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インバウンドの消費が大きい銀座三越(「Wikipedia」より/Kakidai)
中国株バブル崩壊で、中国人「爆買い」消滅? 日本経済に大きな影響か
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150723-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 7月23日(木)6時1分配信
中国証券監督管理委員会(CSRC)が最近の株式相場の急落をめぐり、財務ソフトウェア大手の恒生電子に対して調査を開始したと海外メディアが一斉に報じた。恒生電子は電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングの傘下企業である。
恒生電子が開発したプラットフォーム「HOMS」では、株式店頭市場の信用取引でレバレッジを利用して最大10倍の株式投資を行うことができる。株式相場が急落する中、レバレッジを利用する投資家は追加証拠金を支払うために株式を売却する必要があり、下げが増幅した。
中国の信用取引には明確なルールがない。日本では証拠金の3.3倍までだが、中国では10倍という高いレバレッジが横行している。100万円の元手で1000万円の株が買える。今回の暴落(上海ショック)により、証拠金が吹き飛んで大きな損失を出す投資家が続出した。
恒生電子の金融サービス部門が株価急落を引き起こしたとの現地メディアの報道で、社会不安が広がったが、同社はその報道を否定した。だが、株価暴落防止策に狂奔している中国当局にとって、同社は格好の標的となった。
傘下の恒生電子がやり玉に挙がったのに続き、アリババにも疑惑の火の粉が飛び火した。中国株式市場暴落の影響でアリババの株価は7月7日、米ニューヨーク市場で一時、上場来最安値まで落ち込んだ。
さらに、中国ネットサービス大手テンセントの元幹部で、現在はアリババ集団で副総裁を務める劉春寧氏が汚職容疑で公安当局に拘束された。テンセント時代の動画映像事業に絡む汚職が疑われている。アリババに幹部を引き抜かれたテンセント側が劉氏の不正の事実を公安当局に情報提供したことが今回の拘束の背景にある、といわれている。アリババは「劉氏に代わる事業責任者を充てており、経営に与える影響はない」としている。
●「爆買い」への影響
中国市場の株バブル崩壊は、日本経済に大きな影響を与えそうだ。訪日外国人旅行者が14年に日本で消費した額は2兆278億円に上った。13年と比較して43%増。その大きな原動力となったのが中国人旅行者による「爆買い」である。
14年の国別の外国人旅行者は台湾からが283万人でトップ。次が韓国の275万人、中国人旅行者は241万人で3位だった。だが、購買力は中国人がダントツで、消費額は中国が5583億円で1位。中国人旅行者一人当たりの消費額は平均23万円になった。
日本政府観光局の統計によると、今年1〜5月累計の訪日外国人旅行者は前年に比べて44.9%増えた。なかでも中国からの旅行者増加が著しい。1〜5月累計で前年の2倍超。春節のあった2月には2.6倍となった。このペースでいくと、15年の中国人の消費額は1兆円を超えるという見方も強い。
●インバウンド関連銘柄に打撃
だが、中国の株バブル崩壊により、この勢いが一気に失速することが懸念されている。インバウンド(訪日外国人旅行者)消費への期待を膨らませていた日本の小売業にとって、中国の株安は対岸の火事ではない。
インバウンド関連の代表銘柄は東証2部上場のラオックス。国内最大規模の免税店ネットワークを持つ。同社は家電量販店の老舗で、中国企業に買収され、傘下に入った。13年12月期までは連続して最終赤字を余儀なくされてきたが、中国人観光者をターゲットに絞り、免税店での販売に力を注いだ結果、14年12月期は最終黒字に転換した。
15年12月期の売上高は前期比39%増の700億円、営業利益は2.6倍の45億円、純利益は3.3倍の42億円と驚異的に収益が回復するというシナリオを描いている。株価も14年5月19日の安値42円から上昇に転じ、15年7月6日には554円と年初来高値を更新した。ここにきて中国・上海市場の株価下落が売り材料となり、7月9日には一時401円まで売られた。
ラオックスは、連結売上高の7割を外国人観光者向けの免税店で稼ぎ出している。なかでも中国人ツアー客がダントツ。「爆買い」需要の減少が懸念され、株価が急落した。
東証2部上場で中古のブランド品を扱うコメ兵も売られた。中古のダイヤモンドが中国人旅行者に人気だった。インバウンド消費の恩恵を受け、15年3月期の売上高は前期比7%増の431億円、純利益は11%増の20億円。「爆買い」する観光客は、百貨店で商品の品定めをして、コメ兵で中古のダイヤの指輪やブランド品を買う。4〜6月の累計売り上げは前年同期比13.8%増と絶好調だ。
このほか、特に中国人旅行者の消費が大きい銀座三越、松屋銀座、ビックカメラ、マツモトキヨシ、ドン・キホーテ、ABCマートなどの小売業は大きな影響を受けることが予想される。各社の7、8月の既存店売り上げが、上海ショックの影響を測る目安となる。
(文=編集部)
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