また、大きな潮流で見て金利環境が節目にさしかかったことを、米国の利上げは意味すると考えられる。
http://diamond.jp/articles/-/75688
米5月ケース・シラー指数は4.9%上昇、市場予想下回る
[ニューヨーク 28日 ロイター] - スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が28日発表した5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数によると、主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数は前年同月比4.9%上昇した。
市場予想の5.6%上昇は下回った。上昇率は4月と同じだった。住宅建設が停滞したことで、新築の販売は中古と比べると遅れた。
都市別では、デンバーが10.0%、サンフランシスコが9.7%、ダラスが8.4%上昇し、最も大きなプラスとなった。
S&Pダウジョーンズ・インディシーズのデビッド・ブリッツァー氏は「住宅価格は上昇を続けており、ほかの住宅関連統計よりも前向きな内容だ」としながらも、価格の上昇率は4−5%台に落ち着き、2桁のペースで伸びていた2013年と比べると勢いがなくなってきたとも指摘。新規購入者の少なさが価格の伸び悩みの原因だとした。
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アングル:増加する役員賠償保険の契約、補償額引き上げも
http://jp.reuters.com/article/2015/07/28/us-may-housing-index-idJPKCN0Q21R120150728
NZ中銀総裁が追加利下げ示唆、「NZドルは下落する必要」
[ウェリントン 29日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(中央銀行、RBNZ)のウィーラー総裁は29日、減速する経済を支援し、インフレ率を目標水準に戻すためにさらなる利下げが必要になるとの見解を示した。
同総裁はインフレ率は来年半ばごろに目標水準に回復するとの見通しを示すとともに、ニュージーランドドルはさらに下落する必要があると指摘した。
ある企業団体向けの講演で「オフィシャル・キャッシュレート(OCR)の今後の道筋は、一連の指標に加え、経済見通しに関するわれわれの評価、中銀の物価安定目標達成に必要な金利水準に関する判断に左右される」と述べた。
発言を受け、ニュージーランドドルNZD=D4は対米ドルで上昇し、一時2週間ぶり高値を付けた。
ウィーラー総裁はニュージーランド経済の成長率は、商品価格の下落と低インフレによって潜在成長率を下回る年2.5%前後となっていると指摘。「経済成長率を潜在成長率付近で保ち、消費者物価指数(CPI)上昇率を中期の目標水準に戻すためには、一段の金融緩和が求められる可能性がある」と述べた。
インフレ率については、向こう9─12カ月で中銀が目指す1─3%の中間値に徐々に戻るとの見方を示した。6月末時点のインフレ率は0.3%。
市場では、9月10日の金融政策決定会合で25ベーシスポイント(bp)の利下げが、年末までにさらに25bpの利下げが予想されている。
ウィーラー総裁は、大幅な追加利下げ観測については「経済がリセッション(景気後退)に向かっている場合にのみありうる」と述べた。
ニュージーランド中銀は先週、景気減速と低インフレを理由に政策金利を3%に引き下げ、追加利下げの可能性を示唆していた。
総裁は講演で、ニュージーランドドルは過去3カ月で約14%下落したが、現在の環境下では依然高すぎると指摘。「輸出商品価格の下落と向こう2年の対外純債務の悪化が予想されていることを踏まえると、為替レートのさらなる下落が必要だ」と述べた。
さらに、米国と英国の利上げ観測もニュージーランドドルに対する圧力になるとの見方を示した。
*内容を追加しました。
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長期金利が上昇、米債安や0.4%割れへの警戒で売り−FOMC見極め
2015/07/29 11:11 JST
(ブルームバーグ):債券市場で長期金利が上昇。前日の米国債相場が下落したことや、長期金利0.4%割れの水準に対する警戒感から売りが優勢となっている。半面、日本銀行がきょうの金融調節で国債買い入れオペを通知したことが下支えしている。
29日の現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の339回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.41%で開始した。いったん0.405%を付けたが、再び0.41%に上昇している。前日は0.40%と6月1日以来の水準まで下げた。
