★阿修羅♪ > 経世済民98 > 809.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
グロース氏が解き明かす、イエレン議長が利上げに固執する謎 債券トレーダー楽観的 米物価前月比0.3%上昇 集合住宅大幅増
http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/809.html
投稿者 rei 日時 2015 年 7 月 18 日 00:23:13: tW6yLih8JvEfw
 

グロース氏が解き明かす、イエレン議長が利上げに固執する謎
2015/07/17 06:30 JST

【コラムニスト:Noah Smith】  (ブルームバーグ・ビュー):中国株式市場は急落、ギリシャはデフォルト(債務不履行)の瀬戸際に追い込まれ、ユーロは不安定、米経済データは弱く、インフレ率は目標水準を下回る。この状況で連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げ軌道を維持するのは、いったいどういうことなのか。利上げは普通、過熱する経済を減速させるためのものなのに。

以下のイエレン議長による10日の発言によると、米利上げは差し迫っている。

「フェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上げへ最初の一歩を踏み出し、金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える」  「しかしながら強調しておきたいのは、経済とインフレがたどる道筋は依然としてかなり不透明であり、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」

なぜ、こうなるのだろうか。かつてパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で「ボンドキング」の異名をとったビル・グロース氏には分かっている。本質的にFOMCというものは、低金利がなくても米経済が機能できることを証明するためだけに金利を引き上げなくてはならない、というのがグロース氏の理論だ。
グロース氏の理論はもっともだ。FOMCが利上げのタイミングを見計ろうとしている現在、経済学の世界でははるかに理論的な議論が展開されている。論題は「中央銀行による政策金利の恒久的固定とその結果」だ。

この論題には昔から、マクロ経済学の主流派である新ケインズ派が回答を出している。つまり経済は不安定になるというものだ。FOMCが低い水準で金利を固定すれば、制御不能なインフレを招く。また高過ぎる水準で金利を固定すれば、経済は急激に悪化し制御不能なデフレを招く。

新フィッシャー派

考えてみれば、それほど突飛なことではない。金利は借り入れの価格であるから、金利の固定は物価コントロールに相当する。政府が市場における価格を恒久的に固定したいと考えるならば、いずれは市場に歪みが生じる、あるいは市場が機能しなくなるのは避けられない。

もし経済が爆発的に悪化しないとすれば、どうだろう。何が起きるだろうか。シカゴ大学のジョン・コクラン教授を含むマクロ経済学の少数派は、金利を恒久的に固定すれば、インフレ率がいずれ金利と同じ方向に動くようになると主張する。言い換えれば、FOMCが低金利を恒久的に維持すれば、インフレ率はいずれ低下し、低いままになる。新フィッシャー派(フィッシャー方程式への依存からそう呼ばれる)のこうした考え方は、私たちの頭にある金融政策についての知識すべてをひっくり返すものだ。低金利が高インフレではなく、低インフレを引き起こすのならば、FOMCをはじめ世界の中央銀行すべてが間違った政策を講じていることになる。

この理論は全米経済研究所(NBER)のサマー研究所で、マイケル・ウッドフォード教授(コロンビア大学)から厳しく反論された。金融エコノミストとして強力な影響力を持つウッドフォード氏は、新フィッシャー派がなぜ間違っているのか自身の考えを説明した。

ウッドフォード氏の論理は基本的にこうだ。新フィッシャー派が拠り所にしているのは、人間が経済について極端なまでの合理性を持ち、いくらでも正確な計算が可能だという考えだ。従って人間の情報処理能力にほんの些細なほころびがあり、完全ではないとなれば、新フィッシャー派が主張する結果は反転し、FOMCが金利を恒久的に維持するのはあり得ないということになる。

コクラン氏はこの反論に黙ってはいないだろう。多くのマクロ経済学者と同様、コクラン氏も完全なまでに合理的で、どこまでも知的な予想こそマクロ経済が進む唯一の道だと信じている。しかし大半の人々は恐らく、経済はどこまでも知的なものではなく、どこまでも合理的でもないと考えている。

どれも悪い結果に

いずれにせよ、この学術的論争はゼロ金利解除を切望するFOMCの心中を思い計る上で新たな視点を与えてくれるだろう。実際のところ、金利を恒久的に一定水準に固定すれば何が起きるのか、分かっていない。新フィッシャー派が正しければ恒久的な低インフレ、もしくは日本が20年も経験したデフレが到来する。一方、ウッドフォード氏や新ケインズ派が正しければ爆発的なインフレが発生する。どれも悪い結果だ。

だからFOMCはどちらが正しいか見極めようとはしていない。米金融当局者らはむしろ、金利をプラス圏に動かせばどちらの方向にも動かす余地が生じるので都合が良いと考えているのではないだろうか。つまり、グロース氏のFOMC解釈は全然突飛なものではないようだ。

(このコラムの内容はブルームバーグや同社オーナー、編集部の意見を反映したものではなく、スミス氏自身の見解です)

原題:Bill Gross Gets Inside Fed’s Head on Rate Increase: Noah Smith(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先: Columnist Noah Smith nsmith150@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Greiff jgreiff@bloomberg.net
更新日時: 2015/07/17 06:30 JST

債券トレーダーに「100万ドルの質問」−何でそんなに楽観的?
2015/07/15 16:16 JST

  (ブルームバーグ):債券トレーダーは他の市場参加者の知らない何を知っていて、世界経済をついてこれほど楽観的なのだろうか。バンク・オブ・アメリカ(BOA)の金利・通貨グローバル責任者のデービッド・ウー氏は、これが不思議でならない。

債券投資家は米経済がほぼ利上げに耐えられる程度に強いと考え、長期の米国債を売っている。ドイツの10年債も、欧州中央銀行(ECB)の購入にもかかわらず、量的緩和(QE)開始時点よりも利回りが上昇(価格は下落)している。

