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危機・東芝、暴走を招いた“老害”経営陣の内部抗争 危険かつ無謀な経営の末路(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/813.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 7 月 18 日 01:13:46: igsppGRN/E9PQ
 

                     東芝の事業所(「Wikipedia」より/Waka77)


危機・東芝、暴走を招いた“老害”経営陣の内部抗争 危険かつ無謀な経営の末路
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10768.html
2015.07.18 Business Journal


 巨大企業の粉飾が今、その全貌を明らかにしようとしている。

 不適切会計問題で揺れる東芝の第三者委員会は、西田厚聰相談役、佐々木則夫副会長、田中久雄社長の歴代3社長に対する調査を進め、上層部の関与をすでに把握しており、佐々木氏と田中氏はすでに引責辞任の意向を固めたとも報じられている。

 東芝は経団連会長も輩出してきた日本を代表する総合電機メーカー。2003年には委員会設置会社にいち早く移行し、社外取締役制度も積極的に取り入れてきた、大手上場企業の中でもコーポレートガバナンスを推進するモデル企業のような存在だった。その東芝で経営陣主導による不適切会計が行われていたということになれば、日本のコーポレートガバナンスのあり方が根幹から崩れていく。日本取引所グループの清田瞭最高経営責任者(CEO)は「進捗や最大限の修正額を適時開示するよう再三お願いしている」と語る。
 その東芝で、いったい何があったのか。

■前代未聞の事態

 東芝の事件が発覚したきっかけは、証券取引等監視委員会への内部通報だった。2月12日には同委員会が同社を開示検査した。同社もまた3月下旬に独自調査で一部インフラ関連の工事で調査の必要性が判明したと発表し、4月3日には室町正志会長を委員長とした特別調査委員会を設置し調査を開始した。

 調査を進めていく中で、工事以外にも調査の必要な事項が判明したため、日本弁護士連合会の定めるガイドラインに従い5月8日、外部専門家による第三者委員会の設置を決定した。22日に具体的な調査対象として4つの会計処理を決定し、調査を開始したという。
 
 調査の対象となったのは(1)電力システム、社会インフラシステム、コミュニティーソリューションの3社内カンパニーの工事進行基準に関する会計処理、(2)映像事業における経費計上に関する会計処理、(3)ディスクリート、システムLSIを主とする半導体事業の在庫の評価に関する会計処理、(4)パソコン事業における部品取引等に関する会計処理の4つの不適切会計処理だ。東芝の中核事業のほとんどで不適切会計処理が行われていたということになる。

 一方で東芝側も第三者委員会の調査と並行して、東芝本体とその連結子会社584社の会計処理の適切性について09〜13年度分を調査し、12の案件で問題が判明した。定時株主総会に決算を上程できないことが判明すると、5月29日の取締役会で株主総会の開催を行うかどうかが検討され、「長期間総会が開かれないのは問題だ」(東芝広報担当者)という判断から株主総会の開催を決定した。

「東芝のような大手の上場企業が決算を上程できないまま総会を開くという事態は、これまで聞いたことがない」(東京証券取引所関係者)

 積極的に企業統治に関する最先端の制度を導入してきた東芝は、なぜ正常な内部統制が機能しなかったのか。

「『仏つくって魂入れず』ではないが、どんなに進んだコーポレートガバナンスの制度を導入しても、中身が日本固有のムラ社会的な体質のままで、実態は変わらない日本企業が多い」(経営コンサルタント)

■高リスクだった事業構造

 東芝の不適切会計のきっかけをつくったのは、西田社長時代だといわれている。

 西田氏は「10年遅れの新入社員」から社長に上り詰めた異色の経営者だ。東京大学大学院時代にイラン人女性と結婚、そのままイランに渡り、東芝と現地法人の合弁会社に就職。そこで才能が評価され、東芝に入社したのは31歳のとき。92年に東芝アメリカ情報システム社長に就任すると、業績不振だったパソコン事業を1年で立て直し、95年にはパソコン事業部長、03年に執行役専務に就任してからは赤字に転落したパソコン事業をわずか1年で黒字化、その手腕が当時の岡村正社長に買われて05年6月、社長に就任した。 

