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<全文>東芝・田中社長「直接的な指示をした認識ない」 不適切会計で会見(THE PAGE)
http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/903.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 7 月 21 日 23:15:05: igsppGRN/E9PQ
 

【全文】東芝・田中社長「直接的な指示をした認識ない」 不適切会計で会見
http://thepage.jp/detail/20150721-00000007-wordleaf
2015.07.21 22:35 THE PAGE


 東芝の不適切会計問題で、同社の田中久雄社長が21日夕、記者会見し、「かかる事態を生じさせたことを厳粛に受け止め、株主をはじめとするすべてのステークホルダーに心よりお詫び申し上げる」と謝罪した。


 会見は第三者委員会の調査報告書を受けて行なわれた。同報告書では、不適切会計について、西田厚聡元社長や佐々木前社長ら歴代社長が「チャレンジ」といわれる厳しい利益目標の達成を求めるなど「経営トップを含めた組織的な関与があった」と指摘。背景に、当期利益至上主義、目標必達のプレッシャーなどがあったとした。


以下はその会見全文。


【アーカイブ動画】不適切会計で東芝・田中久雄社長が会見


■経営責任を明らかにするため社長を辞任する



[写真]不適切会計について謝罪し、自らの辞任を発表した田中久雄社長(撮影:山本宏樹


司会者:ただ今より、第三者委員会の調査報告に関します、当社の対応につきまして、ご説明を始めさせていただきます。本日当社側の出席者をご紹介申し上げます。取締役会長、室町正志でございます。取締役代表執行役社長、田中久雄でございます。取締役代表執行役専務、前田恵造でございます。申し遅れましたが、進行を務めます、広報・IR室、司会者でございます。


 それではまず、田中よりご説明を始めさせていただきます。


田中社長:田中でございます。昨日、7月20日、17時30分過ぎに第三者委員会から当社の会計処理問題についての調査報告書を受領いたしました。第三者委員会からは、2008年度から2014年度、第3四半期の間において、税引き前損益ベースで1,500億円を超える修正が必要とのご指摘を受けました。また、今回の会計処理に関わる問題を、生じさせた原因として経営幹部らの関与等に基づき、組織的に実行されたとのご指摘を受け、経営における適切な会計処理に向けた意識、知識の欠如、当期利益至上主義、目標必達のプレッシャーなどが認定されました。かかる事態を生じさせたことを厳粛に受け止め、株主の皆さまをはじめ全てのステークホルダーの皆さまに対し、心よりお詫びを申し上げます。


 本件に対する重大な責任は、私をはじめとする経営陣にあり、第三者委員会からのご指摘を厳粛に受け止め、私はその経営責任を明らかにするため、本日をもって取締役、および代表執行役社長を辞任いたします。私の後任は暫定措置として取締役会長の室町正志が兼任することとなります。私は辞任いたしますが、会社として新たな体制を早期に構築し、信頼回復に向けて全力を尽くしてまいりますので、引き続き当社へのご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。


司会者:それでは続きまして、室町から今後の対応等についてご説明を申し上げます。お願いいたします。


室町会長:室町でございます。着席をさせてお話をさせていただきたいと存じます。まず、取締役会長といたしまして、今回の、かかる事態を招いたことを真摯に受け止め、あらためて株主の皆さまをはじめとする全てのステークホルダーの皆さまに対しまして、心よりお詫びを申し上げます。


 それでは、関係者の進退についてご説明を申し上げます。今回の一連の事案は過去からの経営陣の下、行われていたとのご指摘を受けておりますことに対しまして、歴代の社長である、現相談役の西田厚聰、現取締役副会長の佐々木則夫につきましては、本日をもってその職を辞任いたします。また、関連をした経営トップとして、取締役代表執行役副社長の下光秀二郎、同・深串方彦、同・小林清志、同・真崎俊雄、取締役監査委員会委員長の久保誠が、全ての役職について本日をもって辞任をすることといたしました。


 また、取締役代表執行役専務の前田恵造が取締役および代表執行役の役職について、同じく本日をもって辞任をすることといたしました。なお執行役上席常務の牛尾文昭が代表執行役に就任し、日常の業務行為を遂行することを、本日の取締役会で決議をいたしました。また、同取締役会の決議をもって、取締役の伊丹敬之を監査委員会委員に選定するとともに、同氏を監査委員会委員長に選任をいたしました。その他、役員等の経営責任などにつきましては責任を明らかにした上で、別途厳正な処分を決定いたします。


