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グロース氏が解き明かす、イエレン議長が利上げに固執する謎
2015/07/17 06:30 JST
【コラムニスト:Noah Smith】 (ブルームバーグ・ビュー):中国株式市場は急落、ギリシャはデフォルト(債務不履行)の瀬戸際に追い込まれ、ユーロは不安定、米経済データは弱く、インフレ率は目標水準を下回る。この状況で連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げ軌道を維持するのは、いったいどういうことなのか。利上げは普通、過熱する経済を減速させるためのものなのに。
以下のイエレン議長による10日の発言によると、米利上げは差し迫っている。
「フェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上げへ最初の一歩を踏み出し、金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える」 「しかしながら強調しておきたいのは、経済とインフレがたどる道筋は依然としてかなり不透明であり、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」
なぜ、こうなるのだろうか。かつてパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で「ボンドキング」の異名をとったビル・グロース氏には分かっている。本質的にFOMCというものは、低金利がなくても米経済が機能できることを証明するためだけに金利を引き上げなくてはならない、というのがグロース氏の理論だ。
グロース氏の理論はもっともだ。FOMCが利上げのタイミングを見計ろうとしている現在、経済学の世界でははるかに理論的な議論が展開されている。論題は「中央銀行による政策金利の恒久的固定とその結果」だ。
この論題には昔から、マクロ経済学の主流派である新ケインズ派が回答を出している。つまり経済は不安定になるというものだ。FOMCが低い水準で金利を固定すれば、制御不能なインフレを招く。また高過ぎる水準で金利を固定すれば、経済は急激に悪化し制御不能なデフレを招く。
新フィッシャー派
考えてみれば、それほど突飛なことではない。金利は借り入れの価格であるから、金利の固定は物価コントロールに相当する。政府が市場における価格を恒久的に固定したいと考えるならば、いずれは市場に歪みが生じる、あるいは市場が機能しなくなるのは避けられない。
もし経済が爆発的に悪化しないとすれば、どうだろう。何が起きるだろうか。シカゴ大学のジョン・コクラン教授を含むマクロ経済学の少数派は、金利を恒久的に固定すれば、インフレ率がいずれ金利と同じ方向に動くようになると主張する。言い換えれば、FOMCが低金利を恒久的に維持すれば、インフレ率はいずれ低下し、低いままになる。新フィッシャー派(フィッシャー方程式への依存からそう呼ばれる)のこうした考え方は、私たちの頭にある金融政策についての知識すべてをひっくり返すものだ。低金利が高インフレではなく、低インフレを引き起こすのならば、FOMCをはじめ世界の中央銀行すべてが間違った政策を講じていることになる。
この理論は全米経済研究所(NBER)のサマー研究所で、マイケル・ウッドフォード教授(コロンビア大学)から厳しく反論された。金融エコノミストとして強力な影響力を持つウッドフォード氏は、新フィッシャー派がなぜ間違っているのか自身の考えを説明した。
ウッドフォード氏の論理は基本的にこうだ。新フィッシャー派が拠り所にしているのは、人間が経済について極端なまでの合理性を持ち、いくらでも正確な計算が可能だという考えだ。従って人間の情報処理能力にほんの些細なほころびがあり、完全ではないとなれば、新フィッシャー派が主張する結果は反転し、FOMCが金利を恒久的に維持するのはあり得ないということになる。
コクラン氏はこの反論に黙ってはいないだろう。多くのマクロ経済学者と同様、コクラン氏も完全なまでに合理的で、どこまでも知的な予想こそマクロ経済が進む唯一の道だと信じている。しかし大半の人々は恐らく、経済はどこまでも知的なものではなく、どこまでも合理的でもないと考えている。
どれも悪い結果に
いずれにせよ、この学術的論争はゼロ金利解除を切望するFOMCの心中を思い計る上で新たな視点を与えてくれるだろう。実際のところ、金利を恒久的に一定水準に固定すれば何が起きるのか、分かっていない。新フィッシャー派が正しければ恒久的な低インフレ、もしくは日本が20年も経験したデフレが到来する。一方、ウッドフォード氏や新ケインズ派が正しければ爆発的なインフレが発生する。どれも悪い結果だ。
だからFOMCはどちらが正しいか見極めようとはしていない。米金融当局者らはむしろ、金利をプラス圏に動かせばどちらの方向にも動かす余地が生じるので都合が良いと考えているのではないだろうか。つまり、グロース氏のFOMC解釈は全然突飛なものではないようだ。
(このコラムの内容はブルームバーグや同社オーナー、編集部の意見を反映したものではなく、スミス氏自身の見解です)
原題:Bill Gross Gets Inside Fed’s Head on Rate Increase: Noah Smith(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先: Columnist Noah Smith nsmith150@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Greiff jgreiff@bloomberg.net
更新日時: 2015/07/17 06:30 JST
債券トレーダーに「100万ドルの質問」−何でそんなに楽観的?