 社長就任後は積極戦略に舵を切り、06年には原子力事業の実質トップだった佐々木氏とともに米ウエスチングハウスの買収を成功させ、原子力発電プラントの世界3大メーカー入りを果たす。

 一方で、08年にはソニーのブルーレイとの戦いで劣勢に立たされたHD・DVD事業から撤退し、約1兆7000億円を投入してNANDフラッシュメモリ工場を建設。その後、原発事業と半導体事業が東芝の成長戦略の柱となっている。
 
「原発などのインフラ開発は、資金が長期間寝てしまうし、政治的なリスクやイベントリスクも大きい。半導体事業もボラティリティ(浮き沈み)の高い事業で、大きな資金を必要とする。そうしたリスクの高い事業を2つも抱えるというのは、極めて危険な構造といえる。例えば、米GEもボラティリティの高い事業を抱えているが、安定的なキャッシュフローを生む事業も抱えている。取締役会では当然、そうしたリスクが議論されるべきだが、十分に検討された形跡が見えない」(金融に詳しい経営コンサルタント)

 東芝の方向性を大きく変えたのはリーマンショック(08年)と東日本大震災(11年)だ。リーマンショックで半導体を中心とした電子デバイス部門、デジタルプロダクツ部門、家庭電器部門などの業績が大幅に悪化し、東芝は09年3月期、2329億円の営業赤字に転落。その年の7月、西田氏は責任を取るかたちで社長を退任して会長に就任した。

 後任社長には原子力事業のトップを務めていた佐々木氏が就任。西田氏の積極路線から構造改革路線に転換し、3000億円を上回る固定費の削減を行い、09年度にはV字回復を実現した。

■西田氏と佐々木氏の確執

 ところが西田氏と佐々木氏の蜜月は、いつまでも続かなかった。

 11年の東日本大震災による東京電力福島第一原発事故で日本中の原発が停止。東芝の原発事業も大打撃を受ける。

「これ以降、国内の原発はすべて停止し、新規の建設もなくなったため、国内の原発事業の収益はほとんどなくなってしまった。おそらく東芝はその原発事業の穴をインフラ関連事業全体で埋めるために、不適切会計に手を染めることになったのではないか」(大手総合電機メーカーに詳しい事情通)

 確かに11年以降、原発事業が大きく収益を落としているにもかかわらず、原発を含むインフラ事業全体としては相変わらず安定した収益をあげていた。

「東芝は事業部が一つの派閥になっており、会社全体の利益よりも事業部を守ることが優先されるような構図がある」(同社関係者)

 そして佐々木氏は、デジタルプロダクツ事業や電子デバイス事業を再編・統合し、社会インフラ事業へ経営資源をシフトすることで難局を打開しようとした。こうした動きに対し西田氏は、佐々木氏が自身の出身母体を守り、今後の事業の芽を摘んでいるとして、憤りを感じていたようだ。

 当時、西田氏は週刊誌の取材に応えて、「カットすべき無駄なコストはありますが、東芝の礎だったり、将来の成長の芽となる固定費もあります。それを4年間ずっと、削っていく。これでは将来の芽を摘んでいるのも同然です」と厳しく非難した。

 その後、佐々木氏は13年6月、社長退任に追い込まれ、副会長に棚上げされる。そして新たに社長に就任したのが、パソコン関連事業で西田氏の腹心として尽力してきた田中氏だった。西田氏は、田中氏の社長就任会見で、佐々木氏時代に2期連続減収が続いていることを問題視して「(新社長には)もう一度、東芝を成長軌道に乗せてほしい」と語っている。

