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日経による英FTグループの買収
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52728072.html
2015年07月24日 在野のアナリスト
IMFが日本に対する年次審査報告書で、日本は0.7%で安定成長、ただし日銀には追加緩和、政府にはアベノミクスに追加策、労働市場改革、規制緩和、財政健全化、など様々な取り組みを求めました。半ば矛盾しているのは、安定成長なら改革や緩和などは必要ないはずで、それを成し遂げたとてより高い成長を約束しているわけではない、ということです。昨年度のマイナス成長、そして4-6月期も統計上の在庫を積み上げない限り、マイナスと予想される中、安定成長としている時点で、この報告書は訝しい。財務省とのつながりが強いIMFは、毎年高い経済成長予測をだして、その後下方修正をくり返す、ということをつづけてきました。今回も『安定成長』は財務省との約束でもりこみ、そこから本来の要求をつきつけた、という形なのでしょう。
概算要求基準もでてきましたが、上限なし、キャップなしで社会保障費の伸びを3年間で1.5兆円に抑え、特別枠として3.9兆円を捻出します。しかし安倍政権は新国立競技場という無駄を、世論の反発をくらうまで放置した政権です。一般予算に関してもチェック機能が働くとは到底思えません。遠藤五輪相が、某番組で日本の物価は高い、だから建設費も上がった、と述べたようですが、とんでもない誤解です。米英など一人暮らしでふつうに生活しても、食費だけで月10万円ははるかに超える。ちょっと贅沢をすれば20万円になります。今が強烈な円安なのでかなり上乗せされていますが、日本の物価は安い。高いのは人件費です。しかもそれは景気回復ではなく、労働人口が崖を落ちるように減っている。そこに公共工事、復興事業が重なって、建設に携わる作業員のパイを奪い合う形となった。言ってみれば安倍ノミクスで第一の矢、財政出動という余計なことをしたからそうなったのです。認識が正しくないと、対応も間違える。この政権で、本当にムダ削減や効率的な行政運営ができるのか? 改めて疑問に感じます。
日経新聞が、英経済紙FT紙を発行するFTグループを1600億円で買収という話がでてきました。すでに業務協力はすすめており、独企業との買収争いの結果、日経が全額キャッシュで買収という案を提示。土壇場で日経に決まった。という内幕をFT紙も報じています。日経社長はBtoB、つまり日英の情報交換や人材の流動化による効果を期待しているようですが、そもそも論として最近の日経がそれほど質の高い記事を書いているのか? 経済指標の見方など、官僚のペーパーをそのまま右から左に流しているだけで、独自の分析を示すといったこともありません。
最近では、企業も日経に優先して情報を流す、といった暗黙の慣例すらなくなり、経済専門誌としての地位を落としつつあります。デジタルコンテンツでは両紙をあわせると世界最大、ともされますが、実はこれまで新自由主義の台頭、金融緩和などで経済の分野でも特に、金融が大きく拡大してきた。その恩恵をうけてきた部分があります。しかし海外金融機関ではリストラが始まっており、金融部門を縮小する動きがつづいている。経済誌の存在感が、薄れて行く端境期にある、とも言えるのです。それこそバブルを起こし、潰すといったことをくり返すうち、世界全体の金融部門が縮小していく。消費とて増えない中で、経済のパイ全体の縮小を意識しているようです。
明治安田生命が、米中堅生保のスタンコープフィナンシャルグループの買収を発表しました。こうした大型の買収案件が相次ぐときは、大抵が浮かれた景気の転換点を迎えるとき、とされます。日本企業は海外のM&Aなどにおいて、情報収集や交渉能力が劣っているとされ、高値掴みをしやすいためです。つまりここがピークで、苦境になるなら、海外企業にとって一旦は高値で買収されても、いずれ安値で買い戻せばいい、との計算が成り立ちます。
米経済誌バロンズが、日本株を買い推奨にする特集記事を書いています。しかしこれも、かつては日本株の転換点になったケースが多い。つまり今、保有している株を売りたいと考えた大口投資家が、売りをだすために買いを煽る記事を書かせているから、とも噂されます。経済誌の信憑性、それがこうして情報化社会の中で、どれぐらい担保できるのか? こうした双方向の情報がある中で、経済誌の立ち位置も問われており、FT紙の文化がよい方向で作用することを期待するぐらいしか、今回の買収劇が成功とよべるような効果は得にくいのかもしれませんね。
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