 続いて、再発防止策についてご説明を申し上げます。当社は第三者委員会設置後、今後の経営体制、ガバナンス体制、および再発防止策等について、当社としての検討を続けてまいりました。今般、第三者委員会の報告を踏まえて、今後の経営体制、ガバナンス体制、再発防止策党等について、社外取締役4人が、社外専門家の助言を受けつつ、集中的に検討し、その結果を8月中旬に公表予定の新経営体制に反映させるとともに、9月開催予定の臨時株主総会におきまして、株主の皆さまから信任を受けた新経営体制の下で、可能な限り速やかに再発防止策を確定させて、着実に実施をしていくため、経営刷新委員会を設置をすることを、本日決定いたしました。


 本委員会は、社外取締役4名および社外専門家のみから構成される委員会とし、委員となる社外専門家は今月中に決定する予定でございます。社外専門家および経営刷新委員会の委員長につきましては選定次第、別途お知らせをしたいと存じます。
 第三者委員会の調査報告によりますと、今回の不適切な会計処理の発生原因につきましては、経営トップによる関与等が指摘されております。また、調査報告書においては、再発防止策として、経営トップ等の意識改革に加え、強力な内部統制部門の新設、取締役会や監査委員会による監査機能の強化や社内取締役の増員、および構成員の見直し等、監督体制の強化についても提言をいただいております。


 これらを踏まえて、繰り返しになりますけども、当社はまず本日の取締役会において、監査委員会委員長に社外取締役の伊丹敬之を選定をいたしました。今後、経営刷新委員会におきましては指命委員会とも共同して、今後の新経営体制に加え、ガバナンス体制について、取締役会の過半数を社外取締役とすること等を含めて、慎重かつ迅速にご検討いたします。また内部統制システム、およびコンプライアンス体制の抜本的な見直しを含む再発防止策の具体的な内容を検討してまいります。今後、新たな体制の下で再発防止を徹底し、企業風土を刷新することでステークホルダーの皆さま、および社外からの信頼回復を目指し、尽力してまいる所存でございますので、何とぞご理解をいただきまして、引き続きご支援賜りたく、よろしくお願い申し上げます。


 私からは以上でございます。


司会者:私どもからのご説明は以上でございます。このあと、ご質問をお受けしたいと思います。挙手いただきまして、私がご指名をさせていただきましたら係の者がマイクをお持ちいたしますので、よろしくお願いをいたします。


 一番前のそちらの方。


■経営陣は利益というものをどんな風に考えていた?


質問者(1):NHKのノグチと申します。よろしくお願いします。全て田中社長にお伺いできればと思います。最初にまず、きのう第三者委員会の報告書が提出されましたが、厳しい言葉も多かったと思います。これについて率直にどう受け止めてらっしゃるのか。また、これを、指摘を全面的に受け入れるのか、反論や意見の違い等あれば併せて教えてください。


田中社長:はい。ありがとうございます。大変時間の限られた中で、第三者委員会、および補助者の皆さまには多大な時間とリソースを使っていただき、膨大な資料、そして多くの当社関係者へのインタビューなど、大変精力的にかつ、長時間に渡る調査をいただきました。まず最初に、第三者委員会の皆さま方の調査につきまして、あらためて敬意を表したいと思っております。


 内容につきましては、すでに昨日および本日公表させていただいておりますけれども、内容を真摯に受け止め、今後の対応を図ってまいりたいというふうに思っております。以上でございます。


質問者(1):もう1点です。今回、経営陣の刷新という会社始まって以来の事態になってしまいましたが、なぜこのような事態を招いてしまったのか、その原因についてと、社長ご自身も辞任という重い決断をされましたが、その理由について教えてください。


田中社長:第三者委員会の調査報告書に基づきまして、真摯に受け止め、そして当社といたしましてきちんと対応をする。そして今後、新たな体制を構築し、経営刷新委員会でさまざまな対策、あるいは新しい当社を構築していくと。そのためには大幅なこれまでの経営陣の刷新が必要だというふうに認識をした次第でございます。