「成長軌道に乗せられなければ、佐々木氏の二の舞いになる」――

 田中氏には、そんな思いがあったのではないか。本来なら財務基盤の強化をしなければならない状況の中で無謀な成長戦略を描き、自縄自縛に陥ってしまった。 

 東芝は14年3月期までの5年間にわたる利益減額修正幅は、1700〜2000億円になるとみられ、傷口はさらに大きく広がることが予想されている。今後は監査体制の抜本的な見直しと経営陣の刷新が求められる。取締役は半数以上が退任するとみられている。

 果たして東芝は、経営を刷新して生まれ変わることができるのか――。課題は山積している。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

 

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コメント
 
1. 2015年7月18日 07:43:17 : 5IfA1fveDg
BtoCコンシューマー相手出身の西田は悪くないっしょ。
一般消費者相手に商売やるって、きついんだから。
悪いのはBtoB官庁・大企業相手の、一度取れば大型案件で楽な商売やってた、
しかも原子力の佐々木じゃん。

でどうせこの先、切り捨てられるのは西田で、甘噛みされるのが佐々木という、
ダイエー等でいつも見慣れた日本の光景。
いっそのことBtoCとBtoBで分社化したらいい、商売への発想や取り組む
目線が全く違うんだから。

「個人が豊かになるから国が豊かになるのか、国が豊かになるから個人も豊かになるのか」
江戸の頃からすでに存在する商売の哲学の違い。


2. 2015年7月18日 08:14:58 : OkXopCDtCI
原発企業のWH社の株を買ったのが原因じゃないの。
粉飾決算して東芝の大株主は今頃真っ青。

原発が諸悪の根源。


3. 2015年7月18日 08:17:35 : N4qwxcBMP6
トヨタ役員は無罪放免、オリンパス経営陣は執行猶予付きの甘々な処置。

再発防止にはホリエモンのように実刑2年にすればよいだけのことだが、東芝に至っては未だに粉飾決算という言葉すら使わず不正会計で逃がしてやろうという魂胆が見え見え。

大企業の社長様が職を辞して社会的責任を何て罪を減じてるけど、これって法の下に平等って言えるのかな。

社長様は失職しても生活に困らないけど、貧乏人は生きていくのも大変になると思うけどね。

地元の専門学校で県の補助金の不正流用で逮捕された当時校長職の女経営者が、執行猶予明けに理事長職で復活して堂々と同友会にも出てるけど、金持ち天国だね。


4. 2015年7月18日 09:24:18 : wTHDGX3rTI
>>2
原子力しか知らない、佐々木っていう人物の商的発想だったら
事業の攻勢で、当然の選択だったんだろうね。

>>3
擁護する意見を良く見かける、ホリエモンは関係ないね。
ヤツは原子力擁護だし、ヒルズは自家発電してるのに矛盾してんだもの。
それであの程度でまだ収まってるとも見える。
ヤツの見習うべきものは、法とか上部ではなく、カネとの関係のその下種部分な態度だ。

しかし大企業といえども、いまどき同じノレンで幾つもの顔を
持ってるとかやってられないだろう。解決策は完全分社化しかないね。
その点でも、弱電特化のところは身軽だな。


5. 2015年7月18日 09:28:15 : 9Rl1jJIGHM
1さんの書かれる「いっそのことBtoCとBtoBで分社化したらいい。」のご意見、重要ですね。現在こそ「株式会社 東芝」と言うが、これは1985年に「東京芝浦電気」から社名変更した訳で、同社は1939年に東京電気と芝浦製作所が合併してできた会社。東京電気が弱電で、マツダ電球やマツダ真空管をつくっていた。芝浦製作所は重電で、電気機関車や変圧器などをつくっていた。

東京電気のマツダ電球の解説です。

マツダ (電球)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80_(%E9%9B%BB%E7%90%83)
●提携先のアメリカのゼネラル・エレクトリックのブランドだそうです。

国鉄EF53形電気機関車
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%89%84EF53%E5%BD%A2%E9%9B%BB%E6%B0%97%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8A

