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日本の優良株は買い時、企業改革に期待
2015 年 7 月 21 日 07:20 JST
• 企業改革の進展が追い風
日本人の肥満率はわずか3.6%と、米国人の35.3%と比較してはるかに健康的である。しかし企業となると話は別であり、2010年における日経平均株価構成銘柄の営業利益率はわずか5%と、S&P500指数構成銘柄の14%超を大幅に下回っていた。しかし、企業改革の進展とともに状況は改善しており、それに伴う株式のリターンも期待できる。
• 2桁台のリターンが継続する可能性
日本企業の無駄のレベルはショッキングなものである。例えば、ソニーの1年間の販売管理費と研究開発費は過去20年間の利益の合計を上回っており、時価総額で同社の20倍以上のアップルよりも多い。しかし、昨年以降、同社は不採算事業からの撤退、コスト削減を進めている。今年は黒字転換が期待されており、利益予想も引き上げられている。同社の株価は1年間で2倍以上になっている。そして、これはソニーだけではない。日経平均構成銘柄の営業利益率は昨年2%ポイント向上して7%になっており、今年は8%に達すると予想されている。これでも米国の約半分であり、改善の余地が大きく残されている。米国、欧州の利益予想が引き下げられているのに対して、日本企業の利益予想は引き上げられている。これは単に円安による輸出増の効果だけではない。安倍政権の進める企業制度改革、投資家、同業他社の圧力によって、日本企業は不採算事業の切り捨て、取締役会の多様化、現金の活用(配当や自社株買い戻し)を迫られている。
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-JL689_0720_B_NS_20150720022546.jpg
年初来での日経平均のリターンは19%であり、S&P500指数の4%を上回っている。日経平均構成銘柄の予想株価収益率(PER)は約20倍と、S&P500指数の約18倍を上回っているが、これは日本企業の増益のペースが米国企業を上回っているためである。直近の予想では、2015年の日経平均構成銘柄の利益は2年前の水準を45%上回ると期待されている。これに対して米国は8%増。日本企業の利益率が米国企業に追いつくことは当面は考えられないが、フランス企業の水準に追いつくだけでも、日経平均構成銘柄の利益は現在の水準を45%上回ることになる。
企業改革はまだ始まったばかりである。昨年KPMGと英国の勅許公認会計士会(ACCA)が実施したコーポレート・ガバナンス調査では日本は25カ国中21位のランキングであった。しかし、改革には確固とした勢いがあり、当面それが衰えるようにはみえない。世界経済が減速する中で、日本の企業セクターは今後数年間にわたって新興国なみの利益成長を示す潜在性がある。これに伴い、株式市場も2桁台のリターンが続く可能性がある。投資家は、単純な改革によって急速な利益上昇の可能性があり、またそのような改革が進められているか、迫っている兆しのある日本企業の株を検討すべきである。例としては、日立製作所、NTT、トヨタ自動車などがある。
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-JL690_0720_B_NS_20150720022914.jpg
• 日立製作所、三菱重工業
日立製作所には、売り上げの増加がなくても今後4年間で利益倍増の潜在性がある。同社はGEやシーメンスに似た巨大コングロマリットだが、今後4四半期の利益をベースとした予想PERは10.5倍で、GEに対して40%、シーメンスに対して25%の割安となっている。これには日立の利益率がGEの半分であるという理由もあるが、日立の利益率はコスト削減を背景に近年は着実に上昇している。同社が今期1000億円のコスト削減目標を達成したとすると、直近5期でのコスト削減額は4200億円になる。ちなみに同社の前年度の親会社株主に帰属する当期利益は2413億円である。経営陣は年内に新たな5カ年計画を発表するとみられているが、まだ大きなコスト削減の余地がある。前年度の日立の売上高はGEの約半分であるが、従業員数は日立の方が1万8000人多い。同社では一部製造拠点の海外移転、部門統合などを進めているが、現在のペースで改善が持続すれば、毎年1%ポイントの営業利益率向上の可能性があり、4年以内に純利益は5000億円に達する可能性がある。GEとの利益率の差が縮小すれば、株価のバリュエーション格差も縮小するとみられる。
昨年、発電所事業で日立と提携した三菱重工業も同様に急速な利益成長の可能性がある。同社では、リチウムイオン電池事業の売却など不採算事業からの撤退を進めている。昨年度の営業利益は前年比44%増の2960億円と、3カ年計画の目標である2500億円を上回った。新たな3カ年計画では営業利益の52%増、自己資本利益率(ROE)10%以上が目標となっている(昨年度は6.5%)。比較すると、ボーイングは、今後3年間で28%の営業利益増を予想している。ボーイングのPERは17倍、三菱重工は16倍である。
• NTT、三菱UFJフィナンシャル・グループ
ジャナス・インターナショナル・エクイティ・ファンドの共同マネジャーであるジュリアン・マクマナス氏によると、NTTには「想像できる最も簡単なコスト削減の機会」が存在する。同社の売上高はベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を大幅に下回っているにもかかわらず、従業員数はベライゾンを上回っている。同社の従業員の年齢分布では60歳を超えた点に大きなピークがあり、今後はこれらの従業員の引退に伴うコストの減少が期待できる。このコスト削減分は自社株買い戻しや海外事業の拡大に投じることが可能である。経営陣は3年以内に1株当たり利益(EPS)を今年の3月期と比較して48%増加させることを目標としている。一方、同期間におけるベライゾンの利益成長率は20%と予想されている。
三菱UFJフィナンシャル・グループの株価は1株当たり有形純資産を12%下回っている。比較すると、JPモルガン・チェースでは株価が有形純資産を59%上回っている。他の邦銀と同様に、同行も巨額の日本株のポートフォリオを有しているが、持ち合い株縮小の圧力がかかっている。三菱UFJが今後10年間で保有する国内株式を売却したとすると、毎年解放される資本は利益の20%以上、同行の時価総額の5.6%に達する。この一部は自社株買い戻しに投じることができるが、これは株価が有形純資産を下回っている銘柄では特に株主にとって有利な施策である。株価は年初来で既に32%上昇しているが、依然として割安であるようにみえる。
• トヨタ自動車