要するに、世界は激しい勢いで債券を売っている。ウー氏によればこの結果、主要市場の10年債利回りは4−6月(第2四半期)に、2013年のいわゆる「テーパー・タントラム」以来で最大の上昇となった。

ウー氏は13日のリポートで、最近の債券売りと実質利回り上昇は「金利市場が世界の成長について楽観を増していることを示唆する」が、その楽観が妥当なものかどうかが「100万ドルの質問」だと記述した。

モルガン・スタンレー とJPモルガン・チェース、クレディ・スイス・グループのエコノミストらは、世界経済の成長が7−12月(下期)に加速すると考えているので、トレーダーらは理にかなった取引をしているということになるのだろう。

しかしウー氏は不安を感じる。全ての市場が債券市場と同じような景気への楽観論を示唆しているわけではないからだ。顕著なのが運輸セクターだ。このセクターは世界的な需要の強さに連動している。

ウー氏によれば、中国のコンテナ船運賃の指数は今年に入って40%低下しユーロ圏債務危機さなかの12年に付けた底よりもさらに低い。トラック輸送業者の景況感を示すBOAの指数も低下しつつある。米鉄道株も約20%下落。
「つまり、運輸関連の市場は世界の貿易の伸びが弱いということを示している」と、ウー氏は「どちらを信じるか」と題したリポートで指摘した。

そればかりではなく、ロンドン金属取引所(LME)では先週、ニッケルと銅、アルミニウムが6年ぶりの安値となった。ドイツ銀行のアナリストらは先週、「われわれが今、世界の成長減速のさなかにあるかのように誰でも思うところだ」とコメントした。

原題:Bond Traders Face ‘Million Dollar Question’ on Global Growth Bet(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net Zoe Schneeweiss, Paul Gordon
更新日時: 2015/07/15 16:16 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRHH0ZSYF01U01.html

米消費者物価指数:6月は前月比0.3%上昇−家賃が伸びる
2015/07/17 23:26 JST

  (ブルームバーグ):米国の消費者物価は5カ月連続で上昇した。6月は家賃の上昇が特に目立った。
米労働省の17日発表によると、6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.3%上昇。伸びはブルームバーグがまとめたエコノミスト81人の予想の中央値と一致した。前月は0.4%上昇だった。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スウィート氏は「ディスインフレ圧力はかなり速いペースで後退しつつある」と指摘。今回の統計内容を受けて金融当局は「インフレ率が中期的に目標に近づいていくとの自信を強めるだろう」と続けた。

CPIは前年比では0.1%上昇と、昨年12月以降で初めてプラスとなった。 

食品とエネルギーを除くCPIコア指数 は前月比0.2%上昇。前年比では1.8%上昇した。 
家賃は前月比0.4%上昇と、伸びは2013年8月以来で最大。持ち家の所有者が賃貸料を得ていると仮定した計算上の家賃である帰属家賃も0.4%上昇で、06年10月以来の大幅な伸びとなった。

統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Consumer Prices in U.S. Rose in June, Paced by Higher Rents (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Michelle Jamrisko mjamrisko@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net
更新日時: 2015/07/17 23:26 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRMXQ1SYF01Y01.html


6月の米住宅着工件数:集合住宅が大幅増加、一戸建ては小幅減
2015/07/17 23:27 JST

  (ブルームバーグ):6月の米住宅着工件数は前月比で増加、2007年11月以来で2番目に高い水準となった。集合住宅が好調だった。

米商務省が17日発表した6月の住宅着工件数 (季節調整済み、年率換算、以下同じ)は前月比9.8%増の117万戸。前月は107万戸と、速報値の104万戸から上方修正された。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は111万戸だった。

ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのチーフエコノミスト、ルイス・アレキサンダー氏は「かなり良好な結果だ」と述べ、「特に若者を中心に雇用の伸びも堅調で金利も低い、信用基準もいくらか緩和された。こうした一連の要素が住宅着工に貢献している」と続けた。   

集合住宅の着工件数は29.4%増と急伸。前月は16.9%の減少だった。一戸建ての着工件数は68万5000戸と、前月の69万1000戸から若干、減少した。

地域別では全米4地域のうち3地域で一戸建ての着工件数が減少。北東部は27.3%減、西部は7.1%減少した。
着工件数の先行指標となる住宅建設許可件数は7.4%増の134万件と、2007年7月以来の最高。市場予想では115万戸への減少だった。一戸建ての許可件数は68万7000戸と、2008年1月以来の高水準。集合住宅は15.3%増加した。
統計の詳細は表をご覧ください。

関連ニュースと情報:トップストーリー:TOP JK<GO>海外トップニュースの日本語画面: TOP JI<GO>米住宅着工件数の推移グラフ {<a href='custom:custom:custom:custom:bloomberg:NHSPSTOT (Index) GP'>NHSPSTOT <Index> GP <GO></a>}米住宅建設許可件数の推移グラフ {<a href='custom:custom:custom:custom:bloomberg:NHSPATOT (Index) GP'>NHSPATOT <Index> GP <GO></a>}米住宅着工件数の関連ティッカー {<a href='custom:custom:custom:custom:bloomberg:ALLX NHSP'>ALLX NHSP <GO></a>}米住宅着工件数のその他の関連データ {<a href='custom:custom:custom:custom:bloomberg:HSST'>HSST <GO></a>}
原題:Housing Starts in U.S. Climb on Surge in Apartment Building (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Victoria Stilwell vstilwell1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net Vince Golle
更新日時: 2015/07/17 23:27 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRMWWYSYF01V01.html