司会者:よろしいでしょうか。


質問者(1):最後にもう1点お願いします。今回の問題が起きてから、田中社長は今回の問題をきっかけにして会社がもっと良くなるということをずっとおっしゃっていました。今後新しい経営陣にはどのような会社にしてもらいたいか、どのような成長路線を進めていってもらいたいか、あらためてお聞かせください。


田中社長:一番最初の記者会見でそのように申し上げました。その気持ちは今も変わっておりません。今回の事案、そして第三者委員会の皆さま方のご指摘を真摯に受け止め、新しい東芝の構築。これを私は本日をもって辞任をいたしますけれども、室町会長兼社長、そして経営刷新委員会の皆さま方、そして社外の専門家のご意見を伺いながら構築をしていっていただきたいというふうに思っております。


司会者:よろしいでしょうか。それじゃあ前の真ん中の、こちらの白いシャツの方。


質問者(2):すいません、どうもありがとうございます。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮本と申します。大きく2問ございます。


 1点目、田中社長にお願いしたいんですが、利益の概念ですね。一定期間の事業活動の目標であったり、あるいはその結果であるというように認識しておるんですが、田中社長において、あるいは東芝の経営陣において利益というものをどんなふうに考えてらしたのか。それが一般的に言われているものとどうずれていたのか、その辺りの考え方、今のお考えについてコメントいただければと思います。じゃあ先に質問続けます。


 前田CFOにお願いしたいんですが、だいたい概算で純資産の毀損額は4,000億円ぐらいになるというふうに考えてますが、そのイメージで正しいかどうかということと、あと今回の遡及修正に伴って財務制限条項に抵触するような事態になるかどうかですね。それについてのコメントをいただければと思います。


田中社長:はい。ご質問ありがとうございます。利益についてどういうふうに考えるか、あるいはそのずれがどういうふうに生じたのかというご質問とご理解させていただきます。利益のみならず企業を経営していく中で売り上げ、利益、その中からきちんと雇用を守り、あるいは事業の拡大を目指す中で研究開発投資、設備投資、そして最も重要だと思っておりますのは、私どもの経営理念の1つでもあります、豊かな社会への貢献。そういったことを継続的に、かつ持続的に行うためには利益というものは大変重要です。


 また株主の皆さま、あるいは投資家の皆さまに対して、その投資に見合う配当を含めたお返しをするということは非常に重要だと思っております。ただ、その利益そのものが捻出される過程におきまして、当然ながら順法、特に今回のような会計の処理、不適切な会計処理に基づく利益ではあってはならないというふうに思っております。適正な、あるいは厳正な会計処理に基づく利益の創出、決して利益の創出そのものが悪いとは思いません。ただあくまでも大前提として、適正かつ厳正な会計処理、その辺りが今回ずれていたのかなというふうに考えて下ります。以上でございます。


前田専務:はい。それではご質問にお答えさせていただきます。概算で資本の額の影響は4,000億が正しいかと。かような質問をいただきました。どうもありがとうございます。この点につきましては現状、固定資産の減損、繰延税金資産の引き当て等、修正が今現状、第三者委員会のご報告値を踏まえて、現状、固定資産の減損につきましてはその要否、ならびに時期、ならびに金額、長期繰延税金資産に関する評価性引当金計上の要否、それに加えましてその他の過年度の会計処理の妥当性について、現状、当社で検証を行い、その上で新日本監査法人が監査を行っている現況にございます。


 この監査をまだ完了してございません。これが完了したときにいくらかということで、現状については金額を把握してございません。なお有価証券報告書につきましては当局にご提出するのが8月末ということで、鋭意進めてございますが、見通しが立った時点で適時開示をするべく今、鋭意、監査法人に対して全面的に協力をして金額の算定等々について作業を進めている最中でございます。


 2点目、ご質問を頂戴いたしました、いわゆる財務制限条項についてでございます。現状、銀行借り入れの財務制限条項に抵触する、このような指摘は頂戴してございません。今後も各金融機関さまと緊密に連携を申し上げ、それに加えて今回の事象についても丁寧にご説明を差し上げることによりまして、ご指摘のような事態、財務制限条項の抵触、これについては万全を期して回避を図ってまいりたいと。かように考えている次第でございます。以上、お答え申し上げました。


