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出遅れた日本…「総合取引所化」世界で加速 国境越えて投資マネー争奪戦(SankeiBiz)
http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/831.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 7 月 19 日 00:07:01: igsppGRN/E9PQ
 

就任会見に臨む日本取引所グループの清田瞭CEO。総合取引所構想については実現の困難さを指摘するにとどまった=6月16日、東京証券取引所


出遅れた日本…「総合取引所化」世界で加速 国境越えて投資マネー争奪戦
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150717-00000000-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2015/7/18 08:15


 現物株の他に、商品先物を含めた幅広いデリバティブ(金融派生商品)も扱う総合取引所化の動きが世界の取引所で加速している。国境を越えた取引所間の合従連衡によって、多様な商品展開が可能になってきたことが背景にある。日本でも2007年に総合取引所構想が浮上し、実現に向けて監督官庁などで検討はされてきたものの、思惑の違いなどから具体化は遅々として進んでいない。このままでは時代の潮流に取り残され、海外との差は広がるばかりだ。

 「失望している。世界の代表的な取引所は総合取引所化が進んでいる。世界で当たり前のことが、どうして日本では実現していないのか」。こう憤るのは野村総合研究所の大崎貞和主席研究員。総合取引所構想を盛り込んだ報告書を政府の経済財政諮問会議で07年にまとめた作業部会の一員だ。「金融業界は変化が激しいのに長い時間をかけて検討してどうするのか」と疑問を呈する。

 総合取引所構想を実現する方法は大きく2つある。最も手っ取り早いのが、日本取引所グループ(JPX)に東京商品取引所(東商取)が合流するというものだ。約130年にわたってライバル関係にあった東京証券取引所と旧大阪証券取引所が統合して13年に発足したJPXは、現物株を東証、デリバティブを旧大証にあたる大阪取引所に集約した。東京、大阪の機能が明確に分かれたことで投資家が利用しやすくなったといえる。

 ただ、大阪取引所の扱うデリバティブは日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)、長期国債を対象にした先物などに限られている。同じデリバティブでも金などの貴金属、石油やゴム、農産物・砂糖といった商品先物は東商取が扱っており、JPXは幅広いデリバティブを包括的に扱えていない。総合取引所化に向けた動きにについて、当事者であるJPX最高経営責任者(CEO)の清田瞭(あきら)氏は6月16日の就任記者会見で「省庁横断的な問題もあり、簡単にはいかない」と語るにとどめた。

 清田氏が指摘した省庁横断的な問題とは、監督官庁の違いだ。JPXは金融庁、東商取は経済産業省と農林水産省の監督を受けている。13年に現商号に変更した東商取は、前身の東京工業品取引所時代から現在まで歴代トップは全て経産省OBが務め、同省の影響力が大きい。もう一つの方法は、JPXが傘下の大阪取引所で金や原油などの商品先物を独自に扱うというものだ。ただ、その場合も「経産省の同意は不可欠」(清田氏)となってくる。

 構想の実現について、清田氏は「経産省と金融庁、東商取、そしてJPXの4者できちっとした話ができない限りは…」と、もどかしそうに話す。もう一方の当事者である東商取も今年、6年ぶりにトップが交代した。経産省で大臣官房審議官を務めた新社長の浜田隆道氏は6月26日の就任記者会見で総合取引所構想について問われると「単に組織を一体化することが答えではない」と語り、JPXへの合流話には一定の距離を置く姿勢をみせた。

 海外で総合取引所化が進んできた背景には、現物株取引の手数料収入や取引高が世界的には低落傾向にあるとされるのに対し、高度な金融技術を駆使したデリバティブ取引は収益性が高く、伸びしろが大きい分野だからだ。取引所間の国際競争が激しさを増す中、巨額の投資マネーを呼び込むため、デリバティブを中心に総合取引所化を図る流れが加速している。典型例の一つが、米国の取引所大手インターコンチネンタル取引所(ICE)だ。設立は2000年と歴史は浅いが、デリバティブに強い取引所として知られ、合併を繰り返しながら業容を拡大させ、世界での存在感を高めてきた。