メルケル独首相、ギリシャ支援で議会の承認確保−119人が反対
2015/07/17 22:05 JST

  (ブルームバーグ):ドイツのメルケル首相は17日、第3次ギリシャ救済プログラムの交渉を開始する承認を議会から得た。採決に先立つ演説では、交渉への道を閉ざすことは無鉄砲であり混沌をもたらすと警告した。
首相は通貨同盟への脅威を除くため、与党会派内でも増えつつある反対派を抑え込んだ。連邦議会(下院)の採決では439人が賛成、119人が反対票を投じ、40人が棄権した。

「ギリシャを確実にユーロ圏にとどめるために取り組んでいる。なぜなら、ユーロは通貨以上の存在だからだ。懸かっている問題はギリシャだけではない」と、メルケル首相はその重要性を訴えていた。

原題:Merkel Wins Greek Aid Backing by Lawmakers After ‘Chaos’ Warning(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ベルリン Patrick Donahue pdonahue1@bloomberg.net;ベルリン Rainer Buergin rbuergin1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Alan Crawford acrawford6@bloomberg.net Tony Czuczka, Eddie Buckle
更新日時: 2015/07/17 22:05 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRMUD66KLVRM01.html


アテネ郊外で山火事、内閣改造も考えるチプラス首相は大忙し
2015/07/17 21:54 JST

  (ブルームバーグ):アテネ郊外とギリシャ南部で山火事が発生し、近く内閣を改造するとみられるチプラス首相が消火活動を監督するため国防省に駆けつけた。
国営のERTテレビはアテネ郊外の山火事の中心部でカナデア機が消火に当たっている映像を生中継した。火は民家のある地区に達し、アテネの南側の郊外には強い風が煙を吹き付けている。
ギリシャ議会は救済条件となっていた緊縮法案可決を16日未明に行ったが、チプラス首相が率いる急進左派連合(SYRIZA)から40議員ほどが造反し、首相は一部閣僚を更迭する見込み。
原題:Greece Blazes Keep Tsipras Busy Ahead of Possible Cabinet Change(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:アテネ Eleni Chrepa echrepa@bloomberg.net;アテネ Paul Tugwell ptugwell1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jerrold Colten jcolten@bloomberg.net Marco Bertacche
更新日時: 2015/07/17 21:54 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRMT2T6KLVR801.html
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年7月18日 00:26:57 : jXbiWWJBCA
米7月ミシガン大消費者信頼感は93.3に低下、市場予想下回る
2015年 07月 17日 23:49 JST
[ニューヨーク 17日 ロイター] - ロイター/ミシガン大学が17日発表した7月の米消費者信頼感指数(速報値)は93.3と、6月確報値の96.1から低下した。市場予想の96.1を下回った。

景気現況指数は106.0と6月の108.9から低下した。市場予想の97.2は上回った。

消費者期待指数は85.2で、6月の87.8から低下。市場予想の87.0も下回った。

1年先の期待インフレ率は2.8%で6月の2.7%から上昇。5─10年先の期待インフレ率は2.7%と6月の2.6%から上昇した。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PR1N920150717

米6月CPIは5カ月連続プラス、年内利上げ後押し
2015年 07月 17日 23:41 JST
[ワシントン 17日 ロイター] - 米労働省が17日発表した6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.3%上昇し、5カ月連続のプラスとなった。ガソリンを含む幅広い項目が値上がりした。物価上昇圧力が強まっていることを示すさらなる兆しとして、年内の利上げを後押しする内容だった。

前年同月比は0.1%上昇。昨年12月以来、初めてプラス圏に入った。市場予想も0.1%の上昇だった。前月比、前年同月比ともに市場予想と一致した。5月は前月比が0.4%上昇、前年同月比は横ばいだった。

6月は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIが前月比で0.2%上昇した。ドル高の影響で基調的なインフレ圧力は抑制されている。5月は0.1%の上昇だった。コアCPIの前年同月比は1.8%上がった。5月は1.7%の上昇だった。

品目別の動向は、ガソリン価格が3.4%上昇した。5月は10.4%の急騰だった。食品は0.3%上昇し、昨年9月以来の大幅な伸びとなった。一部の地域で鳥インフルエンザが流行して卵が品不足になっており、食品価格を押し上げている。卵の価格は18.3%の大幅な値上がりで、1973年8月以来の大幅な上昇率だった。

家賃は0.4%値上がりし、2013年8月以来の大幅上昇となった。労働市場の引き締まりつつあることから独立して家計を構える人が増え、賃貸住宅の空室率は22年ぶりの低水準にある。家賃は今後も上昇することが見込まれる。

このほか、娯楽費や新車、タバコ、航空費、日用品が値上がりした。一方、衣類や医療費、中古車、家庭用品は値下がりした。

原油安によるディスインフレ傾向は終わりつつあるようだ。15日発表の6月の卸売物価指数(PPI)も2カ月連続のプラスとなった。

米連邦準備理事会(FRB)は物価上昇率の目標を2%としている。

物価上昇圧力の強まりは、労働市場の引き締まりと住宅市場の加速は、物価目標の達成が近づいているとの確信をFRBに与える可能性がある。イエレンFRB議長は今週、6年以上にわたってゼロ近辺に据え置いてきた短期金利を年内に上げる意向を示した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PR1M520150717


英経済の緩みがなくなれば利上げが適切=カーニー中銀総裁
2015年 07月 17日 20:57 JST
[ロンドン 17日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は、国内経済の緩みがなくなれば利上げが適切との見解を示した。リンカンシャー・エコーとのインタビューで同総裁は、利上げについて事前に決定した計画があるわけではないとしたが、利上げ時期は近づきつつあると指摘。

「労働市場の緩みがなくなり、景気が引き続き拡大するなか、緩やかで妥当な金利調整が適切で、インフレは目標付近にとどまることになる」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PR19D20150717