質問者(2):財務制限条項に関して1点だけ確認を。遡及修正をした結果としても大丈夫だというところは、検証をある程度はされているということで大丈夫でしょうか。


前田専務:はい。その辺も金融機関さまに丁寧にご事情を説明して、回避すべく万全の努力をしてまいりたいと、このように考えている次第でございます。どうもありがとうございました。


司会者:よろしいですか。それじゃあ後ろの女性の方。


質問者(3):テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』の大江と申します。田中社長に伺います。どうしてこのタイミングまで不正を断ち切ることができなかったんでしょうか。


田中社長:その内容につきましては第三者委員会の報告書をご覧いただきたいと思います。


テレビ東京:不適切な会計処理という表現をなさっていますけれども、これは粉飾というふうに考えていらっしゃいますか。


田中社長:粉飾という言葉をどのように定義するか等に関わると思いますけど、第三者委員会報告書の中で適切な会計処理というふうに記載がされてます。それ以上のことは、お答えは控えさせていただきたいと思います。


質問者(3):この利益至上主義に陥ってしまったのはどうしてなんでしょうか。どういう背景があるというふうに考えていますか。


田中社長:先ほど申し上げましたように利益を上げること自体は決して悪いことではない。先ほども申し上げましたようにさまざまな株主さま、あるいは投資家の皆さん、そしてわれわれが事業を持続する、あるいは継続するために雇用の確保、あるいは研究開発投資、設備投資、そういった事業活動を通じて社会に貢献していく、あるいは豊かな社会をつくり出していくと。そのためには必要なことだというふうに思っています。


 ただその、先ほども、繰り返して大変申し訳ないですけれども、その利益というものを、あくまでも前提となりますのは適正、あるいは厳正な会計処理に基づく利益なければいけない。その辺の認識あるいは知識、第三者委員会の報告書の中にも指摘をされておりますけど、そういった意識、あるいは知識を含めた認識のところでご指摘のとおりの課題があったんではなかろうかというふうに思っております。


質問者(3):最後に1点、今回のことで東芝ブランド、大きく傷付くことになったと思いますけれども、この信頼を回復していくためにはどういうことが必要だと考えているでしょうか。


田中社長:大変大きなブランドの毀損、当社140年の歴史の中で最大ともいえるブランドのイメージの毀損があったと認識をしております。この今回生じた事案等、一朝一夕では回復できないと思います。20万人の従業員が一丸となり、そして室町会長兼社長および先ほどご説明させていただきました、経営刷新委員会の皆さん、そして社外の専門家を踏まえた今後の再発防止策、あるいはガバナンス、そして日々の活動を通して1日1日全力で取り組んでいく。そういう姿を皆さまにご理解いただくしかないんではないかというふうに思っております。時間がかかってもやり遂げなければならないことだと思っております。


司会者:よろしいでしょうか。じゃあ、隣の後ろの男性の方。


質問者(4):メリルリンチ日本証券の平川と申します。田中社長にお伺いしたいのですけれども、本件の直接的な原因は報告書を読んで学ばさせていただきました。しかしながらその根源的な問題としては、収益力の低い事業で収益を上げようとしていたということにあると感じております。なぜほかの企業のように事業ポートフォリオの組み替えができなかったのか。すなわち競争力を失った、収益力を失った事業がポートフォリオに残っていたのか。その背景について教えていただければと思っております。また、もし財務状況が良ければできたのか、また今後の経営陣に託すとすればどのようなメッセージを託すのか、教えていただければと思います。以上です。


田中社長:ありがとうございます。今回の不適切な会計処理、先ほどご指摘いただきましたように収益率、あるいは課題事業といいますか、に、起きてるんじゃないかと。その背景というものは今後、第三者委員会の調査報告書を精査した上で、私どもなりの原因、事業という面での原因を考えていかなければいけないというふうに思っております。当然ながら事業、東芝グループさまざまな事業をやっております。幅広い事業全てが収益率が高く、そして競争力があればいいわけですけれども、中には非常に厳しい事業もあります。そして今現在、非常に収益率がたとえ良くても、将来にわたって継続的に収益率を確保できるとは限りません。従いまして常に競争力の強化、そして成長性について考えていかなければいけないというふうに思ってます。そういったものが今回の不適切な会計処理の1つの原因であったかどうかにつきましては、今後、報告書を精査した上で、当社といたしましてきちんと検討をしていかなければいけないというふうに思ってます。