オークマーク・インターナショナル・ファンドの共同マネジャーであるデービッド・ヘロー氏によると、品質の低下や米国の競合に対するシェアの低下など、過去10年間におけるトヨタ自動車の問題の一因は同社の肥大した、社内役員で固められた取締役会にある。同社では取締役会の人数を半分以下にし、2013年には初の社外取締役を選任している。同社では5年をかけて生産システムの見直しを行い、今年にはコスト削減のために部品とプラットフォームを共通化した新車投入を開始する。また、最近発表したメキシコのカローラ工場建設など、低コスト国への生産拠点の一段の移転にも意欲を示している。今期のフリーキャッシュフローは70億ドル以上増加し、180億ドルになるとみられているが、これは時価総額の8%に近い水準である。年末時点での正味現金保有高は時価総額の3分の1に達している可能性がある。ヘロー氏は同社がこの半分を増配と自社株買い戻しに投じることを望んでいる。同社の予想PERは10.3倍、配当利回りは2%をわずかに上回る水準である。
• その他の銘柄
他にも企業改革の継続の恩恵を受ける可能性のある多くの銘柄が存在する。他の企業よりも改革の圧力を強く受けると思われる企業を探すのも銘柄発見の一つの方法である。例えば、ゴールドマン・サックスでは最近、正味現金保有高と外国人保有比率が高く、増配の圧力がかかるとみられる銘柄のスクリーニングを行っている。それらの銘柄にはコナミ、ファナックなどがある。ROEが5%未満の会社にも機関投資家や株主総会での議決に影響力を行使するアドバイザリー・サービスの圧力が加わりやすい。この候補には第一生命保険、任天堂が含まれる。企業規模だけではなくROE、営業利益、コーポレート・ガバナンスなどの要素も加味して構成企業が決定される、企業の肥満度テストともみることのできるJPX日経インデックス400への採用目前の銘柄もある。ゴールドマンによると、オリンパス、NECなどがそれに該当する。また、日本株全般へのエクスポージャーを得るには、iシェアーズMSCIジャパン、為替ヘッジ付きのウィズダムツリー・ジャパン・ヘッジド・エクイティ・ファンドなどの上場投資信託(ETF)がある。
日本企業のスリム化は投資家にとって大きな機会となる。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAAahUKEwj7xf_-0fDGAhWl5qYKHdSVC88&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10787481133009453485304581119381892398872&ei=touwVfuSOKXNmwXUq674DA&usg=AFQjCNGra3BJq-X3eTZofdCfNMxG5Nd1mw&bvm=bv.98476267,d.dGY
6月の貿易赤字が縮小、自動車など輸出堅調−原油下落一服
2015/07/23 11:52 JST
(ブルームバーグ):輸出から輸入を差し引いた6月の貿易収支 の赤字額が前月に比べ縮小した。輸出は欧米向けの自動車を中心に堅調な伸びを示した一方で、原油価格の下落が一服し輸入の減少幅も縮小した。
財務省が23日発表した貿易統計によると、貿易赤字額は690億円で、赤字は3カ月連続となった。前月は2172億円の赤字(修正値)。ブルームバーグのエコノミスト調査による貿易収支の予想中央値は458億円の黒字だった。うち輸出は9.5%増の6兆5057億円と10カ月連続で増加。輸入は2.9%減の6兆5748億円と6カ月連続で減少した。
輸出の主な増加品目は自動車が16.9%増、半導体等電子部品が14.9%増など。地域別では米国向けが17.6%増、欧州連合(EU)向けが10.8%増だった。中国向けは5.9%増と4カ月連続で増加したものの、自動車は15.8%減と8カ月連続で減少している。
輸入は原粗油が36.7%減と11カ月連続で減少したほか、液化天然ガスが37.3%減、石油製品が30.1%減とマイナスに寄与したが、全体の減少幅は市場予想の4.3%減を下回った。原油価格は1バレル=63.9ドルと前月の59.2ドルに比べて約8%上昇した。
みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは発表後のリポートで、輸入について「4月の原油価格反発で原油安の価格押し下げ効果が弱まっている」と指摘。先行きについては、輸出の数量指数が0.0%にとどまっていることから「足元で再び原油安が進んでいるが、貿易収支の黒字定着は難しい」とみている。
同時に発表した2015年上半期の貿易統計(速報)によると、貿易収支は1兆7251億円の赤字と9期連続の赤字となった。原油安によって輸入額が大幅に減少したことから、赤字幅は前年同期比で77.4%縮小した。輸出は7.9%増の37兆8080億円と5期連続で増加。輸入は7.4%減の39兆5330億円と11期ぶりに減少した。
関連ニュースと情報:
5月の貿易収支は2カ月連続で赤字−輸出の伸び悩み続く (1)
4月の貿易収支は2カ月ぶり赤字−春節の影響剥落、黒字は一時的 (1)
貿易収支2年9カ月ぶり黒字、輸出が「リーマン」以来の水準回復 (1)
記事についての記者への問い合わせ先:東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 谷合謙三
更新日時: 2015/07/23 11:52 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRTVY36JTSEC01.html
http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_bop-balance
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2015072300148&j4
貿易赤字、1兆7251億円=3年半ぶり低水準−15年上期・財務省
財務省が23日発表した2015年上半期(1〜6月)の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆7251億円の赤字だった。半期ベースでは9期連続の赤字だが、赤字幅は前年同期比77.4%減となり、11年下半期の1兆6015億円以来、3年半ぶりの低水準にとどまった。
円相場が対ドルで前年同期から16.8%下落するなど円安が進み、外貨建て輸出の円換算額が押し上げられた。原油価格が円建てで約4割、ドル建てで約5割下落したことを受けた原粗油輸入の減少も赤字縮小に寄与した。
輸出額は、7.9%増の37兆8080億円。海外経済が緩やかに回復し、自動車や半導体など電子部品が好調だった。一方、輸入額は7.4%減の39兆5330億円。昨年4月の環境税(石油石炭税)増税を控えた駆け込み需要の反動減もあり、原粗油が42.5%減、液化天然ガス(LNG)が19.6%減だった。(2015/07/23-11:24)
