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サイト「グーグル」より
グーグル敗訴の衝撃 巨額賠償支払いも 「技術の進歩」に甚大な影響か
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10718.html
2015.07.14 文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員 Business Journal
5年以上にわたるグーグルとオラクルのJava実装の知的所有権に関する訴訟に終止符が打たれようとしている。米連邦最高裁判所は米国時間6月29日、本訴訟に関するグーグルの上告を棄却した。今回の裁決は、今後のソフトウェア開発、さらにはイノベーションや競争の促進にいかなる影響を及ぼすことになるのであろうか。
本係争は、オラクルがグーグルに対し、アンドロイドにおいて「Java API」に関する168件の著作権と7件の特許権を侵害しているとして、10億ドルの損害賠償を求めて2010年8月に起こしたものである(後に著作権侵害は37件に、特許権侵害は2件に減らしている)。
アンドロイドは「Dalvik」(Android用アプリケーションを実装するための仮想計算機の一種)により独自実装されており、サン・マイクロシステムズが提供するソースコード(プログラミング言語の言語仕様に従って書かれた、コンピュータに対する指示)「Java ME」を使用していない。これは、明らかにJava実装の知的所有権を有するサンに対するライセンス使用料の支払いを逃れるための手段である、というのがオラクルの主張であるが、オラクルがサンを買収する以前からサンはこれを主張し続けてきた。
グーグルとしては、こうした直接的な特許訴訟を自社に有利な方向で解決へと導くために、特許の相互利用契約の締結で和解するアプローチを採るのが妥当であったが、この当時グーグルが保有する特許は約500件と極端に少なかったため、このアプローチを採用できなかった。グーグルはこうした経験を踏まえて、11年8月に1万6800件の特許を保有するモトローラ・モビリティを買収している。
こうしてグーグルはオラクルと本訴訟で争うことになるが、12年5月に最初の判決が下される。カリフォルニア州北部連邦地方裁判所は、オラクルが問題とするアンドロイドの独自実装は著作権法の対象にはならないとの判断を下し、グーグルが勝訴する。
だが、オラクルがこれを不服として上訴すると、控訴裁は14年5月、問題となるJava APIは著作権法による保護の下にあるとみなし、オラクルが逆転勝訴となった。グーグルはこれを不服として上告したが、最高裁は今般の通り上告を棄却するに至った。
■フェアユース
グーグルの敗訴が確定したことにより、グーグルはオラクルが主張する10億ドルの損害賠償とライセンス使用料を支払う可能性が出てきたが、今後の争点となるのは、グーグルが主張するフェアユースが適用されるか否かであろう。フェアユースは、1976年の米国著作権法改正により第107条に盛り込まれた規定であり、「その権利にかかわらず、フェアユース、つまり『公正な使用』は著作権の侵害とならない」と定められている。グーグルは、たとえJava APIが著作権保護の対象であっても、このフェアユース規定が適用されると主張している。
今回の判決は、ソフトウェア開発者の排他的権利確保に著作権法が適用できるかどうかという点において、極めて重要な意味を持つ。他者の「開発を行う権利」とのバランスをいかに取るかは極めて難しい問題であろう。
画期的なソフトの開発も重要であるが、既存ソフトの改良や改善もまた決して軽視できるものではない。なぜなら、イノベーションの促進にしても技術の進歩にしても、はかり知れないほどの経済的価値をもたらしてくれるからである。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)
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