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トヨタが開発したディーゼルエンジン「1GD-FTV」
トヨタ、新型クリーンディーゼルエンジン開発 世界最高レベルの最大熱効率
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150726-00000005-biz_fsi-nb&ref=rank
SankeiBiz 2015/7/27 08:15
トヨタ自動車が次世代の燃焼技術を取り入れたクリーンディーゼルエンジンを開発し、6月に改良して発売した「ランドクルーザープラド」に国内で初めて搭載した。燃料からエネルギーへの変換効率の指標となる最大熱効率は世界最高レベルの44%を実現し、燃費は従来のディーゼルエンジンから15%向上した。トヨタは新エンジンを2016年末までに年70万基生産して約90カ国・地域に展開し、環境規制への対応を強化する。
プラドに搭載した2.8リットル直噴ターボディーゼルエンジン「1GD−FTV」は、燃焼室内のピストン上部に断熱性、放熱性のいずれも高い膜をコーティング。ガス圧縮時に燃料室内から外に漏れる熱量を最大30%減らすことで、熱効率を大幅に引き上げた。また、燃焼室への空気の通り道「ポート」の形状を変更し、流入する空気量を大幅に拡大した。燃料の噴射は外気の状態に合わせて2段階で実施し、マイナス40度以下の極寒地など世界中で力強い走りを確保することができるという。
これらの技術により熱効率が上がるとともに、燃焼室の縮小を可能にした。ガソリン車に比べて大きくなりがちなエンジン体積も従来型より約3割減らしつつ、「アクセル操作に対して瞬時に反応し、幅広い回転域で最大トルクを発生する」(広報部)。その結果、プラドは大型車ながら、軽油1リットル当たり11.8キロの燃費を達成している。ディーゼルエンジンは温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない一方、大気汚染の原因とされる窒素酸化物(NOx)などの発生が課題として挙げられる。だが、トヨタは新エンジンで走行時のNOxを最大99%浄化できるシステムを搭載した。
日本自動車工業会などによると、国内でディーゼル乗用車のNOx排出量は、1キロ当たり0.08グラムまでに規制されている。欧州の「EURO6」規制なども含め、トヨタは基準をクリアする新エンジンの採用を世界中で進める方針だ。タイではすでに新エンジンを搭載した小型ピックアップトラック「ハイラックス」を5月から販売。欧州向けの小型車「オーリス」などでも従来型から新エンジンに置き換え、20年に150以上の国・地域への展開を計画する。
トヨタは「ディーゼルを引き続きエンジンラインアップを支える基幹ユニットに位置付け、グループの総力を挙げてよりクリーンで競争力のある製品の開発を進めていく」とした。(会田聡)
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