2015/07/15 16:16 JST
(ブルームバーグ):債券トレーダーは他の市場参加者の知らない何を知っていて、世界経済をついてこれほど楽観的なのだろうか。バンク・オブ・アメリカ(BOA)の金利・通貨グローバル責任者のデービッド・ウー氏は、これが不思議でならない。
債券投資家は米経済がほぼ利上げに耐えられる程度に強いと考え、長期の米国債を売っている。ドイツの10年債も、欧州中央銀行(ECB)の購入にもかかわらず、量的緩和(QE)開始時点よりも利回りが上昇(価格は下落)している。
要するに、世界は激しい勢いで債券を売っている。ウー氏によればこの結果、主要市場の10年債利回りは4−6月(第2四半期)に、2013年のいわゆる「テーパー・タントラム」以来で最大の上昇となった。
ウー氏は13日のリポートで、最近の債券売りと実質利回り上昇は「金利市場が世界の成長について楽観を増していることを示唆する」が、その楽観が妥当なものかどうかが「100万ドルの質問」だと記述した。
モルガン・スタンレー とJPモルガン・チェース、クレディ・スイス・グループのエコノミストらは、世界経済の成長が7−12月(下期)に加速すると考えているので、トレーダーらは理にかなった取引をしているということになるのだろう。
しかしウー氏は不安を感じる。全ての市場が債券市場と同じような景気への楽観論を示唆しているわけではないからだ。顕著なのが運輸セクターだ。このセクターは世界的な需要の強さに連動している。
ウー氏によれば、中国のコンテナ船運賃の指数は今年に入って40%低下しユーロ圏債務危機さなかの12年に付けた底よりもさらに低い。トラック輸送業者の景況感を示すBOAの指数も低下しつつある。米鉄道株も約20%下落。
「つまり、運輸関連の市場は世界の貿易の伸びが弱いということを示している」と、ウー氏は「どちらを信じるか」と題したリポートで指摘した。
そればかりではなく、ロンドン金属取引所(LME)では先週、ニッケルと銅、アルミニウムが6年ぶりの安値となった。ドイツ銀行のアナリストらは先週、「われわれが今、世界の成長減速のさなかにあるかのように誰でも思うところだ」とコメントした。
原題:Bond Traders Face ‘Million Dollar Question’ on Global Growth Bet(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net Zoe Schneeweiss, Paul Gordon
更新日時: 2015/07/15 16:16 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRHH0ZSYF01U01.html
米消費者物価指数:6月は前月比0.3%上昇−家賃が伸びる
2015/07/17 23:26 JST
(ブルームバーグ):米国の消費者物価は5カ月連続で上昇した。6月は家賃の上昇が特に目立った。
米労働省の17日発表によると、6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.3%上昇。伸びはブルームバーグがまとめたエコノミスト81人の予想の中央値と一致した。前月は0.4%上昇だった。
ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スウィート氏は「ディスインフレ圧力はかなり速いペースで後退しつつある」と指摘。今回の統計内容を受けて金融当局は「インフレ率が中期的に目標に近づいていくとの自信を強めるだろう」と続けた。
CPIは前年比では0.1%上昇と、昨年12月以降で初めてプラスとなった。
食品とエネルギーを除くCPIコア指数 は前月比0.2%上昇。前年比では1.8%上昇した。
家賃は前月比0.4%上昇と、伸びは2013年8月以来で最大。持ち家の所有者が賃貸料を得ていると仮定した計算上の家賃である帰属家賃も0.4%上昇で、06年10月以来の大幅な伸びとなった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Consumer Prices in U.S. Rose in June, Paced by Higher Rents (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Michelle Jamrisko mjamrisko@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net
更新日時: 2015/07/17 23:26 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRMXQ1SYF01Y01.html
6月の米住宅着工件数:集合住宅が大幅増加、一戸建ては小幅減
2015/07/17 23:27 JST
(ブルームバーグ):6月の米住宅着工件数は前月比で増加、2007年11月以来で2番目に高い水準となった。集合住宅が好調だった。
米商務省が17日発表した6月の住宅着工件数 (季節調整済み、年率換算、以下同じ)は前月比9.8%増の117万戸。前月は107万戸と、速報値の104万戸から上方修正された。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は111万戸だった。
ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのチーフエコノミスト、ルイス・アレキサンダー氏は「かなり良好な結果だ」と述べ、「特に若者を中心に雇用の伸びも堅調で金利も低い、信用基準もいくらか緩和された。こうした一連の要素が住宅着工に貢献している」と続けた。