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米利上げ時期見据えた調整へ=いちよしアセットマネジメント執行役員秋野充成氏
6月の貿易赤字が縮小、自動車など輸出堅調−原油下落一服
2015/07/23 11:52 JST
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輸出の主な増加品目は自動車が16.9%増、半導体等電子部品が14.9%増など。地域別では米国向けが17.6%増、欧州連合(EU)向けが10.8%増だった。中国向けは5.9%増と4カ月連続で増加したものの、自動車は15.8%減と8カ月連続で減少している。
輸入は原粗油が36.7%減と11カ月連続で減少したほか、液化天然ガスが37.3%減、石油製品が30.1%減とマイナスに寄与したが、全体の減少幅は市場予想の4.3%減を下回った。原油価格は1バレル=63.9ドルと前月の59.2ドルに比べて約8%上昇した。
みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは発表後のリポートで、輸入について「4月の原油価格反発で原油安の価格押し下げ効果が弱まっている」と指摘。先行きについては、輸出の数量指数が0.0%にとどまっていることから「足元で再び原油安が進んでいるが、貿易収支の黒字定着は難しい」とみている。
同時に発表した2015年上半期の貿易統計(速報)によると、貿易収支は1兆7251億円の赤字と9期連続の赤字となった。原油安によって輸入額が大幅に減少したことから、赤字幅は前年同期比で77.4%縮小した。輸出は7.9%増の37兆8080億円と5期連続で増加。輸入は7.4%減の39兆5330億円と11期ぶりに減少した。
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記事についての記者への問い合わせ先:東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net
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更新日時: 2015/07/23 11:52 JST
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超長期債が上昇、オペで需給の良さ確認−30年利回り3カ月ぶり低水準
2015/07/23 13:36 JST
(ブルームバーグ):債券市場では超長期債相場が上昇している。日本銀行が実施した長期国債買い入れオペで需給の良好さが示されたことなどを背景に買いが優勢となっている。新発30年債利回りは約3カ月半ぶりの低水準まで達した。
23日の現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の339回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.415%で開始し、午前は同水準で推移。午後は0.41%と、前日に付けた8日以来の水準で取引されている。
30年物の47回債利回りは午前は0.5bp高い1.40%で推移してたが、午後に入ると水準を切り下げ、一時は1.385%と新発債としては5月1日以来の低水準を付けた。その後は1.39%。新発20年物の153回債利回りは0.5bp高い1.165%だったのが、午後は1.16%で推移している。
長期国債先物市場で、中心限月9月物 は午後の取引開始後に水準を切り上げ、一時は前日比1銭高の147円52銭を付けた。午前は下落して始まり、147円42銭まで下げたが、その後は横ばいの147円51銭まで戻す場面があった。
野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、朝方の債券相場は10年債利回り0.4%割れが意識されて伸び悩んだと指摘。「もっとも、月末にかけて需給が良くなるとの見方から超長期債を中心に値を戻し、先物も戻り歩調。日銀の国債買い入れオペは応札倍率が低下し、売る人が少なかった感じで、若干良い結果だった」と話した。
日銀が実施した長期国債買い入れオペ4本の結果(総額1.18兆円)によると、残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、10年超25年以下、25年超のいずれも応札倍率が前回から低下した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 青木 勝
更新日時: 2015/07/23 13:36 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRVPRB6JIJUV01.html
海外勢が心変わり、内外金利差で日本の超長期国債への投資意欲減退
2015/07/23 13:43 JST
(ブルームバーグ):海外投資家にとって、日本の超長期国債は魅力が薄れつつあるようだ。米欧で期間が長めの金利が上昇する中、異次元緩和を続ける日本銀行の姿勢が揺るがないことで日本の金利は上がりにくいためだ。
日本証券業協会の統計によると、外国人は日本の超長期国債を6月に、2008年11月以来の高水準となる2844億円売り越した。30年物国債利回り は最近3カ月間の上昇幅が12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度と、米国債 の40bp台やドイツ国債 の90bp台に比べて小さくなっており、新規投資の対象としての魅力が見いだせなくなっている。
2%の物価目標に向け必要が生じたら追加措置を講じるとする方針を堅持している日銀に対して、米連邦準備制度理事会(FRB)は年内の利上げを模索しているほか、欧州中央銀行(ECB)は量的緩和に伴う一定の相場変動は避けられないと警告している。ギリシャの債務危機や中国 株の急落を受けた投資家のリスク回避ムードが薄れ、米独金利は混乱前の上昇軌道に復帰しつつある。
SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、米欧金利の上昇を受けて海外勢から見た日本国債の魅力は低下しており、「投資意欲がかなり後退している」と指摘。特に日独の長期・超長期金利差が逆転したことで「欧州系の手があまり見えなくなっている」と言う。
財務省が22日に実施した20年利付国債の入札は国内銀行の需要などで好調な結果となった。日米 の同年限の金利差は1月末の95bpから先月下旬に178bpまで拡大。日独では、4月に日本が83bp上回っていたが、現在は逆に下回っている。
