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シンガポールのセブン-イレブンの店舗
素晴らしい日本式コンビニ、なぜ世界を侵食で文化を変革?進化し続けた40年
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10720.html
2015.07.14 文=中沢敦/パルディア代表取締役 Business Journal
皆さんは、コンビニエンストトアに週何回行きますか? 筆者は少なくとも週4〜5回は行きますが、その目的はレジ横に設置されたマシンで注ぐ入れたてコーヒー、いわゆるコンビニコーヒーです。今まではドトールコーヒーで毎朝購入するのを習慣にしていましたが、コンビニコーヒーは値段が安く適度な味わいのため、習慣を変えてしまいました。
2013年のマルハニチロの調査によると、約7割の人がコンビニに週1回以上行くといいます。筆者の場合、コーヒーを購入する以前は週2〜3回ほどでしたが、訪問頻度が増えました。先日もフィリピンのセブ島に行った際、まず最初にホテルスタッフに聞いたのはコンビニの場所でした。
これは、海外に行って最初に水を買う習慣が身についているためです。特に新興国は日本ほど自動販売機が普及していないので、海外に行った時にコンビニを見ると安心します。これは、見知らぬ土地で最低限の食料を確保したいという生存欲求からくるものだと思います。
■セルフおもてなし
そんなコンビニは1927年に米国で生まれたビジネスモデルであり、以下のポイントを原動力として成長した業態です。
(1)24時間365日営業(当初は7時から23時)
(2)ドミナント出店(エリアへの集中出店)
(3)ファストフード化
この米国のモデルを日本式に転換したのが、セブン-イレブンです。米国のノウハウに加え、POS(販売時点情報管理システム)による単品管理、おにぎりやおでんなどの日本式ファストフードの発売、天候や季節に応じた需要予測などを基に「いつも開いていて便利なコンビニ」として成長してきました。
また、小売り企業としてPOSを活用したメーカーとの共同商品開発により、現在のPB(プライベートブランド)「セブンプレミアム」の大ヒットにつながっています。今では当たり前のATM設置や公共料金の支払いなど新しいインフラを構築し、習慣化しやすいコンビニコーヒー「セブンカフェ」を全店に導入し、カフェと相性のいいドーナツも導入。「いつも開いていて便利」から「近くて便利」という顧客ニーズを満たしてきました。
顧客に自分でコーヒーを入れさせながらも高い満足度を提供する、いわば日本独自の「セルフおもてなし」を実現し、「お客様のためではなく、お客様の立場」でイノベーションを追究しています。便利さと日本人の買い物ニーズを捉えた日本独自の素晴らしいビジネスモデルを持つ業態です。
■欧米やアジアの文化を変える
日本でコンビニという業態ができて、すでに40年以上が経過し、日本人の飲食および買い物文化を変革してきました。そして今では、欧米やアジアの同文化を変えようとしています。
現在の米国セブンは、日本のセブンを傘下に収めるセブン&アイ・ホールディングス(HD)の子会社です。米国ではガソリンスタンドとの併設店舗が多く、ウォルマートなどスーパー業態との価格競争と多角化の失敗により、米国セブンは91年に経営破綻してしまいました。その後、フランチャイジーのイトーヨーカ堂傘下となり、05年にはセブン&アイHDの完全子会社となり、現在では同社米国現地法人になっています。
日本のセブンの海外進出は現在、国内約1万7000店舗に対し、米国に約8000店舗、タイに約8000店舗、韓国に約7000店舗、北欧では538店舗など計5万5000店舗近くを展開しており、世界最大のコンビニチェーン店となっております。
しかし、その大部分はマスターフランチャイジング契約を米国セブンと締結し、商標として利用しているだけで、まだ日本型経営が生かされていません。ただ、ハワイを含め米国セブン復調の原動力となった「セルフおもてなし」を導入させたことで、世界のセブンを指導する体制が整いつつあります。今後セブンプレミアムを海外でも展開する可能性もあります。
セブン以外のコンビニチェーンで海外展開に注力しているのが、ファミリーマートです。台湾に約3000店舗、中国およびタイに約1100店舗を展開するほか、ベトナム、インドネシアなどアジア地域を重視してそのネットワークを広げています。20年までには中国の店舗を8000店舗に拡大する計画を持っています。
日本式コンビニのビジネスモデルは今後、世界に広がっていくと考えられます。日本食ブームとともに、日本風おにぎりやPB食品が世界に浸透する日はそう遠くないのではないでしょうか。
(文=中沢敦/パルディア代表取締役)
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