（ブルームバーグ）：28日の東京株式相場は３日続落する見通し。中国株が８年ぶりの大幅安となり、世界的な株安連鎖、景気の先行きに警戒感が広がる。投資家の間でリスク回避の姿勢が再燃し、中国景気の影響を受けやすい非鉄金属など素材関連、機械など輸出関連株中心に幅広い業種が安くなりそうだ。
ＳＭＢＣフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「中国の大幅な株安を受け、市場心理が萎縮し、リスク回避の動きが広がっている。中国との貿易相手国の多い欧州では、より影響が大きい」と指摘した。
米シカゴ先物市場（ＣＭＥ）の日経平均先物 （円建て）の27日清算値は２万165円と、大阪取引所の通常取引終値（２万350円）に比べ185円安だった。
27日の中国上海総合指数は8.5％安と８年ぶりの大幅下落。中国政府が発表した６月の工業利益が減少したことが響いた。同日の欧米株も売られ、ストックス欧州600指数は2.2％安と５日続落、独自動車メーカーのダイムラーやＢＭＷが大幅安となった。米国株も５日続落し、１月以降で最長の連続安。投資家の恐怖心理を示す米シカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数（ＶＩＸ ）は27日に14％高と急伸、８日以来の上昇率となった。
為替市場でもリスク回避の動きが優勢で、27日のニューヨーク為替市場ではドルが主要通貨の大半に対し下落。けさの東京市場のドル・円は１ドル＝123円20円台と、前日の日本株市場の終値時点123円52銭に対し、やや円高方向で推移する。
きょうの日本株は、非鉄金属など素材関連、機械など中国関連業種を中心に幅広く売りが優勢となる見通し。非鉄は、鉱業などとともに国際商品市況の下落もマイナスに作用する。世界的に供給超過が悪化するとの懸念から、27日のニューヨーク原油先物は1.6％安の１バレル＝47.39ドルと続落。ロンドン金属取引所（ＬＭＥ）の銅相場も1.2％安と下落し、約６年ぶりの安値となった。
一方、中国の証券監督当局は27日夜遅く、株価の下支え策を続ける姿勢を強調したとＮＨＫが28日早朝に報じた。28日の中国株が下げ止まりの兆しを見せれば、日本株市場における投資家の不安心理も一時的に和らぐ可能性がある。
きょうの国内市場では、ファナック、東京エレクトロン、花王、日本取引所グループなどが決算発表を予定。米国では、連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）が28−29日の日程で開かれる。米主要株価３指数の27日終値は、Ｓ＆Ｐ500種株価指数が0.6％安の2067.64、ダウ工業株30種平均が0.7％安の17440.59ドル、ナスダック総合指数は１％安の5039.78。
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更新日時: 2015/07/28 08:04 JST
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