2. 2015年7月18日 00:28:09 : jXbiWWJBCA

消費者物価の新基準案にコンビニコーヒーなど、家賃の品質調整が争点
2015年 07月 17日 18:42 JST
[東京 17日 ロイター] - 総務省は17日、5年ごとに見直している消費者物価指数(CPI)の2015年度基準案を公表した。8月までにパブリックコメントを募り、2016年8月から公表する同年7月分以降採用する。

過去2回の基準改定では、値下がりの激しい家電製品の影響で指数が事実上下方改定されたが、現時点では大幅な下方・上方改定の可能性は少ないとみられている。一方、CPIの上方修正につながる家賃の品質調整の是非が政府の統計委員会で議論されており、動向が注目される。

総務省では指数がその時々の経済情勢を適切に反映するように、家計の支出が増えた品目を加え、支出の減った品目を廃止している。調査対象に追加するのはデコポンやコンビニコーヒー、豆乳、補聴器など33品目。逆に廃止するのはお子様ランチや筆入れ、レモン、ワイングラスなど32品目。

また、航空運賃や携帯電話など料金体系の複雑なサービスについて、典型的な利用事例を反映するよう採用価格の算出方法を精緻化した。

今後は今年10─12月の家計調査で各品目の支出状況から品目が指数に占める比重を確定する予定。比重が高まるとみられるのがリフォームや電気代、逆に比重が下がるのはテレビなど。このため、電気代の上下で今までよりも指数が大きく振れる可能性がある。

このところ価格が反転傾向にあるテレビは、比重が小さくなることで指数を押し上げる効果が小さくなるが、デフレ期のように指数を押し下げる可能性も小さくなる。

現在、内閣府の統計委員会では、家賃についてもパソコンなどと同様に経年劣化を反映するよう品質調整を施すべきとの要望が出ている。実施されれば0.1ポイント程度の押し上げ効果があるとの試算もある。総務省側は現時点で慎重なため、今後の議論が注目されている。


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PR0W720150717

焦点:意識される「原油安が円安支援」の構図、日銀追加緩和の思惑
2015年 07月 17日 18:52 JST
[東京 17日 ロイター] - 原油安が円安の追い風になりそうだ。イラン核協議の合意や中国経済の減速懸念などで原油価格が低迷すれば物価上昇を阻害する要因にもなるため、市場で日銀に対する追加緩和期待が高まりやすく、結果として円安の支援材料となる。

一方で、以前のような「逆オイルショック」が新興国で拡大すればリスクオフが広がり、原油とドル/円の逆相関関係が崩れるとの警戒もある。

<核合意で動き出すイラン>

イランと西側諸国は、同国が核開発を制限する代わりに経済制裁を解除することで最終合意した。制裁解除までどの程度の時を要するかは不明だが、核合意の実行確認後になるため、イランがその恩恵をフルに受けるのは来年以降になるとみられる。

イラン石油相は、制裁解除後6─7カ月以内に原油生産を日量100万バレル増加させ、原油輸出市場でシェア回復を目指すと繰り返し発言しており、原油供給量の増加は必至との見方が多い。それを織り込み米原油先物CLc1の上値は重くなっており、足元は1バレル=51ドルを挟む水準で推移している。

外為市場が注目するのは、原油価格が金融政策にどのような影響を及ぼすかだ。日銀の黒田東彦総裁は、昨年10月31日に決めた追加緩和「黒田バズーカ2」を、原油価格下落による期待インフレ率の低下を未然に防ぐため、と説明している。このロジックを厳守するなら、原油価格が下落してくれば、市場で日銀が追加緩和に踏み切るとの観測も出やすい。

<追加緩和、一段の原油下落なら注目点に>

日銀は、今月15日に展望リポートの中間評価を発表し、原油の想定価格を引き下げた。足元の市場では追加緩和観測は盛り上がっていないものの、今後、原油価格の下落が想定の範囲に収まらず、日銀の経済見通しの前提が崩れる可能性もゼロではない。

クレディ・アグリコル銀行・エグゼクティブディレクター、斎藤裕司氏は「株価暴落の影響で中国では、7月以降に消費が減速することも考えられる。そこにイランの話題も追加で出てくる」と指摘。「原油価格の50ドル割れは十分考えられる。市場で日銀に対する政策出動の期待感が、もう一度高まるかもしれない」と話す。

第一生命経済研究所・首席エコノミスト、熊野英生氏も、原油価格が50ドル台で横ばいを続ければ、エネルギー価格が要因となって消費者物価は上昇しにくくなるとみている。それが「期待インフレ率の低下につながれば、追加緩和する可能性も捨て切れない」という。

おりしも、日本では安全保障関連法制の審議が進められ、世論調査では安倍晋三政権の不支持率が支持率を上回る結果も複数出てきた。

不人気の政策を推し進める際には、セットで経済対策が取られるとの思惑から、来年の参院選の前に株価引き上げに動くのではないかとの見方も出ている。「追加緩和の手段が限られてきた日銀は、ETF(上場投資信託)の購入規模拡大などを検討するのではないか」(国内金融機関)との観測も出ている。

<資源安─ドル高の基本シナリオ、リスクは需要減退>

米国では、エネルギー価格の下落によって浮いた資金の大半を、貯蓄でなく消費に回す基調が顕著だ。そのことが米株式市場への追い風になりやすい。外為市場では、資源国通貨売り/ドル買いの動きに加え、原油安─米株高─ドル高との連想から、ドルが買い進まれやすい

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が、米国の年内利上げをあらためて意識させたこともあり、資源国通貨の安さが目立っている。16日には、カナダドル、豪ドルなどが対米ドルで09年以来の安値圏となった。