長期国債先物市場で、中心限月9月物 は前日比2銭安の147円53銭で取引を開始し、147円51銭まで下落した。いったん2銭高に上昇したが、再び147円51銭まで下落。日銀オペ通知前後から横ばい圏でのもみ合いとなり、午前終値は1銭高の147円56銭だった。
JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で雇用や物価に関する表現についてどのような変化があるか見極めたい」としたほか、4−6月期の国内総生産(GDP)速報も注目だと指摘。「米国のイベント前に円債は引き続き動意薄だ。需給環境が良好であることに変わりなくとも、10年債利回りの0.4%割れは買い進めない」と話した。
28日の米債相場は反落。10年国債利回り は前日比3bp上昇の2.25%程度となった。原油相場の反発に加え、中国株 の下落ペースが鈍化したため、売りが優勢となった。
日銀はきょう午前10時10分の金融調節で、今月9回目となる長期国債買い入れオペの実施を通知した。残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、10年超25年以下、25年超が対象で、買い入れ総額は1兆1800億円程度となる。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 崎浜秀磨
更新日時: 2015/07/29 11:11 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS6SJC6K50XU01.html
夏枯れ相場の落とし穴、震源は米国債か=岩下真理氏
岩下真理
岩下真理SMBCフレンド証券 チーフマーケットエコノミスト
[東京 28日] - 7月前半はギリシャ問題と中国株急落という乱気流に遭遇し、相場のエネルギーを消耗したが、後半は世界的な需要減少を背景に商品市況の下落が加速している。
米国の利上げ開始が早くても9月なら、8月は材料待ちで夏枯れ相場との見方もあるようだが、筆者にとって8月のイメージは「予想外の何かが起きる」要注意の月だ。ここでは過去の事例を紹介しつつ、今夏のリスクシナリオを考えてみたい。
<夏場の地政学リスクに要注意>
まず過去8月に起こったイベントで、筆者の記憶に強く残っているものを挙げれば、以下の6つだ。海外と国内3つずつある。
1)1990年8月2日:イラクによるクウェート侵攻(1991年1月に湾岸戦争)
2)1998年8月:ロシア通貨危機(翌9月には米大手ヘッジファンドLTCMが破たん)
3)2000年8月11日:日銀のゼロ金利解除(2001年3月には量的緩和実施)
4)2006年8月25日:日本の消費者物価指数(CPI)ショック(基準改定で予想より下振れ)
5)2007年8月9日:パリバショック(2008年9月にリーマンショックへ)
6)2011年8月4日:日本政府の為替介入と日銀の追加緩和決定
1番目は地政学リスクだが、今夏も過激派組織「イスラム国」による石油施設攻撃の可能性がある。25日にはトルコがイスラム国の拠点を空爆し、対決姿勢を示した。昨年は8月7日にオバマ米大統領が、イスラム国に対する限定的な空爆実施を承認したことは記憶に新しい。
従来ならば、地政学リスクは原油高、新興国では通貨安のダブルパンチでのインフレ上昇と景気減速が懸念される。しかし、原油市場は7月以降、需給両面で下落圧力が強まっている(23日にWTIは49ドル割れ)。これは中国経済の弱さを背景に需要が減少する一方で、14日のイラン核問題の最終合意を受けて同国産原油の輸出再開を織り込む格好で供給過剰懸念が高まっているためだ。
こうした状況を考えれば、供給不安が多少強まることがあっても一時的なものにとどまる可能性が高いだろう。ただ、過去の教訓として、夏場の中東情勢は油断できない。地政学リスクが一段と悪化する可能性は低くても、ひとたび顕現化すれば、世界的な景気失速懸念につながりかねない点にも注意が必要だ。
また、新興国のデフォルトから始まった2番目の事例についても、過去の話とばかりも言っていられない。足元でウクライナの債務危機は収まっておらず、停戦合意後も緊張は続いている。ロシア発の混乱が再び起きるリスクが皆無ではないことも念頭に置きたい。
<今夏の主役は日銀より政治リスク>
順不同になるが、5番目のパリバショックはサブプライム問題が本格化する起点だった。あれから8年が経過し、ようやく米国の利上げ開始が近づきつつある。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は15―16日の上下院議会証言で、年内の利上げが適切であるとの考えを改めて表明する一方で、利上げを若干早めに開始することの利点として、金利の道筋が緩やかなものになる可能性があると指摘した。
利上げ判断の重要指標は30日発表の4―6月期実質国内総生産(GDP)年次改定と31日発表の雇用コスト指数だ。1―3月期の一時的な弱さから4―6月期に持ち直す姿が示され、賃金の上昇傾向が期待できれば、FRBの利上げ確度は高まるだろう。