 ICEは、13年にはニューヨーク証券取引所を傘下に持つNYSEユーロネクストを買収。NYSEユーロネクストの方が収入規模が大きく歴史も長いだけに、当時は「小が大をのむ」と見る向きもあった。ICEはデリバティブに、NYSEユーロネクストは現物株に強いという特徴があり、現物株から商品先物などデリバティブまで投資が可能な巨大取引所グループが誕生した。ただ、ICEは現物株主体のユーロネクストを14年6月に分離・独立させた。

 アジアでも総合取引所化の取り組みが進んでいる。12年には香港取引所が世界最大の非鉄金属の取引所である英ロンドン金属取引所を買収。韓国やシンガポールでも商品先物やデリバティブを強化している。日本では第1次安倍晋三内閣の下で07年、経済財政諮問会議の作業部会がまとめた報告書を通じ、総合取引所の創設を提言。民主党政権下の12年にも「日本再生戦略」に盛り込まれ、同年9月には総合取引所構想を盛り込んだ改正金融商品取引法が成立した。第2次安倍内閣でも昨年6月に打ち出した「日本再興戦略」の改訂版に「総合取引所を可及的速やかに実現する」と明記し、今年6月に閣議決定した最新版で引き継がれた。ただ、実現の機運は高まっていない。

 JPXの清田氏は、取引所としての国際競争力や収益基盤を強化するための突破口の一つとして、デリバティブの強化を掲げている。米国先物業協会(FIA)によると、14年のデリバティブの取引高でJPXは世界15位にすぎず、世界首位の米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループの10分の1に満たない。「デリバティブで欠けている(金や原油などの)商品や金利、為替をメニューにどう加えていけばよいか、総合取引所への道筋を真摯(しんし)に検討していかねばならない」。清田氏はこう語り、総合取引所の必要性そのものは認めている。

 一方、東商取はコスト削減に向け、JPX傘下の大阪取引所が来年秋にも導入する新たな売買システムに相乗りし、共同利用する方針を決めている。「取引所同士の国際競争で最も中核となるのがシステムの力なのに、JPXにシステムを依存しながら組織として合流しないというのもおかしな話」といった批判も聞こえてくるが、東商取にとってはシステムの共同利用と合流はあくまで別問題という認識のようだ。

 もっとも、東商取には強気一辺倒では済まない事情がある。日本の商品先物市場は低迷が続いており、東商取の取引高も減少に歯止めがかからず、2014年度はピークの03年度に比べて約4分の1の水準に落ち込んだ。業者が個人に勧誘する際の規制が強化され、営業が難しくなったことが要因という。売買が低迷すれば収入も減る。14年度は連結決算で2年ぶりに最終黒字を確保したが、単独決算では7年連続の最終赤字となった。総合取引所構想が漂流する間に、東商取の経営は一段と苦しくなりかねない。

 IT技術の高度化や経済のグローバル化を背景に、海外の取引所は国境を越えて投資マネーの奪い合いを展開している。国際競争を生き残るために、日本に総合取引所が必要との声は少なくないが、足元では停滞感が否めない。欧米やアジアの強力な取引所にどう対抗するか。手をこまねいている余裕はない。(森田晶宏)

 

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コメント
 
1. 2015年7月19日 18:58:15 : AxHLMtGTIo
これ以上博打場の規模を大きくする必要なんてあるのか、グローバルとか言っても結局は世界中の市場でバクチをやりたいってだけのことだろう。
賭け事は資金量で勝負が決まる、ヘッジファンドなんて詐欺みたいな仕組みで金を膨らませて賭けて来るハイエナには勝てないんだから。

2. 2015年7月20日 09:16:05 : jpr15xFeDo

「出遅れた日本…「総合取引所化」世界で加速 国境越えて投資マネー争奪戦」

野村は奪われる側だから出遅れもへちまもない。


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