イエレン、ドラギ発言
ブルームバーグの先進国ソブリン債指数 は5月から下落基調が続いている。昨年8月に114.9と約1年8カ月ぶりの水準まで上昇したが、先月5日には11年2月以来の低水準となる104.2を付けた。
FRBのイエレン議長は5月6日、債券利回りは初回の利上げ をきっかけに「急激に上昇する」恐れがあると指摘。それから1カ月が過ぎた6月11日には、米10年国債利回り が約半年ぶりとなる2.5%台に迫った。
デフレ回避を目指し、国債を含めた資産を少なくとも約1.1兆ユーロ相当購入するプログラムを進めているECBのドラギ総裁は、イエレン発言から約1週間後の講演で、インフレが持続的に上向くまで続けると指摘。先月3日には市場はボラティリティの高い局面に順応する必要があると述べた。
独10年国債 利回りはECBが量的緩和プログラムを開始してから1カ月後の4月に0.049%と過去最低を記録したが、同月下旬からは上昇基調を強め、6月10日には1%を突破した。
財務省の地域別統計によると、5月の中長期債の売買動向は、欧州からの売り越しが2736億円と最大。ヘッジファンドなどの拠点の1つとされるケイマン諸島が1479億円で続いた。米国は2717億円の買い越しだった。
UBS証券の井川雄亮デスクストラテジストは「海外勢が超長期債を買わなくなったのは、独金利の上昇により、日本に資金の一部をシフトする必要がなくなってきたのが大きい」と話す。
金利リスク圧縮
日銀は2%の物価目標を達成するため、マネタリーベース を積み増す「量的・質的金融緩和」を実施している。昨年10月末の追加緩和からの長期国債買い入れ額は年率で政府の15年度市中発行額に対し、最大9割超に及ぶ見通しだ。
黒田東彦日銀総裁は15日の会見で、インフレ率が目標の2%程度に達する時期は、原油価格の緩やかな上昇を前提にすれば16年度前半ごろになると述べた。仮に原油価格が大きく変動して物価上昇率や物価上昇期待に大きな影響を与え、物価の基調に変化を来す場合には、「必要に応じて政策を調整する」との方針もあらためて示した。
長期金利の指標となる新発10年物国債利回り は13年5月に付けた1%を黒田総裁就任以降のピークとして水準を下げてきた。今年1月は0.195%と過去最低を記録。その後は戻しても0.5%台にとどまっており利回りは低位安定の状態が続いている。
海外勢の中長期債 の買越額は昨年度に10.4兆円とデータでさかのぼれる05年以降で最高を記録。日銀の統計では、海外勢による国債・財融債の保有残高は3月末に過去最高の43.2兆円に膨らんでいた。
しかし、米欧金利の上昇が進んだ5月から売り越しに転じ、6月は1兆677億円と13年3月以来の大きさとなった。週ベースの動向では、6月21−27日の週に1兆3864億円と米証券ベアー・スターンズ の実質破綻を受けた08年3月以来の売越額を記録 。ただ、ギリシャがユーロ圏を離脱する恐れや中国株の急落で投資家のリスク回避が進んだ7月5−11日には一転、約3カ月ぶり高水準の9742億円を買い越した。
みずほ証券の末広徹マーケットエコノミストは、海外勢は米欧金利の上昇を受けて「金利のリスクを少し落とす」方針だったとみる。ギリシャ債務危機が6月下旬に一段と深刻化する前は「日本国債のデュレーションリスクも落とす方向に動いていた」と指摘。残存年限が長い債券を減らしても、資金を「いきなり日本から逃避させるのでなく、いったん短いゾーンに移したようだ」と言う。
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日本の国債投資家に朗報、年金界のクジラGPIFの売り圧力は低下か
黒田総裁の自信は市場に届かず、信じないから2年債ゼロ%でも動かず
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 Chikako Mogi cmogi@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 崎浜秀磨, 青木勝, 山中英典
更新日時: 2015/07/23 13:43 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRWS106K50Y101.html
欧州銀行業界に忍び寄る低金利のリスク=SRB委員長
By VIKTORIA DENDRINOU AND MADELEINE NISSEN
2015 年 7 月 23 日 11:49 JST
単一破綻処理委員会のケーニヒ委員長(3月) PHOTO: EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY
【ブリュッセル】欧州連合(EU)が新たに設置した銀行破綻処理機関である単一破綻処理委員会(SRB)のケーニヒ委員長は、低金利が欧州の銀行収益を脅かし、監督当局の懸念材料になっていると指摘した。
ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に応じたケーニヒ委員長は「収入について多くを行えないならば、費用を見直さざるを得ない」と述べ、現在の低金利は欧州銀行業界にとって「忍び寄るリスク」となっており、銀行は合併や支店閉鎖により低い収益力に対処することになるだろうと話した。
世界各地の中央銀行は、世界的な金融危機への対応と弱い経済成長を押し上げるために、金利を歴史的低水準に押し下げてきた。だが、そうした低金利で、銀行の貸出金利と預金金利の差にあたる利ざやが縮小し、銀行の収益を圧迫している。一方、与信など従来の銀行商品と同時にクラウドファンディング(インターネットなどを通じた資金調達手法)や資産運用サービスも提供する、金融技術の新規事業が増えてきたため、銀行業界は新たな競争にも直面している。
ドイツの連邦金融監督庁(BaFin)長官から今年3月にSRB委員長に就任したケーニヒ委員長は、「競争が激しい。銀行の収益力が心配だ」と語った。
SRBは単一破綻処理機構(SRM)の一部で、2016年からはユーロ圏の大手銀行130行が問題を抱えた場合に、解散させるか再建するかの判断に責任を持つ。また、6000程度の金融機関に対し、必要に応じて介入する権限を持つ。
欧州の金融システムはまだ弱々しいが、ケーニヒ委員長は監督当局の権限が強まっていることが、金融危機以前と比べた場合の大きな改善点の一つだとみている。
「何が役に立つかと言えば、ある銀行が現行の構造では解散や再建する上でほとんど克服できないような障害を抱えているとSRBが判断した場合には、その構造改革を命じることができる点だ。経営陣は構造を変える行動をとることができるし、大抵はそうするだろう」とケーニヒ委員長は語った。