 ただ、今回の事案といいますか、第三者委員会の報告書だけではなく、常に課題事業あるいは競争力の低い事業については会計処理とは関係なく、常にポートフォリオの変革、あるいは競争力の強化、そういったものは会計処理とはまったく別の事業という観点で継続的に考えていかなければいけないというふうに思っております。以上でございます。


司会者:よろしいでしょうか。それじゃあ前の列の真ん中の方。そちら。


質問者(5):日本経済新聞のイハラと申します。2点よろしくお願いします。1点目が、田中社長が前回、これまでの社長にご就任されてから、新しい中計を達成しようとか、あるいはその半導体1本足になりかけていた事業を安定させようとかいろんなことを考えてやってこられたと思うんですが、この段で辞任されると、最も大きなやり残しとして挙げるとすれば何がありますでしょうか。


田中社長:ありがとうございます。やり残したことは大変残念ですけれども、いろいろあります。常に当社の収益率と、あるいは収益という面では、ご指摘のとおりNANDフラッシュメモリという点を皆さま方からもご指摘をいただいた。それを2本、3本、4本と増やしていきたいというお話を以前からさせていただきました。その途上にあるというふうに思っております。


 ただ、収益の柱を作るということと、そして今回の不適切な会計処理というものは、必ずしも一致してないところがあると思います。従いまして、やり残した中で、収益の柱を2本、3本、最終的には5本とか私、申し上げてたと思いますが、に向けて新しい体制で進んでもらいたいというふうに思っております。


質問者(5):もう1点お願いします。特にパソコンの有償支給のところなんですけれども、田中社長はご就任されてから利益の、利益が、その在庫がたまって膨らんでいく分っていうのを削減されようとされていて、14年9月のあのパソコンのリストラでもそういったものを消そうというふうな取り組みがあったと思います。ということは、逆に言えば、これが不適切な利益であると認識されていたのか。それをなぜもっと早く対応が取れなかったのかについて教えていただけますでしょうか。


田中社長:その点については、第三者委員会の報告書をご覧いただきたいと思います。


質問者(5):最後に1点だけ、すいません。今回の件の責任は経営陣にあるとおっしゃられましたけれども、前回の会見では、プレッシャーをかけるのは経営陣として当然だと。しかしそれを、法律の範囲で適切に行われなかったと。その内部統制に問題があったかもしれないというご指摘がありましたが、その認識というのは、今回は経営陣が積極的に不正を、不適切な会計を実質的に指示を出してたみたいな記載もあるんですけれども、その責任の内容について、ご自身のお言葉でその認識は変わられたのか、前回の会見のときからですね。それとも、下が順法意識がなかったっていうのが問題であったのか、そこら辺の認識の変化があるのかについて教えていただけますか。


田中社長:個々の事案についてのお答えは控えさせていただきたいと思いますけれども。順法、あるいはコンプライアンス、あるいは適正な会計処理。先ほどからお話をさせていただいておりますけれども、大前提です。そういった中で適正な利益を上げる。あるいは事業を拡大していく。そのための経営者としての考え方といいますか、を、追求していかなければいけないというふうに思ってます。プレッシャーがあるから不適切な会計処理をやっても許されるんだというふうなことではなかったとは思いますけれど、そういうものが少しでもあったことが今回の原因だとすれば、徹底的なコンプライアンスのみならず、経営陣として深くそして大きく反省をしなければいけないというふうに思っております。


質問者(5):ということは、その大前提であるところをないがしろにさせるような指示をご自身がしたという認識は、やはりないということでよろしいんでしょうか。


田中社長:直接的な指示をしたという認識はございません。


質問者(5):ありがとうございます。


司会者:よろしいですか。4列目のその男性の方。


質問者(6):朝日新聞のカミグリです。よろしくお願いします。田中さんに2点、室町さんに2点伺いたいんですけれども、まず田中さんに今回報告書では、先ほど田中さん認識とか知識の部分に問題があったとおっしゃったんですけども、報告書では業績への悪影響を避けるために田中さんが不正な決算を意図的に見逃していた、容認していたというような表現があるんですけれども、このような指摘について、田中さんそのとおりだとお考えなのか、それは違うとお考えなのかということを教えてくださいというのがまず1点目です。