そのドル高の構図を崩すリスクとして懸念されるのは、原油価格下落の要因が需要サイドに切り替わることだ。

将来的な原油価格の下落は供給側の動き次第とみられているが、その要因が欧州や中国などでの需要減退に変われば、リスクオフが広がり、原油とドル/円の逆相関関係が逆転。原油安でもドル安/円高が進むというシナリオの実現性出てくる。

目先は、米国が利上げに踏み切れるのかという懸念も出てきそうだ。今年に入って米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを決断できなかったのは「労働市場もさることながら、インフレ見通しに自信を持てないということもあった。1バレル40ドル台に突っ込むと利上げができない。そうすると短期金利が上がらずにドル安になる」(国内証券)との見方も出ていた。

今後、原油価格が世界経済の先行きを決める重要なファクターとして一段と注目されそうだ。

(杉山健太郎 編集:田巻一彦)


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PR0WP20150717
 


コラム:ギリシャ・中国懸念後退でドル130円へ再始動=鈴木健吾氏
2015年 07月 17日 14:05 JST
鈴木健吾 みずほ証券 チーフFXストラテジスト

[東京 17日] - ドル円相場はここ数年、年終盤から翌年序盤にかけてドル高・円安方向に動意を強める展開がみられるが、今年も同様の素地が徐々に整いつつあるようだ。

6月16日配信の本コラム(here)でも「1ドル=130円方向を目指す展開がメインシナリオ」とした通り、筆者はかねてより年内のドル高円安基調を予想してきたが、「そうならないとしたら、どのような場合か」との質問もよくいただく。

これに対しては「ギリシャ問題が欧州周辺国に飛び火し、債務危機が再燃した場合」と「中国で株価や地価が無秩序に急落し、深刻なバブル崩壊が起きた場合」をリスクシナリオとして挙げてきた。6月半ば以降、くしくもギリシャ危機の高まりと中国株の乱高下がほぼ同時に起こり、場合によってはシナリオの大幅な変更も余儀なくされる可能性もあったが、いずれの混乱も落ち着きつつある。

<「次のギリシャ問題」は先の話>

7月12日から翌日にかけ17時間にわたって行われたユーロ圏首脳会議は、全会一致でギリシャ支援の継続で合意した。財政改革の一部法制化を条件に、ギリシャに対する第3次金融支援として、欧州安定メカニズム(ESM)などが今後3年にわたり最大860億ユーロ程度を支援する。

最終的にはギリシャ側が全面譲歩した形となり、チプラス政権の地盤沈下は避けられないだろう。15日が期限となっていた改革案の法制化は野党の賛成もあって可決したが、政権の求心力低下が今後、解散総選挙を含め政治的混乱につながる可能性は残る。

ただ、それ以上に重要なのは、第3次金融支援が行われる今後3年間のうちに「ギリシャが財政改革を進めること」と「ユーロ圏の財政政策統一を議論のテーブルに乗せること」だろう。ギリシャが自らの改革を推進することはもちろん重要だが、ユーロ圏としての財政の仕組みの改革にも着手できるかはそれ以上に重要だ。

そもそもユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)が域内の金融政策を統一して行うため、その政策は平均的なものとなりやすい。すると、景気の良い国には緩和的で景気はより加速し、悪い国にとっては引き締め的で景気はより減速するという、二極化傾向を生む。財政政策が統一されていれば、景気の良い地域で納められた税金を悪い地域に分配することで景気の平準化を図ることができるが、ユーロ圏では財政政策が統一されていない。

今回の支援策が機能しているうちにこの財政の問題をテーブルに乗せることは非常に重要であり、現状のまま行けば、また必ず「次のギリシャ問題」が起こる可能性が高い。ただ、それは少なくとも2015年ではないだろう。年内の「ギリシャ問題」は早晩収束に向かうとみられる。

<中国政府は株価急落を放置できない>

中国株式市場の乱高下も世界の金融市場に冷や水を浴びせた。中国の株式市場はその約8割が個人投資家であり、外国人投資家や機関投資家はほぼ締め出された状態にある。新興企業が上場する創業板の株価収益率(PER)は一時100倍を超える水準まで買われるなど、明らかに「素人によるバブル相場」の様相をみせていた。

つまり、中国株の下落はある程度想定されていたとも言える。それでも今回の乱高下が海外の金融市場に影響を及ぼしたのは、政府による矢継ぎ早の株価支援策発表にもかかわらず、株式市場がなかなか下げ止まらなかったことに対する恐怖感があったように思える。

だが、中国政府は株が下げ止まるまで対策を続けそうだ。一帯一路(新シルクロード)構想をはじめ政府の意向一つでいくらでも需要創出が可能なシステムであることや、約50カ国を集めて調印式を行ったアジアインフラ投資銀行(AIIB)を主導した立場もあろう。

株価や景気の下支えに失敗すれば、民衆の矛先が共産党政権に向かう可能性もあるなかで、株価対策は政府にとって非常に重要であり、これが下げ止まるまで対策を講じ続け、結果として早晩市場は落ち着きを取り戻すとみられる。

<ドル円上昇のエンジンは健在>

このように、ドル高円安を阻害する可能性のあった2つの混乱の芽が摘まれてしまえば、次に市場が注目するのは米連邦準備理事会(FRB)による利上げとなろう。イエレンFRB議長が15日の議会証言でも「今年のどこかで利上げ開始が適切」と発言し、もはや市場の注目は「年内にあるか否か」ではなく、「9月か12月か」といった印象を受ける。