各銀行はすでに構造改革に熱心に取り組んでいる。大手銀行はいま、電子化への取り組みを一段と強化し、オンラインおよびモバイルの基盤整備に巨額の投資を行っている。モバイル・バンキングの必要性に数年前から対処した競合相手に追いつこうと努力している金融機関が数多くある。
EU加盟諸国は、破綻銀行の株主と債権者に損失を負担させるように国内法を14年末までに改正しなければならないが、多くの国がまだ法改正を終えていない。新たな法律は16年に施行する予定だが、各国がこの重要な法律を承認したかどうかについてもケーニヒ委員長は注目している。このいわゆる「銀行再生破綻処理指令」と呼ばれる法律を各国が承認したかどうかは、SRBが銀行を破綻処理する際の重要な手段なので、大きな懸念材料だと語った。
ケーニヒ委員長は、個別行が解散と再建計画の下書きを行うことも重要だと指摘し、「まだ全ての銀行が作業しているわけではない。ドイツは先行している国の一つだ」と話した。どこが遅れているかは特に示さなかった。
もう一つの問題は、情報技術が時代遅れな点だと言う。委員長は、各銀行は合併で大きくなり、見た目は良くなったが、欠点が隠されている、と指摘した。一部ではまだ80年代の水準にある技術を更新するために、巨額な投資が求められていると述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAAahUKEwiIn8HEz_DGAhVCJaYKHS_iDmA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10777827119304873821304581125162255482064&ei=I4mwVciBGMLKmAWvxLuABg&usg=AFQjCNE6pikon1tWtXbyyXmXkUXx-QctBg&bvm=bv.98476267,d.dGY
金利上昇で恩恵を受ける銀行株に注目=ベッセマーCIO
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レベッカ・パターソン氏 PHOTO: AXEL DUPEUX FOR BARRON'S
By LAWRENCE C. STRAUSS
2015 年 7 月 21 日 13:07 JST
? 異色の経歴を持つ資産運用会社のCIO
大学でジャーナリズムを専攻した元新聞記者のレベッカ・パターソン氏は、JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフ市場ストラテジストを経て、資産運用会社ベッセマー・トラストの最高投資責任者(CIO)となった。記者時代に「物事を素早く処理し、ニュースをノイズから切り分け、コンテクストを理解する」スキルを学んだというパターソン氏の下、超富裕層を主なターゲットに570億ドルを運用する同社は、株式70%に債券30%というバランス型グロースモデルにより、2012年8月から今年6月末までの期間で年率9.4%のリターンを記録している。
本誌:米国経済の健全度は?
パターソン氏:景気拡大期の終盤に入っているとはいえ、明らかにまだ拡大している。拡大期は、特に終盤になって米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを始めると、一定のことが起きる可能性が高くなる。なので、そこに注目したくなる。われわれはここ数年、FRBの金融引き締めを見込んで米ドルをロングしてきた。最近は金利上昇で恩恵を受ける米銀をオーバーウエートとしている。その背景には消費と貸し出しの改善もある。一方で、価値を見いだせなくなった債券をアンダーウエートとしている。
Q:この拡大はいつまで続くと思うか?
A:現代では、米国の景気拡大期間は10年が最長で、平均すると6年から8年の間。今年は6年目なので、統計的には次の景気後退が近づきつつある。ただ、今回は平均より長くなる可能性が高い。一つには、2008〜2009年の危機が非常に深刻で、その後の回復が緩やかだったためだ。それから、インフレ圧力に欠けるためでもある。われわれはインフレ率について幅広い情報を与えてくれる賃金と、企業利益率を注視している。これらの要因は、株式のウエートを減らし始める時期について、われわれの見方に影響を及ぼすことになる。
? 懸念が相場を下支え
Q:「懸念の壁」ができているにもかかわらず株式をオーバーウエートとするのはなぜか?
A:懸念の壁の存在は、私が今なお株式を選好する理由の一つだ。人々は心配のあまり株式を保有しなくなっている。市場は過熱していない。だからと言って、持続的な売りが起きないというわけではないが、誰もが取引に参加しているわけではない状況では、売りは持続しづらくなる。2009年に金融危機が終わってから、ミューチュアルファンドへの資金流入のおよそ3分の2が債券ファンドに流れ、株式ファンドに入ったのは3分の1にとどまった。今年は年初来で、米国株ミューチュアルファンドは約400億ドルの純資金流出となっている。さらに、世界はキャッシュであふれている。FRBが利上げを開始するとしても、非常に緩やかなものになるだろう。それと同時に、欧州中央銀行(ECB)と日銀は量的緩和を積極的に進めている。
Q:それ以外で株式に自信を持っている理由は?
A:相場が過去最高値に近づいて多くの投資家が神経質になっているが、私に言わせれば株価指数の水準は、基底を成すバリュエーションほど重要ではない。それに基づけば、米国株の相場は過去の平均より若干高い程度にすぎない。今を1999年や2000年と比べる人が多いが、2000年3月はS&P500指数の時価総額上位5社の予想株価収益率(PER)が平均60倍前後だった。これに対し、最近は15倍程度であり、限られた上位銘柄に偏重した相場にはなっていない。マクロ的な背景を見ても、まだ拡大モードであり、各国中銀は積極的に流動性を供給している。
Q:新興国市場をアンダーウエートとしているのはなぜか?
A:新興国市場をひとくくりにはできない。中国については、今年の経済成長鈍化を乗り切ると予想し、経済成長率の急激な落ち込みは心配していない。ただ、ブラジルやチリといったコモディティー輸出国の一部にとっては、穏やかながら逆風となる。また、ドル高と米国の利上げも、経常赤字が大きい国を中心に逆風になっている。ドル高は自国通貨安を通してインフレを招く。中銀は金融を引き締めざるを得なくなり、経済成長は抑制される。すると資金は流出し、自国通貨がさらに安くなるという悪循環が生まれる。ブラジルは景気後退から脱出しようと躍起になっているが、利上げを続けて政策金利は約14%になった。利上げは恐らく再び実施されるだろう。多くの新興国市場では、バリュエーションが魅力的になるとともに、いずれかの時点で買いの好機が訪れるだろうが、そのために必要な経済の成長促進要因は短期的には見当たらない。
? 推奨銘柄
Q:銀行をオーバーウエートとしているのはなぜか?
