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雑感。安倍ノミクスの痛み
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52717241.html
2015年07月12日 在野のアナリスト
NHKスペシャルで、腰痛の改善について特集していました。慢性腰痛の多くが、脳の誤解から生じるものだということです。個人的に賛同できるのは、個人的な話になりますが、幼少期から十代ぐらいまで、大抵はどこかに痛みを抱えて生活していました。スポーツをしていたせいもありますが、その頃にふと痛みはコントロールできる、と気づきました。痛くなりそう…と意識すると、そこばかりに意識が集中してしまい、過敏になる。痛くなりそう、痛くなりそう、が本当に痛みとなって襲い、日常生活すらままならなくなります。しかし痛くなりそう、の段階でコントロールすると、痛みにまで発展することなく済みます。お陰で私は歯痛までコントロールしてしまうため、虫歯も気づき難くなっていますし、ここ20年は医者に通ったこともありません。
ただ、これを人に説明してもできるはずがない、と云われます。しかし脳でコントロールすることで健康な生活をとりもどし、医療費を節減できるなら、国は積極的にこの方式を学び、国民向けに喧伝することも必要なのでしょう。社会保障費が増える、とばかり喧伝され、その対策にジェネリック薬の活用としか記載しない厚労省は、ぜひ導入を検討すべきなのでしょうね。
EU財務相会合が中断された、と伝わります。ネックは債務減免なのでしょうが、増税による景気悪化も、再建計画にはマイナスです。そんな日本では、相変わらず安倍ノミクスが頓挫したのは、消費税増税を理由とするものが目立ちます。一般紙は財務省に気をつかって報じませんが、昨年度のマイナス成長も増税のせい、という論調が週刊誌などでも目立つようになりました。
しかし実質賃金は20ヶ月以上マイナスをつづけ、増税後は2%を優に越えていた。安倍政権発足後から、ずっと賃金は下がってきているので、増税の影響がなかったとしても消費不況はおきています。さらに昨年10月の黒田バズーカ第二弾以後、企業物価はマイナスを示しており、金融政策でインフレに向かう当初計画とは大きく乖離する状況です。一言でいうなら「金回りが悪い」。円安の効果で物価高になっていなければ、外形的にはデフレといっても差し支えないような状況です。これで安倍ノミクスが成功、というなら、その人は経済の専門家ではありません。
円安でも輸入増にならない原因は、日米欧が緩和したにも関わらず、バブルが局所的に一部の市場しか押し上げていないこと。しかもその効果が波及していません。恐らく、リーマンショック前までなら、不動産、株式を所有する個人が資産効果もあって、消費を押し上げたのでしょう。しかし一時の混乱から、不動産など多くは企業や投資ファンドが保有するようになり、資産効果が得られにくくなった。一部はREITなどを通じ、個人にも行き渡りますが、効果は限定的です。
さらに不動産などを押し上げているのが、中国富裕層の爆買いなのですから、国内に波及しないのも当然です。その結果、日本の輸出も伸びない。円安が、単に海外の資産や売上げを押し上げるだけの効果にとどまってしまったのです。その結果、安倍ノミクスが当初想定していた効果は、ほとんどなくなってしまいました。国内にも波及しませんし、政府の要請で年度の前半に集中する設備投資計画も、この内外の情勢では一過性でとどまってしまうのでしょう。
肉体的な苦痛は脳でコントロールできても、経済的な苦痛はやりくりするしかありません。しかし17年4月には再増税が待ち構えており、景気はますます失速していくことにもなるのでしょう。ギリシャをみて、明日は我が身、という記事も増えてきましたが、そのときに言葉だけの経済成長や、増税に頼るといった、現在の安倍ノミクスのような対策しか出ないのであれば、古代ギリシャの哲学者タレースの言葉を重ねることになります。世の中で一番難しいこと→自分自身を知る。世の中で一番易しいこと→他人に忠告すること。一番楽しいこと→目的を達すること。我が身も知らず、ギリシャの心配ばかりして、自分のやりたいことだけをやっているような政治では、日本の明日は日も昇らなくなってしまうのかもしれませんね。
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