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「中流でも貧乏」な人たちの生活習慣
http://nikkan-spa.jp/890923
2015.07.14 週刊SPA!
世の中には、ド貧乏というほどではないにしても、生活が相当に厳しい、いわゆる“家計が火の車”状態の家庭が多数存在する。こうした家庭が必ずしも低所得であるとは限らない。年収300万円で1000万円以上の貯金がある家庭もあれば、年収1000万円で貯金ゼロという家庭も珍しくない。週刊SPA!では過去にも“貧困”と“生活習慣”の相関に注目した特集を何度か組んでいるが、貧困とは往々にしてライフスタイルの問題であるといえる。
では“火の車”状態を脱して、見事“健全家計”へとV字回復を果たした家庭は、いったいどのような“改革”を実行したのか――これが、本特集のテーマである。今回、SPA!がアンケート対象とした200世帯は“年収300万〜600万円”という“中流”に属しながら、一時は貧困に苦しみ、一念発起してV字回復を果たした家庭である。身に染みついた浪費グセを直すのが難しいことも、極端な節約が長続きしないことも、我々は身をもって知っている、だからこそ、彼らの“成功体験”は、貧乏脱出へのリアルな道筋として参考になるはずだ。
◆年間で「+137万円」のリカバリーを実現!
そもそも“中流貧乏”とは、どのような事情によってもたらされるのか? その調査結果が別記の表である(表1)。“病気”や“親の介護”といったのっぴきならない事情は意外と少数派で、圧倒的に多いのが“生活費が収入を上回っていた”というもの。年収300万〜600万円の家庭なら、どうとでもやりくりはできるはずで、これらのケースでは単純に“家計を引き締める努力を怠っていた”と言えるだろう。
3位の“住宅ローン”については、「住宅ローンを組んだ直後に給料が下がった」というケースが散見された。そうは言っても、住宅ローンがなければないで、出ていく“家賃”があるはずで、ここでも生活費がかかりすぎているのを住宅ローンのせいにしている……という気がしないでもない。
“貧乏”の実態を見ていくと“長期にわたって貯金を取り崩していた”という家庭が多く、平均的な収支は「年53万円の赤字」。“借金数ケタ”のようなインパクトはないにせよ、貯金が一方的に目減りしていくのは、老後の生活不安を考えると十分にヘビーな状況ではある。ここで、これらの家庭のV字回復状況を見てみよう。リカバリー後の平均収支は「年34万円の赤字」。なかなかの成果と言えるのではないか。以下、具体的な“改革”の中身を見ていこう。
◆解決すべきは「家計のメタボ化」だ!
家庭を改善したければ、いたずらに節約に励むより、収入を増やすことに専念しろ――とはまさしく正論であり、実際に成功している例も多く見られたが、転職が吉と出るかはケースバイケース。“転職の結果、収入が激減して貧困に陥った”人も同じくらいいるわけで、やはり貧乏脱出の王道と言えば”支出を抑える”ことに尽きる(表2)。
なかでも「保険の見直し」や「通信料金の見直し」は比較的上位にランクインし「節約の王道は固定費の削減から」というセオリーが世に浸透していることを窺わせた。
「格安SIMとLINE電話のフル活用で、夫婦合わせてスマホ代は月4000円」(41歳・福祉)なんて人も、昨今では珍しくない。
ただ、保険や通信料金の見直しで節約できるのは、いいとこ1万円程度。大きな節約が期待できるのは「家賃の安い家に引っ越す」ことだが、「検討はしたものの、引っ越しにもカネはかかるし、子供の学校の問題もあるしで見送ることにした」(40歳・介護)と、実践する人は少数派だ。
結局、最大の問題点は、何に使いすぎているというわけでもなく、全体的にちまちまと浪費している「家計のメタボ」状態。これを改善するには、ライフスタイルの抜本的な見直し――とまではいかずとも、ちょっとした「意識改革」が必要だ。では、その改革とは? 7/14発売の週刊SPA!では「[中流でも貧乏]から脱出する方法」という特集を組んでいるので、ぜひ参考にしてほしい。 <取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/高仲建次>
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