こちらは製造銘板です。主契約者が芝浦製作所で、日本鉄道省(JGR)向けに製作しました。車体部分を東京・江東区・南砂にあった汽車製造東京製作所で担当し、芝浦製作所は電気部分を製造しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%89%84EF53%E5%BD%A2%E9%9B%BB%E6%B0%97%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8A#/media/File:EF53_2.JPG

●もし東芝を弱電の東京電気と、重電の芝浦製作所に分割するとしたら、大赤字を出しているパソコン、半導体、テレビジョン受像機など、かつての東京電気の領域に相当するから、全部切り捨てになりそうです。以前にも書いたが、三重県内の巨大な半導体工場の建設に巨額の費用がかかっていることは間違いなく、これは売り飛ばすか閉鎖しかありませんね。半導体部門については、ライバルの日立、三菱電機は売り飛ばしました。

重電の芝浦製作所にしても、大問題なのが原発部門。ウェスティングハウスを買収したと言っても、同社は1980年代から切り売りを進めていて、同社は今や原子力部門しかない。原子力部門なんて誰も買わないから、売れ残りを東芝は買収したのです。世界最悪のアホとしか言いようがない。だから売ろうにも買い手がない。

買いそうな相手はいますよ。中国大陸の核工業集団。ここなら買うかもしれません。しかし利益を求めてはいけない。いらないんだから、1元で買い取ってもらうしかありません。自動車の世界でも、かつてBMWがイギリスの民族資本ローバー・カーズを売却した金額が1ポンドだったし、三菱自動車がオランダのネッド・カーを売却した金額も1ユーロです。

参考に中国核工業集団についての解説をリンクします。

中国核工業集団
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%A0%B8%E5%B7%A5%E6%A5%AD%E9%9B%86%E5%9B%A3


6. 2015年7月18日 09:44:40 : PQXJWdncjo
>>5
なるほどね。
東芝とは、元々異質の社内文化も全く違う組織の合体から始まってるんだ。
ここまで大きくなったのも、表に出てきた対象が今回は決算だったけれども
なるべくして起きたとも。
そしてどっちもいまやダメダメな事業体になってると。

だけど資本の集中の行き着く先でやることは、アメリカがそうであったように
投資銀行の設立しかない。資本集めたは、集めた資本で
いつまでもモノなんかチマチマ作ってて言いわけが無い、言い換えればカネを遊ばしてるとでも言おうか。
東芝はツーレイト・ツービックとして語り継がれる事になるのかもな。
それか原発頼り、大規模公共事業頼りで政府からの補助金や表裏の政治工作漬けの日産の二の舞になるのか・・・


7. 2015年7月18日 15:19:51 : LY52bYZiZQ
証券監視委、東芝への課徴金勧告を視野に検査本格化へ=関係筋
2015年 07月 18日 11:01 JST
・・http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKCN0PS02620150718&channelName=topNews#a=1
1 of 1[Full Size]
[東京 18日 ロイター] - 証券取引等監視委員会は、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)に対する課徴金納付命令を金融庁に勧告することを視野に、検査を本格化する。関係筋が18日、明らかにした。

東芝の不適切会計問題で調査を進めていた第三者委員会が20日に報告書を提出することを受け、監視委は本格的な検査に乗り出す。20日夜、担当部局が報告書の分析に着手する。

今後、報告書に加え、東芝が提出する訂正有価証券報告書なども検査し、過去の有価証券報告書の虚偽記載の内容や利益の修正規模、虚偽記載に至った経緯を精査する。

同委員会関係者は「個別事案へのコメントは差し控える」と述べた。

今回の問題は監視委への内部通報がきっかけだった。今年2月には監視委が東芝に対し、金融商品取引法にもとづく報告命令を出していた。

*カテゴリーを追加しました。


(和田崇彦 編集:田巻一彦)

・・http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PS02620150718?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29


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