昨年末から今年前半に天候要因などから減速した米経済は、循環的な回復傾向を示す可能性が高いとみており、8月にかけては9月利上げ説が強まる場面もあるだろう。

一方で、日銀は15日の金融政策決定会合で政策を据え置いた。消費者物価上昇率は現状0%程度としつつも、2%の物価安定の目標は維持し、黒田総裁は「2016年度前半頃に物価上昇率は2%に達する可能性が高い」と達成時期にも変更はない。

しかし、見通し策定のための原油価格(ドバイ)の前提は「1バレル60ドルを出発点に見通し期間の終盤にかけて70ドル程度に緩やかに上昇していく」としており、足元の1バレル55ドル台は出発点にも達していない。

黒田総裁は、原油価格の大幅な変動で人々の物価観(予想インフレ率)も影響を受けるなら「必要に応じて政策を調整する」とも発言した。物価目標の達成期限である2016年9月(=16年度前半の終わり)まで1年を切る10月の金融政策決定会合では展望レポートが公表されるが、このタイミングで消費者物価上昇率が0%程度で推移していた場合には追加緩和圧力が強まるだろう。直近20年間で(消費増税の影響を除き)1年間の消費者物価上昇率が2%を超えて変動したのは2007年の原油価格急上昇と翌2008年のリーマンショック後の急激な景気悪化の時だけだ。

このような米国の利上げ期待と日銀の追加緩和期待は、ドル円を押し上げるエンジンとして分かりやすく機能しよう。したがって、年終盤に向けて1ドル=130円方向への上昇圧力を強める展開になるとのドル円のメインシナリオに変更の必要はないと考える。

*鈴木健吾氏は、みずほ証券・投資情報部のチーフFXストラテジスト。明治大学経営学修士。証券会社や銀行で為替関連業務を経験後、約10年におよぶプロップディーラー業務を経て、2012年より現職。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKCN0PR06720150717


3. 2015年7月18日 00:30:34 : jXbiWWJBCA
ユーロ圏インフレ率、QE後も数年目標に達しない見通し=ECB
2015年 07月 17日 19:08 JST
[フランクフルト 17日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が17日公表した専門家予測調査(SPF)によると、量的緩和(QE)にもかかわらず、ユーロ圏のインフレ率は今後数年間、ECBの目標値未満にとどまる見通し。

ECBは3月に物価押し上げのため、毎月600億ユーロ(660億ドル)規模の資産買い入れプログラムを開始。インフレ率は2017年までに1.8%まで上昇すると予想していた。

だが今回の調査によると、17年時点のインフレ率見通しは1.6%と3カ月前の予想から変わっておらず、「2%を小幅下回る水準」というECBの目標を下回る見込みだという。

今年のインフレ見通しについては、前回予想の0.1%から0.2%へ上方修正した。来年については1.3%と、前回予想の1.2%から引き上げた。


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PR0Z020150717


 独議会、ギリシャ支援交渉開始を賛成多数で承認
2015年 07月 17日 21:46 JST
[ベルリン 17日 ロイター] - ドイツ連邦議会は17日、ギリシャに対する第3次支援策の交渉開始の可否の採決を行い、賛成多数で承認した。

採決結果は、賛成439、反対119、棄権40。反対票の数は2月に対ギリシャ第2次支援の延長の是非が採決された際の32より多かった。


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PR1D320150717


4. 2015年7月18日 00:40:32 : jXbiWWJBCA

コラム:ギリシャに「追い貸し」を続けるのか=上野泰也氏
2015年 07月 17日 17:32 JST
上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

[東京 17日] - 12日にブリュッセルで開催されたユーロ圏首脳会議は、ギリシャのチプラス首相と独仏首相らの個別会談を交えつつ約17時間にわたるロングランの討議となり、日付が13日に変わってから支援プログラムを開始することで基本合意が成立した。

金融支援の規模は3年間で820―860億ユーロの見込みで、欧州安定メカニズム(ESM)が活用される。

ギリシャ議会は財政再建策の一部を15日に賛成多数で可決した。その他の国で必要な議会承認手続きが終わった後、ユーロ圏の財務相が正式に支援協議を開始する。ドイツ連邦議会(下院)は17日にギリシャ支援交渉開始を認めるかどうかを審議・採決する。

ギリシャが求めていた債務の棒引き(債務減免)は、欧州連合(EU)条約の禁止規定に抵触することもあり、行われない。だが、ギリシャの改革に関する最初の審査後に必要と認められれば融資期限の延長など(債務再編)をユーロ圏は議論する用意があると、メルケル独首相は述べた。

ユーロ圏からのギリシャ離脱という最悪のシナリオは、やはり回避された。仮にそうした流れに入ることを首脳会議で決断してしまうと、通貨統合の政治的求心力が低下するうえに、通貨統合は不可逆的なプロセスであり、出たり入ったりするものではないという従来の常識が覆されて、南欧諸国の反EU政党を勢いづけてしまいかねなかった。

ギリシャ問題がここまでもつれたのは、ユーロ圏との協議を突然打ち切って緊縮策の是非を問う国民投票に打って出たチプラス首相のアクロバティックな政治手法に対し、欧州の政界で最も重要なキーパーソンであるメルケル独首相が強い不信感を抱いたからだろう。報道によれば、メルケル首相は首脳会議が始まる直前、「最も重要である信頼が失われてしまった。それは、厳しい協議になることを意味する」と述べていた。

また、ドイツの大連立政権で重要人物であるガブリエル副首相・社会民主党(SPD)党首も、ギリシャへの態度を硬化させた。ギリシャに批判的な国内世論がもはや無視できないレベルになっていたことも、ドイツの交渉姿勢に少なからず影響したと考えられる。

ドイツの面子が立つ、つまりドイツ国民に説明できる内容でなければ、メルケル首相は同意できなかった。これが、議論が長丁場になった大きな理由とみられる。ドイツによる提案の基本線を採用する形で、500億ユーロ規模のギリシャの国有資産を、独立した基金に移管することが基本合意に盛り込まれた。