一方の国内要因では、来年もまた物価基準改定の夏を迎えることから、2006年夏のCPIショックを思い起こさせる。ただ、支出ウェイトの高い品目が値上がり傾向にあり、過去のような押し下げには至らないだろう。
また、6番目に挙げた2011年の日銀追加緩和の背景には円高があったが、現在では円高は修正されて円安地合いが継続し、企業の価格設定行動は明らかに変化している。むろん、景気回復の持続が前提であり、商品市況のさらなる下落は織り込まれていないが、生鮮食品を除くコアCPIは夏場に原油安の影響で前年比マイナスに陥るとしても、秋以降は徐々に上昇していくと見込まれる。
以上のように考えると、今夏は日銀絡みでの波乱をさほど心配する必要はなさそうだ。むしろ強く意識すべきは政治リスクだろう。16日に安保法案は強行採決で衆院を通過したが、日本経済新聞社とテレビ東京による24―26日の世論調査では安倍政権の支持率は初めて40%を割り、不支持率を下回った。
安保法案は27日から参院で審議入りしたが、そのほかにも複数の難題がある。28日からは環太平洋連携協定(TPP)交渉の大筋合意に向けた閣僚会合が始まる。また、早ければ8月10日にも川内原発の再稼働、8月前半には安倍首相による戦後70年談話発表が控えており、内閣支持率にいかなる影響を与えるか注意が必要だ。
加えて、8月17日発表の4―6月期実質GDPは、輸出の下振れと消費の弱さを主因にマイナス成長が見込まれる。今週末発表の6月分指標次第で、成長率予想のマイナス幅が2%台まで広がる可能性は十分にある。そうなれば、経済最優先のアベノミクスにとっては大きな逆風となろう。
経済活動の弱まりと支持率低下が重なれば、日本株を保有する海外投資家がいったんポジション調整に動くことになるのではないか。
<米利上げ織り込みの最終章>
最後に昨夏の原油急落から1年を経て、世界経済に与えた影響を振り返ると、当初想定ほど原油輸入国の交易条件の改善、景気のプラス面が大きく出ていない。その一方で米国エネルギー産業の痛手とその悪影響の波及、産油国の景気下振れ、物価上昇率の鈍化(中央銀行のインフレ目標達成に厳しさが増す)というマイナス面が想定以上に大きく感じられた。
そう考えると、原油安が止まらなければ、世界経済全体へのマイナス面、中央銀行の緩和策長期化が意識されやすいだろう。また、中国経済の弱さを反映したアジア諸国の弱さは、日本の輸出にも悪影響を与え、日本経済の下振れリスクにもつながる。当然ながら、日銀の追加緩和観測もくすぶり続けるだろう。それでも昨年との相違点は、ここからの原油価格の下落幅は相対的に大きくはならないと見込まれていることだ。
一方で足元の金下落のスピード感は、2013年春の金暴落を思い出させる。当時、暴落の引き金を引いたのは米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録であり、量的緩和の縮小を支持する意見が増えたことだった。
それまでドルの代替通貨、インフレヘッジとして買われてきた金から大量の資金が流出し、ドルや株にシフトした。当時、商品ファンドの撤退や閉鎖の話が市場を駆け巡り、「グレートローテーション」という言葉が流行ったのは記憶に新しい。
2013年春が米利上げの序曲なら、今回は米利上げ織り込みの最終章と、筆者には思える。しかし、米利上げの最終局面にしては、米10年債は27日時点で2.3%割れと低い水準だ。8月相場に波乱があるとすれば、米10年債のフェアバリュー模索の動きではないだろうか。
仮に9月利上げの後ずれ観測が強まるなら、再び金利低下を試す動きとなり、金下落の一服が見込まれる。一方で、9月利上げを織り込むなら、米10年債が2%台後半を目指す動きとなってもおかしくない。
筆者はFRBが安全運転を望むなら、9月に25ベーシスポイント(bp)の利上げを開始し、3カ月ごとに25bpペースで利上げを続けていくのがベストシナリオではないかと考えている。
*岩下真理氏は、SMBCフレンド証券のチーフマーケットエコノミスト。三井住友銀行の市場部門で15年間、日本経済、円金利担当のエコノミストを経験。2006年1月から証券会社に出向。大和証券SMBC、SMBC日興証券を経て、13年10月より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
中国企業の債務負担拡大、デフォルト増加の見通し=S&P 2015年 07月 16日
コラム:商品価格下落で強まる円高リスク=山本雅文氏 2015年 07月 24日
コラム:中国バブル崩壊、まだ序章 2015年 07月 10日
米国債弱気派探し一段と困難に−原油安で物価見通しに安心感
2015/07/29 12:19 JST
(ブルームバーグ):原油相場の下落を受けて、米国債の弱気派が減少している。
今月に入り商品相場が10%程度下落したことで、債券市場ではインフレ予想が後退。低インフレは長期債にとって朗報であり、投資家はそれを織り込みつつある。
JPモルガン・チェースの28日のリポートによると、同行の顧客の間で米国債相場の下落を見込む割合は過去1週間で低下した。弱気派が強気派をなお上回っているが、その差は5ポイントと2月後半以来で最も縮小している。