田中社長:第三者委員会の調査報告の中に「許容していた」という表現がある、その点だと思いますけれど、その点につきましても、含めた第三者委員会の報告書を真摯に受け止め、今後の対応に生かしていく、あるいは経営刷新委員会でのさまざまな再発防止等を含めた中に対策等を図っていくというふうに思っております。


質問者(6):報告書は、今回のその不適切な会計処理の額が、佐々木前社長の時代に拡大したという指摘もしています。後任の社長としてそういう事態を引き起こした佐々木前社長に対して、どのようにお考えかということを教えてください。


田中社長:特に何も思っておりません。


質問者(6):室町さんにすいません。今回、取締役の方々が問題の一部を認識していたと。かつ、その問題を認識していた幹部については懲戒処分を含めた人事上の措置が必要であるというふうに報告書は指摘していますが、まず室町さんは今回のその一連の不適切な会計処理について、ご存じなかったということでよろしいんでしょうか。


室町会長:私自身としては、今回の不適切会計につきましては、調査報告書の中にも名前の記載もございませんし、関与もしてないというふうに考えております。ただ、取締役会長としては当然、資本市場、株主さまはじめとするステークホルダーの皆さま方に大変なご迷惑、ご心配をお掛けし、心からおわびを申し上げたいと存じます。


質問者(6):最後に。社長に就かれるわけですけれども、9月以降の新体制で社長を続けられる、あるいは取締役に残られるということがあり得るのかどうかについてお聞かせください。そういうお考えがあるかどうかもお聞かせください。


室町会長:現在のところまったく白紙でございます。これから先ほど申し上げましたように、経営刷新委員会の外部の専門家の皆さま、そして弊社の社外取締役の皆さま方等のご意見を受けながら、新しい経営体制をどうするかということを、指命委員会とともに議論していきたいというふうに思ってます。


司会者:よろしいですか。はい。じゃあ前列のブルーのシャツの方。


■部下に「うそをつけ、ごまかせ」と命じた自覚は?


司会者:ブルーのシャツの方。


質問者(7):日本経済新聞のイトウと言います。今日はありがとうございます。田中さんにお伺いしたいんですけども、従来から今回の経営責任については、9月の株主総会までに判断して、経営陣を刷新するというご説明だったと思うんですけども、それが今日付で辞任されるという決断に至ったのはなぜなのかというのが1点。一部で、社外取締役の方からは、想像以上に厳しい内容の報告書が出てきたと。で、そこで辞意を決断されたのかどうか。その点を教えてください。


田中社長:9月末まで前回、6月25日の株主総会で信任をいただきました。従いまして、その時点でも株主の皆さまに申し上げましたように、あくまでも暫定的な選任をいただいたわけですから、最も長くて9月末というふうに申し上げました。今回、本日をもって、先ほど申し上げましたように、取締役および代表執行役社長を辞任するに至ったことは、一刻も早く新しい体制で先ほどもご指摘いただきましたように、大きく毀損した東芝のブランドおよび最も私が重要だと思っておりますのは、20万人の従業員です。


 日々、業務に誠実に対応している従業員に、一刻も早くきちんとしたけじめを示し、そして新たな気持ちでさらに今まで以上の業務に精励をしていただきたいという思いから、昨日、第三者委員会の報告書を受け取ったことを踏まえて、本日、辞任をさせていただきました。


質問者(7):すいません。もう1点いいですか。新しい経営陣のイメージなんですけれども、株主総会でも質問出たと思うんですけども、東芝さんの社長の任期、通例4年で規模に比べて若干短いのではないかと。もう少し長くやらせたほうがいいのではないかという意見もあります。また、その経営陣の顔ぶれについて、若返りを図っていくのか、あるいは一部報道でもありましたけども、外部から取締役会の議長を招く考えがあるのかどうか。その点を教えてください。


田中社長:先ほども申し上げましたように、今のところそのご質問の点につきましてはまったく白紙でございまして、今後、外部の方々を忠心とした専門家、あるいは指命委員会等で議論を重ねていきたいというふうに思っております。社長の人気につきましては、従来、4年というのが普通でございましたけども、これも毎年、毎年、指命委員会で社長を選任いたしますので、必ずしも4年ということが決まってるわけではございません。ケース・バイ・ケースだというふうに考えております。