ただし、ユーロ圏はドイツの言いなりというわけではない。合意が成立するよりも前に英ガーディアンが配信した記事は、ギリシャのユーロ圏離脱、いわゆるグレグジット(Grexit)に対するユーロ圏各国(19カ国のうちギリシャを除く18カ国)のスタンス、すなわちこの過激な選択肢を許容するかどうかを、次のように分類していた。

1)「Grexitを許容」

ドイツ、オーストリア、オランダ、ベルギー、フィンランド、スロバキア、リトアニア、ラトビア、マルタ(計9カ国)

2)「揺れているが、どちらかと言えばGrexit回避を望む」

ポルトガル、アイルランド、キプロス、スロベニア、エストニア(計5カ国)

3)「何としてもGrexitは回避」

フランス、イタリア、スペイン、ルクセンブルク(計4カ国)

興味深いことに1番目が9カ国で、2番目と3番目の合計も9カ国。ギリシャに対するスタンスで分類すると、国の数でカウントすれば勢力はきっ抗していた。首脳会議の議論が長丁場になったもう1つの大きな理由はこれだろう。ユーロ圏内の「南北対立」である。

<損切りできず追い貸しか>

世界の経済・マーケットを揺るがしかねない当面のリスク要因としてのギリシャ問題は、今回の基本合意成立によって、ひとまず押さえ込まれた形である。

だが、ユーロ圏首脳会議は交渉というより「異端審問」の場になり、屈服を強いられたチプラス首相は「磔(はりつけ)にされた」格好で、「打ちのめされていた」と報じられている。国民投票で反緊縮策が多数を占めた直後に今回の基本合意を突きつけられて、不満がうっ積したギリシャ人が、政治面で今後どのような動きを見せるかは予断を許さない。

ギリシャが本当に財政再建の目標数値をクリアできるのか、秋に実施との観測も出ている新たな総選挙結果がどのようなものになり、次期政権がいかなる政策方針をとるのかなど、ギリシャをめぐる不透明要因は引き続き多い。

そうした中で国際通貨基金(IMF)は14日、ギリシャが抱える債務の持続可能性が資本規制導入によって悪化しており、従来の想定を上回る規模でギリシャの負担を軽減する措置が必要だとする分析を公表した。大量の資金を借り入れているギリシャは、銀行の不良債権問題が日本で大きな焦点になっていた時期に取り沙汰された「開き直って道路の真ん中で寝転がることができる、立場の強い借り手」になった感が強い。

金融政策は一元化しつつも、財政運営・国債発行はばらばらという制度的な欠陥を抱えたまま、ユーロ圏は大きくなり過ぎた感が強い。

現地に行ってみればすぐわかるが、時間の流れがゆったりしているギリシャにはゲルマン的な規律正しい行動はなじまない。だが、今さら「損切り」的にギリシャを切り捨てることがどうしてもできず、さまざまな条件を付けながらもユーロ圏は結局のところ、また「追い貸し」に踏み切ったわけである。基本合意によってギリシャ問題の根本的な解決への道筋がついたわけではないことは、十分認識しておく必要がある。

世界経済の回復が今後徐々に加速する中で、ユーロ圏の景気回復にも追い風が吹き、ギリシャの財政状況が順調に改善するというのがベストシナリオである。だが、何らかのきっかけで世界経済が予想外に悪化する場合には、ギリシャ問題がリスク要因としてまた浮上する可能性が高い。その場合、さらに「追い貸し」するのかどうかをめぐってユーロ圏の財務相会合や首脳会議での議論がまた延々と続けられることは十分想定し得る。

13日のユーロ圏首脳会議終了後に、「今回の妥協には勝者も敗者もいない」「ギリシャ国民は辱められていないし、他の欧州の人々も面目をつぶされていない。これは典型的な欧州流の解決だ」とユンケル欧州委員長が述べていたと報じられたのが、筆者には大変印象的だった。

少なくとも1つ言えるのは、そうした「欧州流の解決」は、国際経済・金融におけるユーロという通貨の地位を高めてはいないということである。基軸通貨としてのドルの存在は、ライバル不在ゆえに、今後も揺らぎそうにない。

*上野泰也氏は、みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト。会計検査院を経て、1988年富士銀行に入行。為替ディーラーとして勤務した後、為替、資金、債券各セクションにてマーケットエコノミストを歴任。2000年から現職。


http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKCN0PR09720150717
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKCN0PR0JL20150717
コラム:次の「爆買い」はどこか、高級ブランドに試練
2015年 07月 17日 16:42 JST
Carol Ryan

[ロンドン 17日 ロイターBreakingviews] - 高級品ブランドにとって今最も重要な予測は、「爆買い」が代名詞となった中国人買い物客が次にどこに向かうかだ。

香港は最近、中国本土からの買い物旅行の行き先として人気を失いつつある。そのため、世界で最も不動産賃料が高い場所である同地に出店するブランドは、店舗スペースが余る事態を余儀なくされている。

英高級衣料品のバーバリーも、中国人旅行者について行くことが、どれほど高くつくかを学んだブランドの1つだ。

同社が15日発表した第1・四半期(4─6月)決算は、10四半期連続で業界全体を上回る成長を記録した。しかし、アジアでの業績に対する失望感から、株価は3%下落した。なかでも売上高全体の10%を占める香港は、既存店売上高が2ケタのマイナスになった。

高級品市場は概して、中国人買い物客に大きく依存している。コンサルティング会社ベインの調査では、同市場の売上高全体の約3分の1は中国人買い物客に依存する。バーバリーは、売上高の約40%を中国人買い物客から得ている。