集合住宅の着工件数は29.4%増と急伸。前月は16.9%の減少だった。一戸建ての着工件数は68万5000戸と、前月の69万1000戸から若干、減少した。
地域別では全米4地域のうち3地域で一戸建ての着工件数が減少。北東部は27.3%減、西部は7.1%減少した。
着工件数の先行指標となる住宅建設許可件数は7.4%増の134万件と、2007年7月以来の最高。市場予想では115万戸への減少だった。一戸建ての許可件数は68万7000戸と、2008年1月以来の高水準。集合住宅は15.3%増加した。
統計の詳細は表をご覧ください。
関連ニュースと情報:トップストーリー:TOP JK<GO>海外トップニュースの日本語画面: TOP JI<GO>米住宅着工件数の推移グラフ {<a href='custom:custom:custom:custom:bloomberg:NHSPSTOT (Index) GP'>NHSPSTOT <Index> GP <GO></a>}米住宅建設許可件数の推移グラフ {<a href='custom:custom:custom:custom:bloomberg:NHSPATOT (Index) GP'>NHSPATOT <Index> GP <GO></a>}米住宅着工件数の関連ティッカー {<a href='custom:custom:custom:custom:bloomberg:ALLX NHSP'>ALLX NHSP <GO></a>}米住宅着工件数のその他の関連データ {<a href='custom:custom:custom:custom:bloomberg:HSST'>HSST <GO></a>}
原題:Housing Starts in U.S. Climb on Surge in Apartment Building (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Victoria Stilwell vstilwell1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net Vince Golle
更新日時: 2015/07/17 23:27 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRMWWYSYF01V01.html
メルケル独首相、ギリシャ支援で議会の承認確保−119人が反対
2015/07/17 22:05 JST
(ブルームバーグ):ドイツのメルケル首相は17日、第3次ギリシャ救済プログラムの交渉を開始する承認を議会から得た。採決に先立つ演説では、交渉への道を閉ざすことは無鉄砲であり混沌をもたらすと警告した。
首相は通貨同盟への脅威を除くため、与党会派内でも増えつつある反対派を抑え込んだ。連邦議会(下院)の採決では439人が賛成、119人が反対票を投じ、40人が棄権した。
「ギリシャを確実にユーロ圏にとどめるために取り組んでいる。なぜなら、ユーロは通貨以上の存在だからだ。懸かっている問題はギリシャだけではない」と、メルケル首相はその重要性を訴えていた。
原題:Merkel Wins Greek Aid Backing by Lawmakers After ‘Chaos’ Warning(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ベルリン Patrick Donahue pdonahue1@bloomberg.net;ベルリン Rainer Buergin rbuergin1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Alan Crawford acrawford6@bloomberg.net Tony Czuczka, Eddie Buckle
更新日時: 2015/07/17 22:05 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRMUD66KLVRM01.html
アテネ郊外で山火事、内閣改造も考えるチプラス首相は大忙し
2015/07/17 21:54 JST
(ブルームバーグ):アテネ郊外とギリシャ南部で山火事が発生し、近く内閣を改造するとみられるチプラス首相が消火活動を監督するため国防省に駆けつけた。
国営のERTテレビはアテネ郊外の山火事の中心部でカナデア機が消火に当たっている映像を生中継した。火は民家のある地区に達し、アテネの南側の郊外には強い風が煙を吹き付けている。
ギリシャ議会は救済条件となっていた緊縮法案可決を16日未明に行ったが、チプラス首相が率いる急進左派連合(SYRIZA)から40議員ほどが造反し、首相は一部閣僚を更迭する見込み。
原題:Greece Blazes Keep Tsipras Busy Ahead of Possible Cabinet Change(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:アテネ Eleni Chrepa echrepa@bloomberg.net;アテネ Paul Tugwell ptugwell1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jerrold Colten jcolten@bloomberg.net Marco Bertacche
更新日時: 2015/07/17 21:54 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRMT2T6KLVR801.html
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