A:FRBの金融引き締めサイクルは銀行セクター全体の純金利マージンを確実に押し上げる。これは株価に完全には織り込まれていない。と同時に、金利は消費や事業を損なうほどには上がっていない。雇用が増え、企業業績が良くなっているサイクルの現時点では、貸し出しはさらに増えると予想する。そして最初の利上げが実施されると、企業買収や住宅購入について様子見をしていた企業や家計が、「借り入れコストがこれ以上上がる前に」と考えて動き出す。今年はM&A(合併・買収)が非常に堅調で、銀行を助けているが、この傾向は今後も続くと予想する。そういった観点から、弊社のポートフォリオマネジャーの一人は大手地方銀行のキーコープ(KEY)を選好している。同行はコスト管理という面でも非常に優れている。
Q:それ以外に有望な金融関連の銘柄は?
A:マスターカード(MA)を選好している。短期的には、米国消費の改善が好材料。長期的には、新興国経済をはじめとして現金を使わない決済が世界的に増えることが下支えになるとみている。
Q:エネルギーセクターに対する見方は?
A:約1年半、アンダーウエートとしている。原油価格の予想は極めて難しい。優秀なエコノミストをそろえた国際通貨基金(IMF)やFRBが予想しようとさえせず、先物カーブを使っているだけなのだから、われわれに予想できるわけがない。供給過多の懸念が残っているだけに、アウダーウエートの大幅な見直しは難しかった。その一方で、ポートフォリオ保護のため、原油価格が予想より急速に上がった場合に恩恵を受ける銘柄を保有している。その一つが、エンジニアリングや建設などへのエクスポージャーを持つフルーア(FLR)だ。
KEY $15.17
MA 95.82
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Q:最後に、ギリシャ危機をどの程度懸念しているか?
A:ギリシャよりも、世界1位と2位の経済大国である米国と中国への関心の方がはるかに大きい。ギリシャで起きていることは人道的な観点では劇的であり、非常に悲しいことだが、経済的には恐らくノイズにすぎない。米国の消費が好調を維持し、中国が株式市場と経済成長を安定させることができれば、それによるプラスはギリシャがもたらし得るマイナスよりはるかに大きいだろう。
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日本の優良株は買い時、企業改革に期待
日本の優良株は買い時 PHOTO: GARY CONNER/GETTY IMAGES
2015 年 7 月 21 日 07:20 JST
? 企業改革の進展が追い風
日本人の肥満率はわずか3.6%と、米国人の35.3%と比較してはるかに健康的である。しかし企業となると話は別であり、2010年における日経平均株価構成銘柄の営業利益率はわずか5%と、S&P500指数構成銘柄の14%超を大幅に下回っていた。しかし、企業改革の進展とともに状況は改善しており、それに伴う株式のリターンも期待できる。
? 2桁台のリターンが継続する可能性
日本企業の無駄のレベルはショッキングなものである。例えば、ソニーの1年間の販売管理費と研究開発費は過去20年間の利益の合計を上回っており、時価総額で同社の20倍以上のアップルよりも多い。しかし、昨年以降、同社は不採算事業からの撤退、コスト削減を進めている。今年は黒字転換が期待されており、利益予想も引き上げられている。同社の株価は1年間で2倍以上になっている。そして、これはソニーだけではない。日経平均構成銘柄の営業利益率は昨年2%ポイント向上して7%になっており、今年は8%に達すると予想されている。これでも米国の約半分であり、改善の余地が大きく残されている。米国、欧州の利益予想が引き下げられているのに対して、日本企業の利益予想は引き上げられている。これは単に円安による輸出増の効果だけではない。安倍政権の進める企業制度改革、投資家、同業他社の圧力によって、日本企業は不採算事業の切り捨て、取締役会の多様化、現金の活用(配当や自社株買い戻し)を迫られている。
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年初来での日経平均のリターンは19%であり、S&P500指数の4%を上回っている。日経平均構成銘柄の予想株価収益率(PER)は約20倍と、S&P500指数の約18倍を上回っているが、これは日本企業の増益のペースが米国企業を上回っているためである。直近の予想では、2015年の日経平均構成銘柄の利益は2年前の水準を45%上回ると期待されている。これに対して米国は8%増。日本企業の利益率が米国企業に追いつくことは当面は考えられないが、フランス企業の水準に追いつくだけでも、日経平均構成銘柄の利益は現在の水準を45%上回ることになる。
企業改革はまだ始まったばかりである。昨年KPMGと英国の勅許公認会計士会(ACCA)が実施したコーポレート・ガバナンス調査では日本は25カ国中21位のランキングであった。しかし、改革には確固とした勢いがあり、当面それが衰えるようにはみえない。世界経済が減速する中で、日本の企業セクターは今後数年間にわたって新興国なみの利益成長を示す潜在性がある。これに伴い、株式市場も2桁台のリターンが続く可能性がある。投資家は、単純な改革によって急速な利益上昇の可能性があり、またそのような改革が進められているか、迫っている兆しのある日本企業の株を検討すべきである。例としては、日立製作所、NTT、トヨタ自動車などがある。
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? 日立製作所、三菱重工業
日立製作所には、売り上げの増加がなくても今後4年間で利益倍増の潜在性がある。同社はGEやシーメンスに似た巨大コングロマリットだが、今後4四半期の利益をベースとした予想PERは10.5倍で、GEに対して40%、シーメンスに対して25%の割安となっている。これには日立の利益率がGEの半分であるという理由もあるが、日立の利益率はコスト削減を背景に近年は着実に上昇している。同社が今期1000億円のコスト削減目標を達成したとすると、直近5期でのコスト削減額は4200億円になる。ちなみに同社の前年度の親会社株主に帰属する当期利益は2413億円である。経営陣は年内に新たな5カ年計画を発表するとみられているが、まだ大きなコスト削減の余地がある。前年度の日立の売上高はGEの約半分であるが、従業員数は日立の方が1万8000人多い。同社では一部製造拠点の海外移転、部門統合などを進めているが、現在のペースで改善が持続すれば、毎年1%ポイントの営業利益率向上の可能性があり、4年以内に純利益は5000億円に達する可能性がある。GEとの利益率の差が縮小すれば、株価のバリュエーション格差も縮小するとみられる。