ブリーン・キャピタルのマクロ戦略責任者ピーター・チア氏(ニューヨーク在勤)は「商品相場の下落が始まったことで、誰もがインフレに陥らないと安心感を抱いている」と述べ、このため米国債相場は下げに対して脆弱(ぜいじゃく)な状態にあるとの見方を示した。
投資家が数週間前と比べて米国債により強気になっていることを示す兆しはほかにもある。マークイットのデータによると、上場投資信託(ETF)「iシェアーズ米国国債20年超ETF」の下落を予想する投資家の比率はここ数日で10ポイント近く低下した。同ETFは過去4週間で6億1400万ドル(約760億円)の純流入となり、計17億ドルの純流出となっていたそれ以前の2カ月間から状況が一変している。
原題:Treasury Bears Are Tougher to Find After Oil Prices Plunge (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Alexandra Scaggs ascaggs@bloomberg.net
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更新日時: 2015/07/29 12:19 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS88ED6TTDS201.html
ディストレスト投資の夜明け-中国と商品、ギリシャで条件揃う
2015/07/29 13:00 JST
(ブルームバーグ):ディストレスト債投資で世界最大手の米オークツリー・キャピタル・グループ にとって、相場上昇のおかげで企業がトラブルに巻き込まれることがなかった過去数年は不満が募った。しかし、中国や商品相場、ギリシャ、プエルトリコと市場を脅かす材料に事欠かない現在、同社が本領を発揮する時が近づきつつある。
オークツリーのブルース・カーシュ共同会長は28日の投資家との電話会議で、「相対的な平穏は懸念すべき問題がなお多く存在するという現状を反映していない。米国の景気回復は今も勢いを欠く一方、政策金利は今後1年間のある時点で引き上げられる見通しであり、ギリシャの債務危機と中国の減速が影を落とすグローバル経済環境は極めて不安定だ」と発言した。
2011年に始まったS&P500種株価指数の強気相場はその後4年続くことになるが、カーシュ氏をはじめとするオークツリーの経営幹部らは、少なくとも13年以降の米国の資産価格上昇局面を嘆いてきた。
債券市場の好調のおかげで経営に問題を抱える企業の借り換えが容易になっており、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによれば、昨年の世界全体のデフォルト(債務不履行)件数は53件と09年のピークから80%減少した。
オークツリーは来たるべき危機に備えて、新たなディストレスト債ファンド「オポチュニティーズ・ファンドX」を設定し、約100億ドル(約1兆2350億円)の資金を集めた。商品価格や中国の株価がさらに下落すれば、オークツリーがさらに資金を募るチャンスが生まれるとカーシュ氏は期待する。
カーシュ氏は石油・天然ガス業界について、「状況が悪化すればするほど、われわれにとって機会が広がる。心理は悪化に転じたが、始まったばかりだ。われわれが飛び込むのはまだこれからだ」と述べ、エネルギー投資に利用できる多くの手元資金があることを明らかにした。
原題:Oaktree Sees Brew of China, Oil, Greece Cracking Global Markets(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Devin Banerjee dbanerjee2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christian Baumgaertel cbaumgaertel@bloomberg.net Pierre Paulden
更新日時: 2015/07/29 13:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS88MC6K50XW01.html
中国当局が払う資産バブル傍観の「代償」
John Foley
[ロンドン 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国政府が株式市場を支えると約束しているのは、賢明な対応とは言えない。もしも当局が資産価格を押し上げる誘惑に打ち勝っていれば、こんなことをせずに済んだ。
これほどの試練にさらされる政府というのは滅多にお目にかかれないだろう。
上海総合指数が27日に8.5%下落したことを受けて主要証券規制当局は株価支援の継続を表明した。その条件反射的な動きは驚くばかりだ。また「悪質な空売り」といった罵倒まで飛び出し、中国政府が劣勢に立たされているという雰囲気が一層高まった。
