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7月27日、世界的な資源安が、円安進行を抑制する一因となっている。2013年2月撮影(2015年 ロイター/Shohei Miyano)
アングル:資源安が円安進行を抑制、利下げの新興国通貨に競り負け
http://jp.reuters.com/article/2015/07/27/angle-falling-energy-prices-idJPKCN0Q10WR20150727
2015年 07月 27日 18:45 JST
[東京 27日 ロイター] - 世界的な資源安が、円安進行を抑制する一因となっている。経済が比較的底堅く、追加緩和期待が盛り上がらない日本に対し、資源価格の下落で景気減速に苦しむ新興国の一部が利下げを実施。円売りよりも新興国通貨売りが選好されやすいためだ。
世界経済減速への懸念もくすぶり、リスクオフムードが強まっていることも円安進行の足かせとなっている。
<対ドルで2番目に強い円>
主要資源国の利下げが相次いでいる。原油急落に伴う悪影響から15日、カナダ中央銀行が1月に続いて追加利下げを決定。乳製品の輸出価格下落による経済見通し悪化でニュージーランドも23日、今年2回目の利下げを発表した。鉄鉱石価格の下落が圧迫要因となったオーストラリアも、年初から5月までに計2回の利下げを実施している。
豪ドルは7月に入って約5%下げ、主要10通貨のうち、対米ドルで最も大幅な下落となった。カナダドルは同4%下落し、原油安の影響を受けるノルウェークローネと並んで売り込まれた。NZドルも予想外となった6月の利下げから、約7%下落している。
一方、対ドルで最も堅調だったのは利上げ観測が強まっている英ポンド。その次が円だ。円は7月、約1%の下落にとどまった。6月10日の黒田東彦日銀総裁の円安けん制と受け止められる発言が出た124円半ばに接近していることが上値を抑えている面もあるが、追加緩和の「期待」にとどまっている日本の円は、実際に利下げした資源国の通貨に比べて下押しインパクトが小さい。
「今ドル買いするなら、ペア通貨としては円より資源国通貨の方が手掛けやすい」(新生銀行・市場調査室長、政井貴子氏)という。実際、足元ではヘッジファンドなど短期筋の間で、円より資源国通貨を選好する動きが広がってきているとの指摘もある。
さらに資源安の背景には、世界景気の減速懸念があり、市場センチメントはリスクオフ方向に向いている。
このため、円は売りにくいとして「ドル/円はドル高・円高となって、方向感が出づらくなっている」(ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト、村田雅志氏)面もあるという。
<盛り上がらない日銀の追加緩和観測>
米国は早ければ9月にも利上げを開始するとの見方が有力となってきており、通貨ペアの相手側の金融政策との差異に、市場の関心が集まりやすくなっている。
日本でも、原油安によって2%の物価目標達成に支障が出るならば、日銀が追加緩和に乗り出すとの見方もある。
しかし、日銀は依然、物価見通しに対し強気な姿勢を崩していない。中曽宏副総裁は27日、原油安のマイナス寄与がはく落するだけでも、物価上昇率は1%程度高まるとし、2016年度前半ごろに物価は2%程度に到達するとの見通しをあらためて示した。
マネックス証券のシニア・ストラテジスト、山本雅文氏は「日銀はエネルギーを除くインフレ率に焦点を移しつつあり、コモディティ安でも追加緩和の機運は高まりそうにない」との見方を示す。
一方、資源安で日本の貿易収支が改善するようなら、ドル買い/円売り圧力の後退につながり、これもドル/円の頭を抑える要因となる。
米国の利上げ開始に向け、ドル買い圧力の強まりが見込まれるが、資源安が進行するなか、市場の関心は新興国通貨に集まり、「ドル/円は乗り遅れかねない」(外銀)との予想も出始めてきた。
(平田紀之 編集:田巻一彦)
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