司会者:よろしいですか。前の、座ってらっしゃる眼鏡の男性の方。はい。


質問者(8):すいません、日経ビジネスのオオニシと申します。第三者委員会の報告書から読み取れるのは、現場の暴走を管理不行き届きで見つけられなかったという記載ではなく、不正会計そのものに経営陣が関与したと、関与があったというふうに読み取れるんですが、だとすれば田中社長ご自身が部下に対してうそをつけ、ごまかせということを命じたという自覚はおありではありませんか。


田中社長:ございません。


質問者(8):もう1つ、経営陣の関与があった、あとプレッシャーという言葉も出てきますけれども、田中社長が逆に西田さんや佐々木さんからプレッシャーを受けていたと、利益を上げろというプレッシャーを受けていたということはありませんか。


田中社長:特にございません。


質問者(8):ありませんか。


田中社長:はい。


質問者(8):では報告書で書いてある、経営陣の関与があったというのは、どこを指して関与があったと。


田中社長:いや、それについては第三者委員会の報告書をご覧いただきたいと思います。


質問者(8):分かりました。


司会者:よろしいですか。それでは前列の黒い、こちらの方。


質問者(9):ニコニコ動画の七尾と申します。どうぞよろしくお願いします。投資家についてなんですけれども、投資家は企業が公表した決算とか、有価証券報告書が正しいことを前提に株式などの売買を行います。今回発覚した損失の先送りなどによる金額の記載によりまして、投資家の行動に与えた影響について、影響があったのか、なかったのかという点についてどうお考えでしょうか。よろしくお願いします。


前田専務:はい。今回の不適切な会計に基づいて投資家の方のご判断を謝らせた可能性があるという点につきましては真摯に受け止めてございます。現在、第三者委員会の調査報告を受けまして、より適切な会計処理に向けた意識の向上、ならびに教育の徹底、あるいはカンパニー内での独自の監査部門の設置等による内部統制の強化、あるいは報告にご指摘いただいております、当期利益主義の是正等につきまして真摯に見直し、改善を図っていくということでございます。これによりまして再発防止に取り組んでいき、投資家さまのご信頼の回復に向けて精いっぱい努力してまいりたいと、かように考えている次第でございます。


質問者(9):社長にもう1点だけ、よろしくお願いします。先ほど第三者委員会の報告によりますと、チャレンジと称して歴代の3社長が月例の報告で不適切な会計報告を部下にさせていたという、やはり表現があります。で、田中社長は今おっしゃったように、自分は関与していないと。そういうことではあるんですが、例えば長期的に先代、あるいは先々代を含めて、そういった不適切な会計をせざるを得なかった、その風土があったんじゃないかという指摘もあるわけです。上司に逆らうことができない風土があったと報告されてます。この点について社員に、現時点で社員の方に対して何かお言葉があれば、ぜひお聞かせいただきたいんですけど。


田中社長:先ほども申し上げましたように一般の従業員にはまったく罪はないと思っております。経営陣そして幹部、あるいは管理者がきちんと襟を正さなければいけない。その中で最も重要なのは経営トップ、経営幹部だというふうに思っております。先ほど申し上げましたけど、私としてはそういう不適切な会計処理を指示したという認識はありませんが、そのように現実にご指摘いただいてる部分もあろうかと思っておりますので、その点については次の経営陣、そして管理者を含めた今後の再発防止、あるいは経営のやり方に反映をさせなければいけないんじゃないかというふうに思っております。


 長期的に、先ほどおっしゃられましたけれども、経営幹部あるいは管理者を含めた全員が、管理者以上といいますか、今回のことを契機に、第三者委員会の報告書にご指摘いただいてるようなさまざまな点を真摯に受け止めて、そしてきちんとした対策、そして知識、あるいは意識を含めた点も変革をしていかなければいけないというふうに思っております。ありがとうございます。


司会者:よろしいでしょうか。では前列のそちらの方。


質問者(10):ありがとうございます。特に室町さんにお聞きします。サークルクロスコーポレーション、若林でございます。風土についてなんですが、私の知ってる昔の東芝は、まさにそのNANDフラッシュにしてもワープロにしても、いい風土があったからそういうのが生まれたと思うんですね。この風土はいつから悪くなってきたと。今のような、指摘があるような悪い風土になってきたのかについてお伺いします。