昨年、発電所事業で日立と提携した三菱重工業も同様に急速な利益成長の可能性がある。同社では、リチウムイオン電池事業の売却など不採算事業からの撤退を進めている。昨年度の営業利益は前年比44%増の2960億円と、3カ年計画の目標である2500億円を上回った。新たな3カ年計画では営業利益の52%増、自己資本利益率(ROE)10%以上が目標となっている(昨年度は6.5%)。比較すると、ボーイングは、今後3年間で28%の営業利益増を予想している。ボーイングのPERは17倍、三菱重工は16倍である。
? NTT、三菱UFJフィナンシャル・グループ
ジャナス・インターナショナル・エクイティ・ファンドの共同マネジャーであるジュリアン・マクマナス氏によると、NTTには「想像できる最も簡単なコスト削減の機会」が存在する。同社の売上高はベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を大幅に下回っているにもかかわらず、従業員数はベライゾンを上回っている。同社の従業員の年齢分布では60歳を超えた点に大きなピークがあり、今後はこれらの従業員の引退に伴うコストの減少が期待できる。このコスト削減分は自社株買い戻しや海外事業の拡大に投じることが可能である。経営陣は3年以内に1株当たり利益(EPS)を今年の3月期と比較して48%増加させることを目標としている。一方、同期間におけるベライゾンの利益成長率は20%と予想されている。
三菱UFJフィナンシャル・グループの株価は1株当たり有形純資産を12%下回っている。比較すると、JPモルガン・チェースでは株価が有形純資産を59%上回っている。他の邦銀と同様に、同行も巨額の日本株のポートフォリオを有しているが、持ち合い株縮小の圧力がかかっている。三菱UFJが今後10年間で保有する国内株式を売却したとすると、毎年解放される資本は利益の20%以上、同行の時価総額の5.6%に達する。この一部は自社株買い戻しに投じることができるが、これは株価が有形純資産を下回っている銘柄では特に株主にとって有利な施策である。株価は年初来で既に32%上昇しているが、依然として割安であるようにみえる。
? トヨタ自動車
オークマーク・インターナショナル・ファンドの共同マネジャーであるデービッド・ヘロー氏によると、品質の低下や米国の競合に対するシェアの低下など、過去10年間におけるトヨタ自動車の問題の一因は同社の肥大した、社内役員で固められた取締役会にある。同社では取締役会の人数を半分以下にし、2013年には初の社外取締役を選任している。同社では5年をかけて生産システムの見直しを行い、今年にはコスト削減のために部品とプラットフォームを共通化した新車投入を開始する。また、最近発表したメキシコのカローラ工場建設など、低コスト国への生産拠点の一段の移転にも意欲を示している。今期のフリーキャッシュフローは70億ドル以上増加し、180億ドルになるとみられているが、これは時価総額の8%に近い水準である。年末時点での正味現金保有高は時価総額の3分の1に達している可能性がある。ヘロー氏は同社がこの半分を増配と自社株買い戻しに投じることを望んでいる。同社の予想PERは10.3倍、配当利回りは2%をわずかに上回る水準である。
? その他の銘柄
他にも企業改革の継続の恩恵を受ける可能性のある多くの銘柄が存在する。他の企業よりも改革の圧力を強く受けると思われる企業を探すのも銘柄発見の一つの方法である。例えば、ゴールドマン・サックスでは最近、正味現金保有高と外国人保有比率が高く、増配の圧力がかかるとみられる銘柄のスクリーニングを行っている。それらの銘柄にはコナミ、ファナックなどがある。ROEが5%未満の会社にも機関投資家や株主総会での議決に影響力を行使するアドバイザリー・サービスの圧力が加わりやすい。この候補には第一生命保険、任天堂が含まれる。企業規模だけではなくROE、営業利益、コーポレート・ガバナンスなどの要素も加味して構成企業が決定される、企業の肥満度テストともみることのできるJPX日経インデックス400への採用目前の銘柄もある。ゴールドマンによると、オリンパス、NECなどがそれに該当する。また、日本株全般へのエクスポージャーを得るには、iシェアーズMSCIジャパン、為替ヘッジ付きのウィズダムツリー・ジャパン・ヘッジド・エクイティ・ファンドなどの上場投資信託(ETF)がある。
中国市場は負のスパイラルの兆候、日本車も楽観できず−自工会会長
Bloomberg Bloomberg
萩原ゆき、Ma Jie
独がユーロ圏加盟国として受ける恩恵
東芝・田中前社長が就任時に語っていたこと
東芝前社長の就任時のミッションとは
(ブルームバーグ):日本自動車工業会の池史彦会長(ホンダ会 長)は、中国の自動車市場について「負のスパイラルの兆候がみられ る」として、日本車メーカーも楽観できないと述べた。
池会長は23日の定例会見で、中国では不動産市場も株式市場も低迷 してきており、個人消費にも影響があるだろうと指摘。自動車市場につ いては、過当競争や生産過剰から乱売などの負のスパイラルの兆候がみ られると語った。
日本車の中国販売については今のところ堅調だが、全体需要が冷え 込んでくるころには過当競争が予想され、楽観はできないとみていると いう。サンフォード・C・バーンスタインのロビン・ズー氏は、今年上 半期の世界的な自動車ブランドの工場稼働率は100%を下回り、94.3% に低下したとリポートで指摘している。
トヨタ自動車など日本車メーカーは、新車効果などで中国でのシェ アを伸ばしており、今年上半期の販売台数は2012年の尖閣諸島問題をめ ぐる反日運動前の水準を上回り過去最高となった。
記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 萩原ゆき yhagiwara1@bloomberg.net; 東京 Ma Jie jma124@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Chua Kong Ho kchua6@bloomberg.net 浅井秀樹, 中川寛之
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRX88W6S972801.html
中国債券市場、海外勢が及び腰の理由
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チャート(左から) 各国別国債発行の内訳、5年物国債利回りの比較、中国国債発行残高の推移
By
ANJANI TRIVEDI
2015 年 7 月 23 日 14:42 JST
中国は、その巨大な債券市場を開放しようとしているが、海外投資家の参入はまだ低調だ。