これはフリーライダー(タダ乗りする人)が支払う高額な代価といえる。過去30年の大半の期間で、中国の金融市場は規制され、あるいは実体経済を援助するために選別的に利用されてきた。外資系銀行や外国人投資家はそれに不満を感じていたものの、基本的に安定した状況が続いた。企業は内部留保もしくは銀行融資で資金を調達し、株式はどの月でみても新規調達の5%弱にしかならないことが普通だった。
しかし資産価格上昇が奏でる誘惑の言葉にはやはり抗しがたいものがあったことが分かる。政治家たちが過去5年間にわたって事態を傍観している間に、不動産市場がバブルの領域にまで達してなお今も完全には破裂しておらず、結果的に資産効果をもたらしている。さらにその後に起きた株価高騰はある意味でより始末が悪い。住宅価格をこの水準だと決め付けるのは難しいが、株価というはっきりしたシンボルの急落はだれでも把握できる。
中国株はこの1カ月足らずで3割強も下がった。この株安を食い止めるために政府が打ち出せる対策は、例えば利下げから国有企業に自社株買いを義務付けることまで、まだ数多く残っている。
ただし期限を設けずに市場で直接自社株を買うと発表する以外の対策はすべて、投資家のリターンを減らしてしまう可能性が大きい。
その上、当局がトレーディングやレバレッジの規制強化を駆使して株式市場の急騰にブレーキをかけるという真っ当な行動を否定した時点で、現実の被害が出てしまった。
この面での愚かさや無能さは中国の当局者も多くの西側当局者もまったく同レベルだが、中国では株高の背後に当局が存在するという虚構を長らくまん延させてしまったせいで、政策担当者たちは株安に振り回されざるを得ない状況に陥ってしまった。
<背景となるニュース>
◎中国の主要証券規制当局は、27日に上海株が8%強下落したことを受け、国有機関による買い支えを続けると表明した。上海総合指数の同日の下落率は2007年以降で最大を記録した。
◎中国証券監督管理委員会(CSRC)は、公表したメディアからの質問への回答の中で、引き続き国民に安心感を与え、システミックリスクを避ける意向を示した。中国証券金融が株式市場安定化で一定の役割を果たしていくことに変わりはないとも付け加えた。
また一部個人による大規模な株式売却の実態を調べ、「悪質な空売り」には厳罰を加えると強調した。
◎6月に株価が7年余りぶりの高値から下げ初めて以来、中国当局は利下げや地方政府が運営する年金基金に初めて株式購入を認めるといった措置など、多くの下支え策を導入している。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。
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S&P、ブラジル格付け見通し引き下げ 投資適格級失う可能性
[サンパウロ 28日 ロイター] - 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は28日、ブラジルの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。
現在の格付けは投資適格級としては最低水準の「BBBマイナス」。向こう1年から1年半の間に格下げが行われる可能性があり、引き下げられればブラジルは投資適格級の格付けを失うことになる。
この日の外国為替市場でブラジルレアルBRL=は対ドルで3.43レアルと約2%急落、約12年ぶりの安値を更新した。
S&Pはルセフ政権が2期目に入り著しく政策を調整したものの、ブラジルはなお政治、経済の両面で困難に直面しているとし、相次ぐ政治家や企業への汚職捜査も、見通しの重しとなっていると指摘。
S&Pは声明で、レビ財務相が進める緊縮財政措置に起因する政治的、経済的なリスクが高まっているとし、「政策の是正が一段と遅延する確率は3分の1よりも高く、ブラジルがより堅固な成長軌道に戻るには予想より時間がかかると見ている」とした。
他の主要格付け機関のブラジル格付けは、ムーディーズ・インベスターズ・サービスとフィッチ・レーティングスがともに「BBB」としている。格付け見通しはいずれも「ネガティブ」。ただ両社の格付けは投資不適格級の2段階上となるため、ブラジルの投資適格性に疑問を投げかけたのはS&Pが初めてとなる。
*内容を追加しました
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*08:11JST 中国が三つのバブルに直面、株価暴落よりはるかに怖い=CS
クレディ・スイス(CS)は最新リポートで、中国の株式市場の暴落について、当局による一連のテコ入れ策の実施を受け、ほぼ克服したとの見方を示した。
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《ZN》
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