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鈍重な国家が取り残される中で、台頭していく存在がある
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2015-07-10 ダークネスDUA
中国の経済失速が急激に意識されるようになっている。中国政府は、全力で株式市場と不動産市場を支えようとしている。その努力は涙ぐましいものがある。
立て続けに金利を下げ、上海総合指数の半分以上の銘柄を売買禁止にして、そのあげく大株主や企業役員の持ち株売却を6ヶ月に渡って禁止にするという異常な措置を行っている。
これほどあからさまな市場介入はあり得ない。確かにこれによって短期的には株価は持ち直す。中国は世界中から何を言われても、株式市場を助け、中国企業を助けることに必死である。
何が何でも市場を救済しようと奮闘する。
今後、問題が起きれば、またもや中国政府は資金投入しなければならない。しかし、中国政府は必死になってそれをするはずだ。自国の「企業」を必死になって助ける。
ところで、これを逆に言えばどうなるのか。
「企業」は中国政府を手下のように使って、「自分たちを助けさせている」ということになる。国家よりも企業の方が、実は立場が上であるという姿が垣間見えるはずだ。
■すべてが混乱に至っているのが今の時代
2008年9月15日。グローバル経済がメルトダウンを起こし、危うく金融市場が崩壊しそうになった。「リーマン・ショック」である。ここから社会のルールが変わった。
巨大な銀行が破綻寸前にまで追い込まれて、欧米の政府は必死になって銀行の不良債権を買い支えた。その結果、政府に不良債権が転移してそれが膨らむだけ膨らんでいった。
そして、どうなっているのか。
国家が倒れる可能性が取り沙汰されているのである。アメリカも株式市場を見ていれば堅調のように見える。しかし、勘違いしてはいけない。
株式市場に上場されているのは、「アメリカの多国籍企業」であって、アメリカそのものではないのだ。
アメリカは州の寄せ集めでできている国だが、その州財政はどうなっているのか。アメリカでは今後10年のうちに、46の州が財政赤字に陥る可能性があると言われている。
50州あるうちの46州が累積赤字になるのだから、92%が困窮するということだ。アメリカの多国籍企業は順調でも、アメリカの国民が所属する州はボロボロなのである。
危機的なのは、ユーロも同じだ。
ギリシャ問題は2010年から解決されないまま延々と引きずられ、まだユーロを激震させている。ギリシャの返済期限が来るたびに、金を貸す側のユーロが追い詰められている。
弱小国家が、寄せ集めの国家を振り回している。
その影で、ユーロ圏の多国籍企業はそれぞれ空前の利益を上げていることはほとんど報じられていない。
■中東も、新興国も、ロシアも、みんな問題だらけ
国家の衰退は中東でも見られる。中東は2011年から民主化デモで大混乱に陥ったままだ。2014年からISISという狂気の暴力集団が生まれ、中東全域が危機に陥っている。
ムバラク大統領を崩壊させて一時的な高揚感に酔ったエジプトも、経済混乱が続いて国家運営がうまくいっていない。今後、経済的にはさらにひどい状況になっていく。
新興国のそれぞれの国家はどうなのか。
インドもインフラの整備や格差問題や汚職問題がまったく改善せず、モディ首相の豪腕を持ってしても、国家運営はうまくいっていない。
ブラジルはすっかり精彩を欠いており、世界経済から忘れかけている。アフリカはそれぞれの国で、相変わらず内戦と殺戮が繰り返されており、人口だけは増えているが、経済成長するに程遠い。
ロシアはウクライナ問題でアメリカと決定的な対立をしたまま西側諸国から追い出され、そこにエネルギー価格の下落も重なって、数年は経済回復が見込めない。
そのため、ロシアは生き残りの活路を中国に求めているが、その中国が経済崩壊を食い止めるのに必死な状態になっているわけで、ロシアの役に立つわけではない。
そもそもロシアは中国を最初から信用していない。中国の膨張主義は、ロシアをも脅かしているからだ。
このように世界を俯瞰して見ると、どこの国もその体制を維持するのに汲々としている状態であることが分かる。まるで申し合わせたように、全世界の国家運営が混迷を迎えているのである。
世界は明らかに「国家弱体」に向けて動き始めている。今後、その動きは先鋭化していくことになる。その影で、グローバル化した社会に徹底的に最適化された多国籍企業が国家以上に影響力を持つようになっている。
■世界の株式時価総額は、世界のGDPを超えた
もう誰もが理解しているが、グローバル化した社会では、国家よりも多国籍企業の方が上位に立つ。株式市場で多国籍企業が成長していく一方で、国家財政の赤字がどんどん膨らんでいる現象が同時進行している。
アメリカも、ユーロも、日本も、中国も、新興国も、みんな国家そのものが弱体化して、国内の優良な多国籍企業群が著しく成長しているのである。
2015年4月末、全世界の株式市場の時価総額は約9000兆円となって、世界の国内総生産(GDP)を上回るという事態になったと報道された。
これは、株式市場にひしめく多国籍企業が、国家を超えたという捉え方をしてもいい。
時価総額は増減するものなので、これは一時的な現象に過ぎないと考える人もいるかもしれない。しかし、いずれは株式市場の時価総額が恒常的に世界のGDPを超え続ける時代が来る。
国家はすでに「衰退業種」なのである。
時期がくれば、世界は今とはまったく違う異様な姿になっている可能性が高い。国家はますます力をなくして、想像以上に悲惨なものになっているはずだ。
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