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氾濫する「○○金賞商品」「○○コンテスト優勝のシェフ」を疑え!嘘だらけ?
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10814.html
2015.07.22 文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表 Business Journal
食品偽装事件が北海道で発生しました。札幌市の通信販売業者2社が、北海道海産物販売協会という架空の団体から金賞を受賞したと虚偽の宣伝を行い、かにを販売していたのです。消費者庁と関東経済産業局は特定商取引法違反に当たるとして、2社に対して電話勧誘業務を3カ月間停止する命令を出しました。
日本人は「○○賞受賞」などと書かれた商品については、その実態を調べることなくおいしいと信じてしまうところがあります。例えば、ヨーロッパで毎年審査されている「○○セレクション」は日本企業からの申請が多く、実際に多くの商品が金賞などの賞に輝いています。
私は、その最高金賞、金賞、銀賞、銅賞などが本当に価値のあるものかどうか、疑問を持っています。しかし、食品会社はそれらの実績を消費者に伝えるため、宣伝に最大限利用しようとします。
例えば、「A製菓」の「Bまんじゅう」が○○セレクションで2013〜15年まで3年連続で金賞を受賞したとします。
Bまんじゅうのパッケージに「○○セレクション3年連続金賞受賞」と表示して販売することは、まったく問題ありません。お店の看板に「Bまんじゅうが○○セレクション3年連続金賞受賞」と表示することも、同様に問題ありません。
しかし、A製菓のほかの商品、例えば「Cもなか」に「Bまんじゅうが○○セレクション3年連続金賞受賞」と表示することはできません。あくまでBまんじゅうが受賞した賞なので、ほかの商品に表示することはできないのです。
また、名刺に「Bまんじゅうが○○セレクション3年連続金賞受賞」と記載することはできますが、「○○セレクション3年連続金賞受賞」というふうに、受賞した商品名を外して名刺、パンフレット、カタログなどに書くことはできません。
さらに正確を期するのであれば、「Bまんじゅうが○○セレクション金賞を2013年から3年連続受賞」と表示するのが望ましいです。
■大切なのは自分で見極める力
「○○料理コンテストで優勝したシェフがいるレストラン」
こういったポスターもよく見かけます。この場合、店舗がひとつだけならいいのですが、複数あるチェーン店の場合、そのすべてに該当のシェフがいるわけではないので、ポスターが実態に合わない表示になる可能性があります。
さらに、このレストランチェーン店がレトルトカレーの開発を行い、製造委託を行ったとします。そのカレーの商品パッケージに「○○料理コンテストで優勝したシェフ監修のカレー」とうたうのは、料理コンテスト優勝とそのカレー自体に直接的な関係がないので、本来表示すべきではありません。
製造販売する側は、商品自体のおいしさや良さを前面に出すべきであり、買う私たちも、口上やポスターなどの宣伝に騙されることなく、自分の目や舌でいい商品を選ぶ力をつけたいものです。
あなたが今から食べようとする商品自体が本当に○○賞を受賞したのか、そもそもその受賞自体に意味があるのか、レストランであれば本当にコンテストでいい成績を収めた料理人が調理したのか、ぜひ考えてみてください。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)
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