 それから、それに絡んでなんですが、今回、第三者報告書の対象外の期間、例えば2000年辺りだとか2004、05年だとか、あるいはそのセグメントでも、今回、工事進行基準と半導体のディスクリートとLSIと、テレビとパソコンなんですが、例えばヘルスケアだとかについては、これはもう大丈夫だという判断でいいのか、あるいはそういう、今回指摘された以外のセグメントにおいては、風土とかそういうプレッシャーはなかったという理解でいいのか。以上お願いします。


室町会長:風土がいつから変わってきたのかというご質問でございますけれども、非常に難しいご質問でございまして、私としてはいつから変わったかということについて、今、正確なお答えをするというのはちょっと控えさせていただきたいと思います。いずれにしても、経営刷新委員会の中では企業風土の醸成というのも新たに課題として残っておりますので、専門家の皆さま方のご意見を聞きながら、適切な対応をしていきたいというふうに思っております。


田中社長:2点目は私のほうからお答えさせていただきます。ご存じのとおり、今回、工事進行基準案件の関係書類の適切性について端を発したわけですけども、特別調査委員会の調査をしている中でそれ以外の懸念事項が出てきた。その中で3つの案件について、第三者委員会に委嘱をして調査をしていただいたと。それとは別に当社独自の585社、海外も含めた全ての連結対象子会社を対象にした、いわゆるセルフチェックというものを徹底的に行いました。会計処理の不適正、あるいは懸念等があれば、全てきちんと申告するようにと。誓約書も取って、585社の社長から私宛てに提出をさせました。その中で軽微なものも含めて、もうすでに、手短にしておりますけども、いくつかの不適切と思われる会計処理等が判明したのも事実です。


 ただ、それらにつきましては、先ほど申し上げましたように、さまざまなケースと言いますか事案がありますけども、いずれも規模あるいは内容について、単純な経理処理のミスを含めまして、そういったものを全て網羅的にチェックをした結果でございますので、585社のセルフチェックというものが私は信頼をしておりますし、網羅的に調査をさせていただいた。それを今回全て開示をさせていただき、今後そういうことが起こらないような、そういった対策も含めてきちんと取ってまいりたいと、いうふうに思っております。


質問者(10):その期間については、今回、第三者委員会の対象期間が08年度からになっております。もしかしたらそのITバブルの直後ぐらいが一番大変だったと思うので、その辺のところをなぜ対象期間としなかったのかについて教えていただきたいのと、それと同時にさっきの風土がいつから悪くなったかというのにもこれ絡んでくるんですが、やはり単に08年度以降の話をするんではなくて、もう少しさかのぼって、あるいは昔から、創業来から風土が悪かったとは思いませんけども、やっぱりいつぐらいから悪くなったのかというとこまで、原因を究明しないといけないんじゃないかと思うんですが、それについても教えてください。


前田専務:今回、有価証券の、有価証券報告書の訂正期間ということでは、過年度は5年ということでございます。私共、今ご指摘ございました、よい企業風土を昔は持っていたとご指摘いただいてございますけども、そういうような企業風土につきましては、今、現状、企業風土について若干の問題があるというふうに第三者委員会は指摘いただいてございます。この点につきまして、今後、経営刷新委員会等々で改善をはかるということでございますので、昔の10年前、あるいはおっしゃられた20年前について、特に大きな問題があるということではないというふうに考えているということでございます。


質問者(10):ありがとうございます。


田中社長:追加でご説明させて。一方いわゆる会計処理のやり方といいますかルールといいますか、あるいは適用の仕方も、昔と比べると変わってきてます。工事進行基準案件1つを取っても10年前のルールといいますか、それと最近のルール、あるいはその適正性についてもかなり変わってきてると。そういったものをいかに最新のルール、あるいは解釈を適用して適正な会計処理が行えるようにするかという点についても、今回われわれ認識しておりますので、きちんと対応してまいりたいというふうに思っております。


司会者:よろしいですか。それではそちらの、うしろの男性の方、すいません。ええ、そちらの。


<続く>


(撮影:山本宏樹)


 

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