中国人は免税を求めて外国に買い物に出向くため、高級品市場の形も彼らの消費行動に伴って変わりつつある。旅行者の動きに強く依存することは、常に機敏な対応を求められる。バーバリーは2014年4月以降、空港ショップ7店舗を新規で開業させた。

そうした動きのマイナス面が顕著となっているのが香港だ。各高級ブランドは過去10年、香港は中国本土買い物客の主要な行き先であり続けると疑わず、現地に莫大なリソースを投入してきた。しかし、売上高は減少傾向にある。一方で、免税書類発行サービスなどを手掛けるグローバル・ブルーによると、2013年以降、日本と韓国での中国人の消費は年間60%の伸びを見せている。

一部ブランドから受ける印象とは裏腹に、香港を訪れる中国本土の旅行者は引き続き増えている。観光局のデータによると、2014年には約4700万人が訪れ、今年もここまで前年比6%増となっている。ただ、高級品を求める買い物客が別の場所に移ったのだ。その理由の一部は、昨年の民主化デモに求められるかもしれないが、同時に為替の動きも逆風となっている。香港ドルに対するユーロ安は、高級バッグはパリで買った方が安いことを意味する。

バーバリーが香港で展開する17店舗はまだ採算が取れているかもしれない。ただ売上高がさらに落ち込めば、再考を余儀なくされるはずだ。中国人旅行者は今、欧州や米国、日本や韓国で「爆買い」している。高級ブランドは、気を抜かずに彼らについて行く必要があるだろう。


5. 2015年7月18日 01:13:18 : jXbiWWJBCA
米消費者マインド指数:7月は93.3に低下、経済見通しに陰り
2015/07/18 00:47 JST
  (ブルームバーグ):7月の米消費者マインド指数は前月から低下した。世界的なリスクを背景に米経済見通しに陰りが生じるとの懸念が広がった。

7月のミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は93.3と、前月の96.1から低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は96だった。雇用や賃金に関する楽観的な見方は変わらなかった。
ミシガン大の消費者調査ディレクター、リチャード・カーティン氏は発表資料で、「金融の状況がどのように変わったかとの質問に対し、大半の家計が収入の伸びを挙げた」と指摘。「この先についても金融状況は徐々に改善されると見込んでいるようだ」と続けた。

現在の景況感 を示す指数は106と、前月の108.9から低下。6カ月後の先行き景況感を示す期待指数 も85.2と、前月の87.8を下回った。

1年先のインフレ期待値は2.8%で、前月の2.7%から上昇。5−10年先のインフレ期待値は2.7%と、前月の2.6%を上回った。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Consumer Sentiment in U.S. Retreats Concerns About Economy (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Erin Roman eroman16@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Vince Golle vgolle@bloomberg.net Carlos Torres
更新日時: 2015/07/18 00:47 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRN0KC6KLVRL01.html


6. 2015年7月18日 08:04:01 : 1ngw2OuUP6
利上げにより、アメリカ国民の投資と消費が増えることはないだろう。この閉塞感が新興国の経済をさらに圧迫して、新興国の過去の投資額の資金回収を一層困難にする。FRBが利上げをしなくても、新興国では基軸通貨の量的緩和の恩恵をなくして、成長が鈍化し、過剰債務が経済を圧迫している。


利上げで必然的に起こるドル高はアメリカ国民にはデフレ要因であり、恩恵をもたらすように見えるが、国内投資は激減するだろう。そのうえ、ドル高だからといっても、米国企業は国外に投資先が見つからない。すでに、米国外は基軸通貨の量的緩和が終了しただけでも、ドル不足による景気悪化に見舞われてしまっている。


7. 2015年7月18日 10:38:14 : nJF6kGWndY

>もし経済が爆発的に悪化しないとすれば、
>金利を恒久的に固定すれば、インフレ率がいずれ金利と同じ方向に動く
>FOMCが低金利を恒久的に維持すれば、インフレ率はいずれ低下し、低いまま
>シカゴ大学のジョン・コクラン教授を含むマクロ経済学の少数派 新フィッシャー派 

確かに、構造改革が進むなど、他のプラスの要因が働けば、爆発的に悪化はしないだろうから

実験してみる価値は0ではないが

過去の大恐慌や最近の日本の長期デフレ不況など現実の歴史から判断すれば

「経済が悪化しない」という前提条件が間違いということが実証されることになりそうだ


>FOMCはどちらが正しいか見極めようとはしていない。米金融当局者らはむしろ、金利をプラス圏に動かせばどちらの方向にも動かす余地が生じるので都合が良いと考えているのではないだろうか。

新フィッシャー派を信じているからというより、

FOMCもまた、中銀の習性として、インフレリスクをやや過大に評価しているのだろう

特に、共和党による、攻撃(中銀無用論や、金融政策の権限制限論など)が激しくなっているともなれば

組織防衛としても必要になってくる


8. 2015年7月18日 12:54:58 : 6uFgfWwteg
金利引き上げには2つの「相反する」側面がある。

このアンビバレンツ(矛盾する2重価値)のために
金利引き上げのタイミングは困難をきわめる。

イギリスでもアメリカでもやるぞ、近いぞと言いはじめてから
なかなか踏み切れないでいるのは、市場への十分な周知徹底、広報活動を行っていたからということがあるだろう。

だが、もう「完全に背中を押されてしまった。」
イエレンの単なる固執というものではないのだ。
9月にもアメリカは利上げ「せざるをえない」だろう。

これは予期しない金利上昇ではない。
意図的にコントロールされた金利引き上げであるから、FRBのアナウンス通り
小さなbpの小幅な引き上げとなる。

そして、これもイエレンのアナウンス通りドルもここからのさらなる「今までのような劇的な上昇」というものは起きないだろう。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民98掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民98掲示板  
次へ