中国政府はこの数週間、これまで世界の資金運用担当者に開かれていなかった6兆4000億ドル規模の債券市場を開放する決定を下した。これにより、海外銀行が短期金融市場を利用することができるようになり、一部の投資規制も撤廃された。
今回の規制緩和は中国の金融市場自由化にとって大きな意味を持つが、実際の利用はまだ低調だ。海外勢の中国債券保有率は3%を下回っている。
この低調さは、海外投資家が中国の債券市場に参入する際に直面している課題を浮き彫りにしている。同市場は構造的に分断されているうえ、規制や政策が網の目のように張り巡らされ、海外投資家にとって依然、資金運用が難しい。
投資家によると、中国の債券市場は全ての信用サイクル、つまり、低金利で借り入れが容易な局面から、融資条件が厳しくデフォルト(債務不履行)発生の可能性がある状態までの循環をまだ経験していない。このため、混乱やボラティリティー(変動性)上昇が発生する可能性がある。
台湾の復華投信のポートフォリオ投資家、ジャスミン・ウー氏によると、同投信は中国の国内債券市場への投資から撤退した。同氏は、中国人民銀行(中央銀行)による緩和策で金利が低下しているため、「同じ発行体でも、ほとんどの海外債券市場の方が国内市場より高い利回りを得られる」とし、国内債券市場では流動性が限られている、と指摘した。
回転率は流通市場での債券取引の活発さを示す指標で、これが高いほど活況を示すが、ファン・グローバル・インスティテュートがまとめた統計によると、中国市場の回転率は0.3〜1.9回だ。米国債市場は10回、日本国債は5.9回となっている。
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中国は新たな資金調達先を模索している PHOTO: BLOOMBERG NEWS
中国市場では幅広い種類の国債取引が行われているため、最善の銘柄を識別できることが極めて重要で、これも課題となっている。ブラックロックのアジア信用部門トップ、ニーラジ・セス氏は「証券を選択する能力はこの市場で極めて重要だ」と指摘する。同社のアジア債券チームは現在、中国の国内債券市場に投資していない。
海外勢参入の伸び悩みは、低コストの資金調達先を新たに求める中国政府にとって悩みの種だ。数年間、銀行融資は中国の急速な経済成長を支えてきたが、成長減速の中、不良債権化する恐れのあるローンを銀行が大量に抱える可能性が出ている。
現在の中国には、成長を維持するためにもコストや資本分配を改善するためにも、深みのある資本市場が必要だ。
かねて銀行借り入れに依存してきた中国では、国内総生産(GDP)への寄与度で債券市場が融資を上回る他国と異なり、融資の寄与度が債券市場を上回っている。
債券市場が強化されれば、中国が目指す人民元の国際化に貢献し、投資家にとって資金の避難先となるだろう。
人民銀行14日、海外の中央銀行や政府系投資ファンド、国際機関などによる債券市場投資を制限する割当規制を廃止した。アナリストらによると、この措置で直ちに大規模な資金流入があるとはみられない。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は今月の報告で、「この制度の実行には時間がかかる上、株式市場の混乱を受け、多くの機関が中国資産に慎重姿勢を維持している」と指摘する。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ時期が不透明なことも、投資家には引き続き懸念材料となるだろう。
確かに、世界の金融市場と隔絶された中国国債は、同国の低金利政策もあり一部の海外投資家にアピールしている。
フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントのブライアン・コリンズ氏は「アジアおよび世界の債券ポートフォリオの拡大を考えた場合、ポートフォリオ運用でアジア関連の投資を行いつつ、『リスクフリー』だというのは大きな掘り出し物だ」と言う。同氏によると、中国以外のアジア債券市場は米金利動向と大きく連動しているが、中国は独自の動きをしている。
投資家らは、欧州などの先進国の債券市場が選択肢とならない中、中国の国債市場についてレラティブ・バリュー投資、つまり、相対的な利回りの高さが魅力とみている。中国の5年物国債利回りは22日、3.18%だったが、同年限のドイツ国債は0.126%だった。こうした利回りの高さはリスクの高まりとともに、中国市場の技術的ハードルの高さを示している。
市場参加者らによると、中国債券市場はまだ問題点を抱えている。同市場では、残高の40%超が残存年数3年未満の債券で占められている。これは長期債が残高の大半を占める世界の市場と対照的だ。
HSBCは最近の報告で、「中国債券市場は依然として、他のアジア諸国と比較すると長期的な資金調達の場として大きく遅れている」と指摘する。
中国、今年前半は大規模で持続的な資本流出なし=外為当局 By GRACE ZHU 2015 年 7 月 23 日 13:24 JST
【北京】中国国家外為管理局(SAFE)は23日、今年前半の同国の資本動向について、4-6月期に資本流出圧力が緩和したため「大規模で継続的な」流出は見られなかったとの見解を示した。
SAFEの報道官は記者会見で、中国から資本が流出した主な要因はドル高にあったと指摘。米国が今後、大方の予想通り利上げしたとしても、中国はその影響に耐えられると述べた。米国が利上げすればドルはさらに上昇する公算が大きい。
また、中国の外貨準備高が4-6月期に減少したのは、ユーロ安が一因だと述べた。
中国人民銀行(中央銀行)が先週発表した6月末時点の外貨準備高は3兆6900億ドルと、3月末の水準から400億ドル減った。1-3月期の減少額が過去最高の1130億ドルだったことを考えると、中国からの資本流出は緩和したもようだ。
中国は経済成長も減速しており、海外資本の投資先としての魅力がやや薄れている。国内総生産(GDP)の前年同期比成長率は4-6月期が7%と、1-3月期から横ばいで、政府の通年目標とほぼ一致した。ただ、近年の成長率に比べれば、かなり低い水準であることに変わりはない。 https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAAahUKEwjUoYbvzfDGAhXBI6YKHT41ARg&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10777827119304873821304581125301656955220&ei=Y4ewVZTkLMHHmAW-6oTAAQ&usg=AFQjCNE8ddtC7gF1ZV867rqtBNeQpJVgGg&bvm=bv.98476267,d.dGY
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